ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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津波騒動

オリンピックに浮かれていたら、チリで大きな地震があった。未明の激震。15年前の阪神・淡路を思い出してしまう。ほんとうにやりきれない。翌日の朝刊を読みながら、チリの悲惨な写真と記事に気をとられ、《日本にも津波が到達》という記事は眼の端でスルーしてしまった。
そのまま、以前からの予定通り、タタと大阪へ。タタにとって大事なイベントがある日で、ミミはひとりと2匹で留守番。朝からバタバタと出かけたので、ミミのお昼を用意するヒマもなく、「てきとうに食べるから大丈夫だよー」と言うミミを置いて出かけた。

大阪駅から何度か乗り換え、目的地に着いて、会場に入るタタと別れる。すぐそばには橋本知事が府庁を移転すると息巻いていた話題のWTCビル。がらーんとした埋立地に立つ超高層建築だ。タタを待つ間、WTCの中に入ってぶらぶらと過ごした。
タタは携帯を持ってないので、私の携帯を貸し、用があれば私は公衆電話からタタに連絡することになっていた。うーん公衆電話。ないんだなあこれが。一階でやっとひとつだけ見つけ、「あとどのくらいで出てくるー?」とタタに電話。ついでにミミにも「無事かやー?」と電話。いつもどおり淡々としたミミ、お昼もいちおう食べたようだ。
さて会場から出てきたタタと無事落ち合った。いろいろ成果があったらしく、とっても充実した顔をしていた。このタタの趣味というか熱中してるものに関しては、私はどうもその全貌がよくわからないのだけど…。とにかく会場は至福の世界だったとか。よかったよかったと、ゆったりお昼を食べていると「そういえば、携帯におじいちゃんから何回か電話あったよ、出られなかったけど」とタタが言う。おや?何かあったんだろうか。急いで実家に電話してみる。
父、開口一番「今どこにいるんや」。大阪にいるよ、と答えるとほっとしたように「そうか。そんならええんや」。「…あ、ミミは留守番してるけど」と言うと、父の声がいきなり緊迫した。
「津波のニュース知ってるか? 最大で3メートル言うてるぞ! どのくらいで家に帰れるんや!?」
え、ええええー!? さんめーとるぅ!?

わが家は、海から5分もかからない平地にある。私の脳裏に、海岸から押し寄せた巨大津波が迫る家でチャチャとクーを抱いておびえているミミの姿がスパークした。
…いやいやいやいや。そんなはずないだろう。だって海ったって外海じゃない、瀬戸内海なんだから。せいぜい余波がぴちゃっとくるぐらいだろう、ぴちゃっと…。
お昼を食べたら、タタと天保山にある観覧車に乗ってから帰ろうと約束していた。世界最大だかアジア最大だかという大観覧車で、前から一度乗ってみたいねえと言っていたのだ。しかし、しかし。津波の予報が出てる海岸のそばにミミひとり置いて、のんきに観覧車には乗れないだろう。そう言うとタタも「そうだね。…帰ろっか」。
途中、店舗先のテレビで津波のニュースを見ると、北海道や東北ではもう到達し始めていて、数十センチ程度と言っている。でも、このあとがさらに警戒が必要とか。アナウンサーの顔もこわばって、なにやら全国的におおごとになっているようなのだ。
でも映し出された地図を見たらやっぱり瀬戸内沿岸は警報じゃなく注意報で、「やっぱりたいしたことなさそうやん…」と思いつつ、なんとなく落ち着かないまま急ぎ足になる。電車に乗る前に、休日で家にいそうな友だちに電話して聞いてみたら「神戸・明石は4時ごろ到達予定らしいよ」という。4時! 駅の時計を見ると2時半。急げば間に合う!

奇妙なあせりに取りつかれてようやく明石にたどりついたとき、時計は4時10分前を指していた。タタとふたり、改札の外に出てみたら、明石駅前はいつも通りのーんびりした雰囲気。「うーん」。この駅だってうちほどではないが海に近いのだから、なんか緊迫した事態なら少しは空気が変わっているはず。でも実にのどかないつもの駅前風景。
「黒船が来たときの江戸みたいになってる…はずないよねえ」と、『龍馬伝』を思い出しながらタタと家に向かって歩く。無事無事。どうやらこのあたりは無事そうだ。
気をもんでるはずの父をとりあえず安心させようと思って、歩きながら実家に電話。
「あーお父さん? 明石着いたけど、ぜんぜん平穏。だいじょうぶやわ」と言うと、父は重々しくひとこと、
「でもまだミミに会ってないんやな?」
…父、80歳。こういう心配のしかたは、私が子どもだったころとまったくおんなじだ。

家に着き、ごくごく平和な様子のミミが出迎えた。津波の話をしたら、
「へえー。」
とちょっとびっくりしたような、あんまりびっくりしないような。そのときはもう4時を回っていたが、テレビをつけてもこのあたりの話なんかまるで出ない。岩手で1メートル超えとかの話ばかり。やっぱり内海だもんなあ、来てもぴちゃっとだよな、ぴちゃっと。
もう一度、父に電話して、「ミミ、ちゃんといたよ。どうもないよ」と報告したら、初めて安心した声で父は
「そうか、そうか、はっはっ」
と笑った。
何ごとにもどーんと構えて落ち着いた父なのに、昔も今も、子や孫の心配を始めるといきなりこうなる人なのだ。
でも、やっぱり急いで帰って正解だった。ミミとチャチャとクーの顔を見て、なんだかほっとして、みんなで座ってお茶を飲んだ。

さいわい日本ではそれほど大きな被害はなく、この津波騒動が終わった翌日にはオリンピックがとうとう終幕。フィギュア女子についても書きたいことがたくさんあるのだけど、それはまた次の機会に。
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by higurashizoshi | 2010-03-02 18:27 | 雑感 | Comments(0)

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