ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

覚悟

6月のあそぼうかいは晴れて、またお抹茶を点てた。お茶をいただきながら、友人が「ここに来るとき思いついたんだけどね…」と話し出した。
福島の子どもたちに、あそぼうかいに来てもらう、という提案だった。

明石公園の中には宿泊施設があって、そこはこれまで「ふりー!すくーりんぐ」という関西一円のフリースクール等のネットワークの、一泊交流会の場所として何度も利用してきた。
「宿泊はそこにしてもらって、公園で一緒にあそんだり、近場に連れて行ったり…。短期間でも放射線量の少ないところに身を置いて、リフレッシュしてもらうのはどうかな」と友人。
ちょうどこの日は、姫路の奥のデモクラティックスクールの代表の方や、いつも学生さんたちを連れて来てくれるコーディネーターの方なども集まっていたので、しばらく話し合った。
「資金の調達と、福島側の窓口をどうするかが問題」
という話になった。学校単位でなく、希望者をつのり、子どもだけでも親と一緒でも参加できるようにする。夏休みはもう近すぎて無理かな?学校が休みの期間でないと、学校に行ってない子ども限定になってしまう。福島の知り合いのNPOが窓口になってくれるかもしれない。まずは先方をリサーチして、希望を聞かなければ…など、いろんな意見が出た。

友人の提案を聞いたとき、ひさしぶりに、「それだ!」と心がくっきりした。
とりあえず、何人か集まって再び話し合い、なんらかの形で実現できたらと思う。
福島の親たちが文科省へ意見を伝えに行った映像を見て、もし自分がこのお母さんたちの立場だったら、日々子どもが被曝していく現実に、いてもたってもいられないだろうと改めて思った。微力でも、ともかくできそうなことを探していく。それしかない。

そして今日は、神戸で小出裕章さんのお話を聴いてきた。
元町に新しくできた気鋭のミニシアター「元町映画館」で、上関原発に反対する祝島の人たちを描いた映画「祝の島」が上映されて、午後から近くのホールで監督の纐纈(はなふさ)あやさんと京大原子炉実験所の小出裕章さんの講演があったのだ。
今日はTHINK FUKUSHIMAのパレードも三宮~元町であり、かなりの人が来るだろう…と予想はしていたものの、映画館に着いたのは上映30分前だったのにものすごい行列。
結局、定員をはるかに超えるお客さんを詰め込んだにもかかわらず、私たちは入場できず。
これは午後の講演会も大変な人になると思って、映画をあきらめてすぐにホールに行って並んだ。こちらも最終的に、プロジェクターで講演を見せる別会場を作ったうえ、ホールも別会場も立ち見ぎっしりの超満員になった。全部で何百人くらいだったのだろう?
主催者の方が、去年小出さんを呼んで同じような講演会をやったときの参加者は4、50人で、あまりの変化に対応しきれなかったと謝っておられた。

纐纈監督のお話で印象に残ったこと。
実際に祝島に行くまでは、島をあげて原発反対運動をしている人々、という険しいイメージがあった。ところが行ってみるとじいちゃん、ばあちゃんはみんな人懐こく、すごく明るかった。
何人ものお年よりに話を聞いたが、みんなが一様に話してくれたことは、自分の親や祖父母、ご先祖さまなど、もうこの世にない命のこと。そして、これから島に生まれてくる命のことだった。命がずっと続いていく。だから原発という、生きる糧をくれる海を台無しにするものには絶対に反対するのだと。
これだけ反対運動が持続してきた理由のひとつは、ここが小さな島だということ。山にしたこと、海にしたこと、人間のしたすべてのことは、かならず自分に返ってくる。自分でなくても自分の子孫に返ってくる。その実感が強いのだと思う。
でも本当は地球も同じ。わたしたちはどこにも逃げられない。わたしたちが海や山にしたことは、かならずわたしたちに返ってくる。次の世代に返ってくる。監督は、やさしいけれどまっすぐな口調でそう話した。

小出裕章さんは、長年原子力の研究の現場に身を置きながら、反原発の立場をつらぬいて発言してきた方にふさわしく、おだやかだが気迫に満ちた人だった。
話されたことの中からいくつか。

○地震大国に50を越える原発を作ってしまったことの愚かさ。なぜそうなってしまったのか、日本の電力会社は何を隠してきたのか。大企業が原発を作り続けるために、次々と立地が計画されるという逆転。

○トータルで見れば膨大なコストがかかり、埋蔵不可能な放射性廃棄物=死の灰を生み出し続け、いったん大きな事故が起きれば世界中が汚染される。どこからどう考えても、原発というのは理不尽なシステム。それを作り、動かし続けていられるのは、現実から目をそらしているから。

○原発を止めるとたちまち電力不足になるというのは誤りで、原発を動かし続けるために休止させている多くの火力発電所を稼動させれば、実は十分電力はまかなえる。

○福島の事故で、チェルノブイリのとき強制移住の対象になった地域の基準を今回の現地に重ねると、厳密にいえば福島県全域がすっぽり入ってしまう。そのくらいの被曝を、今福島にいる人たちは現にしているということ。

○しかし、すべての大人には、原発を止められず、また原発の電気を使ってきたという責任がある。福島の経済を破綻させないためにも、大人は積極的に福島の野菜や魚を食べるべきだ。逆に、子どもには食べさせない方法を考えなければいけない。

小出さんは、「原発は廃絶しなければならない」とはっきりと言っておられた。自分の存在をかけてそれを目指している人の、鋭い気迫が伝わってきた。
今日の講演はユーストリームにアップされているので、ぜひ多くの人に見てもらいたい。

今日は、タタとミミも一緒に講演を聴いた。二人とも、「聴いてよかった。」と言っていた。
帰り道、私は子どもたちに話した。
「私は学生のとき原発について学んで、その仕組みも、危険性も、廃棄物の処理法がないことも知ってたのに、その後原発に反対する運動を続けるでもなく、ここまで生きてきた。
原発はずっと怖いと思ってた。いつか事故が起きたら大変なことになる、と思ってた。
でもそう思う間にもどんどん原発は作られていって、日本中がそれを認めていって、私もいつのまにか、あきらめたような気持ちになってた。そしていつのまにか、そんな大事故は起きずにすむんじゃないかと目をくらまされてた。
そして、こんな事故が起きてしまった。私は、自分には責任があると思う。だからもう逃げないでいようと思う。」

あの日から3ヵ月。小さいけれど、新しい覚悟が私の中に生まれた。
[PR]
by higurashizoshi | 2011-06-11 23:26 | 雑感 | Comments(0)

フォロー中のブログ

明石であそぼう! たこ焼...

最新のコメント

Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 23:49
こんばんは。お久しぶりで..
by Disney 鴨 at 20:03
bikegogoyさん ..
by higurashizoshi at 14:59
いやー、楽しかったです南..
by bikegogoy at 22:38
伝わってきます。なんてい..
by まにまに at 10:40
まにまにさん 読んでく..
by higurashizoshi at 22:45
先輩、すごい旅をしたんだね。
by まにまに at 18:27
おはようございます。 ..
by Disney 鴨 at 10:36
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 01:15
こんばんは。ひぐらし草子..
by Disney 鴨 at 20:22

検索

ファン

ブログジャンル

映画
ウィンタースポーツ

画像一覧