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ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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全米選手権2014

あああ、全米選手権の激闘が終わったと思ったら、もうヨーロッパ選手権が始まり、そしてヨーロッパ選手権までもあっという間に終わってしまったぁ~。
CS(JSPORT4)が全米もヨーロッパも生中継してくださるのは本当にうれしいんですが、昼は労働しつつの身としては、観るのに精いっぱいでブログを書く時間がとれない!

ともかく、かなり遅ればせながら全米選手権の結果について書いておきます。
全米は4位にも表彰台があるので、それぞれ4位まで。
まずは男子から。



全米選手権男子結果

1位 ジェレミー・アボット
2位 ジェイソン・ブラウン
3位 マックス・アーロン
4位 ジョシュア・ファリス

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2位から4位までは十代の選手。2位のジェイソン、4位のジョシュアはともにジュニアから昨シーズン上がってきたばかり。
今回のトピックは、まずはショートプログラムでアボットくん史上最高とも思える完璧な演技を見せたジェレミー・アボット選手が、フリーでミスはあったものの大崩れせず、逃げ切って全米チャンピオンに輝いたこと。
全米選手権2014_d0153627_22372286.png

とにかくメンタル弱い、メンタル弱いと言われ続けてきたアボットくん。
スケーティングは世界でも指折り、ジャンプも技術だけでいえば文句なくすばらしい。そして繊細な表現力。でも、試合でそれを発揮できることがあまりにも少ない選手。
今回のショートは本当に本当にパーフェクトでした。何かがとりついてるのか?と思うほど危なげのない自信に満ちたプログラム。もうスピンなんて神がかりの領域でしたもん。いや堪能させていただきました。
(神がかりショートの動画はこちら。ぜひご覧ください)

そして、得点が出るまでのこの表情。
隣の有香さん(佐藤有香コーチ)のクールっぷりがすてき。
全米選手権2014_d0153627_22453337.png

99.86というすごい得点が出ました! よかったねえ。有香さん、すでに母のよう。
全米選手権2014_d0153627_22455474.png

で、いつもならフリーでざざーっと崩れるところを、今回はふんばって1位を守り抜きました。
今季で引退を表明している彼にとって、これが最後の全米選手権。そしてみごとに選手生活最後のオリンピックへの切符を堂々とつかみました。おめでとう!



で、もうひとつのトピックは彼です。ジェイソン・ブラウン選手。
ジュニアのときから非常に気に入ってた選手ではあったのですが、今季19歳になって体つきがしっかり大人になり、ジャンプの安定性が半端ない。そして曲のリズムのひとつひとつを身体でとらえて滑る自在さ、柔軟性、とにかく見ていて気持ちがよく、わくわくする。
ショートの「クエスチョン・オブ・ユー」もすごくすてきなプログラムだけど、今季のフリー「リバーダンス」。これが鼻血もの!(感動的という意味です) 
全米選手権2014_d0153627_22495865.png
リバーダンスはよく使われる楽曲だけれど、たぶん私がこれまで観たリバーダンスを使ったプログラムで一番いいと思う。
今回の全米のフリーのときの観客の盛り上がっていくさまといったら、もはや《ジェイソン祭り》といってもいいくらいでした。
(今回のフリー演技の動画はこちら。観客だけじゃなくアメリカの実況さんも盛り上がりすぎ!)

でもって、演技後は相変わらずのこの超乙女っぷり!
これはほぼノーミスでショートの演技を終えたところ。
もうこたえられませんがな~
全米選手権2014_d0153627_2314330.png
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コーチとの仲良しっぷりはむしろ姉妹!?

で、特筆すべきはこのジェイソンくん、まだ4回転をプログラムに入れてないのです。
今は練習中という段階だそうで、なんといってもトリプルアクセルを安定して跳べるようになったのが昨シーズンという。
つまり、4回転のない選手が、全米選手権で2位になり、ソチ五輪に出場することになったのです。

思えばバンクーバー五輪では、4回転を回避したアメリカのライサチェック選手が金メダルを獲ったことを、銀メダルに終わったロシアのプルシェンコ選手が猛批判。
4回転を跳ばずして何が男子! きれいにまとめて得点取って金メダルかい! と…いやいやプルさまがそんな言い方したわけじゃありませんが、《跳べるのに回避してメダル》ということに対する批判はとても大きかったものです。
(このとき、ただただ感激して涙ぐんで同じ表彰台に上がっていたのが銅メダルの大ちゃんで、プルさまは《ダイスケは(4回転に)チャレンジした!》と評価していましたっけ。このとき大ちゃん4回転、こけたけどね)

で、今回のジェイソン・ブラウン選手の場合は、4回転を回避してるんじゃなく、《まだ跳べないから入れてない》というところが、この4回転至上主義の男子頂上界にあってかなり面白いわけです。
ジェイソンがこの高い演技構成点と比類なき安定ジャンプ(ただし4回転なし!)をひっさげて、ソチでどれくらいの戦いができるのか…本当に楽しみ。
これは、ひたすら4回転!4回転!とヒートアップし、4回転のためにさまざまなものを犠牲にしている(と私には思える)今の男子フィギュアの傾向を少し揺るがすことにもなるかも…とちょっと期待しております。



全米選手権女子結果

1位 グレイシー・ゴールド
2位 ポリーナ・エドモンズ
3位 長洲未来
4位 アシュリー・ワグナー

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かなり大番狂わせな結果になった全米女子。
不動の女王だったアシュリーがミスを連発して沈み、十代のグレイシーが一気に飛躍。
そしてまったくのダークホースだった15歳のポリーナ・エドモンズ選手が、なんと2位に入りました。今季ジュニアから上がってきたばかり、まだあどけない表情でスイスイポーンと高いジャンプを跳びまくる。無欲の勝利と申せましょう。
それと対照的なのが、3位に入った未来ちゃん。長い低迷、コーチの不在など、苦労を重ねてきた彼女が久々に全米の表彰台に戻ってきました。


グレイシー・ゴールド選手は、はっとするほど身体もシェイプしてきて、ソチに備えて(?)の新しいブルーの衣装(五輪の女子金メダルは歴代ブルー衣装というジンクスあり)。
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ショートプログラムを思い切って変更し、覚悟のほどをうかがわせる緊張感あふれる演技がいい方に転んで、フリーもあわせて見事な出来でした。高くて豪快な3回転×3回転だけでなく、滑り全体がずいぶん丁寧になった印象。
「うおっしゃー!」と、このガッツポーズが彼女のメンタルを表してます。グレイシー、すごい美女だけど中身はかなりのオトコマエ。
(今回のゴールド選手、全米を制する予感に満ちたショートの動画はこちら
全米選手権2014_d0153627_2365341.jpg


長洲未来選手は、すばらしい演技で3位に入ったのに、ソチ五輪代表には選ばれなかった。
このことにはアメリカ国内でもかなり批判があり、未来ちゃんが米スケート連盟に抗議するという噂まであったらしい。
ソチの代表に選ばれたのは、グレイシーは当然として、2位のエドモンズ選手と、4位になったアシュリー・ワグナー選手の3人。
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アシュリーはこの全米ではショート、フリーともに崩れて自分本来の演技がまったくできず、キスクラではこちらの胸がしめつけられるような絶望感をあらわにしていた。
おそらくこの時点では、彼女はソチには行けないと感じでいたと思う。
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そして一転、ソチの代表入りのニュース。
ん?こんな経緯、どっかで最近聞いたような…って、そうですよ。全日本のときの大ちゃんの「惨敗→絶望のキスクラ→一転してソチ代表入り」とそっくり!
つまり今回の未来ちゃんが小塚くんにあてはまるという…ううう。

アシュリーは確かに実績、世界ランク、どこから見ても確かにアメリカを代表して五輪に行く資格を持つ選手ではある。で、未来ちゃんがここまで上がってきて全米でメダルを獲ったのだから、ジュニア上がりでまだ何の実績もない15歳のエドモンズ選手ではなく、連盟は未来ちゃんを選ぶべきだったのでは?と思ったりする次第。
すばらしい才能と魅力をもった長洲未来選手が、これからも活躍してくれることを祈ってます。(長洲未来選手の今回のフリー動画はこちら
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全米選手権ペア結果

1位 マリッサ・キャステリ&サイモン・シュナピア
2位 フェリシア・ザン&ネイサン・バーソロメイ
3位 ケイディ・デニー&ジョン・コフリン
4位 アレクサ・シメカ&クリストファー・クニエリム

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キャステリ&シュナピア組は昨年に続いての優勝。2位のザン&バーソロメイ組、3位のデニー&コフリン組はともにこの数年でペアの組み替えが成功した例。全体に順当な結果となり、ソチ代表は上位2組が選ばれました。
(今回のキャステリ&シュナピア組のフリー動画はこちら



全米選手権アイスダンス結果

1位 メリル・デイビス&チャーリー・ホワイト
2位 マディソン・チョーク&エヴァン・ベイツ
3位 マイア・シブタニ&アレックス・シブタニ
4位 マディソン・ハベル&ザカリー・ドノヒュー

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ペア、アイスダンスはCS放映が今月末なので演技はまだ観てないのですが、下の2枚の写真を見るだけで1位のデイビス&ホワイト組(通称メリチャリ)がどれくらい凄かったか、すでにわかる気がする。
写真だけでここまでドラマチックってどうなの?
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世界歴代最高得点を自分たちで塗り替えながら、ばく進中の二人。私は前にも書いたように、メリチャリよりもテサスコ(カナダのヴァーチュー&モイア組)派なのだけど、このところのメリチャリは、特に今シーズンに入ってからの彼らは、確かにこれまで誰にも届かなかった地点へ向かっているように思える。
このままいけば、ソチ五輪で新しい伝説誕生、ということになるでしょう。たぶんその後長くどのカップルも到達できない高得点を出して、この二人が世界の頂点に立つ瞬間を私たちは見ることになる。
今の状況ではテサスコは彼らには勝てない。よほどありえないミスをメリチャリが五輪でおかさない限りは。そしてメリチャリはたぶん、ミスをしない。彼らはメンタルに左右されることなく戦える、とてつもなく強いアスリートだから。

すでに金メダルと銀メダルは決まったも同然の今回の五輪アイスダンスで、銅メダルにどのカップルが食いこむのかということも含め、ソチでの戦いが楽しみなような怖いような…。
(今回のデイビス&ホワイト組のフリー動画はこちら。私はCSで観るまで待つつもりなので未見ですが、CS観られない方はぜひご覧ください!たぶんすごい…はず)


もう一枚の写真、シブタニ&シブタニ組のフリー演技終了直後。
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両親が日本人のきょうだい、キュートなマイアと愛嬌たっぷりのアレックスの二人。アレックスの作る素人離れした動画はほんとに楽しくて、彼がフィギュアスケート界のムードメイカーなんだなあということが伝わってくる。(たとえばこれ。真央さんはじめ、オールスター出演の爆笑ショートムービーです。ここをクリックしてください)
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ジュニア時代から天才カップルのほまれ高かったシブタニズも、シニアに上がって2年目あたりからやや伸び悩み、今シーズンのフリーも「彼らがマイケル・ジャクソンメドレー?」とちょっと違和感をおぼえていたけれど、たぶん今回の全米は本当に会心の演技ができたんだと思う。CS放映で観るのが楽しみです。



というわけで、ざざーっと全米を振り返ったわけですが…
昨日終わったヨーロッパ選手権、書けるのは何日先になることやら。とか言いながら夜更かししてまた書くんだろうけど。

この間にもいろんなことがプライベートでもあったのですが、このところとにかくフィギュアのことを書くのが精一杯…
また余裕ができたらほかのことも書こうと思っております。
by higurashizoshi | 2014-01-19 23:42 | フィギュアスケート

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