ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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ソチ五輪女子フリー

女子フリーの戦いが終わって丸一日。
ちょっと落ち着いて振り返れるようになってきた感じです。



メダリストたち。
激闘を勝ち抜いてここに上がった3人のスケーターの、晴れやかな笑顔。
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男子フリーが上位選手の大きなミスが目立ったのと真逆で、女子フリーは皆が崩れず非常にミスの少ない、まさに真正面から力を尽くした戦いとなりました。
思い返しても、ドイツのバインツィール選手が大崩れして涙に暮れた以外、ほとんどの選手が演技後のキスクラで充実した笑顔だった気がする。こんな五輪も珍しいのではないかな。







金メダル、ロシアのアデリナ・ソトニコワ選手。
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逆転の金。確かに、彼女の持つ潜在能力のすべてがいい形に出た、渾身の演技でした。
コンビネーションの最後のダブルの着氷が乱れた以外はノーミス。伸び悩んでいた時期がウソのような、ばらばらになっていたピースがぴたりとここではまったような会心の出来。
この最後の大舞台でこれだけ完成され、しかもエネルギッシュな滑りができたことが、一番になれた要因でしょう。

ただし、このフリーが、得点149.95というのは…
点数が出た瞬間、テレビの前でタタとミミと3人ともギャー!と叫び、異口同音に出た言葉が「いくらなんでも出しすぎでしょ!?」
ちなみに女子フリーの世界歴代最高得点はキム・ヨナ選手がバンクーバー五輪で出した150.06。あの演技はまざまざと憶えてますが、この世のものとも思えぬあの完成度と今回のアデリナの演技が0.11点しか違わないとは…

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私、どこの国の選手だからどう、とはまったく考えないタイプなんですが、やっぱり採点競技の宿命というか、ロシアで開催された五輪であるからこそここまでの得点になったのだろうと思わざるを得ないです。
アデリナの演技はすばらしかったし、心からおめでとうと言いたいです。ここに照準を合わせられてこその金メダル、立派です。メダルの色に文句を言う気はない、ただしこれほどの高得点には納得はできないというのが率直な感想。








銀メダル、韓国のキム・ヨナ選手。
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リンクを支配する女王の風格でした。
プログラムは、五輪で金を狙うにはシンプルな構成すぎたかもしれない。実戦を積んでない分、トランジションなどあまり細かく入れるほどの余裕はなかったのでしょう。
でも、ジャンプはすべて完璧に決め、キム・ヨナにしか作りだせない世界を氷の上に描いていくさまはやはり圧巻のひとこと。アルゼンチンタンゴの濃密さを出し切るところまではいかなかったけれど、優雅で力強い、女王の最後の舞でした。

最終滑走で大変な緊張があっただろう中、ノーミスで滑り切って、そして得点が出て金メダルを逃したと知ったあとの、何か憑きものが落ちたようなほっとした笑顔が忘れられない。
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長い間、韓国のスケート界を彼女ひとりで牽引するのは本当に大変なことだったことでしょう。このフリー後、キム・ヨナ選手は引退を発表しました。
彼女もまた、あとにも先にも出てこないであろう偉大な選手。心からお疲れさま、ありがとうと言いたいです。








銅メダル、イタリアのカロリーナ・コストナー選手。
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カロリーナ、ついにやりました!
トリノ、バンクーバーの悪夢を払拭、最後の最後にメダルを手にしました。
ショートのときにも書いたのですが、団体戦のときもこの個人戦でも、カロリーナはずっとほほえんでいました。演技の前→演技中→演技後→キスクラ→表彰式、全部ほほえみ。しかもなんと、演技中にジャンプを跳ぶときも、スピンをするときも、全部ほほえみ。
私はこれを《ほほえみ教》と名づけました。心優しくメンタルがタフとはいえなかったカロリーナは、この《ほほえみ教》によって現世の欲やしがらみを超えた天上の世界でのびのびと滑ることができるようになったのです。
いやもう、そう思うしかないくらい、彼女は変貌していました。五輪なのに、戦っていることを忘れさせてくれたのはカロリーナただひとりです。

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彼女も今季で引退。今後この偉大なる《ほほえみ教》を継承する選手を求む!








4位、アメリカのグレイシー・ゴールド選手。
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きっちりと、ショートもフリーも4位につけて終わりました。
次のトップの座を確実に、そして虎視眈々と狙っておりますよグレイシー。
技術はしっかり、メンタルも強く、キャラクターも華やか、何でもそろっている彼女ですが、演技全体に起伏がなく、強さでどんどん押していくだけ、というところが課題かな。
まだまだこれからの選手なので、内面の成長とともに演技の深みを見せてくれるのを楽しみにしています。







5位、ロシアのユリア・リプニツカヤ選手。
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あまりにも前評判が高く、その重圧がきつかったのでしょうかね。
団体戦は得点を稼ぐべくショートにもフリーにも出場。そこでは完璧だったのが、この個人戦にきてショートでもフリーでもまさかのミス。ロシア、ロシアの大合唱はあっという間にソトニコワ選手にかっさらわれる形となりました。
鉄壁に見えても、まだたった15歳の少女には過酷な試練だったのだなあ…
この五輪後は体形も変化してくるし、ジャンプも今のようには跳べなくなるでしょう。代名詞になっているキャンドルスピンもいずれできなくなるだろうし、ますます試練は待っている。
才能の塊であるリプちゃんが今後あまり苦しまず、さらにすばらしい選手に育っていくのを祈りたいです。ロシアのメディアも見守ってあげてほしいなあ。








6位、日本の浅田真央選手。
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昨日書いた通りです。
彼女の起こした奇跡を私たちは見ました。
最悪の結果から、最高の演技へ。たった一晩でこの変化を遂げさせたものは何なのだろう。
8トリプル=トリプルアクセルを含む6種類すべてのトリプルジャンプをひとつのプログラムの中で成功させ、計8つのトリプルを完璧に跳ぶ、という挑戦が彼女を動かしたことは事実でしょう。
あのショートを終えて、たった一日後。ただならない不安も、恐怖心もあったでしょう。それらを超えさせたのは浅田真央という選手の、いわば職人魂ともいうべきものだったのではないか? と、あのフリーの演技を何度か観なおしながら、私はふと思いました。

たとえば、金メダルを獲ったアデリナの演技と比べると、アデリナが野生の花がたくましく咲き乱れる庭だとしたら、真央さんの演技はまるで隅々まで最高に手入れの行き届いた日本庭園のようです。
どこまでも完璧に、どこまでも最高の質をもとめて追及をやめない誇り高い職人。彼女をそんなふうに感じたことはなかったのですが、ここで、この場で絶対に自分の目指すことをやり抜くんだという、その強い希求力があのフリーを支えていたのではと私は感じたのでした。

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メダルを獲れなかったという結果だけで、今後いろいろな声が彼女に降りかかるかもしれないけれど、このどん底からの五輪フリー演技の4分間は、必ずこれからの彼女の人生を支えていくだろうと思う。







7位、アメリカのアシュリー・ワグナー選手。
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やっぱり強かったアシュリー。女子ドヤ顔部門代表としても、風格の演技を貫きました。
全米で崩れた悪い記憶を、この五輪ではショートとフリーをそろえて払拭しましたね。
本人が思ったほど点数が伸びなかったのは、ジャンプの回転不足がけっこうとられてしまったから。今後はまた修正をしつつ、ますます強いアメリカの女王として君臨してほしい。








8位、日本の鈴木明子選手。
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あっこちゃんの五輪が終わりました。
足指のケガの悪化。大ちゃんと同じで「どうしてこんなときに」というタイミングで、最後のオリンピックはいつも通りの演技ができない、苦しいものとなりましたね。
でもこのフリーは、ショートよりもさらに、あっこちゃんらしい演技を最後まで見せてくれた。笑顔で、終わりまで笑顔でと自分で決めていたとおりに。
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観る人の心を揺るがせ、幸福にし、ときには涙させるあっこちゃんのスケートを、来季はもっと自由な形で観られるのを楽しみにしています。
二度目の五輪も8位。でも、前回とはまたちがう重みの詰まった、誇れる入賞でした。おめでとう。







日本の村上佳菜子選手、12位でした。
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ショート15位から順位を上げました。緊張は続いていたかもしれないけど、しっかりと冷静なところも見えたフリー。
佳菜子ちゃん、実はしばらく前に、五輪シーズンが終わったら引退するかもとチラリと言っていたんですよね。普通の大学生の生活がしたい…というような。
でもこの五輪はきっと、自分本来の力が出し切れずに悔しかったはず。その力は、もっともっとすばらしいスケーターになれる力でもある。
来季からはいきなり佳菜子ちゃんが日本のエース…たぶん。次の五輪を目指して成長していってくれたらうれしいです。
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フタを開ければやはり、女子は強し。
女子フリー、美しく、強い戦いでした。
紹介できなかった、たくさんの国の選手がいますが、またの機会に。



今夜はこれから、ソチ五輪エキシビションです。上位選手たちに加え、大ちゃん、まっちー、そして真央さんも招待枠で選ばれて出場します。

大ちゃんのプログラムは、おなじみの宮本賢二さん振り付けのピアソラとのこと。
ミヤケンさんがラストシーズン用に振りつけてくれた「Time to Say Goodbye」はいつやるの? 観るのが怖いと思っていたけど、観られずにこの最後の(ですよね?大ちゃん)シーズンが過ぎてほしくはないなあ。

明け方まで生中継を凝視しつづけるのも、今夜のエキシビションが最後。
ああ、遠いと思っていたソチが終わっていく。
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by higurashizoshi | 2014-02-23 00:44 | フィギュアスケート | Comments(0)

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