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ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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湯たんぽさん

最近フィギュアの話ばかり書いていたけれど、「ひぐらしだより」は別段フィギュアスケートについて書くブログではないのです。と自分で再確認したくなるくらい、このところ映画のレビューもとんと書かず、読んだ本とか行った展覧会とか、ぜんぜん書いてないんだよねえ。そのくらい、特に今シーズンはフィギュアに耽溺してきたということなんでしょう。

というわけで気を取り直して、ちょっとした身辺雑記を。


昨年末、思い立って湯たんぽを購入したわが家。エコエコ♪とよろこんで早速使いはじめて数日後の朝のこと。

布団に起き上がり、何げなく左足をさわった。すると「べちゃっ」。
ん?べちゃ? なんだこの感触?
と思って左足の向こうずねあたりを布団から引き抜き、よく見ると…

「ぎょええええ、なんだこのホラー映像はっ!」

ごく小さな範囲なのですが、向こうずねの一部分が完全にただれているというか、異質な世界のものになっているではないか。血も出てるし。
しかも、痛い。
これは、何…?

便利な世の中ですね。
リビングへと駆け下り、パソコンを立ち上げ、しばし検索。
何が起きたかということは、すぐさまインターネット世界が教えてくださいました。
「湯たんぽによる低温やけど」。
これでした。

そして、「軽く見るなよ低温やけど、すぐ皮膚科へ行かんと後悔するぞ」という激しいメッセージを目にして、なかなか医者に行かない私がその日のうちに受診。
「いや~、みごとな低温やけどですね~」
と若いドクターのお墨付きをいただき。
「湯たんぽによる低温やけどは、治りにくいんですよ~」
明るくドクター続けて、
「つまりね、遠赤外線であぶり焼きされてる肉? ああいう感じで時間をかけてじっくりと焼かれてるわけですよ。相当奥まで深くやられてる場合も表面から見ただけだとわからないんですよね~」
なるほど、なるほど。《あぶり焼き工房》とかいう文字が頭に浮かびながら説明を聞く私。
うん、それはなあ。治るのもすぐというわけにはいかんわなあ。

「で、どのくらいかかりそうですかね?」と聞くと、
「うーん、二週間くらい、ですかね~」との答。
うっわー、そんなかかるのかあ。めんどくさいなあ。でもちゃんと治さないとな。


というわけで受診後は、ドクターのおおせの通りに毎日消毒をし、細菌をやっつける薬をせっせと塗って滅菌ガーゼを交換し…

あれからすでに2か月以上。



「治ってねぇ!」



あのあと、ホラーなただれが治ってきたと思って、甘くみたのがいけなかったのかな。ちょっと消毒もおこたり気味だった…かな?
と思う間もなく、次は来ました壊死。ただれの傷が治ってきたわいと思ってきたところが、今度は別のいやな色に変わり、
「おう…私の身体の一部が壊死…」
毎日痛いし、消毒のときに見ると相当興味深く、生きている私の身体の一部が死んで行ってる不思議を実感。

ソチ五輪中は自分のちっぽけな壊死のことなんてどこかにふっとんでたものの、一応(すでにルーティンワーク)日々の消毒は続けてました。
しかし、まったく治らない。
どんどん悪化するわけでもないけど、治るわけでもないという。

はい、今日も皮膚科に行ってきました。初診から2か月と11日後のことです。
ドクターは、
「うーん、湯たんぽによる低温やけどは、治りにくいんですよね~」。
そう言いながら、私の壊死部分をピンセットでぐいぐいとつまんで掘り返していきました。

だーっ! 

「あー奥まで行っても血が出ないってことは~、まだここは新しい皮膚が出来るとこまでいってないですね~」
うーんと考え込むドクター。
「でも、ほら!この周りの皮膚はピンク色になってきて!治ってきてるということですよ」
と希望もにじませてくれる。
「悪化しているという兆候は、ないです!」
と力強いお言葉。

結局、これまで通りの消毒をして、これまで通りの薬を塗ってガーゼでふさぐ…ということを繰り返し、治るのを待つしかないということで。
診察室を去り際に、
「治るまでどのくらいですか?」
と2か月と11日前と同じ質問をしてみると、あのとき「2週間ぐらいかな~」という答だったのが、今回は壮大な答が返ってきた。
「いや~僕が診た湯たんぽの低温やけどの患者さんで、半年以上かかった方がいましたね~。しかも高校生」
あー。そうなんだ。しかも高校生。ふふふん。
となると私の場合もっと壮大かもしらんな。と思いつつ家路についたのでした。


ちなみに今も毎晩その湯たんぽを使っている私。
友だちに話すと「信じられない!」って言われたけど、あのときはカバーの口ひもをしっかり締めてなかったからで、湯たんぽは悪くないの。この子を悪く言わないであげて!
って非行に走ったわが子を後ろ手にかばう母みたくなるのは、湯たんぽ生活は思った以上に快適で気分的にもよろしいので。
毎冬、納得いかない気分で電気毛布やホットカーペットを使っていたモヤモヤ感から解放されてとても爽快なのだ。
というわけで、そのうちきっと治るよね。と思いながら、壊死をかかえた足を湯たんぽに乗せて、今夜も眠りにつくのです。人生はこんなふうに、愚かと温かさがいりまじったものなのだ、とか思いながら。






    僕たちね、湯たんぽなくても温かいの。
湯たんぽさん_d0153627_23382876.png

by higurashizoshi | 2014-03-07 23:43 | 雑感

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