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ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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臨スポ目標達成御礼フェスティバル&関大衣裳展(その2)

さて、あっこちゃんがリンクを去っていくと同時に客席はもはや騒然。
それまでおとなしかった会場のあちこちから「大ちゃんー!」「大ちゃああーん!」という抑えがたい叫びがわき起こる。

衣装はシンプルな白シャツに黒のパンツ、ほどけたボウタイというわりと意外なスタイル。
髪がいろんな色でくしゃくしゃ(いや、お洒落なんだろうけど、すいませんねこんな表現で)。アゴひげ。オフやなー!っていう感じです。
身体は、今回ショーへの復帰に向けてだいぶ絞ったと思うけど、大ちゃん太ったり痩せたりの差が激しいので。競技でキリッキリに絞りまくってたときにくらべると、「ほわっ」っていう感じでした。でもそれがなんか、ほっとした。

新プロ披露だって言われてたけど、ほんとにそうなの?と思っていたけど、衣装を見たらほんとに新プロなんだな、と思って、にわかにめっちゃ緊張してきて。
会場のファンもみんな固唾をのんでるのが伝わってきて。
それはきっと、さあ新プロ、っていう期待よりもむしろ、震えがくるような怖さと不安も胸にためた、真空のような瞬間で。
臨スポ目標達成御礼フェスティバル&関大衣裳展(その2)_d0153627_1312354.png

大ちゃんがポーズを取り、音楽が鳴りだした瞬間は、「え?」「え?」だった。
ロミジュリ?
ゆづのロミジュリ? なんでまた?

昨々シーズン、結弦くんがニースのワールドで旋風を巻き起こしたシーズンのフリー「ロミオとジュリエット」。レオナルド・ディカプリオ主演の映画のサントラを使用したプログラム。その演技中盤に使われていた曲だった。ボーカル入りなので印象はだいぶ違うけど、まぎれもなくその曲。
数ある音楽の中で、なぜよりによって、結弦くんの印象がここまで強いこの曲を?

あとになって知ったところでは、この曲は「Kissing you」といって中庭健介さんが現役時代にエキシビションで使っていて、大ちゃんはその中庭さんのプログラムも、この曲自体もとても好きだったそうだ。
それで、自分の好きな曲で、スローだし、ということで選んだんだとか。
ふはー。おどろいた。意外に、誰が使った曲とかいうことでこだわりはないのかな? 驚愕してドタバタするのはファンだけなのかな?…
(参考までに、中庭健介さんの「Kissing you」動画はこちら。曲は今回の大ちゃんと同じもの。中庭さんもとても情感あるすてきなスケーターでしたね)

と、曲の話はここまで。
大ちゃんのスケートは、やっぱりひさびさの演技で、決してキレてはいなかった。ジャンプも少しミスがあったし(跳んだだけでもう十分と言いたいくらいだったけど、本人はそんなのじゃプライドが許さないだろう)、ステップでも一度エッジが突っかかってよろめいた。
たぶん、本人が「このくらいはやりたい」と思っていたことにくらべたら、まったく十分な出来ではなかったと思う。
けれど、高橋大輔にしか出せないあの空気、会場の支配感はやっぱり圧倒的だった。
きっと、その空気にのまれる幸福感を、また再びそれを味わえる幸運を、ファンは誰もがあのときかみしめていたと思う。
臨スポ目標達成御礼フェスティバル&関大衣裳展(その2)_d0153627_1324152.png

最初、私はどうしても結弦くんのロミジュリが頭を支配していたので、つい比較してしまったのだけど(なんとも濃厚でオトナな恋の苦悩!)、じきにそのことは忘れて、大ちゃんの表現する世界に没頭することができた。
彼は物語を演じるタイプの表現者ではないので、きっとこの曲に関しても、ただ音を感じるままに表現しているのだろう。一見してミヤケンさん!とわかる振り付け、まだこなれてはいないけれど、宮本賢二さんが今の大ちゃんのどんな面をうまくすくい取ろうとして振り付けたのかが伝わってきた。
これまでにないような、少しけだるく、熱量と憂いを同時に秘めたような演技。ジャンプに頼ることなく、滑りと身体の動線だけで描いていく、もしかしたらこの延長線上にこれからの高橋大輔のスケートがあるのかもしれないとふと思った。

まだ現役に戻りたい気持ちを持っているのは、インタビューからも見て取れる。
ファンだって、もしそれがかなうなら、また熱狂して迎えるだろう。
でも、加速度的に4回転至上主義へとさらに向かっていく男子フィギュア競技を思うと、痛めた右ひざをかかえ、その過酷な世界にふたたび戻って身を削ることが、この人のやるべきことなんだろうか。
高橋大輔には、もっとほかの使命がすでに示されているのじゃないだろうか。
――この日の演技を観て、初めてそう思った。そう思ったことに、自分でびっくりし、怖くなった。
大ちゃんがあのソチの演技を最後にして現役をしりぞくことが、やっぱりつらいし、耐えがたく悲しいから。それはやっぱり、そうなのだ。

そんなことを思ってちょっとボーゼンとしているうちに、アンコール。
「Eye」をやってくれました。ファンへのサービスをありがとう! かつてのキレキレすぎるほどの「Eye」にくらべると、やっぱりかなり「ほわっ」としてたけど、それはそれで今の「Eye」。本人は、終わったあとの息切れにガク然としてたかもですが、それはね、それで。
ともかく、大ちゃんのとりあえずのリスタートをこの眼で見ることができて本当に本当に、よかった。最後はそれだけでした。

臨スポ目標達成御礼フェスティバル&関大衣裳展(その2)_d0153627_1332478.png

フィナーレは、臨スポ練習生が総出演の演技と、出演者や代表者のあいさつ。
大ちゃんの、色香演技とは別人のカミカミスピーチも健在でうれしかった!
フィナーレ前後のわやわや感の中で、何をどうしたらいいのかわからない大ちゃんに、素早くそして優しく指示を出してあげる、あっこちゃんのお姉さんぶりが微笑ましかったです。
ずっとにこにこしてる佳菜子ちゃん、あくまでも静かな佇まいのまっちー、リンクに立つそれぞれの個性もおもしろかった。
この貴重なリンクが存続することの大切さをかみしめながら、最後も精一杯の拍手を送りました。
臨スポ目標達成御礼フェスティバル&関大衣裳展(その2)_d0153627_1335898.png


さて、このフェスティバル終了後は関西大学で開催中のフィギュア衣裳展に行ったのですが、その話は次回に。なかなか一気には書けませんなあ。もう少しおつきあいくださいね。

大ちゃんはといえば、この出演のあとすぐにカザフスタンへ。
デニス・テン選手のショーに出るため、真央さんやランビエールなどトップスケーターとすでにリハーサル中のニュースが入ってきてます。
おお、臨スポからすぐカザフに飛んだファンもいるはずですよね…。「デニス・テン&フレンズ」、どこかで放映してくれないかなあ。
by higurashizoshi | 2014-05-29 01:49 | フィギュアスケート

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