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ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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スペインへの旅 2 マドリード到着までのあれこれ

今回、往復にフィンエアー(フィンランド航空)を選んだ理由としては、ヘルシンキ・ヴァンター空港が規模が小さく乗り継ぎがラクだという評判と、パリやフランクフルトなど他の空港にくらべて、乗り継ぎまでの日本からの滞空時間が一番短いこと。そしてそれに加えて、従来行ってみたい国のひとつだったフィンランドに、ちょっとだけ触れるチャンスができるというのもあった。

事前にフィンエアーのサイトで動画をしっかり見て、ヴァンター空港の乗り継ぎ方法を予習しておいたのだけれど、降り立ってみるとまずどっちへ行けば?とサッパリわからない。
するとフィンエアーの職員なのか、日本人らしき男性が折よく立っていらして、「乗り継ぎはこちらですよ」と親切に教えてくれた。ラッキー! 日本語の恩恵に浴したのは、ただしここまで。
スペインへの旅 2 マドリード到着までのあれこれ_d0153627_12163.png

ここでスペインへの入国審査も済ませてしまうシステムらしく、手荷物、上着、携帯、カメラ、ベルト、といろいろ身体から引っぺがしてカゴに載せて通り、あとはパスポートを見せて、なんちゃらかんちゃら?と英語で聞かれて、よくわからないので「ヤーヤー」と言ったら窓口のお兄ちゃんに怪訝な顔をされてしまった。
あーそうか、旅行期間を聞いているのであるな。「イレブンデイズ」と言ったら、はいよろしとパスポートを返された。

ヴァンター空港は評判通りこぢんまりとして、白を基調とした清潔感あるきれいな空港だった。カフェやマリメッコの服を売る店、お客さんでいっぱいのムーミンショップ、ちょっと立ち止まって見たりしたけど、まずは乗り継ぎ便のゲートを発見しておかねばならぬ。早々に店を出て歩く歩く。
スペインへの旅 2 マドリード到着までのあれこれ_d0153627_125665.png

そうか、大きな空港と違って、構内をバスや電車で移動しない分、てくてく歩いていけなければならないのだね。と思って見たら、げげ、目当ての52番ゲートまであと「15min.」という表示が! こっから15分も歩くってマジですか? 意外にゲートへの集合時間まで余裕がないではないか。

で、まあ無事に52番ゲートに到着し、さて。
スペインへの旅 2 マドリード到着までのあれこれ_d0153627_142651.png

乗り継ぎのフィンエアーの出発予定に遅れがないことも確認し、ひと安心して、次なる課題は食料問題。

すでにフィンランドの時間は日本を出たときと6時間の差がある。朝10時45分に関空を飛び立って、手元の時計はすでに夜だけど、フィンランド時間はまだ午後3時台。地球をぐるっとしたんだねえ。と実感する。
さてこのあとのマドリードまでの乗り継ぎ便で出る(はずの)機内食は私たちにとって夕食か朝食か?
マドリードに到着するのは、予定では向こうの夜8時20分だけど、私たちの身体的には、それはすでに午前2時過ぎ。空港から宿に到着したらまあ、明け方である。
とりあえず、何がどうなるかわからないので食べものを確保しておこう…ということになり、ゲート近くのカフェや売店などを物色するものの、テイクアウトしてちゃっちゃと食べられそうなものが見当たらない。(偉大なり、日本のコンビニ、と早くも思う)

ようやくサンドイッチ類を見つけたものの、ひとつ7€(ユーロ)くらいするものばかり。500mlペットボトルの飲み物も、みんな日本の倍以上の値段。うーむ、フィンランドの物価はけっこう高いのだな。それともこれは空港内の特別価格か。
3人分でサンドイッチに3千円近くも出すなんてありえん、などと躊躇してしまい、生ものを持ち歩く見通しも立たないこともあって、結局買ったのは小さなボテトチップスひと袋。これでも日本円で500円くらいして仰天、ともかくそれを買ったのが初めてのユーロでの買い物となった。ちなみにカフェのお姉さんの言語は英語。

英語といえば私の英語はほんとにひどいもので、旅にあたって少しは英会話を…なんて思いつつまったく余裕なく、「これ一冊で大丈夫」みたいな旅の基本英会話の本を500円ポッキリで買っただけで、ほぼ放置。付属のCDも車で流し聴きしていたら異様な眠気におそわれて身の危険を感じ、一度でやめた。
そんなわけだから、いざ外国の方を前にして英語で何か言おうとしてもまったく何にも出てこない。この、ポテチを買うときにフィンランド人(であろう)お姉さんを前にして完全に口が錆びついている自分を痛感して、「いったいこれからどうなるんだろう」と相当不安になった。

スペインでは英語は通じない、とさんざん聞いていたので「英語の準備はそんないらんだろう」とうそぶいていた、にしては肝心のスペイン語だって、
「こんにちは、さようなら、ありがとう」

「トイレどこ」
しか言えないまんま出発の日を迎えてしまったのである。
私はいったい何語をしゃべって、どうやってこの旅を乗り切っていくつもりなのか?

今さらながらガク然としているうちに、乗り継ぎ便の搭乗時間が来た。
ヘルシンキ→マドリードは、わりとちっちゃい飛行機である。移動時間はだいたい4時間くらい。これは、ほんとうにあっという間だった。いよいよスペインに着くぞ、という気持ちがあったのでそう感じたのかもしれない。
今、フランス上空なんだね、などと言いながら到着後の予定を見直したりゴソゴソしていたら夕食だか夜食だか朝食だか判然としない機内食が出た。
スペインへの旅 2 マドリード到着までのあれこれ_d0153627_15469.png

冷製のチキンの下にナゾめいた味の冷たいパスタ(っていうか蕎麦?)が大量に仕込まれた不思議な食べものであった。(ちなみに奥に写っているのが、高かったポテチです)

機内食に前後して大変可愛い赤ん坊も来た。
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退屈しのぎにお母さんが抱っこして回っていたらしく、機内のアイドルとなっていた。ちいさい子どもって、なんでどんな場所でもこんなに人を笑顔にするんだろう。ふにゃふにゃ。

そろそろスペインの上空に入ったぞ、というころにアナウンスがあった。
英語とフィンランド語とスペイン語、もちろんあとの二つはサッパリわからないが、英語も結局わからんぞ! 必死で聴いているとどうやら天候のせいか何かで到着時間が遅れるらしい。30分くらい?たぶんそのくらい?
マドリードの空港到着後だけ、ホテルまでの車の送迎を予約しているので(夜到着だからその方がいいと勧められた)、あまり飛行機の到着が遅れては困る。

送迎のドライバーは1時間までの遅れなら待機することになっている。それ以上遅れると帰ってしまう可能性があって、そうなると自分でタクシーをつかまえてホテルまで行かなければならないだけでなく、すでに予約したとき支払っている高い送迎車代がムダになるかもしれない。それはイカン!

結局、およそ30分遅れでマドリード・バラハス空港に到着。
「おお、これがマドリードの灯か」
と感動する間もなく、とにかくあたりは真っ暗なので周囲の様子もわからず、とりあえず空港内に。
なかなか大きな空港だなあ。ていうか、えらくガラーンとして、ほとんど人がいないよ。

すでに入国審査は終わっているので別にやることもないらしく、スーツケースを受けとるために巨大なベルトコンベアーの周囲に乗客がかたまって、自分の荷物が吐き出されてくるのを無言で待つ。
待つ。
待つ…

「ぜんぜん出てこん!」

最初にかたまってスーツケースの群れが出てきて、いそいそと持ち主たちが抱え下ろして立ち去ったものの、そのあとはたまーにぽつり、ぽつりと荷物が出てくるだけで、私たち以外にも手持無沙汰で待ち続ける人がたくさん溜まっている。

そもそも、職員らしき人の姿が皆無。何の案内もなし。どうなってんの?と思って時計を見ると、やばい!じきに到着予定時間から一時間のリミットがきちゃうじゃないか。送迎ドライバーが帰っちゃったら大ごとだ!と気があせる。
そのうち、ベルトコンベアーの周りにいた乗客の一部が、なぜかゆるゆると別方向に移動を始め、空港内のはるか離れた場所へ向かい出した。

どこにいくんだ、きみたち! そこにぼくたちの、にもつがあるのかい!

と心で叫ぶものの、誰にどう聞いたらいいのかあてもなく、思い切ってそちらへ向かってみることにした。
そうしたら、あにはからんや、えらく人がわんさと集まった活気にみちたベルトコンベアーが別の一角に存在し、間もなく私たちのスーツケースも無事に吐き出されてきたではありませんか!(いったいどういうシステムだったのか、結局はよくわからない)
あー、よかった。ぎりぎり間に合ったよ。時計を見上げて急ぐ。

出口を見つけて早足で行くと、エスカレーター前にスーツ姿のおじさんが数人立って、手に手にボードを持っている。
めっけ! 私の名前が英語で書いてあり、そこに「×3」て書いてある。わはは、私が3人いるみたい、なんて思いつつも、そのおじさんに声をかける。
「おお、来たか来たか」
という感じで微笑み、きびきびと空港の外へ先導するおじさん。

行き先のホテルの名前を確認したあと、ずんずん駐車場へ入っていくので、急いであとをついていく。うす暗い駐車場にずらりと並んだ車はなぜかベンツ、ベンツ、ベンツ大行進。で、おじさんの車もやっぱりベンツだった。おお、乗ったことない高級車にこんなところで。

予約時は《現地語ドライバー》ということだったのだけど、このおじさんは幸い少し英語がわかる人で、車を出すとさっそくいろいろ話しかけてくれた。
「スペイン、ファーストタイム?」
「ヤーヤー」
「マドリード、セイフティ。ベリー、セイフティ」
「オウ(ほんまかいな)」
「メニメニピープル、ウォーキングインストリート、インザナイト。ポリスサーチ、ノーファイティング」
「アイシー」
「ビコーズ、セイフティ。ベリー、セイフティ」
と、おじさんはしきりにマドリード市街は近頃は安全である、と強調。その間も、ものすごいスピードでベンツを飛ばしていく。
そして、
「ソーリー、アイドンスピークイングリッシュ、グッド」
などと謙遜するのであった。それに対して、
「オウ、ミートゥー(これでええんか?)」
としか言えない私。

しかしお互い片言なので気楽といえば気楽で、以後の日々、私はこんな《カタコトなんちゃって英会話》で相当な局面を乗り切っていくことになるのである。

車がマドリードの市街地に入った。
時刻は夜10時、うわさにたがわず、繁華街でもないのに歩道はたくさんの人が行きかい、犬の散歩の家族連れもちらほら。スペインの人、ほんとに夜ふかしなんやなあー。と思いつつ眺めていると、おじさんは、
「ルック! メニメニピープル、プレイファン、エブリワンイズハッピー」
どうやどうや、言うたとおりやろうと車外を指ししめす。

このドライバーのおじさんが私たちが入国後最初に接したスペイン人だったが、基本的にマイペース、一見とっつきにくそうでも、こちらから笑顔で接したらおしゃべり好きでオープンマインド、というスペインの人たちの印象はここから始まったといえる。


バラハス空港に着いてから宿までは、そんなわけでいろいろ緊迫して写真を撮ってる余裕もなかったけれど、無事に到着してから撮った一枚。
マドリードでお世話になったアパートメントホテル、クオ・ガレオン。
スペインへの旅 2 マドリード到着までのあれこれ_d0153627_175028.png

さすがにくたくたで、しかもここは一泊したらすぐに出て翌朝トレドに行かなければならない。
ただし、トレドのあとはまたこのクオ・ガレオンに戻ってくるので、スーツケースは預けていける、ことになっている。
そのへんの交渉がまた大仕事だったのだけど、それはまた次回に。
by higurashizoshi | 2014-10-24 01:15 | 旅の記録

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