ひぐらしだより
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別れ
9月11日、家族として10年間ともに暮らし、たくさんの幸せをわが家にくれたきみは、永遠に去った。
路上にいた小さなきみを、どきどきしながら家に連れ帰った日。
家じゅう爪とぎで傷だらけ、カーテンはずたずた。
それでもきみはかわいくて、かわいくて、かわいかった。
あまえんぼうで、食いしんぼうで、ひたすらに気のいい性格。
弟分が突然家族に加わったときも、嫌な顔ひとつせず、
おおらかにうけいれてすぐ仲良しになった。
この家にたくさんの嵐が吹きあれた日々も、
涙した夜も、笑いころげたときも、きみはそばでのんびりしてた。
そろそろおじさんになってきたね、なんて言われながら、
ふくふくの体を横たえてあいかわらずのんびりしてた。
誰もきみとの別れが迫っているなんて思いもしなかった。
あんなに食いしんぼうだったきみが何も食べられなくなり、
小さな胸に水がたまり息が苦しくなって、
一度はだいじょうぶと思ったのに、また苦しくなって、
坂道をころがりおちるように、たった2か月。
戦い抜いて最後の息を吐いて、きみは動かなくなった。
やせおとろえて小さくなったきみの体。
だけどやっぱり、きみはかわいくて、かわいくて、かわいかった。
もっと生きられたはず。
せめてあと少し生きのびられたはず。
悔いと悲しみでちぎれそうになりながら、9月13日、きみの体と別れた。
きみの体は10年を過ごした家を出て、ひとかたまりの骨になって帰ってきた。
ちゃー、きみのいなくなった家で、
残されたくーは、何だかあまえんぼうになったよ。
きみのいなくなった家は、がらんとしていて、しずかだよ。
ありがとう、ごめんね、忘れないよ、
そんなことばを何度も言ったけど、言うはしから消えてしまう。
きみが消えてしまったのと同じように。
もう二度とない、ささやかなあたりまえの時間。
ちゃー、きみといて、私たちはとっても幸せだったよ。幸せだった。
***
路上にいた小さなきみを、どきどきしながら家に連れ帰った日。
家じゅう爪とぎで傷だらけ、カーテンはずたずた。
それでもきみはかわいくて、かわいくて、かわいかった。
あまえんぼうで、食いしんぼうで、ひたすらに気のいい性格。
弟分が突然家族に加わったときも、嫌な顔ひとつせず、
おおらかにうけいれてすぐ仲良しになった。
この家にたくさんの嵐が吹きあれた日々も、
涙した夜も、笑いころげたときも、きみはそばでのんびりしてた。
そろそろおじさんになってきたね、なんて言われながら、
ふくふくの体を横たえてあいかわらずのんびりしてた。
誰もきみとの別れが迫っているなんて思いもしなかった。
あんなに食いしんぼうだったきみが何も食べられなくなり、
小さな胸に水がたまり息が苦しくなって、
一度はだいじょうぶと思ったのに、また苦しくなって、
坂道をころがりおちるように、たった2か月。
戦い抜いて最後の息を吐いて、きみは動かなくなった。
やせおとろえて小さくなったきみの体。
だけどやっぱり、きみはかわいくて、かわいくて、かわいかった。
もっと生きられたはず。
せめてあと少し生きのびられたはず。
悔いと悲しみでちぎれそうになりながら、9月13日、きみの体と別れた。
きみの体は10年を過ごした家を出て、ひとかたまりの骨になって帰ってきた。
ちゃー、きみのいなくなった家で、
残されたくーは、何だかあまえんぼうになったよ。
きみのいなくなった家は、がらんとしていて、しずかだよ。
ありがとう、ごめんね、忘れないよ、
そんなことばを何度も言ったけど、言うはしから消えてしまう。
きみが消えてしまったのと同じように。
もう二度とない、ささやかなあたりまえの時間。
ちゃー、きみといて、私たちはとっても幸せだったよ。幸せだった。
***
by higurashizoshi
| 2016-09-22 22:49
| 雑感