ひぐらしだより


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全米選手権2017 男子シングル

もはやヨーロッパ選手権も昨日終わってしまったのですが、マイペースに全米男子についてやっとこさ書くのでした。しかしユーロはユーロでほんとすごい戦いだったなあ。
全米男子、ネイサンの偉業達成については前回触れたので、今回は全体の結果とピンポイントでの演技紹介を。


全米選手権2017 男子シングル結果

1位 ネイサン・チェン 318.47
2位 ヴィンセント・ジョウ 263.03
3位 ジェイソン・ブラウン 254.23
4位 グラント・ホクスタイン 248.31
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5位 ロス・マイナー 240.34
6位 アレクサンダー・ジョンソン 233.39

ネイサンはショートとフリー合計で7本の四回転ジャンプを完全な形で成功させました。
もちろん人類未踏です。しかも彼のすごいとこは、ジャンプ偏重で演技が雑になることがなく、スケーティングはもとより表現力、フリーレッグの処理にいたる細かな点まで確実に向上し、美しい演技になってきていることです。あまりの急速な成長に、いまだ気持ちがついていけません。怖いのはケガだけ!
(ネイサンのフリー動画は前回記事でリンクしています)
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今回のサプライズは、2位に入ったヴィンセント・ジョウ選手。
まだ今季ジュニアからシニアに上がってきたばかりの16歳。とはいえ、小さなころからアメリカの最年少優勝記録を破り続けた天才少年です。
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ジュニア時代は大人びた表現力に大いに注目してましたが、今季は急にジャンプのレベルがうなぎ上りとなり、すでに4回転ジャンプ2種類を持ち、3種類目のルッツにも挑戦中というすごいことになってきました。

まだ体も小柄で華奢だし、スケーティングもまだまだジュニアっぽい。それでも今回はジャンプをしっかり入れ、ミスを少なく抑え、みごと表彰台に上りました。
フリーは冒頭クワドルッツ失敗でヒヤリとしたものの、あとはきちんとまとめたところ、ジュニア上がりとは思えない落ち着きぶりです。16歳ながらケガも多く経験して苦労してきたヴィンセントくん、これからどんな選手になっていくのか楽しみです。
(フリー演技動画こちらです)


そしてわれらがジェイソン!
腓骨骨折のため、全米開催直前にやっと練習再開できたばかりのジェイソン・ブラウン選手が3位に入りました。もう、ファンとしては涙なしでは見られない演技でした…。
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もちろん、まだまだ成功率の低い四回転ジャンプは封印。トリプルアクセルも跳べるかどうかという状態だったようですが、失敗のあったショートのあとのフリーでは卓越した集中力でアクセルもきっちり入れ、ジャンプでのミスはわずかにひとつ。最後まで持ち前の美しい演技で魅了してくれました。ジェイソン、心もほんとうに強い!

どんどん雑味がそぎ落とされ、滑らかにひとつながりの動きで進んでいく彼のスケートに、ひたすら息をつめて見ほれた幸せな時間でした。
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超特大のクマさんを抱いて、ほっとした表情。コリ・エイドコーチのチームはいつもほんとに和気あいあいとして素敵です。このクマさんも、いつもジェイソンがプレゼントを寄付するドナルドマクドナルドハウス(病児と家族をケアする施設)に行くのでしょうね~。

トップ選手の多くが四回転ジャンプを複数入れる《クワド戦国時代》にあって、トリプルジャンプだけで勝ち抜くジェイソンのような選手は貴重です。私には、これがフィギュアスケートだ、という美の感動を見せてくれるこうした選手を、心から応援したいという気持ちが強くあります。

(ジェイソン・ブラウン選手のショート演技動画。美しい!)
(こちらジェイソンのフリー演技動画です。必見です!)

4位には、グラント・ホクスタイン選手。
ジャンプミスで順位が沈むことも多いのですが、この2シーズンは全米と相性のいいグラントくん。今回はショート、フリーともとてもいい演技でしたね。彼は年々、滑りも流れもますます磨きがかかってきたなあと思います。
昨年も今年も4位。あと一歩という思いは強いでしょうね。その一歩がなんとも大きい。
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(グラント・ホクスタイン選手のフリー演技動画です)


ショートは完璧な演技で2位発進だったロス・マイナー選手。フリーでは力が入ってしまったのかなあ…最初の四回転サルコウに成功して、これはいけるか!と思ったものの、そのあと一転してジャンプミス、転倒もあり、総合5位まで順位を落としてしまいました。
がっくりくるロスを見るのはつらいです。前回全米もまったく同じようなパターンでした。
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(ロス・マイナー選手は、今回最高の演技だったショートの動画をご覧ください)


6位、アレクサンダー・ジョンソン選手。
毎年、全米で観るのをすごく楽しみにしてる選手です。
うまいです。美しいです。そして年々うまくなってます。国際試合に出る機会が少ないのがほんとにもったいないと、毎年クチビルを噛んで血が出そうになります。
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彼もクワドなしの選手で、やっぱり私はジャンプじゃなくてスケーティングと表現で見せるこういう選手が好きなんだなとつくづく思いますわ~。
ショートもすばらしかったですが、フリーの新プロ(『道』から『In Your Eyes』に変更したそうです)が、もう…素敵すぎて録画をリピリピ。この身体の使い方の美しさよ。

(しかしこの全米選手権の至宝ともいうべき、すでに7回出場の彼のことを、実況解説の岡部由起子さんが「初めて見たけど、すてきな選手ですね!」って言ってたのには心底おどろきましたです。ISUジャッジって全米見ないの?)
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アレクサンダー・ジョンソンさんも26歳。いつ引退してしまうかとビクビクものです。きっと来季の五輪シーズンまでは続けてくれると思うけど、そのあとは…。トップ選手なら引退後もショーに出てくれる希望も持てるけど、彼くらいの位置にいる選手の場合は、それもないのかなあ… 
実は全米で年々順位がジリジリと上がってきてて、前回6位まできたので、今年はそれ以上!と思ったんだけど同じ6位。来年の全米で奇跡が起きないかしら。

(アレクサンダー・ジョンソン選手のフリー演技動画はこちら)

ほかにも、ティモシー・ドレンスキー選手、ジョーダン・モーラー選手、そして今回最高の演技を見せてくれたショーン・ラビット選手(キスクラで発してくれた日本語もびっくりするくらい上手!)など、全米ならではのすばらしい選手たちがきらめく全米選手権男子でありました。
残念だったのは、全米王者の経験もあるマックス・アーロン選手が信じられないミス連発で今回下位に沈んだこと。再起を期待したいです。

世界選手権への派遣は、当初はネイサンとジョウくんかと思われたのですが、来年五輪の枠取りがかかるワールドでもあり、ジョウくんはジュニアの方に出場してジェイソンが入ることになりました。ジェイソン、よかったけど休めないねえ…

全米のペア・アイスダンスについては、2月に入ってからのCS放映を観てから書きたいと思います。
そしてすでに終了したユーロについては、なるべく早く。いやいやメドベちゃん、なんちゅう選手なんでしょうねえ。歴史に残りますね。



******


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by higurashizoshi | 2017-01-31 00:39 | フィギュアスケート | Comments(2)
Commented by Disney 鴨 at 2017-01-31 15:39 x
こんにちは。
アメリカスケート連盟が、今回、ヴィンセント選手をシニアの世界選手権メンバーに入れなかったのは、他の方のスケートブログによると、今シーズンから、4大陸選手権にも、ミニマムスコアが必要になり、また、シニアの国際選手権に出るのには、シニアの国際試合でミニマムスコアを取らなければならなくなったので、今シーズン、ヴィンセント選手は、12月のゴールデンスピンに出場したものの、出場したのはSPのみで、FSを棄権したため、シニアの試合でミニマムスコアを取れなくなったためです。この、シニアの国際試合でミニマムスコアを取れなければ五輪を含むシニアの選手権に出られないというルールが、ソチ五輪シーズンから適用されていれば、それまで、1度もシニアの国際試合に出ていなかった、エドモンド選手は、ソチ五輪に行けなくなっていたので、未来ちゃんがソチ五輪に行けたということになったのかと思うと、ルール改正が今シーズンからというのが、残念に思います。
ひぐらし草子さんも、先刻ご承知のように、今回、ジェイソン選手は、ネイサン選手と共に、4大陸・世界選手権に行くことになりましたが、世界選手権では、平昌五輪枠が決まるので、それまでに、体調が戻っていれば良いですね。また、4大陸選手権には、ホクスタイン選手も出場ですが、今シーズンは、GPSでは、余りパッとしていなかったので、この試合で、シーズン有終の美を飾って欲しいです。
ところで、マイナー選手が、SPの2位から4大陸選手権派遣対象外まで順位を落としたことと、アーロン選手が、FSでの持ち直しがあったものの、SPの想定外の順位には、びっくりポンでした。彼らは、今回は、残念な結果に終わりましたが、私も、彼らの来シーズンに期待したいです。
また、欧州選手権は、女子では、メドべちゃんが、遂に、総合でも、あのヨナの点を上回る世界最高点で、2連覇です。
まだ、今シーズンが終わっていないのに、来シーズンの話をするなんて、鬼が笑う話ですが、平昌五輪でも、この点を出せると良いですね。
Commented by higurashizoshi at 2017-02-15 00:40
Disney 鴨さん
いつもに増して返信たいへん遅くなってすみません。
ヴィンセント・ジョウ選手がシニアのワールド派遣にならなかったのは、そういう理由だったんですね。教えていただいてありがとうございました。このルール改正の影響ってかなり大きいですね。

もう四大陸選手権が始まりますが、ジェイソンの回復具合が気になるとともに、男子も女子もカップル競技も楽しみな選手が多くてドキドキしています。知子ちゃんの欠場はショックでしたが…。
毎年、四大陸まで来るとシーズンもあと少し、と思いさびしくなってくるのですが、今年は五輪の枠取りの世界選手権が控えているので緊張感が最後まで続きますね。

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