ひぐらしだより
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
五島列島 小値賀島・野崎島への旅 1
始まりは、一枚の写真だった。
ある日、新聞の折り込み特集に、日本のさまざまな島を紹介する記事があって、その中にモノクロのレンガ造りのちいさな教会の写真があった。山を背景に、石垣の上に立っているような、なんともいえない静かなたたずまい。その一枚の写真に、私はくぎづけになった。美しい。なんて美しいんだろう。
しかも記事を読むとその教会は、今は無人島になっている五島列島の小島にあるという。
誰もいない島に建つ教会。その風景をこの目で観たい。なぜか引き込まれるようにそう思い、いつか必ずここへ行こうと心に決めた。
それから一年半もたたないうちに、時はやってきた。願いがかなうのは、私の人生としてはかなり早かった。きっと近年、日頃のおこないがいいからであろう。
その島の名は、野崎島。長崎県の五島列島の北の方にある。
しかし、無人島であるからして、野崎島に直でいくことはできない。近くにある有人島、小値賀島(おぢかじま)にまず行って、一日2便の野崎島行きの航路を使わねばならない。
野崎島に行くことしか考えてない私は、小値賀島のことはなんも知らない・調べないまま、佐世保港を船出した。
奮発して高速船「シークイーン」というのに乗ったら、これが速い速い。すさまじく飛ばしつつ湾を出て平戸あたりを通り過ぎ、ぐんぐんと五島列島北端へ。
着いたぞ小値賀島。はじめまして。あなたのことはまだ何も知りませんがよろしく。
ある日、新聞の折り込み特集に、日本のさまざまな島を紹介する記事があって、その中にモノクロのレンガ造りのちいさな教会の写真があった。山を背景に、石垣の上に立っているような、なんともいえない静かなたたずまい。その一枚の写真に、私はくぎづけになった。美しい。なんて美しいんだろう。
しかも記事を読むとその教会は、今は無人島になっている五島列島の小島にあるという。
誰もいない島に建つ教会。その風景をこの目で観たい。なぜか引き込まれるようにそう思い、いつか必ずここへ行こうと心に決めた。
それから一年半もたたないうちに、時はやってきた。願いがかなうのは、私の人生としてはかなり早かった。きっと近年、日頃のおこないがいいからであろう。
その島の名は、野崎島。長崎県の五島列島の北の方にある。
しかし、無人島であるからして、野崎島に直でいくことはできない。近くにある有人島、小値賀島(おぢかじま)にまず行って、一日2便の野崎島行きの航路を使わねばならない。
野崎島に行くことしか考えてない私は、小値賀島のことはなんも知らない・調べないまま、佐世保港を船出した。
着いたぞ小値賀島。はじめまして。あなたのことはまだ何も知りませんがよろしく。
これが小値賀のメインストリート。
昭和のまま時がやわらかく立ち止まっているような街並み。
こんにちは。
野崎島への船が出るまでの間、小値賀の民俗資料館へ。
かつて盛んだった鯨漁で財を成した名家が資料館になっている。
実にこぢんまりした資料館の中は貴重な考古学的資料がぎっしり!
この資料館の学芸員の土川さん。
いろいろお話をうかがっていたら、元シスターで、野崎島とも関係の深い方だった。
かつて潜伏キリシタンが隠れ住んだ野崎島・舟森集落に、44年前に神父を案内して渡り、その後この小値賀島に居を定められたそう。
「小値賀が大好き。どこにも行きたくない。」
そんなに愛される小値賀島。その魅力をもっと知りたくなる。
資料館を出てぷらぷら歩いていると、さっき港でちらっと会った地元の青年にばったり。
「お昼がまだなら、うまい店にご案内しましょう。」
都会だったらぜったいついていかへんわ、これ。聞くと青年は学生時代の旅でこの島にほれこみ、東京から小値賀の町役場に就職したのだそうだ。どこにそこまでほれたのか聞いてみると、
「ここは時間が何倍にも感じられるんですよ。それと、人ですね。人がいい。」
とのこと。
青年おすすめの店「ふるさと」。超ジューシーな肉厚の焼きアジと、ぷりぷりのお刺身、あごだしのお吸い物。うみゃあ!
緊張してきたぞ。
30分ほどで着くのだけど、こことは別世界が広がっている予感。
この予感は当たっていたどころか現実はそれをはるかに超えていたのであった。
次回、野崎島一日目です。
by higurashizoshi
| 2017-04-23 15:01
| 旅の記録