ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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ひなまつりとカサノバ

はっと気づけば、ひなまつり!
もう明日ではないですか。
せめて2日間だけでもと、急いでおひなさまを出して飾った。
小さいけど、タタが生まれて初めてのひなまつりに買った、かわいらしいひな人形だ。

チャチャは、とにかくどこにでも飛び上り、何でも落としてしまう。
で、去年は結局、おひなさまを出しそこねてしまった。
もちろんチャチャに罪はないのだが…。

今年はこの2日間、おひなさまをどうチャチャから守るか?
大きらいなレモンの香りでも振りまいておくか…って無理か…

昨日はラッセ・ハルストレム監督「カサノバ」を観た。
なぜこれを観たかというと、ヒース・レジャー追悼特集が自分の中で続いているから。
それと、監督がハルストレムなのに、まだ観ていなかったから。

ラッセ・ハルストレムは、母国スウェーデン時代の作品がとてもすばらしくて、「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」も「やかまし村の子どもたち」とその続編も、私の大好きな映画だ。
ハリウッドに移ってからも「ギルバート・グレイブ」「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」と、暖かくて切なくて、底に鋭い人間観察がある作品を撮っていて、この人独特の味わいは損われず、私には好きな作品が多かった。
ただ、「ショコラ」の次の「シッピング・ニュース」(01年)を観たときに、荒さや緩みが初めて目についた。おやっ、ハルストレムさん大丈夫か?と心配になった。
その次の作品「アンフィニッシュ・ライフ」というのは日本公開されず、DVDは出ているようだが未見。で、「カサノバ」(05年)が今のところハルストレム監督の最新作らしい。

それにしても、なんでハルストレムがカサノバ?
そしてなんでカサノバがヒース・レジャー? …と思っていた。
どちらも、まるでイメージがちがう。カサノバといえば稀代のプレイボーイというか漁色家の代名詞。暖かな人間のつながりを描いてきたハルストレム監督が選ぶ素材としては意外すぎる。
それに、カサノバ役を演じるなら、こう濃厚で、ねっとりと美男で、いかにも何でもありでっせという感じの男優では? 外見的には地味で、シャイな感じのヒース・レジャーではそぐわない。
…とすれば、当然これはどちらも、「あえて」選んだことなんだろう。
その「あえて」の答が、ちゃんとあればいいけど…。何となく不安であった。

さて、観終わった感想としては、ひとことでいうとこれは18世紀のヴェネツィアという美しい町を背景にした、豪華な軽喜劇だった。
軽喜劇だから深刻な人間描写もなく、ひたすら楽しく、軽やかで、滑稽で、華やか。
もう、最後までつるつるーっと、さぬきうどんのように観られてしまう。いや、イタリアだからタリアテッレのようにか…。
しかし、「あえて」の答さがしをしていた私には、その答は最後までよくわからなかった。

従来のカサノバのイメージを崩すような、ヒース・レジャーのサラッとした美男ぶりは、悪くはない。
でも、最後にカサノバが純朴な愛に生きる男に変わる、その説得力がまるでない。
だってちっともヴェネツィア中の女をメロメロにしている男に見えないし、手練手管の策略家にも見えない。
だから運命の女に出会って、男としての生き方が変わっていく、その過程もよくわからない。
これはヒース・レジャーの演技力のせいではなくて、脚本がそうなっているのだ。
こういう筋立てでいくのなら、もっとアクの強い男優をキャスティングしたほうがよかったんじゃないだろうか。

ハルストレムは、純愛男としてのカサノバを描いて、何をしたかったんだろう?
主役がカサノバなのにきわどいシーンがほとんどないのは、全体のタッチを乱さず成功していたとは思う。全体的に、それなりに質のよい一幕の舞台に仕上がってはいる。
でも結局このさぬきうどん、じゃなくてタリアテッレは、つるつるいけるが食べ終わったらじきに忘れてしまうくらいの感銘しか、私には残さなかった。

私には、キューブリックが「バリー・リンドン」を撮ったのがナゾであるのと同じように、この映画はナゾだった。
ハルストレム監督、次は何を撮るのだろう…? 期待半分、不安半分だなあ。
そしてやはりやはり、ヒース・レジャーを見るにつけ、なんて魅力的な役者を亡くしてしまったんだろうと悲しい。
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by higurashizoshi | 2008-03-02 18:25 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(4)
Commented by そわか at 2008-03-04 03:30 x
昨日梅が咲いていたよ。それにうぐいすもないてすっかり春らしくて嬉しいね。
大好きな「ショコラ」と「ギルバート・グレイプ」が書いてあったので思わずコメントした~。「サイダーハウスルール」もみたけど、これはちょっとテーマが重かった記憶があるわぁ。こんなに映画に詳しかったんだね。
最近映画はご無沙汰だけどやかまし村はみて見ようかなとおもいました。
Commented by higurashizoshi at 2008-03-04 12:29
そわかさま、コメントありがとう!
「やかまし村」2部作は、本当に心が洗われるよ~。ぜひ観てみて。
ハルストレム監督には、ずっと暖かい作品をつくり続けてほしいと思ってたけど、変化していくのも人生だからねえ。

梅にうぐいす…いよいよ春だね!
今は見に行けないけど、心で春を感じることにしようっと。
Commented by hinata at 2008-03-06 15:48 x
『やかましむら』と、『サイダーハウスルール』の監督さんが同じだったとはしりませんでした(゜o゜)
映画になってしまうと、イメージが違ってしまってがっかりすることが多いですが、『やかましむら』はそのままのイメージで、とても好きです。子供たちもTVで録画したのを引っ張り出しては良く見てました。
『マイライフ~』『ショコラ』も見たかったひとつです。
ヒース・レジャーhigurashizoshiさんのおすすめはなんですか?
ブロークバックマウンテンのあの雰囲気のを見てみたいのだけどな~。
Commented by higurashizoshi at 2008-03-06 17:07
hinataさん、こっちにもコメントうれしいです。
タタもミミも「やかまし村」映画も原作の本も大好きで、何度も何度も観て、読んで、
って繰り返してます。(本のほうは、私が子どものころ読んでたものです。)

私は原作に思い入れ強くて、映画の方を初めて観るとき不安だったけど、
本当に原作の世界を裏切らずに映像にしてくれていて、すごく感動しました。
「マイライフ~」も「ショコラ」も素晴らしい作品なのでぜひ!

ヒース・レジャーなんですけど、ほんとにこれからっていう人だったんで、
主演級の作品って悲しいほど少ないんですよね…
昨秋日本公開になった「キャンディ」という主演作があって、そろそろDVDレンタルに
なってるかな。破滅的な(これは男女の)恋の話のようですが、予告編など見るにつけ、
このヒース・レジャーは絶対いい!と勝手に予想。私もこれから観るのですが、
なんか観るのがこわいような、つらいような、複雑な気持ちです。

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