ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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いかなごのくぎ煮

毎年この時期になると、明石や神戸の海で、いかなご漁が解禁になる。
いかなごというのは、成魚でもせいぜい15センチくらいの、細長い魚だ。
それの稚魚が、このあたりでは春の風物詩。3月が近づくと、ここらの主婦たちは、解禁の日を今か今かと待っている。

私も、東京からこっちに帰ってきてからは毎年、いかなごを買いに走るようになった。
明石の漁港のすぐそばに、「魚ん棚」という魚市場がある。
船が漁から帰ると、仲買を通さず、「魚ん棚」の魚屋さんたちが直接、港でセリをする。だから、とれたばかりの魚が「魚ん棚」に並べられる。
瀬戸内のいろんな魚や明石名物の蛸や、まだぴちぴち跳ねているのを店先に並べた魚屋がずらりと並んでいて、いつも活気があって、「魚ん棚」はわくわくする。
そこに、いかなごを買いに行くのである。

いかなご漁が解禁になってからは、毎朝どの店にもずらりと行列ができ、「魚ん棚」は異様な熱気に包まれる。
なにせ、稚魚はみるみるうちに、日ごとに大きくなる。小さめの方が上物とされているから、みんななるべく早く、しかも新鮮なのを手に入れようと必死になる。
今年は出かけられないので無理だろうと思っていたら、コトブキが「魚ん棚」でいかなごを3kgゲット。それも、昼網で揚がったばかりのを買えた!とメールしてきたので、飛びあがって、大急ぎで、「くぎ煮」を炊く準備をした。

いかなごの稚魚は、このへんではシンコという。シラスとかちりめんじゃこといわれる、カタクチイワシの稚魚なんかと、同じくらいの大きさだ。
シンコの食べ方としては、まずは釜揚げ。とろけそうにやわらかく、甘味と香りがある。
そしてこの近辺の主婦が、腕によりをかけて、人によっては意地をかけて!作るのが「くぎ煮」である。

おいしいくぎ煮を作るのは、まず鮮度が勝負。
シンコが届いたらすぐに炊き始められるように、大鍋やら調味料やらを用意する。
そうこうしてたら、コトブキ帰還。ずっしり3kgの袋を渡される。
一年ぶりにお目にかかれたシンコは透き通って、なんともきれい!
とりあえず1kgずつ二つの鍋でくぎ煮を炊くことにして、残り1kgはあとで釜揚げにしようと冷蔵庫へ。

さて、いよいよくぎ煮作りの始まりだ。
シンコが1kg楽に入る大鍋に、醤油、酒、ザラメ、みりんを入れ煮立たせる。
そこに、さっと水洗いしたシンコを少しずつ入れていく。
いっぺんに入れるとつぶれてしまうので、手ですくってはやさしく入れる。
途中、千切りにしたショウガも、何度かにわけて入れる。(隣でコトブキがいっしょけんめい細かく切ってくれた。)
一つの鍋のほうは、わが家の好きな山椒入りにするので、実山椒の佃煮も入れる。
シンコが全部入ったら、鍋の中をまぜる。
箸やおたまではやっぱりシンコがつぶれてしまうので、手で混ぜる。
手で混ぜるというの、最初はええ~っ!?と思ったけど、まわりから煮立ってくるので鍋の真中はそんなに熱くない。とにかくシンコはデリケート。やさしく、やさしく混ぜる。
全体が沸騰してきたら、アルミホイルで作った落としぶたをして、火を弱める。

そこからは持久戦。
吹きこぼれる寸前の、煮立った泡がつねに落としぶたを鍋のふちまで押し上げているアヤウイ状態をたもつ。
そうして、火加減をこまかく調節しながら、ひたすら鍋をにらむ。
小さなシンコの間を、調味料が泡立って均等にめぐるようにするわけだ。
それと、やわらかいシンコを一度にたくさん炊くので、鍋の中をいつも泡立て、シンコをほわほわと泳がせていないと、つぶれて出来あがりが固くなってしまうのだ。

ちょっとよそ見をしてるとたちまち吹きこぼれるし、あわてて火を弱めてぼーっとしてると今度は泡立ちがなくなってたりして、とにかく鍋のそばは離れられない。
途中、変化していくシンコの味を試食するのもお楽しみ。タタもミミも巣の中のひな鳥状態で試食を待っている。
人によっては、2~3時間炊いてしっかり煮しめるやり方もあるけど、私はやわらかくうす味に仕上げたいので、だいたい1時間くらい。

やったー!今年はあきらめてたくぎ煮、みごと完成!
なかなかよい味にできあがった。みんな「おいしい、おいしい」と喜んでくれた。
できたてのくぎ煮、写真のような感じ。白いのは、すぐあとに作った釜揚げ。
(写真がピンボケなのは、私の携帯カメラの画面がちっちゃすぎてピントがわからなかったせい!ということにしておこう)
d0153627_18154949.jpg


3㎏のシンコでもけっこう大騒ぎだけど、この日コトブキが買った同じ店で、ひとりで16㎏買って行った人がいたそうだ…。
いったい、どうやって炊くんだろう?
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by higurashizoshi | 2008-03-09 18:30 | 家事というか | Comments(5)
Commented by mii3 at 2008-03-09 21:36 x
おいしそ~。ご飯、たくさん食べれそうですね。
この間、新子漁解禁のニュースを見て、明石だ~!!(夏に淡路にキャンプに行きました)と、思ったのですが、その港の近くに「魚ん棚」があるのですか!?
それにしても、そんなに気合い入れて、くぎ煮が炊かれるなんて初めて知りました。すごい!
私も、山椒入りが大好き!!です。
Commented by higurashizoshi at 2008-03-10 12:07
mii3さん、山椒入りくぎ煮が好きなんですね~
淡路島にキャンプは、もしかして明石港からフェリー?
としたら、そのすぐそばですよ、「魚ん棚」。
くぎ煮は、昔からこのあたりで作られてて、私も子どもの頃から母の炊いたくぎ煮を
食べてたんだけど…近年ブームになって、なんかすごい熱気なんです、この時期。
ブームのきっかけは、一説には阪神淡路大震災のときに全国から来てくれたボラン
ティアの方たちへのお礼に、翌春からくぎ煮を各地に送り始めたことだとか…。
Commented by ようこ at 2008-03-10 22:35 x
今晩は!
くぎ煮、美味しそうですね(*^^*)
本当ご飯が美味しく食べられそう。地元の名物の食べ物があるっていいですね。
明石には行ったことないです。今度行きたいなあ。
Commented by hinata at 2008-03-10 23:19 x
話を聞くだけでおいしそうです。
窯揚げでも食べるのですね、くぎ煮もあっさり味でおいしいのでしょうね。
「魚ん棚」もおもしろそうですね、
以前いただいた明石のタコもおいしかったな~
おいしいお魚が食べたくなっちゃいました(*^。^*)
Commented by higurashizoshi at 2008-03-11 11:57
ようこさん

そうなんです。確実に、ご飯が一膳ふえます(汗)
明石はほかにも明石焼とか、瀬戸内のアナゴとか、おいしいものいろいろありますよ~
町そのものは、めっちゃのんびりしたところです。神戸のすぐ隣ですが、のどか~なとこです。
ぜひお訪ねくださいませ。

hinataさん

明石のタコおいしいですよね。
「魚ん棚」では水揚げされたばかりのを売ってるので、よくタコが店先から這い出てきて道を歩いて?ます。私、いっぺん自転車によじ登ってこられちゃいました。あのときはさすがにビックリしたわ~。
「明石の蛸は立って歩く」と昔からいわれてるそうです。

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