ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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ジョゼと虎と魚たち、そのほか

ずいぶん前にテレビでやったのを録画していた犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』を初めて観た。
足の不自由な若い女性・ジョゼ(自分でつけたあだ名)と平凡な大学生の男の子・恒夫との恋の話だが、主演の池脇千鶴が圧倒的で、ぺらっとした妻夫木聡が浮いてみえた。

d0153627_17322522.jpg完璧な大阪の下町のばあちゃんのしゃべり方をし、プライドは高く、世間と没交渉の、障害のある女の子という役。
ちょっとやそっとではリアリティを出せないところを、池脇千鶴はほんとうにジョゼを生身の存在として演じきっていた。
印象に残ったのは、ジョゼに恒夫をとられた元カノとの対決の場面。
「あんたのその武器がうらやましいわ」と、障害をたてに勝者になったと決めつける元カノに、ジョゼは言いはなつ。
「ほんならあんたも、足切ってもろうたらええわ。」

強烈な自我の持ち主であるジョゼと、優しいけれどどこか腰がすわらない恒夫。
恒夫は彼なりにけんめいにジョゼを愛するし、ジョゼは恒夫によって暗い海の底のような孤独から抜け出す。
しかしこの二人、完全にはじめからジョゼという存在は大きく重すぎて、とても恒夫の手に負えないということは明らかだ。
それをお互いどこかで自覚しながら紡いでいく日々は切ないけれどきらきら輝いている。
どうしても受けいれあえなくても、惹かれあい、まじりあって過ごす時間からしか得られないものをふたりは味わう。
悲しくてもけして惨めではない結末に見せた、ジョゼの孤独と意志のいりまじる静かな表情がいつまでも心に残った。

さて『靖国 YASUKUNI』について、この前mixiでもいろいろ意見がかわされているのを見つけたが、そこで李纓(リ・イン)監督のインタビューが紹介されていた。短いけれど中身の濃いインタビューなので興味のある方はぜひ読んでみてください。(ここをクリック

ところで犬童一心監督といえば、今年はこれから『グーグーだって猫である』が公開になる。
私の敬愛する大島弓子の同名のエッセイ漫画、まさかの映画化である。
犬童監督は長編第一作も大島弓子原作の『金髪の草原』だったし、きっとファンなんだろうなとは思っていた。
でも『グーグー…』はもう大島弓子がストーリー漫画を描かなくなってからの、ある種《隠居もの》みたいな地味な作品。
これを映画にするというのは、ちょっと考えたこともなかった。
大島弓子本人を小泉今日子が演じるというのも、いやぁどんなになるんだろうと楽しみなような怖いような。
タタもミミもうちの蔵書の大島弓子作品を片っ端から読んでいるので、『グーグー…』が映画になるというと大興奮していた。
ただし彼女たちの関心は人じゃなくてネコ。
「グーグーをやるのは、どんなネコだろうね?」ってことである。はてさて…。
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by higurashizoshi | 2008-04-18 17:45 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(5)
Commented by くれない at 2008-04-20 11:51 x
「ジョゼ‥」は、CSでみました。
痛いというか切ない映画ですね。
玉子焼きが食べたくなったなあなんて。
これ確か原作田辺聖子ですよね。
へ~っと思ったような。
それから、つい最近BSで、「亀‥」やってました。
へんてこですね。
岩松了と布施えりの「時効警察」か?という夫婦がまた変。
でも、なんか優しい映画でした。
「インザプール」ってなぜか長男が友人と映画館で見てきたらしいです(なぜそれ選ぶ?)
すごくプールに入りたいのに中々入れない男の話。(これもCSでつまみ食い)

ところで、昔私は、父の戦友の家で、アルバムを見せてもらったことがあったのですが、
靖国神社で、坊主頭の若者たちがふんどし姿で、水をかぶっている写真だったと思います。
北陸の寺の息子だった彼は、そうやって戦地に向かったようです。

靖国神社は、人々から、それまでの生活を捨てさせて、戦場に送り込む装置だったのでしょう。

Commented by higurashizoshi at 2008-04-20 18:28
うん、あの玉子焼き。おいしそうでしたね!
田辺聖子さんはフランソワーズ・サガンが好きで、自分の恋愛小説は
大阪弁のサガンだと言ってるのをなにかで聞いた記憶があります。
ジョゼの愛読書『一年ののち』は私も昔、大好きでした。

くれないさん、『亀』観たのですねー。やっぱへんてこなんですね。
私も近々観られると思います。
『時効警察』って私は観てなかった(そのころドラマまったく観てない
時期で)けど、今興味がある役者さんがたくさん出てるので、そのうち
借りてみようと思ってます。

お父さんの戦友の話…靖国神社って、そんな場としても使われていたん
ですね。考えてみたら、靖国神社についてなんにも知らない自分に
ガクゼンとしちゃいます。今回の映画のことは、いろいろ学ぶチャンス
だという気もしてます。
Commented by hinata at 2008-04-21 00:55 x
『ジョゼと~』まだ見ていないのですよね、ずいぶん前からチェックはしていたのですが・・・
つい、洋画や韓国物の方にいってしまい、日本のものってなかなか借りないのですよね~。
日本映画=あまり好きじゃないというのが、埋め込まれてしまったいるようです(^_^;)
でも、最近面白そうなものもいろいろ出てきたので見たいな~というのも増えてきました。
大島弓子、私も好きです。
最近のは全然知らないのですが、また読みたくなりました。
Commented by くれない at 2008-04-21 14:45 x
靖国は、最近はA級戦犯の合祀が話題にされることが多いですけど、むしろ戦中の役割がなんだったのかに目を向けた方が、輪郭が見えてくるのではという予感がします。
と言いながらちっとも勉強してませんが。

国会図書館で調べ物をしていたころに、戦前の雑誌の見出しによく「靖国の母」という言葉が出てきて、なんだろうと思っていたのです。
試しに検索してみました。
二葉百合子の歌もありますが、それは、置いておいて‥。
靖国=戦没者なのですね。
子どもを戦死でなくした人が「靖国の母」、夫なら「靖国の妻」と呼ばれたようです。
驚くことに戦没者を出した家には「靖国の家」というホウロウのプレートまであるんですね。
今でも残っている写真が、みることができました。
その時代は、名誉なことだったのですが、
あ~「そんなものいらね~!」ですね。

そんな時代ぜったい繰り返したくない!
Commented by higurashizoshi at 2008-04-21 22:44
hinataさんは韓国映画も好きなんですね。おすすめは?
わたしも邦画はなんか縁がなくて、最近やっと面白さにめざめてきました。
今の日本映画はすごく活気があって、いろんなジャンルの作品があるので
観はじめると楽しいですよ。

大島弓子、hinataさんも好きでしたか~。
『グーグー…』はかつてのストーリーものの感じを期待すると最初は拍子ぬけ
するかもですが、なんとも味わいがあります。


くれないさん
靖国の母という言葉は、実際祖母がそうだったので聞いたことありましたが、
「靖国の家」のプレートとは! なんて時代だったんでしょうね。
…とのんきなことは言ってられない、このごろの嫌な空気。
ほんとにぜったい繰り返したくないですね。

靖国神社の戦中の役割とか、私も調べてみようと思います。

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