ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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神童

d0153627_18332626.jpg体調そのほかでしばらく映画を観ていなかった。
ひさしぶりに観る映画はあまり重くないもので、これまでと少しちがう感じの作品がいいな。
と思って借りてきてもらった一本が『神童』(2006年・萩生田宏治監督)。

「だいじょうぶ。あたしは音楽だから」。
そう宣言する天才少女ピアニスト・うたと、才能にめぐまれない音大生・和音(わお)。
勝気で生意気なうたは、どこでも孤独で、つよい不安を胸に秘めている。
愛する音楽を思い通り奏でられない和音は、いつも逡巡し、もがく。
年の離れた二人の、恋愛とも、きょうだいのような愛情ともいえる不思議な関係。
その名づけらない関係を支えているのは、始まりから終わりまで音楽。

魅力的な筋立ての物語で、強く脆い少女うたを演じる成海璃子も、平凡で繊細な和音を演じる松山ケンイチもよかった。
評価の高い原作漫画(同タイトル)は読んでいない私としては、純粋に映画だけを観て、感じたことを書いてみたい。

この映画の主役は「神童」であるうたではなく、音楽。そう感じさせられないと、うたは音楽そのものである、ということを観る側に確信させられない。
水や緑、空などの自然や静かな室内、作品に映し出される空間を、音の共鳴する舞台として感じられるかどうか。
音楽そのものが、作品の中でどんなふうに鳴っているか。
登場人物の中で、音楽がどう鳴っているのかを、感じとれるか。
そういう点でいえば、全体的にどうも物足りない、というのが率直な気持ちだ。
うたを包む空気、人間関係、自然、その中でうたがどう音楽であるのか、それをもっと感じさせてほしかった。
演奏シーンも、これこそ音楽であるうたのピアノなんだ、と思わせる強さがない。
それがあれば、後半で明らかになる、うたの過去と現在の苦しみについてもさらに説得力があったと思う。
音楽でいっぱいにさせてくださいね!と期待して作品の前に2時間座ったけれど、ひざ下くらいが音楽で浸されたところで終わってしまった…そんな気がする。

感じのよい作品ではあるし、好演の主演ふたり以外の役者も、個人的に好きな西島秀俊が出ていたり、かつて自由劇場で名コンビだった串田和美と吉田日出子が粋な中年カップルで出てきてオッと思わせてくれたり、そんなところも楽しめた。
皮はなかなかおいしいが、期待した肝心のあんこの味が薄いまま食べ終わったおまんじゅうのような。
私にはそんな作品だった。
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by higurashizoshi | 2008-05-25 18:35 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(0)

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