ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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君の名は?

これ、なんというんだろう? 
と自問したくなること、ときどきある。
あ、こんな気持ち、こんな光景、こんな人のこと、なんかぴたっとくる言葉があるはずなんだけど。―あれ? わからないぞ、知らないぞ。日本語長年使ってきたのになあ…。

昨日、思いがけず外に出て、今年初めて海岸に行った。
澄んだ青空にこまかく繊細な雲がいっぱいに広がり、午後のしずかな海がきらきら輝いていた。
気がつくと西の空の雲に太陽が少し隠れ、その雲間から海に向かって光の筋がいくつもおりてきている。
「きれいやねー」と私が指さすと、タタもミミも「おー」とため息。
で、にわかに思い出した。もうずいぶん前から、何度も思っていたこと。
この、雲間からいく筋もの光が降臨するような景色、というか現象、というのをなんというのだろう?
いいあらわす言葉がきっとあるはずなんだけど、私は知らない。この景色をどこかで見るたびに、はっとするような神秘的な感じに心うごかされて、この美しいものはなんていうんだろう、なんていうんだろうと思ってきたのに、その言葉に出会えずにきたのだなあ。
そんな話を子どもたちにしたら、ミミが「調べてみたら?」と言う。
これまでも、調べようとしたことはあった。でも、ある言葉の意味を調べることはわりとたやすくても、「あるものがどんな言葉でいいあらわされるか」ということを調べるのはけっこう難しい。

海に沿ってゆっくり景色をながめてから家に帰って、ためしにグーグルで検索をかけてみた。「光 筋 雲 間」などの言葉を入れてみると、天文関係のサイトがざざざーっと並んだ中に、気象関係のサイトがいくつかあった。さまざまな雲について写真入りで解説してあるサイト、都会の空の風景をルポしたブログ。いろんなものがある。
そこからあちこちに飛んで、また検索をかけ直して…としていくと、おおっ! 偉大なりインターネット。しばらくのちに、私はあの光景をあらわす言葉にたどりつけた。言葉さがしにもこういう方法があるんだな。

ちなみにそれはこんな光景で、いくつもの呼び名があるらしい。d0153627_17311984.jpg
まず、「光芒」という言葉。ただしこれは、雲間から降りる光の筋のことだけをいう言葉ではなくて、尾をひくような形状の光、たとえば彗星のしっぽなども含む、光の形をいいあらわす言葉らしい。
次は、気象用語として「薄明光線」。これはまさしくこういう雲間からの筋状の光をいいあらわす言葉。ただし、ちょっとありきたりというか、独特の神々しい光景にはあんまりぴったりこない名前だ。
それから、「レンブラント光線」という呼び名もあるという。レンブラントが風景画で好んでこの雲間から降りる光を描いたことから、そう言われるようになったとか。
さて、いかにもロマンティックなのは「天使のはしご」という名前。別名、「ヤコブのはしご」。天使の方はちょっと赤面する感じの名だけど、これはどちらも旧約聖書の記述からとられたものだという。創世記の中でヤコブが見た、天から地上におりたはしごを天使が昇り降りする夢。その挿話が、この自然現象に重ねられて名づけられたらしい。
ヤコブっていうと、英名ジェイコブ。はしごは英語でラダー…むむ、そんな題名を聞いたことがあるぞ? と思い調べてみたら、やっぱりありました、20年近く前のアメリカ映画『ジェイコブズ・ラダー』。ティム・ロビンス主演のサイコスリラーだそうだ。旧約聖書のヤコブの話をもとに作られたストーリーと書いてある。
ところでヤコブといえば、ユダヤ人の祖。創世記の中で彼はこの「はしご」の夢を、自分の子孫が偉大な歴史を作り、繁栄する神からの予言と受け取ったそうだ。ヤコブの別名は、イスラエル。となるとこれはロマンティックどころの話ではない。今、むごたらしい戦場になっている場所のことに心は動いていって、急に複雑な気持ちになる。

やっと探していたものの名を知ることができて、胸はすとんとしたものの、次にあの光景に出会ったとき「あ、○○だ!」とすぐ言えるだろうか?
なんだかどの呼び名もそれぞれに意味はあって、でもジャストミート! という気持ちになるにはどれもちょっと足りなくて。
きっと次の出会いのときは心の中でつぶやくんだろう。「あー、これ、あの、あれね。」と。
うーん何のために調べたのか、私…。
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by higurashizoshi | 2009-01-09 17:42 | 雑感 | Comments(4)
Commented by モグラン at 2009-01-10 15:28 x
わーロマンティックですね。
「天使のはしご」がいいな。「光芒」っていうんですか。
神様や天使がおりてくる光景を思い浮かべます。
見ていてもこの光景って何ていうんだろう?と思ったことがありませんでした。
自然に接するといろんな美しい風景があって、素敵ですよね。
私もお散歩大好きです。
さ、寒さに負けずお散歩に行ってこよっと。
(帽子、マフラー、手袋は必須ですね!)

ひぐらしさんは、海の近くにお住まいなんですね。うらやましいな~。
Commented by higurashizoshi at 2009-01-12 17:47
モグランさん
そうなんです、海のすぐそばに住んでます。もともと海を見ながら育ったので、以前東京にいたころは「海が遠いー!」と思ってました。

光芒そのほかいろいろな名前のあるこの光景、いつも見るたび自然の神秘を感じて見とれてしまいます。
でも、気候の関係でこれがほとんど見られない地域もあるらしいですよ。

寒いですが、お散歩でいろんな発見があるといいですね。
Commented by マッシー at 2009-01-13 00:35 x
今回のを読み始めたら、頭の中で、天使のはしご、っていううんだよーん!私しってるよー!と、子どものように叫んでいました。(^^;)
持っている「空の名前」という本で知っていました。この本は雲の章、風の章、水の章など、5つの章に分かれて、きれいな写真とともに、いろんな空の名前がでています。昔の人は気象の変化にともなって現れる、さまざまな現象に美しい名前をつけていたんだなあーと感心します。
で、天使のはしご。
higurashzoshiさんがもう少しぴったりくるよな別の名前、載ってたかな?と久しぶりに取り出して、ページをめくってみましたが、残念。天使の梯子とヤコブの梯子しかのってなかった。
名前はともあれ、この景色は、いつ見てもきれいで、はっと、しますね。こちら埼玉でも、海の上じゃないけど、広々と続く関東平野にそそぐ光の梯子が時々みれますよ!




Commented by higurashizoshi at 2009-01-13 22:55
マッシーさん
わはは。。。知ってるよーんと叫んでいるマッシーさんを思わず想像してしまいました。
『空の名前』、以前本屋さんで見かけたことあります。そこに載ってるんですねー。明日図書館に行けそうなので探してみようっと。

子どものころ、朝焼けの空にこの景色を見て、「あ、あそこに神様がいるんだな」と思いました。今も、そんなふうに思うときがあります。
平野にのびるはしごも、きれいでしょうね!

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