ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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別れ

14回目の震災の日。正午にテレビの追悼式典の黙祷にあわせて眼を閉じた以外、いつもとかわらない一日をすごした。
それから3日たって、その1月17日の、14年前に地震がおきたくらいの時間に、子どものころから知っていた方が亡くなったのを知った。
両親にとっては若いころからの親友で、知的で凛とした、でもユーモアあふれる女性だった。私はいつも颯爽としたおばさま、と思って見ていた。

知らせを聞き母に電話をすると、母は沈んだ声で言った。「ほんとうのことと思えないのよ、何度考えてもほんとうのことと思えなくて」
電話を切ったあと、ひとりで座り、私は思った。ああ、そうなのか。あの人はほんとうに、いなくなってしまったんだなと。

これまでずいぶんといろんな、つらいといえることを経験してきたつもりだけれど、どんな幸運が私にあったのか、たったひとつ、家族の死にだけはあわずに生きてこられた。
親しい友だちのほとんどは、親やきょうだいをなくしているのに、私はそれをまぬがれてきた。
でももちろん、もうそう長くは、まぬがれているわけにはいかない。そのことを、まざまざと思う。亡くなった彼女は、私の両親より年下だった。

いつかは別れなければならない。私はいつもそう思って、人とともにいる。
タタやミミといっしょにいても、どこかでそう思っている。
だから一日一日が、とてもたいせつで、てのひらでくるみたくなるほどなのだ。
あたりまえのことなんて、ほんとうは何ひとつない。たいくつな昼下がり、誰かといさかいをした午後、はてしなく続くと思いこんでいる日常は、すこしもあたりまえではなくて。
14年前、たちきられた多くの人の人生が、そうであったように。
いつもすぐそこに別れがあるかもしれないから、今はそっとだいじな人に、だいじな時間にちゃんとふれていよう。
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by higurashizoshi | 2009-01-21 11:51 | 雑感 | Comments(2)
Commented by モグラン at 2009-01-21 18:43 x
もしかしたら明日はないかもしれない。
それは、自分かもしれないし、身近なあの人たちのことかもしれない。
そう思う時、人に対して優しくなれるっていうか、いろんなことに感謝したくなります。
一緒にいる時間が、あたりまえではないのだと思う時、胸がきゅんと痛くせつなくなるのです。

なるべくなら、出来るだけ、大事な人との時間は長く長く続きますように。
そう思いますよね。
Commented by higurashizoshi at 2009-01-22 21:05
モグランさん
明日世界の終わりが来たら? とか、今日が自分の最後の日だとしたら? とかいうたとえ話とか、フィクションってたくさんありますよね。
そんなふうにすることで、人はときどき確かめようとしてるのかもしれないですね。自分と、身近な人の生を。
一方では、そんなことありえないと安心したい、ってことでもあるのかも。
でもそれが、ありえるんだと教えてくれるのが現実の誰かの死。
とりもどせないから、どれほど貴重なものであったか、気づかせてくれる。

大切な人との時間。ほんとにいとおしんで過ごしたいですね。

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