ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリ:フィギュアスケート( 122 )

四大陸選手権2016 男女シングル

ふはー。
遅まきながら重い腰をあげまして、パソコンの前へ。
フィギュアの話、書けるかな。そのパワー出るかな。と懐疑的でしたが、昨日やっと四大陸選手権のアイスダンスをまとめて観たら、ひさびさに感動しました。すばらしい。世界選手権があまりにも楽しみ。

で、えんやこらと写真をあちこちで探して、まずは男女シングルについてざっと書こうと思います。
まだパワーほんのちょろちょろなんで、あくまでざっとでご容赦。


四大陸選手権2016 男子表彰台

1位 パトリック・チャン選手(カナダ) 290.21
2位 ボーヤン・ジン(金博洋)選手(中国) 289.83
3位 ハン・ヤン(閻涵)選手(中国) 271.55

d0153627_1262269.jpg

考えてみれば3人とも中国系という表彰台。
試合を観た方は記憶に新しいと思いますが、なんといってもパトリック・チャン選手のフリー最終滑走からのゴボー抜き大逆転優勝!
ショートではふるわず5位発進、復帰の今シーズンここまでジャンプが安定しないままだったパトリックなので、おそらく誰もがこの結果には「やられた!」と叫んだことでしょう。
こんなにうれしそうなパトリックとキャシーコーチを見るのはいつからぶりかな?
d0153627_1345414.jpg



さて、ボーヤン・ジン選手の4回転×4を完璧に(というか、軽々と)決めたフリー。
いやいやその前に、ショートで4回転×2も決めてるから、この一試合で4回転×6!
これって世界新記録ですよね?
d0153627_1325167.png
               「そうだよ、ウフフフ…」

どこまでいくんだ?と言いたくなるボーヤンの進化ぶりには、驚きを通りこしてポカーンとしてしまう感じ。
そのうち、コンボでしかトリプル跳ばなくてあとは全部クワドとか、なったりして。ははは。
まだまだPCSがこれからの状況とはいえ、こうなってくるとそれなりに点はついてくるんですねえ。
うわ、この試合もっていかれた!と誰もが思った矢先、最終滑走のパトリック。

d0153627_1412914.jpg

「僕はね、フィギュアスケートとはこういうものだと思っているのだ。」
と言われているような気がしました。
このショパンのプログラム、つぎはぎ感と新味のなさであんまりいいと思ってなかったのですが(失礼!)、今回の演技。ただただ、ただただ、美しかった。
すべてがひとつの指先でするすると描かれていくような、極上のなめらかさ。
流れの中に組み込まれた、疵のないジャンプの連続。
おそらく、パトリックが「こんなふうに滑りたい」と願うような滑り、そして私たちが「こういうのがすばらしいスケート」と感じるような滑りが、そこにありました。
土壇場の、僅差でのこの優勝は、いろいろな意味で意義深い。



3位になったハン・ヤンも今回すばらしかった。
しばらく迷いの時期が続いていた気がする彼ですが、何かひとつ抜け出たかな?という感じ。そのくらい、演技もエレメンツも吹っ切れていた。アクセル含めたジャンプがここまで安定していたのも、ひさしぶり。
相変わらずロミオには、見えないけどね。
d0153627_2172059.png



宇野昌磨選手。この表情にすべてが表れているなあ。
惜しくも4位という結果は、本人も悔しいながらも納得かなと。
d0153627_1424711.jpg

ショートは気迫十分でいい演技、対してフリーはクワドトゥ2本とも失敗という珍しいパターン。これも経験だと思う。
平常心をたもちつつタフに試合にのぞめるという、選手としてすばらしい長所(これは宮原知子選手もたぶん同じ)を持っているので、失敗を糧にしてきっちり階段を上がっていってくれるはず。誰にも真似できないショーマの艶のあるトゥーランドット、ワールドで完成形を期待してます。



無良崇人選手は5位。
d0153627_155262.png

順位は5位ですが、内容的にはとても充実していましたね。このところの無良くんは、ひと皮むけたというか、ついに花開いたというか…。まっちー引退時の「あとは頼んだ」を受けとった、あのときの涙に報いるような変化でほんとうにうれしい。
クワドもアクセルも、臆することなく自信をもって跳んでいた感じ。そして表現力、表現力! こんな無良くんが見られるようになったとは。来季にますます期待です。



続いての6位に入ったのは、田中刑事選手。
彼も今季、ついに花開いたひとり。
d0153627_1563882.png

控えめな性格がわざわいしてか、大舞台になるとなかなかジャンプが決まらなかった刑事くんが、このところぐんぐんと変化。ミスを起点にがたがたと崩れてしまう悪いクセから脱してきましたね。比例して、マダムキラーな表現力にもますます艶!…って、本人は恥ずかしがり屋さんみたいだから全然そんな意識ないんでしょうけどね。



ほかにも、この試合で引退か?と噂の流れた中国のナン・ソン選手とか、ごひいきのフィリピンのマイケル・クリスチャン・マルティネス選手、日本で練習中のキム・ジンソ選手とか、いろいろ触れたい選手はいるのですが…
今回の四大陸で国際試合についに帰ってきたこの人を。

カナダのケヴィン・レイノルズ選手。
ひさびさの大舞台、ショートではジャンプがまったく合わずに信じられない得点に沈みました。
でもフリーはクワドも2本降りることができて、納得とは遠くとも精一杯の復活の演技になったのでは。
d0153627_158226.png

靴のトラブル、ケガ、手術を越え、よくぞ戻ってきてくれました。たくさんのファンが待ってましたよ。おかえりなさいケヴィンくん! そしてなんてなめらかで上手な日本語のインタビュー! ミニマムスコア超えたからワールドでも無事会えますね。




四大陸選手権2016 女子表彰台

1位 宮原知子選手(日本) 214.91
2位 長洲未来選手(アメリカ)193.86
3位 本郷理華選手(日本)181.78

d0153627_1465490.jpg


女子は、とにかく宮原知子選手の独走、独走。
まったく他選手の追随を許さぬ、異次元のゆるぎない強さでした。
ロシアのメドベージェワ選手の今季ベストに、僅差に迫る高得点を叩き出しての優勝。ショート、フリーともに盤石のノーミス。実況の西岡さんに何度も「新世代のミス・パーフェクト!」と言わしめていましたね。
d0153627_152781.png

古くからのフィギュアファンならすぐわかる、「ミス・パーフェクト」はアメリカのフィギュア界にかつて君臨した、あのミシェル・クワンの代名詞。
いや~知子ちゃん、すごい勢いで階段を駆けあがってます。
ミスがないだけじゃない、その存在感、表現の色あいが、この2シーズンの間に別人のごとく進化してる。もちろん、私が予言した(えっへん)大人美女になる日も近いことでしょう。
ワールドでは、ロシアっ子たちとの対決が待ってます。さていったいどうなるか。



2位になった長洲未来選手。
長い彷徨をへて、たくさんの涙も流し、未来ちゃんがすばらしい大人の選手に成長して、こうしてまた表彰台に帰ってきました。今の彼女は大胆さと繊細さのバランスがほんとうに美しい。
d0153627_1534766.png

ジャンプの安定とともに、演技のすみずみまでしっかりと自信をもって、充足して滑っていることがこちらにも感じ取れます。ワールドで見られないのは残念だけど、来季がさらに楽しみ。



3位、本郷理華選手。
d0153627_14842.jpg

今シーズン初頭は、ショートもフリーもすばらしいプログラムと振り付けを得て、のびのびとパワー炸裂で滑っていた理華ちゃん。その勢いと進化には感動しっぱなしでした。
今回は少し、慎重になり、失敗を回避しようとする感じが見えたような。でもそんな時期が来るのも当たり前といえば当たり前。今はさまざまなことを経験して糧にしていく時期なのでしょう。
すでにこれだけ美しい選手になった、その進化のスピードを思えば、今後がますます楽しみです。インタビューにも少しずつ慣れてきたかな。でもいまだ容姿としゃべりのギャップ萌えは健在。



韓国のソヨン・パク選手が4位に入りました。
d0153627_1481987.jpg

ソチ五輪出場前から、彼女には注目してました。音楽に調和した優美な身のこなし、その流れるようなラインと豊かな表現力。
その後大人になってきて身体も大きくなり、ジャンプに苦しんでいましたが、今回はそのジャンプがクリアに入り、PCSもぐんと伸びました。
スレンダーな少女選手たちがしのぎを削る中でソヨンちゃんを見ると、なんだかほっとするんですよ。とはいえ平昌五輪に向けて、トップで韓国の女子を引っ張っていくこれからが正念場。さらに美しく、強くなっていきますように。



5位、アメリカのグレイシー・ゴールド選手。
d0153627_1483819.jpg

ショートでは失敗が相次ぎ、どこからどうみても調子が悪そうだったグレイシー。でもフリーでは3位と盛り返し、総合順位を押し上げました。
フリーでもコンビネーション2つになったし、やっぱりジャンプの調子はよくないのでしょう。それでも「あたしはやるのよ」という有無を言わせぬ感、演技後のきっちりスマイル、ジャッジのみなさんをこっち向かせるパワーはさすがです。ワールドに照準を合わせてうまく調整できれば、上位に食い込んでくる可能性はもちろんあり。



今回、すばらしい出来のショートで2位発進となった村上佳菜子選手。ひさびさに来るか!?と本人も周囲も期待したと思うのですが、フリーは残念ながら13位、総合では7位という結果になりました。
d0153627_1485388.jpg

でも、まるで滑ることが不安で苦しい、といわんばかりの一時の感じではなく、このところの彼女にはどこか吹っ切れたような明るさが感じられます。
真央さんの欠場で繰り上がった今回の四大陸出場、佳菜子ちゃんにとっては今季のしめくくりとしていい経験になったのではないかな。
インタビューでは早くも来シーズンのことを笑顔で話していたので、なんだかほっとしました。


女子も、ほかにも触れたい選手はたくさんいるのですが…
次回は四大陸のペアとアイスダンスについて書けたらいいなと思ってます。
ちょっと所要で東北に行くので、帰ってからになるかな。
あーひさびさにフィギュアのことを書きました。ふはー。
[PR]
by higurashizoshi | 2016-02-28 02:18 | フィギュアスケート | Comments(12)

いまさら振り返る全日本選手権2015

暮れも押しつまるところまで押しつまり、全日本が終わった余韻もさめかけ…ロシアのナショナルも終わり… で、明日は大みそか。
今年は喪中になったゆえ、お正月準備は何もしないので、例年のバタバタがうそのように静かな年の瀬を迎えております。
なんだかもろもろの疲れが出たのか、どーんと脱力した感があり、冬休みに入った娘たちと今夜は意味もなくレコード大賞なんか観てしまいました。いったい何年ぶり、いや十何年ぶりか。それにしてもセカオワやらゲス乙女やらは授賞対象で、ほかのロック系のバンドとどこで線引きされているのか、いないのか。某聖子さんに加齢という名の時空はないのか。大勢で歌って踊る女の人や男の人がたくさんいるけど皆どうやって見分けているのか。ひとりじゃないとか守りたいとか怖いほど似たような歌詞の歌が流行るのはなぜなのか。
などなどいろんなことを考えました。

まあ、でもこういうのは門外漢からフィギュアスケートの世界がどう見えるかと考えると、たぶんどっちもどっち。人とフィギュアの話になって、いろんな質問をされることがあるのですが、おお、そうか!一般的に見るとそういうところが疑問なのか!とか、そんなふうに見られてるのか!と思うこと多々。
私が今の日本の選手では宇野昌磨選手押しだと言うと
「ああ、あの子。かわいい顔してるよね!」
と何度言われたことでしょう。
顔なんかどうでもいいんですよ。いや、よかないけど、そんなことが問題ではないのであって。あのスケーティング、あの身体表現、あの音楽との融合、あの(以下略)…
でもそんな熱弁ふるうわけにもいかないので、
「いや~ますますすごい選手になると思いますよぉ」
とだけ答える私。全日本の話題でも、とかく結弦くんと真央さんの話ばかりに塗りつぶされてしまうのはやっぱり残念ですなあ… しかもその二人にしても、真の凄さとは別の次元の話が多いし。

そして相変わらず、高校生にして全日本連覇という偉業をなしとげた宮原知子選手のメディアでの扱いが薄すぎる! そして言わずもがなの宇野選手、あんなすんごい演技とすんごい点数だったのに!
と、フツフツとこみあげてきたところで、クールダウン。
結果的には世界選手権の派遣もまずまず順当に決まったし、男女ともにジュニア勢の活躍がたくさん見られたので、今年も充実した全日本だったといえましょう。
まことに今さらですが、全日本選手権の結果です。


全日本選手権2015女子シングル結果

第1位 宮原知子選手 212.83
第2位 樋口新葉選手 195.35
第3位 浅田真央選手 193.75
d0153627_234847100.jpg

優勝はひたむきなまでに丁寧に、そして静かに最後まで戦い抜いた宮原選手。すばらしいです。立派です。来年は歯の矯正も取れて(きっと)美女まっしぐらです。
堂々2位、やったるで、どっかーん!の樋口わかばちゃん。こんなパワフル巧者な14歳見たことないわ。おそれいります。
3位、実に僅差で真央さんが滑り込みました。僅差でも差は差。この差は結果的にほんとうに大きい。フリーでの立て直し、胸をなでおろしました。

以下、4位から10位まで。

4. 本郷理華選手 193.28
5. 白岩優奈選手 186.33
6. 村上佳菜子選手 181.58
7. 永井優香選手 178.86
8. 新田谷凜選手 178.48
9. 本田真凜選手 171.62
10. 木原万莉子選手 170.69

この中で特に注目は、今回は4位になった本郷理華選手、5位に入った白岩優奈選手、9位の本田真凛選手ですね。白岩選手と本田選手はまだ中学生、ともに将来を嘱望されているだけあって、素質、技術力、華やぎ、度胸など、さまざまな面でジュニアでも抜きんでてます。
7位に終わった村上佳菜子選手、フリーで思いもかけないミスの仕方になって何とも残念でしたが、本人が演技後あまりに明るく対応してるのでちょっと救われた思いが。でもその後はどうしてるのか、気になる。



全日本選手権2015男子シングル結果

第1位 羽生結弦選手 286.36
第2位 宇野昌磨選手 267.15
第3位 無良崇人選手 263.46
d0153627_0171923.jpg

優勝は、今回はひたすら悔しかった結弦くん。悔しがってこの得点、もはや彼は自分以外の敵はいないも同然。これからの戦いはむしろ、ますます過酷です。
第2位、平静なショーマも今回は緊張からかミスが出ました。とはいえ、やっぱりすばらしい。彼の身長が160㎝台に到達する日は来るのか否か。これフィギュア界の歴史にとってもたぶん重要ですよ。
第3位、無良くん!無良くん! ついにチャーリーも笑顔になったはずの「黒い瞳」! そして「オー」も、ジャンプのみならずステップも表現も飛躍的進化。

以下、10位まで。

4. 田中刑事選手 242.05
5. 小塚崇彦選手 228.82
6. 山本草太選手 215.15
7. 村上大介選手 214.56
8. 日野龍樹選手 213.17
9. 中村優選手 194.84
10. 宮田大地選手 193.17

今回出色だったのが4位に入った刑事くん。クワド含めジャンプがどんどん入っただけでなく、目の覚めるような表現力で引き込みました。このときをずっと待ってた。四大陸出場おめでとう!
靴ひもが演技直前にほどけた影響もあったのか、小塚くんはジャンプミス多発で5位。でもやっぱりスケーティングの美しさは絶品で、これで終わってほしくないと願ってしまう。
草太くんはショートもフリーもミスが目立ち6位。まだまだこれからの進化が楽しみです。
8位になったフェイことリュージュ、ショートは感涙の出来で、フリーもミスはありつつも納得&トンネル出口に光明、の全日本になったのでは。顔を上げてがんばれ~

そして書いておきたいのは7位に終わったダイスこと村上大介選手について。
あまり報道されてないようですが、男子フリーの公式練習中にダイスは結弦くんと衝突、そのとき左ひざを痛めたようです。そしてフリー冒頭のジャンプ転倒でさらにそこを痛め、パニックになって最後までそれを引きずってしまったとのこと。
結弦くんがまた他選手と衝突、ということで公式練習の際に現場は騒然となったものの、大事に至らなかったと処理された模様で、しかも結弦くんの本番の演技にこの衝突は影響なかったようなので、とても残念なことにダイスの方に影響があったことはほとんど報道されなかったようです。

昨季の中国杯での結弦くんとハンヤンとの衝突事故のあとも、結局何の改良の手立ても取られていない、公式練習のやり方。
特に男子はこれだけクワド(四回転)を練習で連発する選手が増えている現状から、多くの選手が一斉にリンクに入っての公式練習は本当に危険です。リンクに入る選手の数を減らして安全を確保するべきでは、と思うのですが…
なんといっても今回の全日本は、フリーで最終グループに残った男子選手6人全員がクワドジャンパーというおそろしさ。上位を狙っていたダイス、もし公式練習での衝突がなければ…と残念で仕方ありません。



さて今回の全日本では、カップル競技もかなりにぎわってきました。
ジュニアペアのカテゴリーも争われ、シニアのペアは3組、アイスダンスは4組出場。アイスダンスもジュニアのカップルが誕生していて楽しみです。


全日本選手権2015ペア結果

第1位 須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ 149.55
第2位 小野眞琳&ウェスリー・キリング 133.22
第3位 須崎海羽&木原龍一 126.12
d0153627_18124.jpg

1位のブードロー=オデくんは、昨季は古賀亜美選手と組んでいたのに、あれ?相手が変わってる! でも須藤選手とも相性は悪くなさそうです。
3位の木原龍一くん、高橋成美選手と組んでソチ五輪にも世界選手権にも出場し、その後解散して別のパートナーを見つけることができました。今後に期待です。


全日本選手権2015アイスダンス結果

第1位 村元哉中&クリス・リード 147.08
第2位 平井絵己&マリオン・デ・ラ・アソンション 141.63
第3位 森衣吹&鈴木健太郎  110.56
第4位 矢島榛乃&水谷心 75.82
d0153627_113409.jpg

なんといっても、優勝した村元&リード組の躍進! 組んでわずか半年足らずでここまで合うというのもすごいけど、もっとすごいのは村元哉中ちゃんがシングルからアイスダンスに転向してたった2シーズン目ということ!
これは子ども時代からアイスダンスの選手はアイスダンサーとして訓練を積む海外では、ちょっと考えられないことです。
d0153627_1343845.jpg
哉中ちゃんのシングル時代、演技を生で観る機会があったのですが、スケーティングが綺麗で華のある表現力、確かにあとから思えばアイスダンスに向いていた気が。…とはいえ、まったく違う文法のシングル競技とアイスダンス競技、おそらく過酷な練習を超えて短期間でここまで来たのでしょう。お姉さんのキャシーの引退でひとりになったクリスにとっても、願ってもないパートナーが誕生した感じです。
2位になった平井&アソンション組とともに、どんどん国際試合でも活躍してほしい!
今回、残念ながらカップル競技は見ることができなかったのですが、ジュニアの選手たちにも期待してます。


*****

というわけで、これがたぶん今年最後の更新になります。
今年はフィギュアスケートの話、しかも今さらながらの全日本振り返りが最後の更新かあ…
ま、それはそれでよしとしよう。

2015年にもたくさんのことがありました。
そして父の急逝により、私にとって決して忘れられない年になりました。
この一年も、ここに立ち寄ってくださった方々、つたない文章を読みついでくださった方たちに心から感謝します。
みなさんにとって、心やすらかな年の瀬、そして希望の新年が訪れますように。
来年もまた「ひぐらしだより」をよろしくお願いします。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-12-31 01:55 | フィギュアスケート | Comments(2)

ラクリモーサ

とりあえず、ひぐらし的生存証明ということで…

グランプリシリーズ終盤、そしてファイナルについても何も書けず、あっという間に全日本も迫っているところですが、今日は行ってきました。これに行ってきました。
d0153627_23145399.png

大阪・なみはやドームあらため、ラクタブドームでのクリスマスオンアイス2015。
アリーナ当たったのも奇跡的だったけど、その時点でまさかこんな状況で当日を迎えることになろうとは想像もせず。

実は明日が、先月急逝した父のお別れの会なのです。
帰ってきてくれた高橋大輔さんが披露した、今日のための最初のプログラム。
ズビグニエフ・プレイスネル作曲のレクイエムの中の、「ラクリモーサ(涙の日)」というタイトルの曲でした。



このプログラムの衝撃が、今も身体のすみずみまで残っています。
大ちゃんが、また新しい世界へ足を踏み入れたことへの感動、
そして今の自分の気持ちをこれほどかき乱し、同時に癒してくれる彼の演技をこの目で見た衝撃。
涙することも忘れて、ただただ凝視していました。

あらためて、強く確認したこと。
高橋大輔のスケートは、音を奏で、楽曲を空間に構築する魔術である。
そしてその魔術は、たとえようもなく、美しい。



今日観た、ほかのすばらしいスケーターたちの演技は、またの機会に。
このレクイエムを胸に、明日のお別れの会にのぞんできます。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-12-19 23:47 | フィギュアスケート | Comments(0)

グランプリシリーズ2015 第3戦・中国杯 男子・ペア・アイスダンス

さて、中国杯男子です。
日本の選手が出場していないということで、テレビ放映は冷遇状態でしたが… もったいない! すばらしい内容だったんですから!

中国杯2015男子表彰台
第1位 ハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)
第2位 ボーヤン・ジン(金博洋)選手(中国)
第3位 ハン・ヤン(閻涵)選手(中国)
d0153627_1037233.png


もっとも話題をさらったのは、言うまでもなくボーヤン・ジン選手の驚異のジャンプ構成と、その成功ぶり。
今季シニアに上がったばかりの18歳ですが、ジュニアのときからミラクルジャンパーとして名をはせていたボーヤン。
四回転ジャンプを十代前半からどんどん跳び、すでに多種類のクワドジャンパーになったうえで、満を持してのシニア入りだったのです。
d0153627_10454148.png

昨季まではまだ全体に子どもっぽく、マッチ棒人形みたい(失礼)だったボーヤン。ジャンプ以外の要素は置いてきぼりな感じで、ただただすごいジャンプだけの選手、という印象でした。

それが今回ひさびさに見たら、身体つきや雰囲気もずいぶん大人っぽくなっただけでなく、音楽表現やステップに相当力を入れて鍛えてきた感じで、お、ボーヤンが踊ってる?表現してる!? もうマッチ棒人形じゃないぜ! と瞠目。
身体能力めっちゃ高いのでしょう、身のこなしもキレキレじゃないですか。とはいえまだまだ、決められた通りパキパキ振り付けをこなしてます!という感じなので、これからきちんと個性を出していってほしいところです。
で、ジャンプはやっぱり来ました。クワドルッツ×トリプルトゥのコンビネーションという前人未到。クワドルッツ単独だけでも史上2人目の快挙だというのに、かるーくコンビネーションで決めちゃう。そしてこの軸の細さ、あざやかさ。
今季フリーは四回転を4本入れる構成。4本。…もう、四回転ジャンプってものにぜーんぜんストレスないんでしょうね。まさにジャンパーの限界に挑戦中!ですが、今後さらに大人体型になっていくとどうなるのだろう?



そのボーヤンを最終的に寄せつけず、1位を守ったのがハビエル・フェルナンデス選手。
で、今季のハビーはショートプログラムがめちゃくちゃかっこいい!
d0153627_21253996.png

失礼ながら、この写真をパッと見ただけではハビーとは思えないほど。
これまではおちゃめでコミカルなプロが持ち味という感じでしたが、このプログラムでついにスペインの男を、ド直球に演じてみせたんですねえ。アントニオ・ナハーロさん振り付けのマラゲーニャ! 王道中の王道フラメンコです。
今回はジャンプも冴え冴えと決まり、トップに立つスケーターとしてのオーラが全身から放たれていました。
いや~こんなかっこいいハビー初めて見たわ。ゾクゾク。

フリーでは従来の洒脱系プロで、四回転3本の構成。3つ目のサルコウが転倒になったものの、全体に安定した演技でした。時折出る悪いクセのジャンプすっぽ抜けも、妙に脱力するやわやわステップも今回は影をひそめ、終始《いいハビー》でしたね。



3位に入ったハン・ヤン選手。
d0153627_2150135.png

だんだんと大人びて、いいスケーターに育ってきたなあと思いつつ、相変わらず不思議な個性の持ち主。コミカルなんだか真面目なんだか判然としない、ハン・ヤン色の世界。フリーのロミオとジュリエットも、ロミオには見えないし、お友だちかな?
崩壊するときは雄大に崩壊するジャンプ、今回はいい方に雄大でした。決まったときのアクセルはまさに飛行!ほんとに気持ちいいです。

結弦くんとの、あの衝突事件から一年。結局何も改善されないままの公式練習の方式は続いてます。
二人ともすっかり回復した様子なのはほんとうによかったけれど、またあんなことが起きないようにと願うばかりです。



4位、アメリカのグラント・ホクステイン選手。
今回テレビでは《ホッホステイン》て表記されてて、長年全米選手権などで見慣れてる選手だけに「…ホッホ?」となってしまった。
d0153627_21592753.png

以前から滑りも綺麗だし音楽を解しての表現力もある選手と思ってましたが、ジャンプで崩れることが多く、小柄な体格も相まってなかなか目立つところまで来られなかった感があります。
しかし今大会はホクステインくん、すばらしかったですね。「アメリカにこんないい選手がいたの?」と注目されたのではないでしょうか。うれしいうれしい。



5位、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフ選手。
d0153627_228459.png

このところ私が常に応援しているヴォロさん。ヤンキー衣装が異様に似合うヴォロさん。努力家だけどいつもハッピーな笑顔。荒ぶるとかっこいいを超してちょっとヘン、でもそこが愛すべきヴォロさんなのだ。

今回、ショートは初めて見たのですが、私の大好きMuseの「Butterflies and Hurricanes」じゃないか!
そうそう、この曲こそフィギュアで使ってほしかった! バトルさんらしい振り付けで、素敵プロでした。
衣装が、日本の任侠映画で賭場に殴り込みかけた白人ヤクザみたいだったけど、こういうのが似合うんだなまた。
フリーでジャンプミスがあり今大会は順位を下げて残念! とはいえ、常に試合で上位につけていく安定した実力選手になりましたね。長い低迷も苦労も報われつつあり。



6位、フィリピンのマイケル・クリスチャン・マルティネス選手。
d0153627_22243646.png

マルティネスくんの眉毛がっ!
手入れされてる…

いやいや、そんなとこばかり注目してるわけじゃありませんよ。しかし残念だな眉毛。彼もどんどん洗練された選手になって来ていて、眉毛も洗練…  じゃなくて、真面目な話! ほんとにぐんぐんうまくなって、これからが実に楽しみ。
大阪での四大陸で生で観て、大喝采を浴びてビックリした顔してた初々しいマルティネスくんが懐かしく思い出されます。
あれから二年。フィリピンとアメリカを行き来しながら、苦労も多い中ほんとうにすばらしい成長ぶりです。



8位、ウズベキスタンのミーシャ・ジー選手。
ショート「道化師」。
以前からリスペクトし続けてくれている、これは大ちゃんへの新たなリスペクトプログラムなのでしょうか。
今回は全体に調子が上がっていなかったけれど、素敵な道化師でした。
d0153627_22335279.png

フリーはショパンの夜想曲。
こちらも素敵でした。ミーシャの音楽表現への細やかなこだわりに満ちています。ミスがあっても、常に観客に向けて《思い》を伝えようと全霊をかたむけるミーシャのスケートには、心が震えます。



カップル競技は、今は表彰台のみ。
まずはペア。悠子さんスミルノフくん、優勝おめでとう!

グランプリシリーズ2015 中国杯 ペア表彰台
第1位 川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ(ロシア)
第2位 ウェイジン・スイ&ツォン・ハン(中国)
第3位 シャオユー・ユー&ヤン・ジン(中国)
d0153627_22512525.png


グランプリシリーズ2015 中国杯 アイスダンス表彰台
第1位 アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ(イタリア)
第2位 マディソン・チョーク&エヴァン・ベイツ(アメリカ)
第3位 エレーナ・イリニフ&ルスラン・ジガンシン(ロシア)
d0153627_22543337.png


スケートアメリカで優勝のチョーク&ベイツを、今大会はカッペリーニ&ラノッテが制しました。
イリニフ&ジガンシンも、組み換え後やっと少しずつユニゾンができてきたかなというところ。
チョクベイは早くもグランプリファイナルへの一番乗りが決定。押しも押されぬトップカップルになりましたね~



というわけで、カップル競技が駆け足になったのが今回も残念無念。
すでにエリック・ボンパール目の前で、また週末はやりくり算段して観戦、観戦です。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-11-12 23:06 | フィギュアスケート | Comments(2)

グランプリシリーズ2015 第3戦・中国杯 女子シングル

早くもグランプリシリーズ第3戦、中国杯。
BSで男女ショートとフリー、エキシビションは5時間以上かけて観ましたが、カップル競技はまだ。
毎年毎年言ってますが、ペアとアイスダンスもせめてもう少し早く放映してほしい! ライスト見られないと、延々おあずけ状態が続いて心が間延びしてしまいますがな~

それと、やっぱり今回の中国杯、真央さんの出る女子だけ地上波ゴールデンタイム全国放映で、日本選手出なかった男子は関東ローカルのみの深夜放映でした(涙)。
この次のエリック・ボンパール(フランス大会)は男女ともフリーだけ全国放映らしい…。
ああ殺生な。そんな半端なことせんといて~

と、文句はこのくらいにして。
遅まきながら中国杯について、まずは女子から。

グランプリシリーズ2015中国杯 女子表彰台
第1位 浅田真央選手(日本)
第2位 本郷理華選手(日本)
第3位 エレーナ・ラジオノワ選手(ロシア)
d0153627_22391387.png


今回の女子は、やはりなんといっても日本の新旧2選手のめざましさに尽きます。
私、日本の選手だから応援するってことはない人なので、これはフラットに見ての感想。

まずは真央さん。
ショートではトリプルアクセル含む超高難度のプログラムを、アッというまにスルスルとクリア。非常に落ち着いていて、一年の休養明けのグランプリ初戦とは思えない仕上がりぶりに「はー」と思わずため息が出ました。
d0153627_2312137.png

ワンシーズン休んでたんだよね? て真顔で聞きたくなるほど、ショートからトリプルアクセルは当然のごとく入れて、フリップーループの3×3に、苦手だったルッツも入れてて。
休養前の状態に戻す、だけでも大変なことなのに、真央さんの視線ははるか上を見ているらしい。さすが最高級職人。《これまで通り》なんかじゃ、進化し続けなきゃ、戻ってきた意味がないってことですね? おそれいりました。

フリーでは冒頭、これまで跳んだ中でも最も美しいのではと思われる完璧なトリプルアクセルを決めたあと、いくつか残念なジャンプミスがありました。そして、コールされて位置につくまでのタイムオーバーの惜しい失点も。休養前のシーズンまでは1分だったのが、ISUのルール変更で30秒に短縮されていたのを勘違いしてしまったそうです。
ただ、表現面では、ジャパンオープンのときより深みが増していたような。見るものを引きつける吸引力は、かつてのあどけない演技からは想像できないほど。そして美しい。
彼女は本当に美しいスタイルの持ち主ですが、私、その演技そのものをこんなに美しいと思ったことは以前はあまりなかったのです。
d0153627_23211854.png



さて、その真央さんをフリーでは追い抜かし、あわやというところで2位になった本郷理華選手。
ショートはすでにフィンランディア杯ですばらしい演技を観てたので、今回も鉄壁のジャンプにあっこちゃん肝入りのワクワクする振り付けの「キダム」、安心して楽しませてもらいました。

そしてフリー「リバーダンス」。
フィンランディアのときもよかったのですが、今回は理華ちゃんに何かが注入されたかのような、すごい勢いとパワーで序盤から乗っていきました。これは来るぞ、来るぞ…という興奮。
d0153627_23344114.png

フィンランディアのときと衣装変えてたのですが、これが私的にはドンピシャの素敵お衣裳。
深いグリーンのシンプルなデザインに美しい装飾、特にスカート部分がジャンプやスピンのときにふわりと上がると、淡いグリーンのアンダースカートが透けて見えるところがすばらしく綺麗。これ、あっこちゃん御用達のデザイナーさんの作品かなやっぱり…などと考えているうちに、中国のお客さんのものすごい盛り上がりの中でどんどんパワーアップしていく理華ちゃん!
特に終盤、アクセルートリプルトゥのあと3連目のダブルトゥをタノで跳びきったあたりから、こりゃーすごいことになったわとテレビ画面にくぎ付け! バンザイガッツポーズのあとは、130点にあとちょっとで届く高得点!

出る試合出る試合、怒涛の勢いで自己ベストを更新していく今の理華ちゃん。メンタルの強さとインタビューでの村娘ぶりも健在。さてどんな選手に育っていくのかほんとに楽しみです。



3位に入ったのは、ロシアのエレーナ・ラジオノワ選手。
美少女女優だったラジ子ちゃん、オフの間に7㎝も背が伸びて、ずいぶん大人になってました。
d0153627_23573157.png

いとも軽やかに跳んでいたジャンプが、やはり体型変化のためか、以前ほどは安定してないです。ただ、やはり表現面は天性の女優力と豊かな感性で、見るものを引き込まずにはおきません。
今しばらくは、少し悩み多き時期になるかも。でもまだ16歳だもんね。このまま順調に成長していけば、美しさと技術と芸術性を兼ね備えた、稀有な選手になれる可能性大です。



4位には、同じくロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手。
ごらんくださいこの美しさ。ラジ子ちゃんとはまた別種の美であります。こんなに大人っぽいのに17歳ですよ。どうしましょう。
d0153627_085750.png

のびやかな肢体から繰りひろげられるスケールの大きなジャンプ、ドラマチックな表現、非常に魅力的で可能性をたくさん持った選手ですが、ときどきジャンプが大崩れし、そうなると演技全体がトーンダウンしてしまう…というのが今のところの弱点です。
そのあたりが安定してくると、彼女もまた本当にすばらしい選手になれるはず。ほかのロシア女子とはちょっと違うミステリアスな雰囲気にいつも引きつけられます。



この選手も注目してます。韓国のパク・ソヨン選手。
今回8位という結果でした。ジャンプがなかなか全部に安定して入らないのですが、まだ18歳になったばかりですでにソチ五輪にも出場。キムヨナ選手去りしあとの現・韓国チャンピオン。独特のつややかな魅力のある、とても美しいスケーターです。
中国杯のお写真なかなか見つけられず、これは先日のスケートアメリカ出場のときのもの。
d0153627_0374116.png

ソヨンちゃんも、いつもお衣裳がセンスよく素敵です。技術面でぐぐっと進化してくれると、今後グランプリでももっと上位に食い込める選手になると思う。期待してます。


男子までいく前に時間切れ。
続きはまた明日書きます! 早く書かなきゃ、エリック・ボンパール始まってしまうがな。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-11-11 00:50 | フィギュアスケート | Comments(0)

グランプリシリーズ2015 第2戦・スケートカナダ

旅から帰り、またいろんな用事やら家族のことやらでアタフタしてる間に、グランプリ第2戦のスケートカナダが始まり、終わり、気づけば第3戦の中国杯も目の前! ほんと毎秋グランプリシリーズが始まると気が抜けません。
ブログなんか書かずにただ観てるだけ、観てあーだこーだ言ってるだけ、にしたらラクなのに、やっぱり書かずにいられないんですねえ。むにゃむにゃ。

さて、スケートカナダは結弦くんが出てたのでメディアの露出がめいっぱいでした。どこ見ても《スケカナ=ゆづ》でした。ソチ五輪以来のパトリックとの一騎打ちということで、いろいろと沸騰していました。
でも今回はね、ダイスこと村上大介選手の活躍を、どうかどうか多くの人の心に深く残してほしい。
その男子シングル結果から。

スケートカナダ2015男子表彰台
1位 パトリック・チャン選手(カナダ)
2位 羽生結弦選手(日本)
3位 村上大介選手(日本)
d0153627_2210841.png


ときどきあることですが、今回のスケカナ男子ショートは悪夢のように次々と大きなミスが続き、自滅していく選手が続出。こういうのって何なのでしょう。現場にいればわかる理由があるものなのか、どうか。
結局、80点ギリギリ乗ったスコアでスモールメダルを争う、という予想外の展開になりました。ショート1位発進になったダイスも、ちょっと唖然としてたかもしれません。
崩れたのはパトリックもそうなのですが、彼は何といっても一年間の休養後のグランプリ初戦。驚いたのはやはり結弦くんの、ショートの3ジャンプ中、2ジャンプがノーカンという結果。

滑走中つねにクレバーな彼は、同じジャンプの跳びすぎ違反(いわゆるザヤックルール)などには絶対の注意を払っているはずだったのですが…
まず、2つめのジャンプであるクワドトゥループがまさかのダブルトゥループになってしまい、0点。
これは、ショートプログラムでは単独ジャンプは3回転以上でなければ点にならないという規定のためです。
しかも3つめのジャンプのコンビネーションで、鬼門のルッツに付けたトリプルトゥループがダブルトゥループに。つまりダブルトゥを二回跳んだことになってしまい、こちらのジャンプも0点に。
結弦くんがザヤるという、かなりありえないことが起きました。これも経験というしかない。
しかし、ジャンプ3本中2本全滅なのに、加点の多さ、PCSの高さで70点台が出るのだから驚異です。最初のトリプルアクセルなんて5点も加点がついてる。つまりこれ以上完璧なアクセルはありません、という評価。

そして、まさかの6位発進を受けた《逆境大好き、ピンチ上等》な結弦くんは予想通り翌日のフリーではぶっちぎりで四回転3本、アクセル2本を決めてみせて大逆転。それでもショート2位発進だったパトリックにはおよばず、総合2位という結果でした。
陰陽師に扮した結弦くん、眼から火が出るの図。
d0153627_23134785.png



一方のパトリック・チャン選手。
ショートでは後半ジャンプにミスが出たものの、フリー演技後は190点越えを見て、ひさびさにこのポーズ。
d0153627_234448.png

やっぱりパトリックのスケーティングはただただ、ミラクルでした。ひとりだけ別の氷の上を滑ってるんじゃないかと思うくらい。ひさしぶりにジャンプもほぼクリーン。二つ目のクワドが入るようになったら基礎点もぐっと上がるので、さらに得点は伸びるはず。
とはいえ、今回結弦くんに勝てたのは、正直ショートでの大きな差のおかげ。すさまじい基礎点の結弦鬼プログラムにパトリックが勝つのは、今後容易ではございません。


村上大介選手。
はからずも1位発進で迎えたフリー。地元の大喝采を受けたパトリックの演技の直後の、最終滑走。
張りつめた表情に不安をおぼえつつ見守ったのですが…
d0153627_23495240.png

得意のクワドサルコウが2本きれいに入り、ラストジャンプまで次々と安定して降りていくのを息をつめて見て、最後はテレビの前で大拍手。すごい、すごいよダイス!この追いつめられた最終滑走で堂々のこの出来栄え!

でも、でも…
点数を待つ間のダイスのこの表情が忘れられない。
日頃は恬淡としているキャロルコーチの眼に、涙が光っていたことも。
d0153627_23581541.png

ほぼ完璧な演技でフリーを終えながら、ダイスは3位に後退した。
基礎点の差。PCSの差。絶対的な差を前に。

解説の織田くんが嗚咽をこらえながらダイスをほめたたえ、彼はこれからだと強調していたのが胸に残った。
今回の殊勲賞は間違いなくダイス。どうか自分に自信をもって、さらに向上してほしいです。

急な出場にもかかわらず、パーソナルベストを出して健闘した川原星選手など、ほかにも触れたい選手はいますが、女子へ。

スケートカナダ2015 女子表彰台
1位 アシュリー・ワグナー選手(アメリカ)
2位 エリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア)
3位 永井優香選手(日本)
d0153627_8434761.png


優勝したアシュリー・ワグナー選手ひとりが盤石の安定演技をつらぬいた以外は、なかなかの混戦となりました。
そのアシュリー。ジャンプミスも回転不足もほぼなく、ショート、フリーとも《一番いいアシュリー》をそろえることができました。安心して見ていられる感じでした。
ソチ以降、どんどん低年齢化している女子シングル界で、完全にベテランお姉さん状態のアシュリー。シニアでの戦歴が長いこともあり、本人も自分の立ち位置をよくわかっていらっしゃるようで、まさに大人の演技、大人の風格。
d0153627_857381.png



ショートではジャンプが入らず、しかもスピンもステップもレベル取れず…と心配なスタートだったトゥクタミシェワ選手。
フリーではトリプルアクセルもステップアウトながら入れてきて、その後はガンガン攻めまくり、最後はガッツポーズ! やっぱり強いトゥクタミちゃん。
まだまだ新プロになじんでいない感じがするので、これからの安定に期待。
そしてプログラムは変われど、弱冠18歳のマダム系色香と、この貫禄は不変なのだ。
d0153627_910618.png



サプライズは3位に入った永井優香選手でした。
ジュニアから上がったばかりの優香ちゃん。ジャンプも滑りもおおらか&伸びやかな、まだ初々しい16歳です。
d0153627_172077.png
今のところジャンプのすっぽ抜けがお約束になってしまってて、今回もそれが出てしまいましたが、まだまだほんとこれからの選手。おっとりしつつ度胸はなかなかにあるようだし、すべてにおいて変なクセのないスケートに期待大です。


村上佳菜子選手は4位。
惜しいところだったけど、本人は悔しさもありつつ、ひさびさにに試合で手ごたえを感じたように見えました。
d0153627_1104955.png
なかなか活路が見えないできた2シーズンほどを経て、真央さんも戻ってきたことだし、佳菜子ちゃんのモチベーションも上がってきたのかも。今季はどこかで完璧な演技をして、キスクラでもはじける姿を見たいです。


あああ、一番書きたかったアイスダンスを書く余裕がなくなってしまった…
さっき気づいたのですが、もしかすると中国杯、男子の地上波放映は関東ローカルのみかも?
日本の選手が出てないから…?
女子は真央さん出てるからゴールデンタイムに全国放映なのに… バタリ(昏倒)。

アイスダンスについては(ペアもですが!)また時間を見つけてグランプリいくつかまとめて書けたらと思います。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-11-06 01:24 | フィギュアスケート | Comments(2)

グランプリシリーズ2015 第1戦・スケートアメリカ

グランプリシリーズ、とうとう開幕しました。
第1弾スケートアメリカ終了しました。
ざっと振り返りつつ。

スケートアメリカ2015、女子シングル表彰台。
1位 エフゲーニャ・メドベージェワ選手(ロシア)
2位 グレイシー・ゴールド選手(アメリカ)
3位 宮原知子選手(日本)
d0153627_18231835.jpg


15歳、シニアに上がったばかりのメドベージェワ選手が、楽々と優勝。
少し前のリプニツカヤ選手やラジオノワ選手のジュニア→シニア当初のぶっちぎりぶりを彷彿とさせます。
d0153627_1914325.png

ジュニアのときから、あまりにタノジャンプ(片手や両手をあげて跳ぶ)を多用するため
「この人は…片手を上げないとうまく跳べないのでは?」
というナゾの疑問を抱いてしまったくらいのジャンプ巧者です。
今はまだ、怖いものもストレスもない感じ。そしてあくまでも少女体型。可憐な表現もとても上手です。
今季は、彼女が女子を席巻するか。



宮原知子選手。
美しいフリー、リストの「ため息」。
d0153627_1984984.png

メディアで「3位に終わった」と書かれていることが多くて、なんだかくやしいなあ。
はっとするほど大人びた今季の知子ちゃん、これまでとは明らかに一線を画するプログラムの成熟度。
今回は彼女にはほんとに珍しく、ジャンプにミスが重なったのが残念でした。でも今後に不安を感じさせない、信頼感みたいなものが知子ちゃんのスケートには満ちているなあと思います。少しずつPCSも上がっていくはず!



スケートアメリカ2015男子表彰台。
1位 マックス・アーロン選手(アメリカ)
2位 宇野昌磨選手(日本)
3位 ジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)
d0153627_22493375.png



すばらしい得点でグランプリ初優勝、大喜びだったアーロンくん。
ジャンプに関しては、元かっとび小僧の面目躍如、決めまくることができました。彼にとっての今季の挑戦は、プログラムの表現、スケーティングの進化。フィリップ・ミルズの振り付けでの新境地です。
何を目指しているのかは、今回とてもよくわかりました。この努力がさらに花開きますように!
d0153627_23162723.png



さてショーマです。
前評判では断トツで優勝候補に挙げられていたショーマ。
気負うことなく、静かな闘志でリンクに立ちましたね。
ジャンプミスで4位発進となったショートも、内容的にはとてもよかったと思いますが、やっぱりこのフリー「トゥーランドット」は、ジャッジにもアメリカの観客にも、強いインパクトを与えたと思う。
d0153627_23145893.png

後半のクワドトゥのコンビネーションが入ったことでこれだけ高い点数が出たわけですが、スケーティングの粘りと伸び、音楽との一体感において、ここまですぐれて観客を引きつける力があるのは、私見ながら今季現役選手の中ではデニス・テン選手とジェイソン・ブラウン選手と、新米ショーマくんだけです。
中盤、ショーマがボーカルを口ずさんでいるのを見たときは、ちょっと鳥肌立ちましたもん。オペラのボーカル口ずさみながら滑る、それが似合う日本の高校生。何なんだろうこの人はと。
リンクを降りればあんなにトボロンとしてるのに、この制圧感。不思議な方です。

わずかな差で優勝は逃したけれど、今回はこの順位が今後につながっていく意味でちょうどいい感じでは。どんどんジャッジや観客にインパクトを与え続けてほしい。



上で挙げた、スケーティングと音楽との一体感、引きつけ力のベスト3(あくまで私見ですよ)の全員が、このスケートアメリカに出てるんですねえ。
その中でデニス・テン選手は今回ミス連発で残念な結果でしたが、毎シーズンともスロースターターなテンくんなので、今季のめっちゃ玄人好みなショート&フリー同じ曲というプログラムが、徐々に完成していくのを待ちましょう。

さてもうひとりの一体感&引きつけベスト3のひとり、ジェイソン・ブラウン選手。
もうね、今季フリーが「ピアノ・レッスン」て知ったときから、楽しみでしかたなかったのですよ。
d0153627_23364887.png

きっとジェイソンなら「ピアノ・レッスン」をこんなふうに滑ってくれるだろう…と想像していた通りの、それ以上のプログラムでした。
しかも「ピアノ・レッスン」の中でも静かな「愛の香気」一曲だけで最後まで滑り切る。ああ、これでこそですよ。
今後シーズンを通してこのプロが進化・深化していくのをじっくりと見守りたいと思います。
こんなこと言ったら怒られるけど、無理にクワド入れなくてトリプルアクセル止まりでトータルの完成度を見せてほしい!と思わず考えてしまった。クワド上手になったらいいね、ジェイソン。



すごく少しの選手にしか触れられなくて非常に残念ですが、明日から3日ほど旅に出ますのでその準備でバタバタもあり、縮小版になりました。
アイスダンスとペアについてはまったく書けてないので後日。
アイスダンスはライストを苦労して観たので、すぐさま書きたかったんですが…なんせ時間がなくて。
BSで生中継してくれたスケアメのエキシビション観るのも、旅から帰るまでおあずけです。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-10-26 23:50 | フィギュアスケート | Comments(0)

フィンランディア杯2015などなど

Japan Openのことをもう少し書こうと思ってたのですが、あれよあれよと日は過ぎ、もはやグランプリシリーズ開幕目前。今週末にはスケートアメリカ、そこからは毎週の怒涛の転戦が始まりますがな…

で、とりあえずフィンランディア杯をCSで観られたので(といってもシングルのみですが)、ちょっと書いておこうと思います。

女子表彰台。
1位 本郷理華選手(日本)
2位 ユリア・リプニツカヤ選手(ロシア)
3位 ヨシ・ヘルゲソン選手(スウェーデン)
d0153627_12442699.png

本郷理華選手については、昨シーズンの目の覚めるような躍進ぶりと安定度を見ていたので、もちろん今季も期待してました。
しかもショートの振り付けは鈴木明子さん。同じコーチのもと、先輩として子どものころから本郷選手を見てきたあっこちゃんです。本郷選手の長所も弱点も知り尽くしたうえでの振り付けと細かい指導をつけていく《新人振付師・鈴木明子》の様子をテレビで垣間見て、その仕上がりを楽しみにしてました。
しかも演目はシルク・ドゥ・ソレイユの「キダム」。シルクといえばあっこちゃんの名プログラム「オー」を思い出さずにいられましょうか。

で、この「キダム」。
音楽、振り付け、衣装、すべてが本郷選手にドンピシャ。そしてシーズン初頭にして、この仕上がり感。
いやー、ここまではまると気持ちいい。
d0153627_13131351.png

2年前まではジャンプの安定度に対して氷上姿勢や表現面が大きな課題だった理華さん。シニアに上がってここまで伸びてくるとは正直思ってませんでした。
ジャンプはたまに抜けはあるものの、崩れることがないこの盤石さはほんと強みだし、ここに個性と表現力が加わるとすばらしい。まだまだ振り付け頼りではありますが、今後にさらに期待。
この「キダム」の振り付け、ステップはもちろん身体の使い方やこまかい所作にいたるまで、あっこちゃん色がこれでもかと出ていて、見ながらニヤニヤしちゃいました。


そして、話には聞いていたのですが、このオフシーズンの間のリプニツカヤ選手の体形変化はけっこう大きかったなあ。
ティーンエイジャーとしては当然の発育なのですが、驚異のジャンプ力と柔軟性を支えていたあのジュニア体型が急激に大人の女性へと変化した影響は、しばらく彼女を苦しめるかもしれません。
とはいえ、凄い天賦の才をもった選手であることに変わりはなく、新たなリプちゃんのスケートが確立されていくよう願うばかり。
d0153627_14165650.png



フィンランディア杯、男子表彰台です。
1位 コンスタンティン・メンショフ選手(ロシア)
2位 アダム・リッポン選手(アメリカ)
3位 セルゲイ・ヴォロノフ選手(ロシア)
d0153627_14385516.png

うれしいなあ、個人的に応援してる選手ばかりですわ。
32歳にしてこの位置につけているメンショフくん、今期も彼らしい個性的プロで素敵。
フリー、4×3も序盤には鮮やかに入りましたが、後半になるとジャンプの制御力がやっぱり年齢的に少しずつ苦しくなってきてるのかな?とも感じられる。でも行けるところまでがんばってほしいなあ。

2位に入ったリッポンくん、ジャンプもスケーティングも今回あまりよくなかったけど…
スケートとは直接関係のないことですが、彼はこのほどゲイであることをカミングアウトしましたね。現役選手として競技シーズン初頭にこの発表は、採点に影響を与えかねないという話もあり、逆に彼の強い意思を感じます。
髪は相変わらず伸ばしてくれないし今季は色も微妙だし、衣装も謎チョイスだけど変わらず応援しているからね~



続いてフィンランディア杯、アイスダンス表彰台。
1位 ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ(カナダ)
2位 イザベラ・トヴィアス&イリヤ・トカチェンコ(イスラエル)
3位 ローレンス・フルニエ・ボードリー&ニコライ・ソレンセン(デンマーク)
d0153627_14521968.png

内容は未見なのですが、ポジェくんがひさびさにツイズルでやらかしてしまったとか。今季は他のトップカップルに故障があったりで、彼らがダントツにいく可能性もありと思っていますが、さて。
ウィバポジェは暮れに大阪で生で観る予定なので、大いに期待しております。

3位のデンマークのカップルは昨季から注目の2人。デンマークってアイスダンスであまり聞かなかったので新鮮です。
2位のトヴィアス&トカチェンコは、アイスダンスファンにはおなじみだったカップルが、ソチ以降にばっさばっさと組み替えた中のひとつ。出身としては女性アメリカ、男性ロシアですが、変遷をへてまさかイスラエル国籍になるとは。かなり技術の差があるカップルなので、今後どう成長するか?というところです。


さてさて、ペアについて触れなくて申しわけない…
フィンランディア杯とは別の話題ですが、アイスダンス好きとしてはショックなニュースが入ったので書いておきます。

スペインに初めて誕生した国際大会に通用するアイスダンスカップルで、このところ急成長をとげてきたサラ・ウルタド&アドリア・ディアス組が解散を発表しました。
オフシーズンではなく、競技シーズンが始まってからの突然の発表。ネットで見て、わが目を疑いました。
d0153627_15164282.png

失礼ながらいかにももっさりしたカップルだった二人が、イギリスからスペインに呼んだコーチのもと猛練習を重ね、少しずつ少しずつうまくなり、スペインを出てコーチをデュプレイユ&ローゾン夫妻に変更してからぐんぐんあか抜けて、やっとグランプリシリーズでもメダル圏内まできて、さあこれから世界のトップカップル入りだ!というところで…(涙、涙)

なんといっても彼らのスペインらしい濃厚でケレン味たっぷりな、個性的なプログラムがいつも楽しみで、今季はどんなプロなんだろう?またさらに洗練されたところを見せてくれるよね?と期待していたのに!
このピカソのプログラムとか、大好きだったのになあ…
d0153627_1526421.png


カップル解散後の動向は不明ですが、できることならサラちゃんもディアスくんも引退せずに別のパートナーと新たな道を進んでほしいです。


というわけで、次はスケートアメリカについて、になるかな。ほかのことを書く余裕があればまた。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-10-21 15:33 | フィギュアスケート | Comments(0)

Japan Open2015、まずは2人について

もう10日も前になりましたが、Japan Openの話。直後の報道はとにかく真央さん復活一色といっていいくらいでしたね。
それも無理はない。あれだけ注目される中、トリプルアクセルの盤石ぶりを含めて余裕さえ見せてフリーを滑り切り、彼女がいかにすさまじい実力と精神力をもつ稀代のスケーターであるかを、いきなり証明してみせました。
d0153627_23364879.png

ひさしぶりに競技の場で見た真央さんの演技は、ある種の威厳すら感じさせるもので、ソチ五輪のフリー演技の呼吸も忘れるあの4分間を思い出しつつ、彼女にとってさらに次の時代が始まったんだ、と実感しました。いやいや、なんとすごいことだ。
たとえこのあとの競技人生がそれほど長くなくても、この復帰は浅田真央という選手の歴史的評価にも、そして今後の女子スケーターたちの競技への姿勢にも、大きな影響を与えるだろう、と思います。

そんなことなーんも考えてないような涼やか~な彼女の笑顔を眺めつつ、いろんな意味でほんとうに底知れない人だなあと改めて身震いしたのでした。



で、もうひとつの身震いがこちら。
Japan Openでの宇野昌磨選手の「トゥーランドット」。日本初披露の今季フリー。
9月のUSクラシックではありえない失敗が続き下位発進、フリーで1位になったものの総合では5位という結果。このときの演技は観てないので、私自身初めて観る今季のショーマのプログラムでした。
d0153627_2339061.png

昨季はまだジュニアとシニアのかけもちだったショーマ。
ついに苦手のアクセルを会得した上に四回転も手に入れて、世界ジュニア王者になるわ、全日本でも銀メダルだわで、おそろしいほど躍進した昨シーズンでした。
で、今季はフリーが「トゥーランドット」という直球勝負曲。言わずと知れた荒川静香さんのトリノ金メダルの使用曲でもあり、シニア参戦ホヤホヤのちっちゃな(すいません)ショーマが使うにはちょっと冒険かしら?というゴージャス選曲、と思ったのですが…

Japan Openはジャッジの採点があるとはいえ、シーズン初頭のイベント的な競技会なので、選手にとってはまあ肩慣らし的な感じなのですよね。
だからまだ本調子でなくてもまあよろし、逆にここであんまりいい出来だと、かえってシーズン中への不安を感じてしまったりするくらいなんですが、ショーマくん。ここで呆気にとられるほどすごい演技を見せてしまったやないですか。どうしよう。
というか、なんなのこの出来は? この音楽表現、このクワドトゥ2本・アクセル2本あっさり成功、ほかも全ジャンプ成功、笑顔のガッツポーズ。「トゥーランドット」に曲負けするどころか、すでに《マイ・トゥーランドット》にしてしまってる。Japan Openでこんなに出来ちゃってどうするのよ? 初出場だよ? ジュニア上がりだよ? と思わず感情的になりそうなほどの演技でした。

採点結果は185.48。オープン大会だから正式記録にはならないけど、これって点数上は男子フリーの世界歴代5位だそうで…ヒエエエ! 今シーズン、ほんとにこれからどうなるんだろう…。ショーマの行方が怖くて楽しみで怖い。


ほかにもJapan Openで触れたい選手はいろいろいるのですが、引き続き次回にゆるゆると。
フィンランディア杯で本郷理華選手が優勝という知らせも今日入ってきました。男子優勝はメンショフ選手ですわ!きゃあきゃあ。アイスダンスは盤石でウィーバー&ポジェだったけどポジェくんにミスがあったらしい…。フィンランディアは17日にCSで放映するようなので楽しみに待つとしようかな。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-10-12 23:43 | フィギュアスケート | Comments(0)

国別対抗戦2015 (その3)

「国別? あったねえそれ…」くらいに時がたったので、もう書いちゃったのかしら、書くのやめたのかしら、と思われてる方も多いかもですが。
まだ書いてなかったんですね、国別対抗戦の男女シングル。
で、しつこく書くんですね、私。
いまさらながら、よっこらしょと振り返りつつ、感想を記しておきたいと思います。
忘れかけてる方は「そういえばそうだったねえ」とご一緒に振り返りつつ読んでいただければうれしいです。

なんといっても、オフシーズンに入ってしまったからにはフィギュアスケートについて書くことは当面そんなにないと思うので、名残りを惜しみつつ… 
とか言って、また何やかんや書くのでしょうね。だけどね。やっぱあの方不在の中、アイスショーも今年はあんまり行かないと思うので(かなしい…)


さてそんなわけで、国別対抗戦2015・女子シングルのフリー結果から。

フリー1位 エリザベータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア)
d0153627_1753785.png

今回、ショートでは転倒したトリプルアクセル。フリーではみごとに決めてみせました。軽々と。美しく。
彼女が今季、トリプルアクセルを試合で入れる構成を完全に自分のものにしたことで、女子のジャンプについての流れは変わったといえます。
現役選手の中で真央さんだけが跳べた、真央さんだけが挑戦し続けた特別なジャンプだったトリプルアクセル。
今後はトゥクタミちゃんのみならず、ジュニアからシニアに上がってくるロシアっ子を中心に、トリプルアクセルを得点源として据えてくる構成が増えていくでしょう。

それにしても今季のトゥクタミちゃんは、ほれぼれするほど強かった。
来季はソチ金メダルのソトニコワ選手も復帰予定、不調だったリプニツカヤ選手も復調してくると思われ、もちろん虎視眈々のラジオノワ選手ほか多数… ロシアの中だけでも大変な争いになりそう。
トゥクタミちゃん、トップの座を守れるか。
とりあえず来季は、エキゾチック系・色香路線でないプログラムが観たいです。ミーシンコーチの趣味なのか、本人も好きなのかわかんないけど、そろそろ違うのに変えてもいいと思うの。




フリー2位 エレーナ・ラジオノワ選手(ロシア)
d0153627_1761586.png

この写真を見ただけでわかるように、ラジ子ちゃんは女優。ほぼ女優です。といっても、ものすごいスケート技術に裏打ちされた上での女優だから、強い。魅せる。この特性は、おそらく後づけできるものではないでしょう。
ルッツ2本をしっかり入れられるジャンプの盤石さ、一瞬にしてプログラムと音楽に身をゆだねられる憑依力、妖精のごとき容姿。スケーターとして逸材と思わせる要素がそろい踏みのラジ子ちゃんですが、まだ15歳の少女体型。今後数年の変化は未知数なので、このお宝をじっくり見守りたいです。

ロシア女子みんな気が強そうですが、ラジ子ちゃんは撮影時の「きゅん♡」な可憐さと、ふとカメラに抜かれたときの俺様っぷりのギャップが素敵。うん、女優はこうじゃなくっちゃね。




フリー3位 宮原知子選手(日本)
d0153627_1763315.png

わーわー。
このガッツポーズ、どれほど話題にされたことか。
それほどまでに、いい意味で「らしくない」サプライズでしたね。今回、団体戦形式の中でシャイな知子ちゃんは最初ちっちゃくなってた印象だったけど、応援でも次第にハジけられたし、そして特にこのフリーでの仕事っぷり。さすがです。

このフリーでは、フリップジャンプひとつだけ回転不足を取られてしまいましたが、それ以外はノーミス。力強く、かっこよかった。この「ミス・サイゴン」は、振り付け、衣装も含め、彼女のこれまでのベストプログラムだと思います。
まだまだこれから変化していくはずで(身体も大きくなる…はずだ!)、きっと来季ふたたび競技で目にするときは、「おおっ」となっている…ことを期待。
うわついたところのない、いわば職人肌の知子ちゃん。彼女なら早々に日本女子のエースになってしまった重責を、プラスに昇華していってくれるのじゃないかと思います。




フリー4位 アシュリー・ワグナー選手(アメリカ)
d0153627_1764879.jpg

全米女王にも返り咲き、ワールドはちょっとふるわなかったとはいえ、今季は比較的安定していたアシュリー。プログラムも安定。新味がないともいえるけど、彼女の特性が十分生かせるプログラムではありました。この国別でも、若干着氷乱れがあった以外はまずまずの出来で、いい感じで今季を締めくくれましたね。

ソチ後の世代交代により女子は一気に低年齢化が進んできて、まだ23歳のアシュリーがすごいベテラン扱いに。でも確かに、いかにもティーンっぽいトップ選手(トゥクタミちゃん除く!)たちの中にあっては、大人の魅力が際立ってます。
すでに全米では3度優勝してるアシュリーも、ソチ五輪ではメダル圏外、そしてワールドではまだ一度もメダルがないんですね。来シーズンは上がりたいだろうなあ、ワールドの表彰台。





フリー6位 村上佳菜子選手(日本)
d0153627_177859.jpg

佳菜子ちゃん、昨シーズンに続き、今季もさまざまな波があって苦しいシーズンだったと思う。
もしかして、これが最後なんだろうか?と思ったこの国別対抗戦。ショートはよかったけど、フリーではまたフリップの抜けもあり、全体的にやっぱり満足のいかない結果に終わり…
それでも、来季続行を決めてくれてほっとしました。追い込まれて、追いつめられて、そこから自由になりたいという思いはきっと痛いほどあるはず。それでも、まだ逃げないと決めた強さ。

才能にも容姿にもバランスよくめぐまれた彼女に今後必要なのは、《欲望》なのかもしれないなあと考えたりします。そしてもう少し広い世界を見ることなのかも…と。




続いて、国別対抗戦2015・男子シングルのフリー結果から。

フリー1位 羽生結弦選手(日本)
d0153627_177255.jpg

ショートは前半、「きたかきたか、ついに今季初のパーフェクト演技…」と興奮し、後半のルッツ×トゥーループの転倒で「うわぁぁー」と崩壊。
そしてフリー、冒頭のクワドサルコウで「出た完璧!」と息をのみ、続くクワドトゥがトリプルになって「ぐおー」とくずおれ… とにかくこの方を見てるとジェットコースター。
でもそのあとはすごかった。このミス以外は、最後まで力を尽くした本当にすばらしい演技でした。あっぱれ結弦くん。国別をなめてないぜ。ていうか試合は全部なめてないぜ。いつでも100%のあなたが、すばらしいけど怖い。

いつでも100%の結弦くんは、エキシビションではさらに怖かった。
昨&昨々シーズンのあのショート「パリの散歩道」を、さらに進化したパーフェクトフル演技でぶっちぎりました。これ、試合だったら前人未到の点が出てたと思う。
しかもエキシのフィナーレでは、まだ世界で誰も試合で成功させてない4回転ループを、なんとトリプルアクセルとの連続ジャンプであっさりと跳んでみせるという唖然ぶり。
怖い。怖すぎる。ああ彼の選手生命が、少しでも長かれと祈ります…

というか、前から「ピョンチャン五輪で引退」と言ってる彼なので、その通りだと考えたらあと3シーズンしかないんじゃないですか。3シーズン!(と、ひとりで震撼)
そのたった3シーズンを、せめて大きなケガなく過ごして、さらにすごいプログラムを滑って、クワドループも試合で入れて… ううーん。考えただけでクラクラしてきた。とにかく身体を、おだいじに…




フリー2位 ジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)
d0153627_1782146.jpg

ワールドでもすばらしかったジェイソンですが、この国別選手権でも本気出してくれたなあ…と思ってフリー演技を観てたら、なんと今季一番いい演技だったという。お茶の間でスタオベの嵐ですよ。
ああなんというスムースなスケーティング、よどみない音楽表現、身体のすべての動きがなめらかにひとつながりになっている心地よさよ。ジェイソンって、その個性も含め、これまでにはいなかったタイプのスケーターだなとつくづく思う。

昨季、ソチ五輪シーズンには《まだ》4回転を入れてなかったジェイソン。
そして今季はどうなった?と思ってたら、やっぱり《まだ》。
その状態で全米王者に輝き、すっかり世界のトップ選手たちの仲間入りをして、さて…
もちろん、今の彼に4回転がプラスされたら、現在の世界3強(羽生/フェルナンデス/テン)に割って入ること必至です。そういう意味で、《まだ》習得中といわれる4回転が来季どうなるのか、ものすごく気になるところ。
ただ、トリプルアクセルが最高に美しく入った今の演技があまりにバランスよく充実しているのを見るにつけ、ここにクワドが入るとどんなふうになるのか?ちょっと想像つかないところがあります。
そうはいっても、もちろん競技は競技。点数は点数。ジェイソンだってもっと上を目指すには、やっぱりクワドを入れることになるよね… うん。
来季こそ、そのときが来るのかな。




フリー3位 無良崇人選手(日本)
d0153627_178463.png

フリーはサルコウひとつダブルになった以外の抜けがなく、今季で一番よかったかもしれないファントムでした。久々の160点台半ば! 彼の持ち味が、豪快なジャンプ含めたっぷり出てました。
そして見よ、この表情。無良くんが表情も含めて、演じている! 情感!
ここまできてくれたかと感無量であります。ほんとに変わりましたね~無良くん。

今回、いつも控えめな彼がこのにぎやかな大会でキャプテンを任されて、きっと大変だったと思うのですが、そちらの方でもすごくがんばってはりました。
そして無良くんの来季プログラムの振り付け師がすでに決まっていて、なんと! ショートの振り付けはアイスダンスのソチ金メダリスト、チャーリー・ホワイト! 
忠犬チャーリー(あ、もうこんなこと言っちゃいけないな。美神タニス様とのご結婚おめでとうございます)は、シングル選手に振り付けするのはこれが初めてだそうで、すごく楽しみです。しかもフリーも振り付けがジェフリー・バトル、こちらも楽しみすぎる。




フリー4位 ハン・ヤン選手(中国)
d0153627_1791328.png

今季は結弦くんとのあの衝突事故で、いろいろな意味で思わぬシーズンになってしまったであろうハン・ヤン。
この国別でもジャンプの痛いミスは散見しましたが、調子が戻ってジャンプの精度が上がってくれば、トップをおびやかす存在であることは十分アピールできたと思います。

シャイなのにコミカルプロでコミカル演技。シャイなのにジャッジ席に指さし攻撃。ネット上では自撮り写真の嵐。…と、ナゾめきつつも妙に愛されキャラになりつつある彼。
来季はどんなプログラムかなあ。今度は思いっきりダイナミックでかっこいいプロも観てみたいです。




フリー5位 セルゲイ・ヴォロノフ選手(ロシア)
d0153627_1794847.png

最近、私はヴォロさんを応援しています。
そのスケートが好きというより、その人となりとか、選手としての存在感がとっても好もしく、応援したくなるんですよね。
ツギハギ音楽の謎プログラムとか、トランジションは漕いでるばっかりとか、いろいろ言われてるけど(全面的に否定はできん)、これまで数知れないほどの苦難を乗り越えて、いつもいつも笑顔とパワーで試合に臨み、すばらしいジャンプとエネルギッシュな演技を見せてくれるヴォロさん。
ロシア男子の中で冷遇され、コーチを転々とし、故障に泣き、その中から這い上がってきての今の活躍ぶり。試合での直前練習でも、ピリピリして自分だけに集中する選手たちの中で、苦労人ヴォロさんはいつも笑顔で周囲の選手たちに気を配っている。その姿に心がじんわりします。

この国別では、ワールドで痛めていた膝も回復してきたのか、いつもに増してキレのいい演技でジャンプも実に気持ちよく決めてたなあ。よかったなあ。 
来季は28歳。トゥベリーゼコーチとはうまくいってるみたいなので、これ以上故障がなく、彼の笑顔が続くよう願ってます。プログラムの音楽はヘンでもいいから!




フリー9位に終わったジェレミー・テン選手(カナダ)。
d0153627_17101594.png

ワールドが最後だと思ってたら、この国別にも来てくれて、とってもうれしかったのですが…
フリーは特にジャンプミス、転倒が重なり、納得のいく演技にはならなくてほんとに残念。
でも、大好きな「ウォリスとエドワード」と「ハレルヤ」のプログラム、ジェレミーらしく心をこめて美しく滑り切ってくれました。

そして彼のお友だちが亡くなられたとのことで、キスクラではそれについてのメッセージ。
寄り添うカナダのチームメイトが温かくて…
d0153627_171035100.png

本当にこれで、引退なのかなあ。だとしたら、なんともいえずさびしいです。
彼自身は以前、今季を最後のシーズンと言ってたけど、引退の明言はまだしてないみたい。
もしも自分の中で、まだ競技スケートを続けたい気持ちがあり、事情が許すのなら… どうか来季も私たちにその演技を見せてほしいです。



さて、ざざっと振り返った国別対抗戦男女フリー。
触れられなかった選手もたくさんいますが、とりあえずこれにて。
映画もこのところ何本か観たので、そのレビューも書きたいと思ってます。
[PR]
by higurashizoshi | 2015-05-08 17:22 | フィギュアスケート | Comments(2)
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 02:06
こんにちは。 今回の4..
by Disney 鴨 at 14:58
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 00:40
こんにちは。 アメリカ..
by Disney 鴨 at 15:39
Desney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 01:06
こんばんは。 今回は、..
by Disney 鴨 at 19:43
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 02:16
こんばんは。 今回の全..
by Disney 鴨 at 20:15
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 10:31
あけましておめでとうござ..
by Disney 鴨 at 21:35
ライフログ
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧