ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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カテゴリ:フィギュアスケート( 128 )

グランプリシリーズ2015 第3戦・中国杯 女子シングル

早くもグランプリシリーズ第3戦、中国杯。
BSで男女ショートとフリー、エキシビションは5時間以上かけて観ましたが、カップル競技はまだ。
毎年毎年言ってますが、ペアとアイスダンスもせめてもう少し早く放映してほしい! ライスト見られないと、延々おあずけ状態が続いて心が間延びしてしまいますがな~

それと、やっぱり今回の中国杯、真央さんの出る女子だけ地上波ゴールデンタイム全国放映で、日本選手出なかった男子は関東ローカルのみの深夜放映でした(涙)。
この次のエリック・ボンパール(フランス大会)は男女ともフリーだけ全国放映らしい…。
ああ殺生な。そんな半端なことせんといて~

と、文句はこのくらいにして。
遅まきながら中国杯について、まずは女子から。

グランプリシリーズ2015中国杯 女子表彰台
第1位 浅田真央選手(日本)
第2位 本郷理華選手(日本)
第3位 エレーナ・ラジオノワ選手(ロシア)
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今回の女子は、やはりなんといっても日本の新旧2選手のめざましさに尽きます。
私、日本の選手だから応援するってことはない人なので、これはフラットに見ての感想。

まずは真央さん。
ショートではトリプルアクセル含む超高難度のプログラムを、アッというまにスルスルとクリア。非常に落ち着いていて、一年の休養明けのグランプリ初戦とは思えない仕上がりぶりに「はー」と思わずため息が出ました。
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ワンシーズン休んでたんだよね? て真顔で聞きたくなるほど、ショートからトリプルアクセルは当然のごとく入れて、フリップーループの3×3に、苦手だったルッツも入れてて。
休養前の状態に戻す、だけでも大変なことなのに、真央さんの視線ははるか上を見ているらしい。さすが最高級職人。《これまで通り》なんかじゃ、進化し続けなきゃ、戻ってきた意味がないってことですね? おそれいりました。

フリーでは冒頭、これまで跳んだ中でも最も美しいのではと思われる完璧なトリプルアクセルを決めたあと、いくつか残念なジャンプミスがありました。そして、コールされて位置につくまでのタイムオーバーの惜しい失点も。休養前のシーズンまでは1分だったのが、ISUのルール変更で30秒に短縮されていたのを勘違いしてしまったそうです。
ただ、表現面では、ジャパンオープンのときより深みが増していたような。見るものを引きつける吸引力は、かつてのあどけない演技からは想像できないほど。そして美しい。
彼女は本当に美しいスタイルの持ち主ですが、私、その演技そのものをこんなに美しいと思ったことは以前はあまりなかったのです。
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さて、その真央さんをフリーでは追い抜かし、あわやというところで2位になった本郷理華選手。
ショートはすでにフィンランディア杯ですばらしい演技を観てたので、今回も鉄壁のジャンプにあっこちゃん肝入りのワクワクする振り付けの「キダム」、安心して楽しませてもらいました。

そしてフリー「リバーダンス」。
フィンランディアのときもよかったのですが、今回は理華ちゃんに何かが注入されたかのような、すごい勢いとパワーで序盤から乗っていきました。これは来るぞ、来るぞ…という興奮。
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フィンランディアのときと衣装変えてたのですが、これが私的にはドンピシャの素敵お衣裳。
深いグリーンのシンプルなデザインに美しい装飾、特にスカート部分がジャンプやスピンのときにふわりと上がると、淡いグリーンのアンダースカートが透けて見えるところがすばらしく綺麗。これ、あっこちゃん御用達のデザイナーさんの作品かなやっぱり…などと考えているうちに、中国のお客さんのものすごい盛り上がりの中でどんどんパワーアップしていく理華ちゃん!
特に終盤、アクセルートリプルトゥのあと3連目のダブルトゥをタノで跳びきったあたりから、こりゃーすごいことになったわとテレビ画面にくぎ付け! バンザイガッツポーズのあとは、130点にあとちょっとで届く高得点!

出る試合出る試合、怒涛の勢いで自己ベストを更新していく今の理華ちゃん。メンタルの強さとインタビューでの村娘ぶりも健在。さてどんな選手に育っていくのかほんとに楽しみです。



3位に入ったのは、ロシアのエレーナ・ラジオノワ選手。
美少女女優だったラジ子ちゃん、オフの間に7㎝も背が伸びて、ずいぶん大人になってました。
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いとも軽やかに跳んでいたジャンプが、やはり体型変化のためか、以前ほどは安定してないです。ただ、やはり表現面は天性の女優力と豊かな感性で、見るものを引き込まずにはおきません。
今しばらくは、少し悩み多き時期になるかも。でもまだ16歳だもんね。このまま順調に成長していけば、美しさと技術と芸術性を兼ね備えた、稀有な選手になれる可能性大です。



4位には、同じくロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手。
ごらんくださいこの美しさ。ラジ子ちゃんとはまた別種の美であります。こんなに大人っぽいのに17歳ですよ。どうしましょう。
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のびやかな肢体から繰りひろげられるスケールの大きなジャンプ、ドラマチックな表現、非常に魅力的で可能性をたくさん持った選手ですが、ときどきジャンプが大崩れし、そうなると演技全体がトーンダウンしてしまう…というのが今のところの弱点です。
そのあたりが安定してくると、彼女もまた本当にすばらしい選手になれるはず。ほかのロシア女子とはちょっと違うミステリアスな雰囲気にいつも引きつけられます。



この選手も注目してます。韓国のパク・ソヨン選手。
今回8位という結果でした。ジャンプがなかなか全部に安定して入らないのですが、まだ18歳になったばかりですでにソチ五輪にも出場。キムヨナ選手去りしあとの現・韓国チャンピオン。独特のつややかな魅力のある、とても美しいスケーターです。
中国杯のお写真なかなか見つけられず、これは先日のスケートアメリカ出場のときのもの。
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ソヨンちゃんも、いつもお衣裳がセンスよく素敵です。技術面でぐぐっと進化してくれると、今後グランプリでももっと上位に食い込める選手になると思う。期待してます。


男子までいく前に時間切れ。
続きはまた明日書きます! 早く書かなきゃ、エリック・ボンパール始まってしまうがな。
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by higurashizoshi | 2015-11-11 00:50 | フィギュアスケート | Comments(0)

グランプリシリーズ2015 第2戦・スケートカナダ

旅から帰り、またいろんな用事やら家族のことやらでアタフタしてる間に、グランプリ第2戦のスケートカナダが始まり、終わり、気づけば第3戦の中国杯も目の前! ほんと毎秋グランプリシリーズが始まると気が抜けません。
ブログなんか書かずにただ観てるだけ、観てあーだこーだ言ってるだけ、にしたらラクなのに、やっぱり書かずにいられないんですねえ。むにゃむにゃ。

さて、スケートカナダは結弦くんが出てたのでメディアの露出がめいっぱいでした。どこ見ても《スケカナ=ゆづ》でした。ソチ五輪以来のパトリックとの一騎打ちということで、いろいろと沸騰していました。
でも今回はね、ダイスこと村上大介選手の活躍を、どうかどうか多くの人の心に深く残してほしい。
その男子シングル結果から。

スケートカナダ2015男子表彰台
1位 パトリック・チャン選手(カナダ)
2位 羽生結弦選手(日本)
3位 村上大介選手(日本)
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ときどきあることですが、今回のスケカナ男子ショートは悪夢のように次々と大きなミスが続き、自滅していく選手が続出。こういうのって何なのでしょう。現場にいればわかる理由があるものなのか、どうか。
結局、80点ギリギリ乗ったスコアでスモールメダルを争う、という予想外の展開になりました。ショート1位発進になったダイスも、ちょっと唖然としてたかもしれません。
崩れたのはパトリックもそうなのですが、彼は何といっても一年間の休養後のグランプリ初戦。驚いたのはやはり結弦くんの、ショートの3ジャンプ中、2ジャンプがノーカンという結果。

滑走中つねにクレバーな彼は、同じジャンプの跳びすぎ違反(いわゆるザヤックルール)などには絶対の注意を払っているはずだったのですが…
まず、2つめのジャンプであるクワドトゥループがまさかのダブルトゥループになってしまい、0点。
これは、ショートプログラムでは単独ジャンプは3回転以上でなければ点にならないという規定のためです。
しかも3つめのジャンプのコンビネーションで、鬼門のルッツに付けたトリプルトゥループがダブルトゥループに。つまりダブルトゥを二回跳んだことになってしまい、こちらのジャンプも0点に。
結弦くんがザヤるという、かなりありえないことが起きました。これも経験というしかない。
しかし、ジャンプ3本中2本全滅なのに、加点の多さ、PCSの高さで70点台が出るのだから驚異です。最初のトリプルアクセルなんて5点も加点がついてる。つまりこれ以上完璧なアクセルはありません、という評価。

そして、まさかの6位発進を受けた《逆境大好き、ピンチ上等》な結弦くんは予想通り翌日のフリーではぶっちぎりで四回転3本、アクセル2本を決めてみせて大逆転。それでもショート2位発進だったパトリックにはおよばず、総合2位という結果でした。
陰陽師に扮した結弦くん、眼から火が出るの図。
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一方のパトリック・チャン選手。
ショートでは後半ジャンプにミスが出たものの、フリー演技後は190点越えを見て、ひさびさにこのポーズ。
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やっぱりパトリックのスケーティングはただただ、ミラクルでした。ひとりだけ別の氷の上を滑ってるんじゃないかと思うくらい。ひさしぶりにジャンプもほぼクリーン。二つ目のクワドが入るようになったら基礎点もぐっと上がるので、さらに得点は伸びるはず。
とはいえ、今回結弦くんに勝てたのは、正直ショートでの大きな差のおかげ。すさまじい基礎点の結弦鬼プログラムにパトリックが勝つのは、今後容易ではございません。


村上大介選手。
はからずも1位発進で迎えたフリー。地元の大喝采を受けたパトリックの演技の直後の、最終滑走。
張りつめた表情に不安をおぼえつつ見守ったのですが…
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得意のクワドサルコウが2本きれいに入り、ラストジャンプまで次々と安定して降りていくのを息をつめて見て、最後はテレビの前で大拍手。すごい、すごいよダイス!この追いつめられた最終滑走で堂々のこの出来栄え!

でも、でも…
点数を待つ間のダイスのこの表情が忘れられない。
日頃は恬淡としているキャロルコーチの眼に、涙が光っていたことも。
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ほぼ完璧な演技でフリーを終えながら、ダイスは3位に後退した。
基礎点の差。PCSの差。絶対的な差を前に。

解説の織田くんが嗚咽をこらえながらダイスをほめたたえ、彼はこれからだと強調していたのが胸に残った。
今回の殊勲賞は間違いなくダイス。どうか自分に自信をもって、さらに向上してほしいです。

急な出場にもかかわらず、パーソナルベストを出して健闘した川原星選手など、ほかにも触れたい選手はいますが、女子へ。

スケートカナダ2015 女子表彰台
1位 アシュリー・ワグナー選手(アメリカ)
2位 エリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア)
3位 永井優香選手(日本)
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優勝したアシュリー・ワグナー選手ひとりが盤石の安定演技をつらぬいた以外は、なかなかの混戦となりました。
そのアシュリー。ジャンプミスも回転不足もほぼなく、ショート、フリーとも《一番いいアシュリー》をそろえることができました。安心して見ていられる感じでした。
ソチ以降、どんどん低年齢化している女子シングル界で、完全にベテランお姉さん状態のアシュリー。シニアでの戦歴が長いこともあり、本人も自分の立ち位置をよくわかっていらっしゃるようで、まさに大人の演技、大人の風格。
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ショートではジャンプが入らず、しかもスピンもステップもレベル取れず…と心配なスタートだったトゥクタミシェワ選手。
フリーではトリプルアクセルもステップアウトながら入れてきて、その後はガンガン攻めまくり、最後はガッツポーズ! やっぱり強いトゥクタミちゃん。
まだまだ新プロになじんでいない感じがするので、これからの安定に期待。
そしてプログラムは変われど、弱冠18歳のマダム系色香と、この貫禄は不変なのだ。
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サプライズは3位に入った永井優香選手でした。
ジュニアから上がったばかりの優香ちゃん。ジャンプも滑りもおおらか&伸びやかな、まだ初々しい16歳です。
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今のところジャンプのすっぽ抜けがお約束になってしまってて、今回もそれが出てしまいましたが、まだまだほんとこれからの選手。おっとりしつつ度胸はなかなかにあるようだし、すべてにおいて変なクセのないスケートに期待大です。


村上佳菜子選手は4位。
惜しいところだったけど、本人は悔しさもありつつ、ひさびさにに試合で手ごたえを感じたように見えました。
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なかなか活路が見えないできた2シーズンほどを経て、真央さんも戻ってきたことだし、佳菜子ちゃんのモチベーションも上がってきたのかも。今季はどこかで完璧な演技をして、キスクラでもはじける姿を見たいです。


あああ、一番書きたかったアイスダンスを書く余裕がなくなってしまった…
さっき気づいたのですが、もしかすると中国杯、男子の地上波放映は関東ローカルのみかも?
日本の選手が出てないから…?
女子は真央さん出てるからゴールデンタイムに全国放映なのに… バタリ(昏倒)。

アイスダンスについては(ペアもですが!)また時間を見つけてグランプリいくつかまとめて書けたらと思います。
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by higurashizoshi | 2015-11-06 01:24 | フィギュアスケート | Comments(2)

グランプリシリーズ2015 第1戦・スケートアメリカ

グランプリシリーズ、とうとう開幕しました。
第1弾スケートアメリカ終了しました。
ざっと振り返りつつ。

スケートアメリカ2015、女子シングル表彰台。
1位 エフゲーニャ・メドベージェワ選手(ロシア)
2位 グレイシー・ゴールド選手(アメリカ)
3位 宮原知子選手(日本)
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15歳、シニアに上がったばかりのメドベージェワ選手が、楽々と優勝。
少し前のリプニツカヤ選手やラジオノワ選手のジュニア→シニア当初のぶっちぎりぶりを彷彿とさせます。
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ジュニアのときから、あまりにタノジャンプ(片手や両手をあげて跳ぶ)を多用するため
「この人は…片手を上げないとうまく跳べないのでは?」
というナゾの疑問を抱いてしまったくらいのジャンプ巧者です。
今はまだ、怖いものもストレスもない感じ。そしてあくまでも少女体型。可憐な表現もとても上手です。
今季は、彼女が女子を席巻するか。



宮原知子選手。
美しいフリー、リストの「ため息」。
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メディアで「3位に終わった」と書かれていることが多くて、なんだかくやしいなあ。
はっとするほど大人びた今季の知子ちゃん、これまでとは明らかに一線を画するプログラムの成熟度。
今回は彼女にはほんとに珍しく、ジャンプにミスが重なったのが残念でした。でも今後に不安を感じさせない、信頼感みたいなものが知子ちゃんのスケートには満ちているなあと思います。少しずつPCSも上がっていくはず!



スケートアメリカ2015男子表彰台。
1位 マックス・アーロン選手(アメリカ)
2位 宇野昌磨選手(日本)
3位 ジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)
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すばらしい得点でグランプリ初優勝、大喜びだったアーロンくん。
ジャンプに関しては、元かっとび小僧の面目躍如、決めまくることができました。彼にとっての今季の挑戦は、プログラムの表現、スケーティングの進化。フィリップ・ミルズの振り付けでの新境地です。
何を目指しているのかは、今回とてもよくわかりました。この努力がさらに花開きますように!
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さてショーマです。
前評判では断トツで優勝候補に挙げられていたショーマ。
気負うことなく、静かな闘志でリンクに立ちましたね。
ジャンプミスで4位発進となったショートも、内容的にはとてもよかったと思いますが、やっぱりこのフリー「トゥーランドット」は、ジャッジにもアメリカの観客にも、強いインパクトを与えたと思う。
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後半のクワドトゥのコンビネーションが入ったことでこれだけ高い点数が出たわけですが、スケーティングの粘りと伸び、音楽との一体感において、ここまですぐれて観客を引きつける力があるのは、私見ながら今季現役選手の中ではデニス・テン選手とジェイソン・ブラウン選手と、新米ショーマくんだけです。
中盤、ショーマがボーカルを口ずさんでいるのを見たときは、ちょっと鳥肌立ちましたもん。オペラのボーカル口ずさみながら滑る、それが似合う日本の高校生。何なんだろうこの人はと。
リンクを降りればあんなにトボロンとしてるのに、この制圧感。不思議な方です。

わずかな差で優勝は逃したけれど、今回はこの順位が今後につながっていく意味でちょうどいい感じでは。どんどんジャッジや観客にインパクトを与え続けてほしい。



上で挙げた、スケーティングと音楽との一体感、引きつけ力のベスト3(あくまで私見ですよ)の全員が、このスケートアメリカに出てるんですねえ。
その中でデニス・テン選手は今回ミス連発で残念な結果でしたが、毎シーズンともスロースターターなテンくんなので、今季のめっちゃ玄人好みなショート&フリー同じ曲というプログラムが、徐々に完成していくのを待ちましょう。

さてもうひとりの一体感&引きつけベスト3のひとり、ジェイソン・ブラウン選手。
もうね、今季フリーが「ピアノ・レッスン」て知ったときから、楽しみでしかたなかったのですよ。
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きっとジェイソンなら「ピアノ・レッスン」をこんなふうに滑ってくれるだろう…と想像していた通りの、それ以上のプログラムでした。
しかも「ピアノ・レッスン」の中でも静かな「愛の香気」一曲だけで最後まで滑り切る。ああ、これでこそですよ。
今後シーズンを通してこのプロが進化・深化していくのをじっくりと見守りたいと思います。
こんなこと言ったら怒られるけど、無理にクワド入れなくてトリプルアクセル止まりでトータルの完成度を見せてほしい!と思わず考えてしまった。クワド上手になったらいいね、ジェイソン。



すごく少しの選手にしか触れられなくて非常に残念ですが、明日から3日ほど旅に出ますのでその準備でバタバタもあり、縮小版になりました。
アイスダンスとペアについてはまったく書けてないので後日。
アイスダンスはライストを苦労して観たので、すぐさま書きたかったんですが…なんせ時間がなくて。
BSで生中継してくれたスケアメのエキシビション観るのも、旅から帰るまでおあずけです。
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by higurashizoshi | 2015-10-26 23:50 | フィギュアスケート | Comments(0)

フィンランディア杯2015などなど

Japan Openのことをもう少し書こうと思ってたのですが、あれよあれよと日は過ぎ、もはやグランプリシリーズ開幕目前。今週末にはスケートアメリカ、そこからは毎週の怒涛の転戦が始まりますがな…

で、とりあえずフィンランディア杯をCSで観られたので(といってもシングルのみですが)、ちょっと書いておこうと思います。

女子表彰台。
1位 本郷理華選手(日本)
2位 ユリア・リプニツカヤ選手(ロシア)
3位 ヨシ・ヘルゲソン選手(スウェーデン)
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本郷理華選手については、昨シーズンの目の覚めるような躍進ぶりと安定度を見ていたので、もちろん今季も期待してました。
しかもショートの振り付けは鈴木明子さん。同じコーチのもと、先輩として子どものころから本郷選手を見てきたあっこちゃんです。本郷選手の長所も弱点も知り尽くしたうえでの振り付けと細かい指導をつけていく《新人振付師・鈴木明子》の様子をテレビで垣間見て、その仕上がりを楽しみにしてました。
しかも演目はシルク・ドゥ・ソレイユの「キダム」。シルクといえばあっこちゃんの名プログラム「オー」を思い出さずにいられましょうか。

で、この「キダム」。
音楽、振り付け、衣装、すべてが本郷選手にドンピシャ。そしてシーズン初頭にして、この仕上がり感。
いやー、ここまではまると気持ちいい。
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2年前まではジャンプの安定度に対して氷上姿勢や表現面が大きな課題だった理華さん。シニアに上がってここまで伸びてくるとは正直思ってませんでした。
ジャンプはたまに抜けはあるものの、崩れることがないこの盤石さはほんと強みだし、ここに個性と表現力が加わるとすばらしい。まだまだ振り付け頼りではありますが、今後にさらに期待。
この「キダム」の振り付け、ステップはもちろん身体の使い方やこまかい所作にいたるまで、あっこちゃん色がこれでもかと出ていて、見ながらニヤニヤしちゃいました。


そして、話には聞いていたのですが、このオフシーズンの間のリプニツカヤ選手の体形変化はけっこう大きかったなあ。
ティーンエイジャーとしては当然の発育なのですが、驚異のジャンプ力と柔軟性を支えていたあのジュニア体型が急激に大人の女性へと変化した影響は、しばらく彼女を苦しめるかもしれません。
とはいえ、凄い天賦の才をもった選手であることに変わりはなく、新たなリプちゃんのスケートが確立されていくよう願うばかり。
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フィンランディア杯、男子表彰台です。
1位 コンスタンティン・メンショフ選手(ロシア)
2位 アダム・リッポン選手(アメリカ)
3位 セルゲイ・ヴォロノフ選手(ロシア)
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うれしいなあ、個人的に応援してる選手ばかりですわ。
32歳にしてこの位置につけているメンショフくん、今期も彼らしい個性的プロで素敵。
フリー、4×3も序盤には鮮やかに入りましたが、後半になるとジャンプの制御力がやっぱり年齢的に少しずつ苦しくなってきてるのかな?とも感じられる。でも行けるところまでがんばってほしいなあ。

2位に入ったリッポンくん、ジャンプもスケーティングも今回あまりよくなかったけど…
スケートとは直接関係のないことですが、彼はこのほどゲイであることをカミングアウトしましたね。現役選手として競技シーズン初頭にこの発表は、採点に影響を与えかねないという話もあり、逆に彼の強い意思を感じます。
髪は相変わらず伸ばしてくれないし今季は色も微妙だし、衣装も謎チョイスだけど変わらず応援しているからね~



続いてフィンランディア杯、アイスダンス表彰台。
1位 ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ(カナダ)
2位 イザベラ・トヴィアス&イリヤ・トカチェンコ(イスラエル)
3位 ローレンス・フルニエ・ボードリー&ニコライ・ソレンセン(デンマーク)
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内容は未見なのですが、ポジェくんがひさびさにツイズルでやらかしてしまったとか。今季は他のトップカップルに故障があったりで、彼らがダントツにいく可能性もありと思っていますが、さて。
ウィバポジェは暮れに大阪で生で観る予定なので、大いに期待しております。

3位のデンマークのカップルは昨季から注目の2人。デンマークってアイスダンスであまり聞かなかったので新鮮です。
2位のトヴィアス&トカチェンコは、アイスダンスファンにはおなじみだったカップルが、ソチ以降にばっさばっさと組み替えた中のひとつ。出身としては女性アメリカ、男性ロシアですが、変遷をへてまさかイスラエル国籍になるとは。かなり技術の差があるカップルなので、今後どう成長するか?というところです。


さてさて、ペアについて触れなくて申しわけない…
フィンランディア杯とは別の話題ですが、アイスダンス好きとしてはショックなニュースが入ったので書いておきます。

スペインに初めて誕生した国際大会に通用するアイスダンスカップルで、このところ急成長をとげてきたサラ・ウルタド&アドリア・ディアス組が解散を発表しました。
オフシーズンではなく、競技シーズンが始まってからの突然の発表。ネットで見て、わが目を疑いました。
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失礼ながらいかにももっさりしたカップルだった二人が、イギリスからスペインに呼んだコーチのもと猛練習を重ね、少しずつ少しずつうまくなり、スペインを出てコーチをデュプレイユ&ローゾン夫妻に変更してからぐんぐんあか抜けて、やっとグランプリシリーズでもメダル圏内まできて、さあこれから世界のトップカップル入りだ!というところで…(涙、涙)

なんといっても彼らのスペインらしい濃厚でケレン味たっぷりな、個性的なプログラムがいつも楽しみで、今季はどんなプロなんだろう?またさらに洗練されたところを見せてくれるよね?と期待していたのに!
このピカソのプログラムとか、大好きだったのになあ…
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カップル解散後の動向は不明ですが、できることならサラちゃんもディアスくんも引退せずに別のパートナーと新たな道を進んでほしいです。


というわけで、次はスケートアメリカについて、になるかな。ほかのことを書く余裕があればまた。
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by higurashizoshi | 2015-10-21 15:33 | フィギュアスケート | Comments(0)

Japan Open2015、まずは2人について

もう10日も前になりましたが、Japan Openの話。直後の報道はとにかく真央さん復活一色といっていいくらいでしたね。
それも無理はない。あれだけ注目される中、トリプルアクセルの盤石ぶりを含めて余裕さえ見せてフリーを滑り切り、彼女がいかにすさまじい実力と精神力をもつ稀代のスケーターであるかを、いきなり証明してみせました。
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ひさしぶりに競技の場で見た真央さんの演技は、ある種の威厳すら感じさせるもので、ソチ五輪のフリー演技の呼吸も忘れるあの4分間を思い出しつつ、彼女にとってさらに次の時代が始まったんだ、と実感しました。いやいや、なんとすごいことだ。
たとえこのあとの競技人生がそれほど長くなくても、この復帰は浅田真央という選手の歴史的評価にも、そして今後の女子スケーターたちの競技への姿勢にも、大きな影響を与えるだろう、と思います。

そんなことなーんも考えてないような涼やか~な彼女の笑顔を眺めつつ、いろんな意味でほんとうに底知れない人だなあと改めて身震いしたのでした。



で、もうひとつの身震いがこちら。
Japan Openでの宇野昌磨選手の「トゥーランドット」。日本初披露の今季フリー。
9月のUSクラシックではありえない失敗が続き下位発進、フリーで1位になったものの総合では5位という結果。このときの演技は観てないので、私自身初めて観る今季のショーマのプログラムでした。
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昨季はまだジュニアとシニアのかけもちだったショーマ。
ついに苦手のアクセルを会得した上に四回転も手に入れて、世界ジュニア王者になるわ、全日本でも銀メダルだわで、おそろしいほど躍進した昨シーズンでした。
で、今季はフリーが「トゥーランドット」という直球勝負曲。言わずと知れた荒川静香さんのトリノ金メダルの使用曲でもあり、シニア参戦ホヤホヤのちっちゃな(すいません)ショーマが使うにはちょっと冒険かしら?というゴージャス選曲、と思ったのですが…

Japan Openはジャッジの採点があるとはいえ、シーズン初頭のイベント的な競技会なので、選手にとってはまあ肩慣らし的な感じなのですよね。
だからまだ本調子でなくてもまあよろし、逆にここであんまりいい出来だと、かえってシーズン中への不安を感じてしまったりするくらいなんですが、ショーマくん。ここで呆気にとられるほどすごい演技を見せてしまったやないですか。どうしよう。
というか、なんなのこの出来は? この音楽表現、このクワドトゥ2本・アクセル2本あっさり成功、ほかも全ジャンプ成功、笑顔のガッツポーズ。「トゥーランドット」に曲負けするどころか、すでに《マイ・トゥーランドット》にしてしまってる。Japan Openでこんなに出来ちゃってどうするのよ? 初出場だよ? ジュニア上がりだよ? と思わず感情的になりそうなほどの演技でした。

採点結果は185.48。オープン大会だから正式記録にはならないけど、これって点数上は男子フリーの世界歴代5位だそうで…ヒエエエ! 今シーズン、ほんとにこれからどうなるんだろう…。ショーマの行方が怖くて楽しみで怖い。


ほかにもJapan Openで触れたい選手はいろいろいるのですが、引き続き次回にゆるゆると。
フィンランディア杯で本郷理華選手が優勝という知らせも今日入ってきました。男子優勝はメンショフ選手ですわ!きゃあきゃあ。アイスダンスは盤石でウィーバー&ポジェだったけどポジェくんにミスがあったらしい…。フィンランディアは17日にCSで放映するようなので楽しみに待つとしようかな。
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by higurashizoshi | 2015-10-12 23:43 | フィギュアスケート | Comments(0)

国別対抗戦2015 (その3)

「国別? あったねえそれ…」くらいに時がたったので、もう書いちゃったのかしら、書くのやめたのかしら、と思われてる方も多いかもですが。
まだ書いてなかったんですね、国別対抗戦の男女シングル。
で、しつこく書くんですね、私。
いまさらながら、よっこらしょと振り返りつつ、感想を記しておきたいと思います。
忘れかけてる方は「そういえばそうだったねえ」とご一緒に振り返りつつ読んでいただければうれしいです。

なんといっても、オフシーズンに入ってしまったからにはフィギュアスケートについて書くことは当面そんなにないと思うので、名残りを惜しみつつ… 
とか言って、また何やかんや書くのでしょうね。だけどね。やっぱあの方不在の中、アイスショーも今年はあんまり行かないと思うので(かなしい…)


さてそんなわけで、国別対抗戦2015・女子シングルのフリー結果から。

フリー1位 エリザベータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア)
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今回、ショートでは転倒したトリプルアクセル。フリーではみごとに決めてみせました。軽々と。美しく。
彼女が今季、トリプルアクセルを試合で入れる構成を完全に自分のものにしたことで、女子のジャンプについての流れは変わったといえます。
現役選手の中で真央さんだけが跳べた、真央さんだけが挑戦し続けた特別なジャンプだったトリプルアクセル。
今後はトゥクタミちゃんのみならず、ジュニアからシニアに上がってくるロシアっ子を中心に、トリプルアクセルを得点源として据えてくる構成が増えていくでしょう。

それにしても今季のトゥクタミちゃんは、ほれぼれするほど強かった。
来季はソチ金メダルのソトニコワ選手も復帰予定、不調だったリプニツカヤ選手も復調してくると思われ、もちろん虎視眈々のラジオノワ選手ほか多数… ロシアの中だけでも大変な争いになりそう。
トゥクタミちゃん、トップの座を守れるか。
とりあえず来季は、エキゾチック系・色香路線でないプログラムが観たいです。ミーシンコーチの趣味なのか、本人も好きなのかわかんないけど、そろそろ違うのに変えてもいいと思うの。




フリー2位 エレーナ・ラジオノワ選手(ロシア)
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この写真を見ただけでわかるように、ラジ子ちゃんは女優。ほぼ女優です。といっても、ものすごいスケート技術に裏打ちされた上での女優だから、強い。魅せる。この特性は、おそらく後づけできるものではないでしょう。
ルッツ2本をしっかり入れられるジャンプの盤石さ、一瞬にしてプログラムと音楽に身をゆだねられる憑依力、妖精のごとき容姿。スケーターとして逸材と思わせる要素がそろい踏みのラジ子ちゃんですが、まだ15歳の少女体型。今後数年の変化は未知数なので、このお宝をじっくり見守りたいです。

ロシア女子みんな気が強そうですが、ラジ子ちゃんは撮影時の「きゅん♡」な可憐さと、ふとカメラに抜かれたときの俺様っぷりのギャップが素敵。うん、女優はこうじゃなくっちゃね。




フリー3位 宮原知子選手(日本)
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わーわー。
このガッツポーズ、どれほど話題にされたことか。
それほどまでに、いい意味で「らしくない」サプライズでしたね。今回、団体戦形式の中でシャイな知子ちゃんは最初ちっちゃくなってた印象だったけど、応援でも次第にハジけられたし、そして特にこのフリーでの仕事っぷり。さすがです。

このフリーでは、フリップジャンプひとつだけ回転不足を取られてしまいましたが、それ以外はノーミス。力強く、かっこよかった。この「ミス・サイゴン」は、振り付け、衣装も含め、彼女のこれまでのベストプログラムだと思います。
まだまだこれから変化していくはずで(身体も大きくなる…はずだ!)、きっと来季ふたたび競技で目にするときは、「おおっ」となっている…ことを期待。
うわついたところのない、いわば職人肌の知子ちゃん。彼女なら早々に日本女子のエースになってしまった重責を、プラスに昇華していってくれるのじゃないかと思います。




フリー4位 アシュリー・ワグナー選手(アメリカ)
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全米女王にも返り咲き、ワールドはちょっとふるわなかったとはいえ、今季は比較的安定していたアシュリー。プログラムも安定。新味がないともいえるけど、彼女の特性が十分生かせるプログラムではありました。この国別でも、若干着氷乱れがあった以外はまずまずの出来で、いい感じで今季を締めくくれましたね。

ソチ後の世代交代により女子は一気に低年齢化が進んできて、まだ23歳のアシュリーがすごいベテラン扱いに。でも確かに、いかにもティーンっぽいトップ選手(トゥクタミちゃん除く!)たちの中にあっては、大人の魅力が際立ってます。
すでに全米では3度優勝してるアシュリーも、ソチ五輪ではメダル圏外、そしてワールドではまだ一度もメダルがないんですね。来シーズンは上がりたいだろうなあ、ワールドの表彰台。





フリー6位 村上佳菜子選手(日本)
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佳菜子ちゃん、昨シーズンに続き、今季もさまざまな波があって苦しいシーズンだったと思う。
もしかして、これが最後なんだろうか?と思ったこの国別対抗戦。ショートはよかったけど、フリーではまたフリップの抜けもあり、全体的にやっぱり満足のいかない結果に終わり…
それでも、来季続行を決めてくれてほっとしました。追い込まれて、追いつめられて、そこから自由になりたいという思いはきっと痛いほどあるはず。それでも、まだ逃げないと決めた強さ。

才能にも容姿にもバランスよくめぐまれた彼女に今後必要なのは、《欲望》なのかもしれないなあと考えたりします。そしてもう少し広い世界を見ることなのかも…と。




続いて、国別対抗戦2015・男子シングルのフリー結果から。

フリー1位 羽生結弦選手(日本)
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ショートは前半、「きたかきたか、ついに今季初のパーフェクト演技…」と興奮し、後半のルッツ×トゥーループの転倒で「うわぁぁー」と崩壊。
そしてフリー、冒頭のクワドサルコウで「出た完璧!」と息をのみ、続くクワドトゥがトリプルになって「ぐおー」とくずおれ… とにかくこの方を見てるとジェットコースター。
でもそのあとはすごかった。このミス以外は、最後まで力を尽くした本当にすばらしい演技でした。あっぱれ結弦くん。国別をなめてないぜ。ていうか試合は全部なめてないぜ。いつでも100%のあなたが、すばらしいけど怖い。

いつでも100%の結弦くんは、エキシビションではさらに怖かった。
昨&昨々シーズンのあのショート「パリの散歩道」を、さらに進化したパーフェクトフル演技でぶっちぎりました。これ、試合だったら前人未到の点が出てたと思う。
しかもエキシのフィナーレでは、まだ世界で誰も試合で成功させてない4回転ループを、なんとトリプルアクセルとの連続ジャンプであっさりと跳んでみせるという唖然ぶり。
怖い。怖すぎる。ああ彼の選手生命が、少しでも長かれと祈ります…

というか、前から「ピョンチャン五輪で引退」と言ってる彼なので、その通りだと考えたらあと3シーズンしかないんじゃないですか。3シーズン!(と、ひとりで震撼)
そのたった3シーズンを、せめて大きなケガなく過ごして、さらにすごいプログラムを滑って、クワドループも試合で入れて… ううーん。考えただけでクラクラしてきた。とにかく身体を、おだいじに…




フリー2位 ジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)
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ワールドでもすばらしかったジェイソンですが、この国別選手権でも本気出してくれたなあ…と思ってフリー演技を観てたら、なんと今季一番いい演技だったという。お茶の間でスタオベの嵐ですよ。
ああなんというスムースなスケーティング、よどみない音楽表現、身体のすべての動きがなめらかにひとつながりになっている心地よさよ。ジェイソンって、その個性も含め、これまでにはいなかったタイプのスケーターだなとつくづく思う。

昨季、ソチ五輪シーズンには《まだ》4回転を入れてなかったジェイソン。
そして今季はどうなった?と思ってたら、やっぱり《まだ》。
その状態で全米王者に輝き、すっかり世界のトップ選手たちの仲間入りをして、さて…
もちろん、今の彼に4回転がプラスされたら、現在の世界3強(羽生/フェルナンデス/テン)に割って入ること必至です。そういう意味で、《まだ》習得中といわれる4回転が来季どうなるのか、ものすごく気になるところ。
ただ、トリプルアクセルが最高に美しく入った今の演技があまりにバランスよく充実しているのを見るにつけ、ここにクワドが入るとどんなふうになるのか?ちょっと想像つかないところがあります。
そうはいっても、もちろん競技は競技。点数は点数。ジェイソンだってもっと上を目指すには、やっぱりクワドを入れることになるよね… うん。
来季こそ、そのときが来るのかな。




フリー3位 無良崇人選手(日本)
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フリーはサルコウひとつダブルになった以外の抜けがなく、今季で一番よかったかもしれないファントムでした。久々の160点台半ば! 彼の持ち味が、豪快なジャンプ含めたっぷり出てました。
そして見よ、この表情。無良くんが表情も含めて、演じている! 情感!
ここまできてくれたかと感無量であります。ほんとに変わりましたね~無良くん。

今回、いつも控えめな彼がこのにぎやかな大会でキャプテンを任されて、きっと大変だったと思うのですが、そちらの方でもすごくがんばってはりました。
そして無良くんの来季プログラムの振り付け師がすでに決まっていて、なんと! ショートの振り付けはアイスダンスのソチ金メダリスト、チャーリー・ホワイト! 
忠犬チャーリー(あ、もうこんなこと言っちゃいけないな。美神タニス様とのご結婚おめでとうございます)は、シングル選手に振り付けするのはこれが初めてだそうで、すごく楽しみです。しかもフリーも振り付けがジェフリー・バトル、こちらも楽しみすぎる。




フリー4位 ハン・ヤン選手(中国)
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今季は結弦くんとのあの衝突事故で、いろいろな意味で思わぬシーズンになってしまったであろうハン・ヤン。
この国別でもジャンプの痛いミスは散見しましたが、調子が戻ってジャンプの精度が上がってくれば、トップをおびやかす存在であることは十分アピールできたと思います。

シャイなのにコミカルプロでコミカル演技。シャイなのにジャッジ席に指さし攻撃。ネット上では自撮り写真の嵐。…と、ナゾめきつつも妙に愛されキャラになりつつある彼。
来季はどんなプログラムかなあ。今度は思いっきりダイナミックでかっこいいプロも観てみたいです。




フリー5位 セルゲイ・ヴォロノフ選手(ロシア)
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最近、私はヴォロさんを応援しています。
そのスケートが好きというより、その人となりとか、選手としての存在感がとっても好もしく、応援したくなるんですよね。
ツギハギ音楽の謎プログラムとか、トランジションは漕いでるばっかりとか、いろいろ言われてるけど(全面的に否定はできん)、これまで数知れないほどの苦難を乗り越えて、いつもいつも笑顔とパワーで試合に臨み、すばらしいジャンプとエネルギッシュな演技を見せてくれるヴォロさん。
ロシア男子の中で冷遇され、コーチを転々とし、故障に泣き、その中から這い上がってきての今の活躍ぶり。試合での直前練習でも、ピリピリして自分だけに集中する選手たちの中で、苦労人ヴォロさんはいつも笑顔で周囲の選手たちに気を配っている。その姿に心がじんわりします。

この国別では、ワールドで痛めていた膝も回復してきたのか、いつもに増してキレのいい演技でジャンプも実に気持ちよく決めてたなあ。よかったなあ。 
来季は28歳。トゥベリーゼコーチとはうまくいってるみたいなので、これ以上故障がなく、彼の笑顔が続くよう願ってます。プログラムの音楽はヘンでもいいから!




フリー9位に終わったジェレミー・テン選手(カナダ)。
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ワールドが最後だと思ってたら、この国別にも来てくれて、とってもうれしかったのですが…
フリーは特にジャンプミス、転倒が重なり、納得のいく演技にはならなくてほんとに残念。
でも、大好きな「ウォリスとエドワード」と「ハレルヤ」のプログラム、ジェレミーらしく心をこめて美しく滑り切ってくれました。

そして彼のお友だちが亡くなられたとのことで、キスクラではそれについてのメッセージ。
寄り添うカナダのチームメイトが温かくて…
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本当にこれで、引退なのかなあ。だとしたら、なんともいえずさびしいです。
彼自身は以前、今季を最後のシーズンと言ってたけど、引退の明言はまだしてないみたい。
もしも自分の中で、まだ競技スケートを続けたい気持ちがあり、事情が許すのなら… どうか来季も私たちにその演技を見せてほしいです。



さて、ざざっと振り返った国別対抗戦男女フリー。
触れられなかった選手もたくさんいますが、とりあえずこれにて。
映画もこのところ何本か観たので、そのレビューも書きたいと思ってます。
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by higurashizoshi | 2015-05-08 17:22 | フィギュアスケート | Comments(2)

大ちゃん渡米と、ポール&イスラムのコーチ変更

数日前、とうとう旅立ったそうです。
高橋大輔さん(いまだ慣れない、《さん》付け)は、日本を離れアメリカへ。
元コーチ(この《元》もいまだ慣れない…)長光歌子先生が、昨日講演をされた中で話されたことを、ネット上で読みました。
空港に見送りに来ないでくれ、10月ぐらいまでは向こうに会いにも来ないでくれ、と大ちゃんは歌子先生に言っていたそう。留学の予定期間は、最低1年。
そして、彼はスケート靴を持って行かなかったと。

スケート靴を持って行かなかった、という部分を読んだとき、やっぱり一瞬、時間が止まった。

そうか。そうだよな。それはそうだ。

という思いと、

そうなのか。やはりそうなのか。

という思い。

彼のスケートを愛する人にとっては、さびしい。率直に、さびしい。
でも、スケーターではないひとりの人として生きてみたいという彼の思いは、もちろん彼のもの。

引退後に新しいHPも作られたので、これからの活動が新たに何かあれば、そこで公開されていくことでしょう。
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ときどきのぞいてみて、息をつきたい。
期待はせず、でも期待して。
待たず、でもやっぱりひそかに待って。

どうか元気で、アメリカでの新しい毎日をたくさん楽しんでほしい。
今はそれだけです。

*****

ぐっと涙をのんで、
フィギュアを愛することはやめないぞ!という思いで、
もうひとつの話。

2014-15競技シーズンもあっという間に過去へと飛びすさり、もはや来シーズンへ向けて選手たちは動き出しつつあるようです。
今日知ったサプライズは、カナダのアイスダンスカップル・アレクサンドラ・ポール&ミッチェル・イスラム組がコーチ変更! デトロイトのカメレンゴ&クリロワチームから、モントリオールのデュブレイユ&ローゾン+アグノエルチームに移ることになったというニュース。
国別対抗戦の続きをアップしようとしてたら、この記事を目にしたので、先にこの話も書いておきたくなりました。
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ポール&イスラム組は世界ジュニアで一目ぼれして以来、ずっと応援してきたのですが、シニア移行後はソチ五輪にも出場したものの、いまひとつ伸び切らず停滞期が続いていた印象。
カメレンゴ先生のところにいるにしては、どうもいまいち目の覚めるようなプログラムが出てこない… それに加えてミッチェルくんに大人の色香が出てこない… 等々、モヤモヤしてたのですが、彼らも来季あたりが正念場と考えたのでしょうか。
すでに23歳と25歳、アイスダンスカップルとしてはもう評価を安定させねばならないところに来てます。
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今、旬のチームとして沸騰中のデュブレイユ&ローゾン+アグノエルチーム。
パパダキス&シゼロン組を今季世界一に導いてフィギュア界をあっと言わせたのをはじめ、急成長中のスペインのウルタード&ディアス組、デンマークのフルニエ&ソーレンソン組など、これからトップを狙うカップルがこのチームに集まってきている印象。
で、そこにポール&イスラムも移ったということで、彼らにとってはさらなるステップアップを目指すというよりは、今ある壁を破るためにここに賭けたという感じなのかなと思います。

なんかこう、いつもガツガツせずにおっとり、ほんわか…という印象の二人なので、もうちょっと欲を出してもいいのでは?攻めにいってもいいのでは? といつも感じてしまうのですよ。どう見ても初々しすぎる高校生カップルみたいなオフアイスの二人。
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今季、カナダはテッサ・バーチュー&スコット・モイヤ組が、引退は明言してないものの競技には出なくなり、二番手だったケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組がトップに。
そして新たな二番手争いとして、このポール&イスラム組と、パイパー・ギルズ&ポール・ポワリエ組という年齢的にもほぼ同世代の2組の、熾烈なせめぎあいがはじまりました。

2013-14シーズンは、ポール&イスラムに軍配が上がり、ギルズ&ポワリエを退けてソチ五輪出場権をゲット。
その後カナダNo.2カップルの地位を守って成長するかと期待したものの、ソチでもあまり高い評価が得られず… 以前よりミスも少なくなり、滑りもよくなっているのですが、どうもジャッジの評価が上がってこない。
そしてこの2014-15シーズンではカナダナショナルで、ギルズ&ポワリエ組に大差で敗れ3位。ワールドでも13位と、残念な結果に。もはや、ギルズ&ポワリエ組に完全に水をあけられてしまってるという現状です。
今のところ一応カナダのトップ3の中には入っているとはいえ、すでに下位からの追い上げも迫っております。正直来季なんとかしないとこのまま失速して、沈んでいきかねない…とヤキモキしてました。
(2014-15シーズンのカナダナショナル表彰台。1位ウィーバー&ポジェ、2位(左)ギルズ&ポワリエ、3位(右)ポール&イスラム)
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あ、私、ギルズ&ポワリエ組も好きなんですよ。以前大阪の四大陸選手権で遭遇して写真も撮らせていただいたし。本当に素敵なカップルで応援はしてるのですが、やっぱり惚れた弱みというんでしょうか、ポール&イスラムのことは絶対見捨てられないというか。大好きなパパシゼとはまた違った《好き》で、ハラハラしながらハンカチ噛みつつ見守る感じ。
「この子ら、地味やけどもっと見たって! やればできる子らやねん!」みたいな感じでしょうか。

で、彼らがモントリオールのデュプレイユ先生チームに移り、なんとパパシゼとウルディアと一緒に練習していくことになるんだと思うと… あまりに私の好きなカップルだらけで、想像する練習リンクはお花畑状態。モントリオールに飛んで行って、リンクの外で「出待ち」しちゃおうかしらと思うくらい(コワいって)。
とりあえず、モントリオールの動向に注目しておくのと、来季のポール&イスラムのプログラムが画期的なものになることにひたすら期待を寄せております。
長いオフシーズン、楽しみができたわい…


というわけで、次回は遅れに遅れた国別対抗戦男女シングル、ちゃんと書きますので。
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by higurashizoshi | 2015-04-28 16:12 | フィギュアスケート | Comments(0)

国別対抗戦2015 (その2)

前回ほぼアイスダンスを語るだけで終わっちゃいました。
というか、ほぼパパシゼとリーズのことだけ。
もっとちゃきちゃきさっさと書き進められればいいんだけど、ついつい語ることが多い。

でも、もはや今季最後の試合が終わってしまったので、あとはしばらくフィギュアの競技について書くことはないわけで。
国別対抗戦の話、じっくりいくことにします。


国別対抗戦2015、ペアのフリー1位はカナダのミーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード組。
ミスの少ないミーガンが、めずらしくショートでもフリーでもルッツジャンプを失敗。シーズン終わりのお疲れでしょうか。でもしっかり高得点で1位。
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このフリープログラム、私の愛するミューズの曲を使ってくれてるのは大変うれしいのですが、メドレーがツギハギすぎて毎回頭がくらくら…。ミューズは今季ロシアのコフトゥン選手も使ってますが、こちらのように一曲だけのシンプル使用がおすすめですわ。
デュハラドの来季は、名実ともに世界トップとして君臨できるかどうかの正念場。ケガに気をつけてがんばってほしい。



ペア2位、中国のウェンジン・スイ&ツォン・ハン組。
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ジュニアのときの彗星ぶりのあと、スイちゃんのケガで低迷が続いていたこの二人。今季は新生スイ&ハンという感じで、すっかり大人のトップペアになりました。子どもっぽかったスイちゃんが、めきめきと美しくなったのには本当にびっくり!
国別はショート+フリーの総合点ではないので、フリー2位という結果が残るものの、もし総合なら彼らが今回文句なしの1位。スイちゃんがフリーでサルコウがダブルになってしまった以外、本当にすばらしい出来でした。
軽業的な部分ばかり目立っていた彼らが、抒情を感じさせる豊かな演技で観客を引きつけるペアに成長。ハンくんがペアの男子選手としては非常に小柄なのですが、そのハンデを感じさせません。これからどこまで成熟したペアになっていくか、とても楽しみ。



ショートでは3位、フリーでは惜しくも4位となったロシアの川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ組。
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ヨーロッパ選手権は涙の初優勝でしたが、その後ワールドでもこの国別でもミスが出て、会心の演技で今季をしめくくるということにはならず…。
でも、ソチ五輪のために用意していたフリーの「マンフレッド交響曲」は、その最初の緊張に満ちた旋律と悠子さんの鬼気迫る導入部が焼きついて、わたくし観るたびにしばらくは脳内リピートがとまりません。彼らにとって代表作のひとつになる、すばらしいプロだと思います。

悠子さん33歳、スミルノフくん30歳。彼らの挑戦はどこまで続くのだろう。本当にやり切ったと思えるところまで、もう大きなケガがこの二人を襲うことがないようにと祈ります。



この国別対抗戦がシニアデビューとなった、日本の古賀亜美&フランシス・ブードロ=オデ組。
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中国育ちの亜美ちゃんがカナダに渡り、フランシスくんとペアを組んで、日本代表としてジュニアの大会に出始めたのがまだ昨シーズンとのこと。
高橋成美&木原龍一ペアの突然の解散で、国際大会で戦える日本のペアがいなくなったところへ現れた救世主…という感じですが、このまま次の五輪を目指すとすると、またまた国籍問題が立ちはだかるのでは…
かつて高橋成美&マーヴィン・トラン組の解散の原因の、大きなひとつだったと思われる国籍問題。伸び盛りの期待度大の古賀&ブードロ=オデ組が、高トラの轍を踏むことがないようにと祈るばかりです。


ペアは世界のトップ争いになるとスロージャンプも4回転が標準、という時代が到来しつつあります。
すごい進化だけど、同時に大きなリスクもともなう変化でもあり… 選手の身体にかかる負担はすさまじいものだろうなあ。スポーツである以上、仕方のない部分もあるものの、どこかに歯止めを置かなくていいのだろうかと、これはシングルのジャンプにも言えることですが。


ああ、ペアについてしか書けなかった~。
次回はいよいよ(とっくに終わってるけどね!)国別対抗戦・男女シングルについて書きたいと思います。
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by higurashizoshi | 2015-04-21 22:52 | フィギュアスケート | Comments(2)

国別対抗戦2015 (その1)

終わった~。
国別対抗戦の終了とともに、2014-15シーズンも終わりを告げました。

シーズン最後のお祭り的要素が濃い大会であると同時に、出場選手にとっては今シーズンのしめくくりとして力も入る国別対抗戦。
今年はロシア、フランス、アメリカ、中国、カナダ、日本の6国から、それぞれなかなかの有力選手が集まりました。

まずは結果から。
1位アメリカ、2位ロシア、3位日本。
ぎゅうぎゅうの表彰台。
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いつも、この国別は各国チームの応援合戦が楽しいのですが、今年もこんな感じ。

ロシアチーム
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トゥクタミちゃん演技後。みんな踊りまくり。


フランスチーム
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昨シーズンで引退し、現コーチのアイスダンスのファビアン・ブルザが前列に。こういうのがまたうれしい。
「I♡JAPAN」のはちまき、どこで買ったのかなあ。


アメリカチーム
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上方に盛り上がる。


中国チーム
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国別対抗戦の初期のころはおとなしかった中国のキスクラも、ずいぶん活気が。


日本チームは、例年この国別対抗戦を支えてきた大ちゃん、真央さん、あっこちゃんなどが抜けて、初めて参加となった結弦くんはじめ、新しい選手が多くなり…
チーム的に盛り上がるのだろうか?と思ったりしたものの、みんながんばってた。
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出場選手の中から、私的にピックアップして紹介します。

アイスダンス。
ショートダンス3位から、またもフリーで1位になったフランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組。
この勢いを誰か止めて~!と言いたくなるほどの、今シーズン最後まで続いた高評価ぶり。
「私だけが知っているあのカップル」的な愛で方をしてきた昨シーズンまでの、甘酸っぱいひとりじめ感はどこ? …と、ついゼイタクな悩みを持ってしまうほど、押しも押されぬトップカップルになってしまいましたなあ。
ワールドに続き、この国別でも破綻なし。ディープエッジでぐいぐいいってた若い二人が、なんとスケール大きな成熟した滑りをするようになったことでしょう。
しかも、大会が続くごとに演技がどんどん洗練され、威厳すら感じられるようになってきた。ほんとにきみたち、19と20歳?
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今季フリープログラム。
これまでの若干イロモノ的な印象から、ノーブルかつ品格あるカップルという、ある意味ジャッジ好みの戦略的変換にみごとに成功したプロといえましょう。何度も見てるうちに、実によくできたプロだな~と感心しきり。
しかも、彼らがもともと持っているちょっと退廃的な色香というのか、密室感というのか、そういう《暗さ》の部分が滑り慣れるにつれて沁みだしてきた、この沁みだし感がたまりません。

そういう意味でも、来季はどんなプロを持ってくるか、非常に楽しみ。まったく違うジャンルの演技も、ぜひ見てみたい。
あっという間に追われる立場になってしまったので今後とても大変だろうけれど、このまま発展形でいけば歴史に残るカップルになれる二人だと思う。



フリーダンス2位は、カナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組。
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この不思議な「四季」のプログラムも今日で見納め。
彼らは生身の男女のストーリーを演じるとピカイチなので、この妖精×妖精さんみたいなプロはちょっとどうなの?「四季」じゃなきゃだめなん?とか思ってしまってたけど、だんだんと見慣れてくるうちに今季の彼らの安定度も手伝って、ほっと癒されるプログラムになってました。
この国別でも力を抜かず、むしろワールドより緊密で精巧な滑りを見せてくれて感動。今後はパパシゼと、後述のチョクベイとともに、熾烈なてっぺん争いを繰り広げることでしょう。



フリーダンス3位はアメリカのマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組。
アイスダンスの規定ぎりぎりリフト!
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マディソンの艶やかで伸縮性ばつぐんの身体表現に対し、いささか荒かった印象のベイツくんも、カップル結成から4シーズンたつ今はしなやかに変化。すっかりこの二人のユニゾンができあがると同時に、評価もうなぎのぼり。
今回の国別でも非常にいい滑りを見せていたのに、フリーダンス終盤でベイツくんが転倒! ミスの少ない彼には大変めずらしいことで、今季最後にいいフィニッシュができなかったのは残念だろうな。



アイスダンスの最後に、キャシー・リード&クリス・リード組について。

今回ショートダンスではキャシーの転倒があり、涙。
そしてフリーダンスを滑り終えたあと、キャシーはまた涙を流していて、もしかして…?と多くの人が思ったことだろう。私も、来季も続行するという話を聞いていたけどこれはまさか…?と思った。
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予感は当たってしまった。
フリーダンスの翌日、エキシビションの日にキャシーが引退を発表。
日本のアイスダンス界をひたすらに引っぱってきてくれたリーズは、とうとう終わりを迎えた。
弟のクリスは、これから新たなパートナーを探し、競技を続けていく意向とのこと。

日米両方の国籍を持っていた二人は、2006年から日本の選手として試合に出るようになった。2009年には日本の国籍を選択して、バンクーバー、ソチとオリンピックにも日本のアイスダンスカップルとして出場。
カップル競技の層が圧倒的に薄い日本で、国際大会で通用する力を持つ稀有なカップルとして今日まで必死にがんばり続けてくれたと思う。
ソチ五輪の団体戦、そしてこの国別対抗戦も、リーズの力がなければ日本は他国と対等に戦うことはできなかった。癒えずに苦しんだクリスのケガ、キャシーの不調、そんな中でいつも笑顔を絶やさず、感謝のことばを忘れず、いつも向上心を失わずに努力を続けた二人。
リーズのおかげで、あとに続くアイスダンスカップルも少しずつ日本に増えてきている。本当に、その貢献に対しては、どんなに称賛してもしたりないくらいだと思う。

現役最後の舞台となった、この国別のエキシビション演技終了後。
クリスとかたく抱き合うキャシーの姿と、その美しい涙を、ずっとおぼえていたいと思った。
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キャシー、これまでありがとう。どうかゆっくり休んで次の人生に歩み出してください。
そしてクリスに、すばらしいパートナーが見つかりますように。


国別対抗戦、ペアと男女シングルについては、次の更新で書きたいと思います。
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by higurashizoshi | 2015-04-20 16:27 | フィギュアスケート | Comments(0)

東日本大震災チャリティー演技会2015

《東日本大震災チャリティー演技会 ~復興の街、神戸から~》。
フィギュアファンの間では「神戸チャリティー」としてすっかり定着したイベントの、震災以来5度目の神戸での開催。
私は第2回からずっと毎年参加してきた。これも、神戸の近くに住んでいるという幸運のおかげ。そして年々厳しくなるチケット争奪戦にもかかわらず、いつもS席をゲットできたのは…ううむ。念力のなせるわざかな。
あの震災を前に、大ちゃんや宮本賢二さんたちフィギュア関係者が「スケートでできる支援を」と必死に考え、必死に動き、立ち上げてくれたこの演技会。その思いにこたえるため、ファンもここに集まり、来られない多くの方も募金を欠かさずにきたのだと思う。

一流スケーターの演技を、ショーとは違う素の環境で堪能できるというレアさはもちろんのこと、その後はずらりと並んだスケーターたちの持つ募金箱に直接募金をして、間近で言葉をかわすこともできるという、まさに夢のようなイベント。
風化が言われつつある震災への復興募金としては異例で、年を重ねるごとに募金総額がはね上がっていくという稀有な企画でもあった。

私自身、毎年この演技会に参加することで気持ちをリセットし、自分の仕事も含めて震災支援への思いも新たにしてきた。もちろん、大ちゃんをはじめ、たくさんのスケーターにこんな形で毎年接することのできる機会はほかにない。そういう意味でも本当に大事な、楽しみなイベントだった。

けれど、今回は二つの理由で、「また来年も」と思えないまま会場に向かった。
ひとつは、5回目という節目。震災後、5という数字をめどに開催を打ち切るイベントは多い。私のかかわっている保養キャンプの世界にも、その例はある。
そしてもうひとつの理由は、ファンなら誰でも知っている、大ちゃんの留学だ。先のことを決めないまま、スケートからいったん離れての、アメリカ留学。

やはり、神戸チャリティーは大ちゃんあっての企画だと思う。特に、震災への支援の熱が急激にさめていく現在の状況の中では、大ちゃんがこの演技会開催メンバーからはずれることは、おそらく存続問題に直結する。
どこにいても、この時期に合わせて神戸に帰ってきてくれるんじゃないかな… という淡い期待は捨てられないものの、こんな大きなイベントは準備段階も長く、中心になるメンバーを欠いたままの状態ではむずかしいだろう、とも思う。
そんなわけで、「この演技会も最後かもしれない」という気持ちが、チケットを買う前からずっとあった。もちろん存続を心から望むけれど、覚悟はしておくべきだと。

そしてやはりもうひとつ。
「大ちゃんの演技を見られるのはこれが最後かもしれない」
という、口に出したくない思いがずっとあった。会場に向かった大ちゃんファンの多くが、その思いを秘めていたことだろう。


一昨日の演技会、神戸・ポートアイランドスポーツセンター。
長ーい行列に並んで、会場入り。
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リンク全体を見渡せる席からの眺め。
さらりとリンクインする出演スケーターたち。
東日本大震災の犠牲者への黙祷。
毎年恒例になったこの時間にも、いっそうの思いをこめて祈った。

大ちゃんのあいさつ。
この演技会を続けてこられたことへの、各方面への感謝を、さわやかな笑顔で(カミカミなし!)。もうこれだけで、すでに胸がじーんとなった。
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ジュニア選手たちの演技。
ういういしい島田高志朗選手、手足長い! 三原舞依選手、山隈太一朗選手、友野一希選手は、昨年にくらべて身体も技術も、めきめきと成長を感じた。ノービスの白石優奈選手のジャンプクイーンぶりにびっくり。すばらしい3ルッツ×3トゥ!

本田武史くん、風格が違う。生で観る武史イーグルの快感。いつまでも見ていたい。

村上佳菜子選手。ついこの前世界選手権で見たばかりの、ショートのオペラ座。腕や上半身の優雅な使い方は、努力して彼女が手に入れたもの。ジャンプは少し不調だったけど、美しいクリスティーヌだった。来季… どうするのかな。すばらしい才能と、ここまで積み重ねたものと。そして彼女自身の思いと。
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一部の最後にサプライズ。織田くんがリンクに出て紹介する形で、なんと大ちゃんがここで登場! どよめく客席。
大ちゃんは黒一色の、シンプルこの上ないコスチュームでリンクに立った。

「思い出のマーニー」だった。
「Fine On The Outside」のおだやかな調べで彼がゆっくりと滑りはじめた瞬間、あたりの空気が変わった。
たったひと振りの腕。たったひとつの身のこなし。やわらかなターン。
それらが、魔法のように空間に息を吹きこみ、あざやかに彩っていく。

このプログラムに、ジャンプは一か所しかない。
それ以外、彼は滑る。舞いながら。いつくしむように。
たたかわない。とがらない。彼は滑る。愛するように。
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きっといつもと同じように、彼は《何か》を滑ってはいない。
テーマや、物語を、スケートに乗せてはいない。
感じるままに。ただ音楽を聴き、そこに身体をまかせて。
それがこんなにも美しい作品になるのはなぜだろう。その場にいるすべての人が、彼の中に吸い込まれ、たゆたい、特別な時を過ごす。

この短いプロを滑り切るまでの時間。
まるで永遠のような、夢のような時間。
そしてそれは、胸の深くに軌跡をのこして、あっという間に終わりをつげた。
これまでの高橋大輔のスケートの中で、たぶんもっとも謙虚で、もっとも優しい演技だった。そう感じながら、ずっと涙が止まらなかった。
たくさんのことを思い出した。激しく思い出した。そして癒されていた。不思議な気持ちだった。


第2部。
ジュニアは岩元こころ選手、三宅星南選手、坂本花織選手。
星南くん、コミカルな演技を精一杯。あこがれの大ちゃんと、今日同じリンクで滑れてよかったね。まっすぐ背中を追いかけてください。花織ちゃんも今、急激に成長中。
田中刑事選手、ひさびさのアフロ。ジャンプさえ調子が整えば、ふたたび上昇できるはず。飛躍のときを待ってるファンがたくさんいると思う。

本郷理華選手。今季ショート。
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今日もまた、3トゥ×3トゥ含むジャンプはすべてクリーン。度胸と確実性の高さには、あらためてほれぼれ。生で見ると、表現面はやはりまだまだ伸びしろがあると感じた。華のあるトップ選手になっていく準備は整っているので、来季以降はそれをいかに実現するか。


今回、間際になってインした宇野昌磨選手。
生で観るのは昨シーズンのワールド大阪エキシ以来。
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で、この一年ぶり生ショーマがすごかった。滑りのスケールがぶっ飛ぶほど大きくなっていて、このスケールの大きさは… 現役ならパトリックか、ジェイソンか。
ジャンプのすばらしさはテレビでもある程度認知できたけど、滑りのねばり、伸び、自在さがここまでとは。これは生で観ないとわからなかった。
ショーマにとっても、今日ここで大ちゃんと共演できたことはずっと記憶に残るのではないかな。彼が目指す表現の道の先に、大ちゃんは燦然と立っているのだろうから。
そしてその目標に向かっていくとしても、その行く手にはきっと、宇野昌磨にしか作れない世界がある。本気でそう予感させられた。


宮原知子選手。
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ワールドのエキシ。知子ちゃんとしては思い切って笑顔ではじけるプロ。ショーマの直後だったので、彼女の端正でどこまでもキッチリしたスケートが好対照だった。これはこれですばらしい。
全日本優勝、ワールド銀メダルと、結弦くんとまったく同じ結果、しかもどちらも初!なのに、メディアではあまりに地味な扱いの知子ちゃん。でもいいのだ。今のうちに力をどんどんたくわえて、いずれ大輪の花になるのだ。


織田信成選手…って、いまだに書きそうになってしまう。
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リバーダンス。特に前半、やわらかな動きが音楽にぴったり合って、すごく心地よかった。織田くんは引退後、ほんとにいろんなものから解き放たれた感じがする。それがスケートにまっすぐあらわれているような。表現がとても多彩に、自由になった。
ネコ足着氷は健在。いまだに生で観ると、この柔軟性に「うわ」となってしまう。


そして最後に、大ちゃんがふたたび。
何をやるのか、ファンはいろいろ予想していたと思うけれど、そうか…なるほど…と思った。
「I’m Kissing You」だった。
昨年5月、ソチ後はじめて人前で滑った臨スポで初披露したプロ。
以降、何度もあちこちのショーで滑ってきたのを観たけど、最初にそこで目にした印象は強烈だった。
あの苦しかったソチ五輪が終わり、なにか放心したような、それでもふたたびリンクに立ちファンの前で滑る責任を自分に課しているような…。
身体も絞れてない、心も整ってない、プログラムもまだ自分のものになってない、それでも懸命に演じようとする姿が今も忘れられない。

それから一年足らず。
《最後》の演技として選んだ「I’m Kissing You」は、あのときと同じものとは思えない、すみずみまで洗練されたプログラムになっていた。
「思い出のマーニー」がまっさらな木綿の感触だとしたら、これはまるで使いこまれたビロードのような肌ざわり。
内へ内へと降りていく「マーニー」と、観客へとからみつくような「Kissing You」。
どちらもが、大ちゃんにしか作りだせない無二の作品だった。
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これが《最後》。
目に焼きつけておかなければ、と思う間に、さらさらとこぼれ落ちていく時間。
でも、「マーニー」でさんざん泣いたからか、不思議と落ち着いて観ることができた。
さよなら。いってらっしゃい。二つの声が自分の中でこだまする。
ありがとう。ありがとう。そう心で呼びかける。これまでたくさんのよろこびをありがとう。


恒例になった「Story」でのエンディング。最後に、ふたたび大ちゃんのあいさつ。
自分のことは何も言わず、ただ震災復興のためのイベントとしてのコメントのみ。これもまた潔い。
しかし大ちゃん、マイクを持ったら息が上がりすぎてて、いきなり「ブフォッ」。
思わず気が抜けて泣き笑い。今回、なぜかカミカミはなかったけど、ここでしっかり笑かしてくれました。
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毎年、このあとの募金までの長い待ち時間に、宮本賢二さんが出てきていろんな持ち芸を見せてくれたりというお楽しみがあり(今年もあったらしい)、そしてスケーターひとりひとりと対面しての募金タイムがあるのだけど…
今回はどうしても事情があって、ここで帰らなければいけなかった。
最初からその予定で、動かすことができず、割り切っていたつもりだったけど、やっぱりその場になると去るのはつらかった。

大ちゃんと対面してひとことかわして、別にそれでどうなるというものでもない。
むしろ、ものすごい数の募金の列のひとりひとりに笑顔でこたえ、話に応じる彼の負担を少しは減らす役に立つくらいのものなんだけど…
会場を足早に出て、暗い道を駅に向かいながら、心を整えた。

演技を観て、それで《最後》にして、私は私の持ち場に帰ろう。
心の中で、もうお別れのあいさつも、感謝のことばも告げた。
私の愛した、高橋大輔のスケートは消えない。時が過ぎ、たとえ彼が滑ることをやめてしまったとしても。これから彼がどんな人生を選びとるとしても。


募金の様子。参加した方のレポートによると、大ちゃんお疲れ気味だったものの、いつものように最後まで笑顔を絶やさず、ていねいに言葉をかわしていたそう。(織田くん、また泣いてる…?)
募金終了後は、去りがたいファンに向かって、スケーターみんなで出口に並んであいさつしてくれたそうです。
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織田くんとのスナップ。
ずっとライバルだった二人。ときには複雑な思いで、きっとすれ違ったこともあった二人。
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      (演技会の様子を少し見られるニュース動画、こちらをクリックしてご覧ください)


私にとってこの春は、個人的に決別と新しい出発の春でもあったので、こうして神戸チャリティーに参加できたのもまた、もうひとつの《終わりとはじまり》になったと思う。
翌日読んだインタビューで、大ちゃんはこれからのことをこう言っていた。
「自分のために生きたい」と。
きっとこれまでずっと、スケートのため、周囲の期待にこたえるため、ファンのため、ただただ前を向いて進んできた人生だったと思う。
何を目指して、どこに行きたいのか、ほんとうにやりたいことは何なのか。
それをこれから考える旅に、大ちゃんは出るのだと思う。

《終わりとはじまり》の春。
どうか元気で。あなたの大切なものが、どうか旅の果てに待っていますように。
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by higurashizoshi | 2015-04-09 11:00 | フィギュアスケート | Comments(2)

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