ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

<   2009年 08月 ( 3 )   > この月の画像一覧

命名

なかなかブログが更新できなかった表向きの理由としては、忙しかったからというのがある。とにかくよく出かけていた。プールとか博物館とか、ネコ用トイレを買いに行ったりとか、母を車で診察に連れて行ったりとか。そして毎日とてつもなく暑くて、出かけない日は最低限の家事をやって、あとはぼよーんと座って、ひたすら映画か読書。このところ映画はDVDで週に3、4本くらい観ている。感想をメモするのだけど、なかなか文章にできない。
そう、このへんから裏向きの理由になってくるのだけど、なぜだかわからないが最近、なにかが足りない感じなのである。ことばにするとたぶん「覇気」とか、そんなふうな「気」が、足りない。とどこおっている。よし、このおもしろいことを人にも知ってもらおうという外にむかう回路が、不調である。

まあ、こんなことは私という人には定期的にあることなので、そのうち霧が晴れてきて、どこからともなく「覇気」が出てくることだろう。
今朝、明け方に見た夢の中で、私は旅をしていて、その日の宿は湖の真ん中にある小さな島の廃校を使ったホテルだった。ホテルを包むように緑の森が広がっていた。
どうして人は、見たこともない風景を克明に、夢で見ることができるのだろう。そのホテルへ近づいていくとき、道の上で踏んだ枯葉のかたちや、昼食をとった店の古びた看板など、あれらのものはいったい私のどこから現れてきたのだろう。

朝晩、急に涼しくなってきた。あんなに暑さにへばっていたのに、突然その暑さが去っていこうとすると、妙に心ぼそい気持ちになる。昔は秋から冬になるころがいちばん好きな季節だった。きっと昔、私はさびしさというものを持ち重ることがなかったのだろう。
わが家のネコちゃんずは人間の心配をよそに日に日にいい関係になってきた。ある朝、チャチャがやさしくクーをなめて、毛づくろいをしてやっているのを発見して感動のあまり棒立ちになってしまった私。

そうだ、大切なことをここにはまだ書いていなかったんだと今気づいた。d0153627_16161158.jpg
やっと黒ちびの名前が「クー」に決まったのだ。
そもそも最初にうちに保護して、翌朝ごはんをむさぼり食っているこの子のうしろ姿を見ながら、思わずつぶやいた。
「く…?」
はげしくしっぽが折れ曲がっている、その形がどう見てもひらがなの「く」。
で、「く」のつく名前にしようということになり、タタとミミとさんざんあれこれ考えて、エジプトの偉大な王「クフ」(大ピラミッドで有名)に決定。ところがこれが呼びにくくて、結局呼び名は「クー」に落ち着いた。
拾ったとき、骨だらけのゴリンゴリンだったことが忘れられなくて、これから一生「食う」ことに困らないように、という私のひそかな願いも入っている名前だ。
とうとうわが家の家族になったクー。私もとうとう四児の母となったのでございます…

d0153627_1619185.jpg

[PR]
by higurashizoshi | 2009-08-26 16:27 | 雑感 | Comments(4)

ご対面!

ついに、チャチャとちびちゃんの対面の日がやってまいりました。
はい、見合って見合って~
d0153627_8324566.jpg
「な、なんやこいつは?」
「おじちゃーん、あそぼうよぉ」
d0153627_8353888.jpg
「おじちゃんて誰のことですのん?」
d0153627_8384417.jpg
いきなり双方がっきと組み合い!
噛み合い!
d0153627_841262.jpg
「あーこいつどないしたらええんやろ」
「おじちゃーん、もうあそばないのぉ」
d0153627_8442100.jpg
まあこんな感じで始まった2匹のつきあい。
少しずついっしょの時間を増やしつつ、なじんでもらう練習。
噛み合いが本気になってくるとタタやミミはちょっとはらはら。
だいじょうぶだってばさー、と私。
夢は、この冬寄り添って仲良く眠る2匹を見ること…(妄想中)
[PR]
by higurashizoshi | 2009-08-13 09:13 | 雑感 | Comments(2)

3本の映画

このところ、タタは外出に慣れてきただけでなく、映画館を楽しめるようになってきた。
おかげで、最近続けて映画を観に行っている。子どものころから映画館が世界で一番好きな場所のひとつである私には、ほんとにうれしいことだ。
そんなわけで、最近映画館で観た作品を3本。


d0153627_1912128.jpgベンジャミン・バトン 数奇な人生
2008年アメリカ
監督 デビッド・フィンチャー
出演 ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット タラジ・P・ヘンソン ジュリア・オーモンド ティルダ・スウィントン


80歳で生まれ、歳を取るにしたがって若返っていく男、ベンジャミン・バトン。
この不可思議なアイデアは、山田太一の小説『飛ぶ夢をしばらく見ない』にもあった。主人公が知り合った老女が、時とともに若返っていく。やがて幼女になってしまう。せつなくなまめかしい恋愛物語だった。
さてこちらは原作がスコット・フィッツジェラルドの短編。なんといっても見どころはブラッド・ピットがしわしわのサルのような老人から始まって、40半ばの実年齢を超え、どんどんお肌ツルツルのういういしい若者になっていく変化のみごとさ。いまどきのCGと特殊メイクの技術のすごさを思い知らされるのだが、ブラピも渾身の演技だし、彼と人生をともにする女性を演じるケイト・ブランシェットも相変わらずパーフェクト。

人と正反対の時の流れを生きるベンジャミン・バトンは、自分の運命を嘆くことなく、淡々と生きていく。むしろそれゆえ、彼にかかわる人々に忘れがたい痕跡を残していく。
運命を受けいれている彼が、たったひとつ執着したもの。それは幼い(姿は老人だが)ころから絆をはぐくんだデイジーとの愛だ。歳月の中で再会と別れを重ね、二人はやっとお互いに同じ年齢になり、結ばれて幸せなときを送る。そして、まるで反対方向からきた2本の汽車が駅を発っていくように、ベンジャミンはさらに若い男へ、デイジーは年取った女へと引き裂かれていく。
孤独で残酷な物語だけれど、ベンジャミンの人生を見ながら、私たちは鏡のように自分たちを映すことができる。そして人とともに時を重ねて生きていくことの意味や、人生の満足とはいったい何だろうと改めて考えはじめる。

ベンジャミンの短い恋の相手を演じたティルダ・スウィントン(『ナルニア国物語』の氷の女王)が、短い出番ながら情緒とスパイスの効いた演技で余韻を残す。後半に彼女が再登場する仕掛けがあって、これには思わず「ほほう」となるのでお見逃しなく。



d0153627_18411447.jpg愛を読むひと
2008年アメリカ・ドイツ
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 ケイト・ウィンスレット レイフ・ファインズ デヴィッド・クロス レナ・オリン ブルーノ・ガンツ


ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』は、近年私が読んだ小説の中でとても印象深く、しかも一番納得できないものが残った作品だった。これがイギリス人スタッフの手で英語で映画化されると知ったときには、さらにロマンティックに歪曲されたものになってしまうのではないかと、ひとりで気をもんでいた。邦題が『愛を読むひと』となると、また心配を誘う(原題は小説と同じく『The Reader』)。
この物語の核は、歳の離れたある男女の運命的な結びつきと、そこに横たわるナチスドイツの犯罪である。戦後、一見平和が戻ったかにみえるドイツのある町で、15歳の少年が36歳の女性と激しい恋に落ちる。ところがある日忽然と彼女は姿を消してしまう。
その理由を、数年後法科の学生となった少年は、ナチスの戦争犯罪を裁く法廷で思いがけず知ることになる。忘れもしない彼女の姿が被告席にあったのだ。そして彼女は収容所の看守として犯した罪以外に、誰にもいえない秘密を隠し持っていた。彼だけがそれを知っている秘密を――。

ドイツ人がナチスの行った犯罪行為について、戦後に徹底的な検証と断罪をおこなってきたことは歴史にくわしくない私も知っている。それは日本人の戦後のありかたとはずいぶん違い、たとえば昔観たドイツ映画では戦後の中高生がユダヤ人虐殺の映像を学校で繰り返し見せられ、トイレで嘔吐するシーンがあったことを思い出す。
けれど徹底的にナチスの行為を記憶し検証することを進めていけば、同じドイツ人同士の中で誰がナチスに近く、誰が遠かったのか、責任の線引きをどこに置くのかという問題が当然すべての人について生じてくる。
そうしたことをこの作品はなまなましく考えさせる。ドイツの同盟国だった日本人は、『アンネの日記』に涙を流しても、アンネを死に追いやった側に自分たちがいたとはなかなか考えない。
私が『朗読者』を読んで最後に納得できないものが残ったのは、主人公が法に裁かれた彼女に手を差しのべながらも、結局のところ単に「朗読者」(彼女に本を読み聞かせる人)としての役割から出ずに終わるその姿勢だった。
戦争責任のない若い世代の主人公は豊かな暮らしと社会的地位を手に入れ、一方彼女は戦中に恵まれない育ちをしたばかりに戦争犯罪に手を染め、裁かれる。越えがたいその差異を埋めようとするには主人公の取った行動はあまりにあいまいで、結局のところ救いをもたらさない。

さて私がひとりで案じていた、映画化された『朗読者』=『愛を読むひと』はどうだったか。
『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』と寡作ながら評価の高い作品を撮ってきたスティーヴン・ダルドリー監督は、物語の舞台はドイツ、話される言葉は英語という一見不自然な構造を忘れさせてくれるほど格調高い映画を作り上げている。前半の重要なファクターである二人の性愛についても、抑制のきいた、しかもリアルな描写で、11歳と14歳の娘同伴で観ていたこちら(実は内心ちょっとハラハラしていた)を納得させてくれた。
ケイト・ウィンスレットがすばらしいだろうことはわかっていた。ついに念願のオスカーをこれで手に入れたのも当然、ハンナという無骨で孤独な女性をみごとに実在させている。とにかく二人のケイト(もうひとりは前述のケイト・ブランシェット)は目下、無敵の名女優で、何をどう演じようと絶対にはずれがない。

小説『朗読者』が終始、主人公の一人称だったのに対して、映画『愛を読むひと』はそれぞれの人物の立場や状況を見せて成り立っている。それが大きな違いになっている。主人公のひとりよがりや自己弁護のみえる『朗読者』に対し、『愛を読むひと』はそんな主人公を観客の前に客体化してみせる。
そして小説にはほとんど登場しない主人公の娘を重要なポイントに置くことで、未来へのささやかな希望を観るものに感じさせる。私がなによりも映画の方に感銘をうけたのはそのことだ。
そして、レイフ・ファインズ、レナ・オリン、ブルーノ・ガンツなど名優の演技もさることながら、少年時代の主人公を演じたデヴィッド・クロスのみずみずしさも、この映画を潤わせている。



d0153627_18512539.jpgサンシャイン・クリーニング
2009年アメリカ
監督 クリスティン・ジェフズ
出演 エイミー・アダムス エミリー・ブラント アラン・アーキン ジェイソン・スペヴァック スティーヴ・ザーン


『魔法にかけられて』でブレイクしたエイミー・アダムス。そして、彼女のとりこになってエイミーの追っかけと化した娘がひとり。ミミである。
日本未公開の出演作もネットで探し出し、ちんぷんかんぷんの英語から情報を取り出す。パソコンの壁紙ももちろんエイミー。この春公開された『ダウト~あるカトリック学校で~』は待ちかねて映画館に駆けつけ、これから公開される『ナイトミュージアム2』を手ぐすね引いて待っている。その間にはさまれたエイミー主演作がこの『サンシャイン・クリーニング』で、これもミミがカレンダーをにらんで公開日を待っていたもの。

『魔法~』のお姫さまから一転、この映画のエイミーは化粧気も薄く、ひっつめ髪のいささか疲れたシングルマザーのローズという30女。高校時代はチアリーダーでみんなのアイドルだった彼女は、その後の人生うまくいかないことばかり。ハウスキーピングの仕事も私生活も、「こんなはずじゃなかった」感満載の暮らしを送っている。
ローズの妹のノラは、これまた仕事はすぐにクビ、恋愛も投げやり、いささかクレイジーな自我を抱えた問題児。20代後半の今も老いた父(アラン・アーキンやっぱり好演)と同居を続けている。

あるとき、ローズは息子オスカーの通う公立小学校から「息子さんは何でもなめて困る」とクレームをつけられる(確かに壁をなめていた。先生の足もなめたらしい)。医者や薬の服用(たぶんリタリン)を勧められたローズは、憤然とオスカーを退学させる。「こんな学校に通う必要ないわ!」と胸がすっとする勇ましさのローズだが、さて問題は、金だ。
息子に合った私立学校に転校させるには、先立つものがない。もちろん、あやしげな商品ばかり仕入れて売り歩く父にも、情はあっても金はない。窮地にたったローズは、あるきっかけから新しい仕事を始めることに。
必ず高額の報酬がもらえるその仕事とは、なんと犯罪現場の後始末。ハウスクリーニングといっても、家の中には血が飛び散り、わけのわからない液体やら汚物やらがべっとり。
嫌がるノラを引きずり込んでパートナーにし、ローズはこの仕事に突き進む。単に息子の学費のことだけでなく、長らくうまくいかなかった自分や家族の人生を立て直すのだ!
掃除用具屋の店員ウィルソンの親切なアドバイスにも支えられ、ローズはプロとして腕を磨いていく。大型のバンを買い、「サンシャイン・クリーニング」と社名も入れて、颯爽と活躍するローズ。しかし、思いがけない事件が待っていた…。

ローズは過去を思い切り引きずっている女である。モーテルでこっそり会う恋人は、かつての高校時代のボーイフレンド。彼はローズじゃなく別の同級生を選んで妻子ある身、ローズに愛着はあるが家庭を壊す気はさらさらない。
偶然むかしの同級生に再会すると、見栄を張らずにはいられず、そんな自分に自己嫌悪。よせばいいのにセレブ化した同級生たちのパーティーにもわざわざ出かけていってしまう。
そんなローズだが、人としての矜持はきちんと捨てずに持っている。だからなんとも切なく、揺れる心の細かいひだまで演じるエイミー・アダムスにはほろりとさせられる。お姫さまでなくても、エイミーの笑顔にひかれるミミの気持ちがわかる。
はちゃめちゃながら魅力的な妹ノラを演じるのはエミリー・ブラント。なんとも味のある女優さんである。ノラの心に深く刻まれた傷、家族への甘えと苛立ち。物語が進むにつれて、ローズとノラの亡き母親が姉妹に大きな影を落としていることがわかってくるのだが、鉄橋の下でノラが絶叫するシーンには思わず抱きしめてあげたくなってしまった。

ミミのおかげで、思わぬ佳作を映画館で観ることができて感謝、感謝。けして甘くなく、けれどささやかな希望がじんわりと胸にわいてくる、そんな映画だった。
寡黙に暖かくローズたちを見守る掃除用具屋の店員ウィルソンの片腕がないのは、喪失の共有という表現なのだろうか。ちなみに演じたクリフトン・コリンズjrという俳優、『カポーティ』で観たときは両腕のそろった冷酷な殺人犯だった。
[PR]
by higurashizoshi | 2009-08-01 19:16 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(4)

フォロー中のブログ

明石であそぼう! たこ焼...

最新のコメント

おはようございます。 ..
by Disney 鴨 at 10:36
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 01:15
こんばんは。ひぐらし草子..
by Disney 鴨 at 20:22
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 08:28
こんにちは。 男子SP..
by Disney 鴨 at 17:05
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 15:28
こんにちは。 ひぐらし..
by Disney 鴨 at 14:45
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 00:20
こんばんは。 ひぐらし..
by Disney 鴨 at 20:54
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 02:06

検索

ファン

ブログジャンル

映画
ウィンタースポーツ