ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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世界フィギュアスケート選手権2013 (その3)

さて、女子はキムヨナ選手の圧倒的なひとり勝ちとなった。
採点について様々な意見があるようだけれど、私は公平な眼で見て今回のキム選手の金メダルは当然の結果だと思った。
確かにバンクーバー五輪の頃より基礎点を下げたプログラムになっているが、その代わり技の正確さ、ずば抜けた安定感、表現力の豊かさ、あらゆる面で得点を上げこそすれマイナスになる要素がない。ショートもフリーもほぼミスなく滑りきったメンタルの強さも含めて、到底長く休養していたとは思えない驚異的な力を見せた。
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音楽や振付師などプログラムの選択、衣装の選び方なども本当にうまいと思う。オーサーコーチを離れ、今はアメリカや母国でのサポートを受けているようだが、もはやセルフプロデュースの域に入っているのではないかという感じ。そういう意味でも凄い人だと思う。

今のところ、他の選手との力の差が大きすぎて、このままソチ五輪を迎えたらもはや敵なし、と思える今回の結果。
でもあと一年足らずの間には、もちろんどう勢力図が移り変わるかはわからない。



2位のカロリーナ・コストナー選手。
スケーティングがとても美しく、芸術的な表現に優れ、つねに世界のトップ選手でありながらここぞという場面でジャンプのミスが目立ち、メンタル面の問題がいつも指摘されてきた彼女。
今回はケガの休養明けにもかかわらず、久々に充実した演技でショートとフリーをそろえ、銀メダルを手にした。ジャンプのミスはあったものの、それを上回るだけの演技構成で、とても余韻の残る出来ばえだったと思う。
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華やかな印象と違って、インタビューなどで見ると、とてもひかえめで素朴な感じのコストナー選手。他選手を押しのけてでも勝利をつかみ取る、というタイプではないところが弱点でもあり、愛すべきところでもあるのかも。



浅田真央選手は3位に入った。根本的な滑りからの見直しが、長い時間をかけてやっと実を結んできたのが今シーズン。この世界選手権でメダルを獲れたのはとてもよかったと思う。
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今回はキムヨナ選手とのひさびさの対決、そしてトリプルアクセルの復活、という二点ばかりクローズアップされたけれど、バンクーバー五輪のころと違い、キム選手と浅田選手はまったく個性も傾向もことなる大人の選手に育っているし、浅田選手はトリプルアクセル以外に、スケーティングスキルなど目覚ましく進化している部分こそ要注目。
メディアも大騒ぎせず、もうちょっとそっと見守ってほしいなあと思う。


ほかにも女子では予想通り伸びてきた中国のジジュン・リー選手とか、今回は意外にふるわなかったロシアの十代の選手たちとか、そうそうもちろん忘れてはいけない!4位と健闘した村上佳菜子選手とか…たくさん触れたい選手はいるのだけど。


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四大陸では不調からみごとに復活、さて今回は…と祈るように応援していた鈴木明子選手が、この世界選手権ではいい結果を出せなかった。
特にフリーの「オー」については、その完成形を見せたいと彼女自身願っていただけに、本当に悔しかっただろうと思う。

日本の選手でいえば、高橋選手と鈴木選手、一歳違いのベテラン2人が失速する結果になってしまった。ソチ五輪シーズンを前に、ジャッジへの印象としてこれは正直不利なことで、あとは気持ちを切り替えて、来季のスタートに向けてなるべく早く準備をするしかないと思う。
私としては、一番応援している大ちゃんあっこちゃんの2人が危機におちいり、それでなくてもあと一年で2人そろって現役引退というだけで泣きそうなのに、どうしたらいいのという感じ。
しかし私なんかが泣きごとを言っててもしかたがないので、とりあえず4月の国別対抗戦で2人が今季を気持ちよくしめくくれるように見守りたいと思う。


ペアとアイスダンス、特にアイスダンスについては早くくわしく書きたいのだけど、なかなか時間が取れないうちに明日は神戸のチャリティー演技会!
生・大ちゃんの演技を観てきます。ほかにもたくさんのスケーターが出演するので、じっくり観てレポートできればと思っております。
世界選手権について書き終える前に、そちらが先になるかもしれませぬ。
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by higurashizoshi | 2013-03-31 01:24 | フィギュアスケート | Comments(0)

世界フィギュアスケート選手権2013 (その2)

ほかにも触れたい選手は数々あれど、今回はあの方のことだけ書きましょう。


四大陸選手権の心の傷(ファンの)を時が少し癒し、態勢立て直してのぞんだ今回の世界選手権。
彼自身はどんな思いでいたのだろう。
――もう絶対に失敗はしない。あんなぶざまな演技はしない。今季の集大成を見せてやる。
そう思っていただろうし、そのために本当に壮絶に、ぎりぎりに追い込んだ練習をしたと聞く。
リンクに姿を現した彼は、頬が削げ、眼光鋭く、異様なまでのオーラをまとっていた。
でもそれと同時に、どこか疲れて見えた。

奇跡のような瞬間を、この世界選手権で。
多くのファンがそう望み、祈り、消えない不安と闘っていた。

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ショートプログラム『月光』。
衣装を黒に変更。また、黒。

冒頭、四回転トゥーループ。回転が足りず、着氷も両足になった。
しかし、大きな傷はそれだけ。心配したアクセルも鮮やかに降りた。回転不足を取られたコンビネーションも、ジャンプとして悪くはなかった。
そして四大陸のときの未消化な動きとは別もののような、ムチのようなしなやかさで、激しく、細やかに刻みこんでいくステップ。
慣れ親しんだ第3楽章の旋律が、まるで彼の足元から、身体の中から奏でられていくような快感さえおぼえる終盤。
瞬く間に終わった2分50秒のあと、彼の顔に晴れやかな笑顔が浮かんだ。若干の悔しさも秘めた、でもすがすがしい笑顔。
ショート4位で、彼はこの日のリンクを去った。

悪くない序章だと、誰もが思った。あまりにも遅すぎたショートプログラムの変更が起こした混乱と、それが形になってしまった四大陸選手権の結果を、これでリベンジできるのではないかと。
やっぱり高橋大輔は凄い。こんな短期間を駆け抜けて、この『月光』を自分だけのプログラムに染めかえてしまった。

でも、同時にみんな気づいていたはず。
プログラムの変更の理由は、得点が伸びないことだった。『月光』なら得点を伸ばせるとモロゾフコーチは考え、彼もそれに同意した。
けれど。
変更前のプログラム『The Stroll』で彼が出した最高得点は、優勝したグランプリファイナルでの92.29。
そして、長光コーチも驚くほどのすさまじい練習量で仕上げたこの日の『月光』の得点は、84.67だったのだ。

常識はずれの時期の、力づくのような変更。それはひとつのチャレンジでもあったと思う。
彼自身、来季の五輪シーズンでプログラムの変更があるかもしれない、そのためにも今季やってみようと思ったと言っていた。
そういう意味では、単なる失敗や無駄ではもちろんなかった。『月光』を来季に持ち越す可能性もゼロではないのだし、何よりこれだけ短い期間でどこまで自分がプログラムを仕上げられるかを知る作業になっただろう。
とはいえ。
でも。

その先の言葉を飲み込んだまま、翌々日のフリーを見守った。

今季は通過点にすぎない。すべてはソチ五輪のため。
高橋大輔はよいシーズンと悪いシーズンが交互にくる選手。昨シーズンの予想外の好調からみて、今季は沈んであたりまえ。
――そんな言葉が頭の中で繰り返される。

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冒頭の四回転トゥーループが回転不足だったのは予想済み。
2つ目の四回転が三回転になったのは、回避だったのか、跳びきれなかったのか。
そして2つ目のアクセルで転倒。続くトリプルループで手をつく。コンビネーションジャンプはひとつしか入れられなかった。
そして、それよりも何よりも、彼の滑り全体に《迷い》があった。

あの、魂を込めた全日本選手権フリーの再現を望んでも仕方ないことはわかっている。あんな演技ができるのは一生のうちでも数えるほどだ。
少なくとも、この日は彼自身が納得のいく演技を、ミスはあっても「これが自分の滑りだ」と言える演技をしてほしい、できるはずだと思っていた。
でも、コレオシークエンスに入っても、彼の中から湧き上がり、会場を凌駕していくパワーが感じられない。あの高橋大輔にしかない圧倒的な存在感が、音楽とともに塊になって広がっていく瞬間がどこにも見い出せない。
そしてそのまま、彼の『道化師』は茫然と終わりを告げた。


率直にいって、惨敗だった。
フリーだけの得点でいえば、8位。フリー5位と健闘した無良選手より6点以上も低い。
羽生選手とともにパトリック・チャンとメダル争いをするはずだった彼は、総合で6位に沈んだ。誰もここまでは予想していなかっただろう。

敗因を数え上げることは、いくらでもできると思う。
本当にこのままモロゾフコーチと続けていっていいのか、ということも、多くのファンが思っているだろう。今季の迷走は、長光コーチを軸にしたチームダイスケの調和がかき乱されているせいなのではないかと。

少なくとも確かなのは、彼がこの試合で、疲れていたことだ。
練習さえ死にもの狂いですれば、必ず結果は出る。そう思って打ち込んで、身体も心も限界まで絞っていた。それはもう、痛々しいほどに。
そこまで追い込んだ果てに待っていたのは、跳んでも跳んでも成功しない四回転ジャンプと、自分では気づかないほどの深い疲労だったのではないだろうか。


ファンは彼が最高の演技を見せてくれることを、いつも望んでしまう。
でも、あと一年という限られた期間を、彼が自分のすべてを出しつくしたと言えるように歩んでほしい。そのためなら、惨敗も迷走も受けいれて、ただ見守ることを選ばなければいけないのだと思う。彼が、きっとこの屈辱から学んだことを手に、また新たに道を見つけることを信じて。

4月にひかえた国別対抗戦で、今季最後の演技を終えたあと、彼が笑っていなくてもいい。
もちろん笑っていてほしい。でも、来季につながる何かが得られたと思えたらそれでいい。

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思い通りにならない世界選手権だったけど、たくさんの発見があり、それをまた糧にして――あなたは進化していくよね、必ず。
おつかれさま、大ちゃん。
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by higurashizoshi | 2013-03-26 00:02 | フィギュアスケート | Comments(2)

世界フィギュアスケート選手権2013 (その1)

何から書き始めればいいのだろう。
というのが正直な気持ち。
今季のフィギュアスケートの総決算、世界選手権。
ペアとアイスダンスは放映が後まわしになるため、まだ全体を振り返ることはできないので、ともかくシングル男女について。

今回の開催地はロンドン。ロンドンといってもカナダのロンドンという町。
カナダはウインタースポーツが盛んな国だから、リンクもたくさんあると思うのだけど、今回の世界選手権がおこなわれたリンクはアイスホッケー用のリンク。だからスケート用のリンクより幅が4m狭いのだそうだ。
この4mの狭さが、今回の世界選手権ではけっこう選手たちを苦労させたように思えた。
軌道が描きづらいのか、何度も後ろを振り返りながらジャンプに入り、思い切りの悪いジャンプになってミスが起きる。悪くすると演技中に壁に激突する。そういう場面をいくつも見た。国際大会でこれまでもホッケー用リンクが使われた記憶はあるけれど、「どうしてわざわざまた、世界選手権の会場にこのサイズのリンクを選ぶ?」と何度も思わされた。
一年で最高の大会なのだから、最高のコンディションで選手たちを滑らせてあげたい。誰しもそう願うと思うのだけど…

と、いきなり文句から入ってしまったのは私個人にとってすごく残念な結果が男女ともにあって、正直かなり落ち込んでいる証拠かもしれないなあ。
気を取り直していってみましょう!


まずは男子の結果から。
1位はカナダのパトリック・チャン選手。2位はカザフスタンのデニス・テン選手。3位はスペインのハビエル・フェルナンデス選手。
チャン選手の優勝はまず予定通りとして、2位のテン選手はまさに伏兵の大サプライズ。3位のフェルナンデス選手はメダル候補の予想を現実にしてみせた。
ひしめきあう世界のトップたちの中で、最後に笑った男3人。
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今回のメダリストの中で、誰もがあっと驚いたのは何といってもまったくノーマークだったデニス・テン選手。ショートとフリー両方のプログラムのすばらしい演技。
バンクーバー五輪に16歳で出場したとき初めて見たテンくんは、本当にまだ小柄で少年ぽくて、でも滑り始めればパッションのすごい選手!という印象が残っている。
そもそもカザフスタンでトップ選手というのは聞いたことがなかった。カザフのスケート環境はどんなふうなんだろう?
テンくんは母国を出てバンクーバー五輪のころはロシアを練習拠点にしていて、その後アメリカに渡り、ベテランの名コーチであるフランク・キャロルについた。
でもそれからしばらくは相次ぐケガとジャンプの不振で苦しみ、国際大会でなかなか結果が出せず、ショートとフリーのどちらかがよくても片一方は転倒が多かったり、才能はあるのに難しいもんだなあ…と思っていた。

今季のプログラムも映画『アーティスト』の音楽をショート・フリーの2部構成で使うというめずらしい試みなれど、これまでいい演技の記憶があまりなく、『アーティスト』今シーズン使う人多いよなあ…テンくんなんて両方使ってるんだねえ…くらいに思っていた。
ところが今回の世界選手権では!
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まずショートで完璧な四回転を含む全編クリーンな演技を見せ、2位に躍り出たテンくん。
まあでも、これまでのパターンからいけばフリーは…と思っていてすいません。見事にいい意味で裏切られました。
フリー(『アーティスト』後編ですね)の演技が始まったとき、テンくんの醸す空気が大人の男の落ち着きに満ちていたのに「おや?」と思わされた。
まさかまさかの世界選手権ショート2位発進、まだ19歳で実績もさほどない彼。ガチガチに緊張していても不思議じゃないのに…。

このフリーの演技のすばらしかったこと!
最後のトリプルフリップがひとつ抜けてシングルになった以外、まったくミスらしいミスもなく、四回転もパーフェクト、スピンも美しく、そして情熱爆発のステップで会場のボルテージを上げる、上げる!
おそらくテンくん史上に残る演技となることでしょう。他選手の失速などいろいろな理由はあったにせよ、圧倒的ハイスコアを叩き出し、なんと自己ベストを20点以上更新するという信じられない得点で銀メダルをつかみ取った。
(フリー動画はこちらから。テンくんの喜びが高まっていく様子がたまりません)
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テンくん本当におめでとう! 母国ではこの栄誉、どの程度報道されているのだろう…



母国では、といえばこの人も母国初となった世界選手権メダルをつかんだ一人。
今では羽生選手と同じトロントのリンクで、オーサーコーチの指導を受けているハビエル・フェルナンデス選手。
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いとも簡単に種類の異なる四回転ジャンプを跳んでしまう彼も、これまでスケーティングスキルや表現面でまだまだという印象で、正直、世界のてっぺんに立つには早いのでは…と思っていた。
それでもやっぱり四回転は強かった。今回は、ミスもありながらの粘り勝ちで、ショート7位から銅メダルに滑り込んだ。
ハビー、スペイン初の世界選手権メダルおめでとう! これからはさらに、品格や優雅さを感じさせる選手になってほしい。



今回の世界選手権を振り返って、きっとテンくんの大躍進とともに人々に深く記憶されるのは、羽生結弦選手の劇的なショートからフリーへの展開だったと思う。

今季、世界最高得点を自分で塗りかえてきた、自信のショートプログラム。四大陸では調子よくなかったけど、さすがにワールドでは照準合わせてきたのでは?と思っていた。
でもショートの演技前、リンクインする直前の羽生選手の顔を見て、おやっと思った。いつもすがすがしい顔でインする彼が、なんだか曇った、迷いのある表情をし、何度も深呼吸を繰り返している。
なんだか変だなと思いつつ画面を見ていたら、始まったショートの演技冒頭でいきなり四回転の転倒、壁に激突。
その後もまったく彼らしくない演技で、今季最高の得点から最悪の得点へと20点近くもダウン。テンくんの20点アップといい、ごく若い選手にはこんなこともあるのだなあ…と思う。
しかもこの日のショートでは、パトリック・チャン選手がまたまた信じられないハイスコアを叩き出して、今シーズン羽生選手が作った世界歴代最高得点までもあっさり塗りかえられてしまうというオマケまでついた。
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演技直後、苦笑いしていたけれど、その後くやし涙を流す映像が報道され、こっちまで泣きそうになった。それと同時に、彼が四大陸選手権のあとにインフルエンザで長期に寝込み、回復直後に左ひざを故障し、ほとんど練習できてない状態で痛み止めを服用してこの試合にのぞんでいたと知った。そういうことだったのか…。

もともとぜんそくの持病もあり、右足首の剥離骨折なども抱えている羽生選手。身体もなんだかさらにどんどん細くなっていってるようで、とにかく基礎的な体力作りや体質の改善が必要なんじゃないかと思う。
だけどそれに反比例するかのように、追い込まれるほどにすさまじい闘志を燃やして勝負に向かっていくメンタルの強靭さが、この18歳少年のすごいところ。

今回の世界選手権は、来年のソチ五輪でそれぞれの国から何人出場できるかという、いわゆる《枠取り》がかかっていた。
日本の出場枠が2人になるか3人になるか。楽勝で3人取れると見られていたにもかかわらず、それがショート終了時点で予想に反して崖っぷち状態になり、日本の3選手に重責がのしかかった。
しかも羽生選手には全日本チャンピオンとしてのプライドと責任がある。まさかのショート9位発進で、本来なら棄権してもいいほどのコンディションの中、ひとことの弱音も吐かずにフリーに向かった。

去年の世界選手権の『ロミオとジュリエット』の感動的なフリーの演技。満場のスタオベとyoutubeのうなぎ上りのアクセス数、またたく間に世界に「ユヅル・アニュー」の名を知らしめたあのときから一年。
結弦くん、またやってくれました。左ひざの故障だけでなく、なんと6分間練習で古傷の右足首も痛めたという満身創痍ぶりで、魂の滑りを。
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正直、今季のフリー『ノートルダム・ド・パリ』には、私はさっぱり感動したことがなかった。何がやりたいの?何が表現したいの? 羽生選手自身もよくわかっていないような。

ところがこの身体ボロボロ、すさまじい気力だけで滑りぬいた今回のフリーでは、まるでカジモドの辛さ、フロロの苦しみが乗り移ったかのような、表現というよりもはや痛みそのものというか、羽生選手が叫びにならない叫びをあげながら必死で疾走する塊みたいに見えた。
ジャンプひとつ乗り越えるたびに何か崇高なものへ近づいていく感覚すらおぼえ、初めてこの『ノートルダム・ド・パリ』に感動したのだった! 
(こ、こんな感動のしかたでいいんだろうか?と思いつつ… なんか結弦くん関連の感動って、こういうリアル崖っぷちの危ない場面ばっかりの気がする)

演技直後、精根尽き果てて崩れ落ちた姿。ものすごい歓声の嵐。ああ、いつもながら結弦くんドラマチックすぎる。
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フリーだけなら3位につけ、最終結果も総合で4位まで順位を上げて、見事にソチ五輪の枠取りに貢献したのでした。ああ何という強さ。こんなメンタル強い人、プルシェンコくらいしか見たことないかも。
(フリーの動画はこちらから。未見の方はぜひご覧ください)

それにしても結弦くん! お願いだからゆっくり休んで、身体直して、うんと丈夫になってください!


男子について、まだ続きます。
ああ、書きたくないけど書かないわけにいかない…(涙)
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by higurashizoshi | 2013-03-18 22:12 | フィギュアスケート | Comments(2)

誕生日と卒業式

3月12日、震災2年目の翌日。
タタは18歳の誕生日をむかえた。
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17歳と18歳って、自分がなったときの記憶(太古…)からいっても、ずいぶん違うものだと思う。
ふわふわした少女時代から急に大人の領域に入るような、ちょっと気重な、反面すこし誇らしいような、そんな感じ。

18歳の誕生日プレゼントにタタがリクエストしたのは…

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なんとパスポート。
すぐに海外に行く予定が立ってるわけではないけど、遅くてもこの1、2年の間には、これを使う機会を作るつもりらしい。
パスポートのとなりは、ミミ手作りのバースデー・カード。

ここまで苦しいこともたくさんあったタタ。ずいぶん落ち着いて、すっかり大人っぽくなった。
誕生日が来るたび、いろいろなことを思い出し、ここまでよくがんばったなあと毎年思う。
高校の転校を決めて、また4月から新たなスタートになる。


そして偶然にも、この日はミミの中学の卒業式だったのだ。
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結局、自分の考えをつらぬき、小学校も中学校も一度も、一日も行くことなく義務教育を終えたミミ。
学校に行っている子どもたちに対して、何の劣等感も負い目も持つことなく、自分の好きなことをとことん追いかけて学び、ほんとにマイペースで育ってきた。

ホームスクーリング(ホームエデュケーション)で育った子どもの中でも、ミミのように最初からまったく学校に行かなかったというのはめずらしいので、タタとはまた違った意味で「この子はどんなふうになっていくのだろう」と思いながら見守ってきた。
4月からは、生まれて初めての学校に通いはじめるミミ。
さて、どんな日々が待っているのだろう。


2人の娘がこうして成長し、だんだん大人の女性に近づいていくのは本当に不思議。ちょっと前まで、あんなに手のかかる小さな子どもだったのに。
命が無事に育っていくありがたさ、稀有さをいやというほど見てきたこの年月を経て、娘たちへの思いはいっそう濃くなってきた気がする。

さて私のほうも、実はただいま求職中。うまく仕事が見つかれば、この春は私にとっても新しいスタートになる。
といいつつ、次回からはフィギュア世界選手権の話に突入しますよ~
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by higurashizoshi | 2013-03-16 13:41 | 不登校とホームスクーリング | Comments(4)

3月11日、この日

昨日、3月10日は大阪の中之島公園でおこなわれた《さよなら原発 3.10関西2万人行動》に行ってきた。
昨年の神戸での集会で、「たった一年でこんなに人が減るのか…」と思ったけれど、今年の大阪でも最初は「ああ、人が少ない」と感じたけれど、だんだんと増えてきた人が次第に会場を埋めて、たくさんの旗やのぼりを見れば全国さまざまな場所から集まってきた人がいることがわかる。
最終的には主催者発表で1万1千人があの場に集っていたそうだ。

途中から突風と冷たい雨が降りしきり、前日までの春の陽気が嘘のような寒さ。
みんな震えながら、被災地からの報告に耳をすませて一心に立っていた。


そして今日は私は家で子どもたちと過ごした。
午後2時46分、タタとミミと一緒に黙祷した。
痛みと悲しみとむなしさを、胸もとで耐えながら祈った。

明日、タタは18歳になる。
あの日は、16歳の誕生日の前日だったのだ。
以来毎年、タタは震災の日を前に誕生日を迎えることになった。
私たち家族に、絶対に忘れてはいけないよと告げるように。


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by higurashizoshi | 2013-03-12 01:58 | 雑感 | Comments(1)

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