ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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世界選手権2014 女子フリー

さっき、世界選手権エキシビションを観終わったところです。
とうとう終わったー。いろんな意味で、長い長いシーズンでした。
エキシの話はまた次回書くとして、まずは女子フリーを振り返って。

考えてみると、どうしても時間が追いつかなくて、女子のショートについてちゃんと書けてないのですよね。
非常に見ごたえのあったショート。真央さんが完璧な「ノクターン」で世界歴代最高記録を塗り替えてソチの雪辱を晴らしたこと、現役最後の「愛の讃歌」をあっこちゃんが情感こめてクリーンに滑り切った感動、ソチに続いてノーミスの「アベマリア」で美しいスケートを堪能させてくれたカロリーナ…など、くわしく書きたいところだったのですが、今はフリーに話を進めることにします。



世界選手権2014 女子フリー結果

金メダルが浅田真央選手、銀メダルがユリア・リプニツカヤ選手、銅メダルはカロリーナ・コストナー選手。
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1位、日本の浅田真央選手。
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ショートでの危なげのなさに加え、このフリーでは他を寄せつけない気迫が彼女の体じゅうにみなぎっていました。
ソチのときの崖っぷちからの奇跡のフリーに比べ、今回はトップスケーターとしての自信に満ち、自分のスケートに確信をもって臨んでいることが伝わってきました。

とにかく全編、攻めて攻めて攻めまくる演技で、もはや何を表現するとか、曲想がどうとか関係ない。観客はただただその凄みに眼をうばわれ、ひれ伏すばかりという感じ。まあこんな猛々しい真央さん、ひと昔前には誰が想像したでしょう。有無をいわさぬとはこのことです。
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完璧に見えたアクセルが今回は回転不足を取られてしまい、コンビネーションでもミスひとつ。でもそれを忘れてしまいそうなくらいの迫力で最後まで滑り切りました。
自分に100点をつけるほど満足いく演技が、こんな大舞台でできたのは本当にすごいこと。これで悔いはないです、と言い出しても全然おかしくない顔をしていた真央さんでした。

表彰式の直後、佐藤信夫コーチに金メダルをかけてあげたシーン。いつも感情をあらわにしない佐藤コーチが泣き笑いしていたのが忘れがたい。
今後の彼女の進退には、ビジネスもからんだいろいろな要素が渦巻いているとは思うけれど、しばらくは静かに休み、じっくりと自分の内面を見つめて決めてもらいたいです。






2位、ロシアのユリア・リプニツカヤ選手。
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わずか15歳でこんな重圧につぐ重圧と戦い、次々とやってくる大舞台で自分を保った演技をし続けるのは並大抵のことではない。
今回も、ソチの個人戦と同じくジャンプでミス。後半のサルコウで転倒、スタミナ切れもあるのかも。
才能もメンタルの強さも抜きん出ているリプちゃんですが、自国開催の五輪にこの年齢で当たり、国を背負わなければいけないのは本当にきつかったと思う。しかも個人戦はソトニコワ選手にメダルをかっさらわれてしまったし。

そんなわけで、今回ソチのメダリストのワンツーが不在とはいえ、このワールドで銀メダルを獲れてよかった。ミスがあったとはいえ、やっぱり強い。
この年齢くらいから体形変化で演技が激変してしまう選手もいるので、これからどう自己管理し、周囲がサポートできるか。長く活躍する正真正銘のトップ選手になれるかどうかは、そのあたりで分かれるのではないかな。







3位、イタリアのカロリーナ・コストナー選手。
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今回のワールドのカロリーナは、ソチで見せた《ほほえみ教》健在でした。
ちょっとソチよりほほえみ度が少なかった気がするけど、教祖としてはこのくらいでいけるのでしょう。幸福感振りまき度は十分でした。

とはいえ、このフリーは「悪いカロリーナ」が出てしまった。ジャンプが複数抜け、転倒もあり…かつての彼女なら、完全に眼をおおう自滅パターンだったでしょう。
しかし今の彼女はなんといっても《ほほえみ教》なのです。何かが彼女の中で変わったのです。残念な演技にはなってしまったけど、終わったあとはやっぱり幸福感が残っている不思議。
ショートの高得点の貯金が効いての銅メダル。これで引退(たぶん)というワールドで、彼女にとって6個目のメダルを獲得しました。







4位、ロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手。
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ポゴリラヤなのかパゴリラヤなのか。表記なかなか統一されない選手のひとり。
ロシア語的にはポとパの間くらいなので、どっちでもありだけどどっちかに決まってほしい。
大人びてるので忘れそうになるけど、彼女もリプちゃんと同じく15歳なんです。少女っぽい感じがないので、ついついもう少し上に思えてしまう。

失敗のないときの彼女はすごく強いですね。このフリーでは、グランプリのとき見せたミスのない演技より、さらにグレードアップしていて素晴らしかった。
年齢もとても若く、まだちょっとどうなるかわからない選手だけれど、うまくいけばロシアの牙城の一角をになうトップになれる可能性はあります。
ロシアはどれだけ十代のすごい選手がいるんだか。来季はラジオノワ選手もシニアに上がってくるし、また大変なことになりそう。







5位、アメリカのグレイシー・ゴールド選手。
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振り向けば奴がいる、じゃないけど、気がつけばメダルの近くにピタッと身を寄せて、常にグレイシーあり。ソチしかり、今回しかり。
つまり、常にこの位置にいられるくらいの実力と評価を得ているということ。全体にバランスのとれた安定した演技とアピール力、もちろん自国ではアイドル並みの人気を誇り、しかしそれに甘んじず向上心の塊でもある。

そんな彼女が《メダル圏内組》から本当のトップにいけるかどうかは、おそらく何かもうひとつ必要なものがあるのだという気が、しきりにするのです。うまく言い当てられないのだけど。ある種の個性、ある種の破壊力のようなもの。







6位、日本の鈴木明子選手。
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冒頭のコンビネーションの最初のジャンプがダブルになった瞬間、胸がつぶれそうでした。
しかしそのあとはよく立て直して、現役最後のフリーを笑顔で終えることができて本当によかった。
なんだかウエディングドレスみたいな新衣装。これで競技生活に別れを告げ、新しい旅立ちにのぞむ気持ちの表れなのかな。
できることなら全日本の再来のようなフリー演技で最後をしめくくれたら言うことはなかったけど、これも人生。ステップの笑顔が、あっこちゃんのスケートへの愛と感謝をまっすぐに表現していました。

どんなに素晴らしい成績を築いても、メディアで大きく取り上げられることは少なかったあっこちゃん。どんな逆境からもはい上がり、絶え間ない努力を続けて、29歳の誕生日を迎えるまで世界の第一線で競技生活を続けることができたのは本当に驚異的なこと。心からたたえたいです。
私はあっこちゃんのスケートが大好きでした。
これからは「鈴木明子選手」ではなく、「プロスケーター鈴木明子」として、ジャンプにとらわれることなく表現の世界を思うままに広げていってほしい。ショーはチケット高いけど…きっと観に行きます。
何よりも、あっこちゃんが引退をマイナスにとらえず、新しい人生の出発として、今後プロになってやりたいことをすでに心にいろいろ思い描いていることがうれしい。すごく寂しいけど、うれしい思いがあるから救われる。
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あっこちゃんがソチ後に気持ちの張りをうしない、ワールドには出ずに引退しようかと思っていたとき、大ちゃんがかけてくれた言葉で気持ちを立て直して出場を決めたと聞きました。大ちゃんグッジョブ。でもそれもまた哀しいんだな。
大ちゃんもこんなふうに終わりたかったよね、こんなふうに終えるはずだったんだよねと、あっこちゃんの最後の試合を観ても、ほかの引退する選手への満場のスタオベを見ても、どうしても思ってしまって。

そういう意味でも、あっこちゃんは最高の競技人生の終わり方を迎えることができたと思う。最後の全日本で優勝して、ソチにも出場して、最後のワールドは日本でファンに見守られ、たたえられて。
彼女にふさわしい幸福な最後と、新しい旅立ちを見届けられたワールド。ずっと忘れられないと思う。ああ、でも来季からあっこちゃんがいないと思うと、やっぱりさびしい!






日本の村上佳菜子選手は10位。
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ショートもフリーも、攻めて挑んだ姿勢はすばらしかった。
今回かなりジャッジングが厳しかったジャンプの回転不足を多く取られ、点数が思うように伸びなかったのが残念。
彼女が来季から日本女子のエースになる可能性も高い今、スケーターとしての目標値のようなものをもう少し自分の中に作っていくことが必要になるのではと思う。

以前から山田満知子コーチにあこがれて、コーチになるのが夢と言っていた佳菜子ちゃん。あり余る才能を持ちながら、無欲というか、勝負に対するモチベーションの持ちどころがはっきりしないのかな、もったいないなあと思っていたのだけど…
でも、このワールドの結果を受けて、来季また新たにがんばる気持ちになっているようなので、とりあえずほっとしてます。





明日の夜にはエキシについて書けるかな?
それが終わると、本当に私にとってもシーズンの終わり。
あ、でももうすぐ神戸チャリティと大阪のエキシビションがあるので、それについてはまたレポートするつもりです。
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by higurashizoshi | 2014-03-31 01:35 | フィギュアスケート | Comments(0)

世界選手権2014 男子フリー

女子フリー、さきほど終わりました。
真央さんは目の色が空気が最初っから勝負師のそれで、そのまま弾丸のごとく最後までいきましたね。
これでやめたらほんとにもったいない。でも彼女の意思なら仕方がない。

あっこちゃんは足の不調が回復しきらない中、思いを出しつくしてのラスト。
最初から最後まで涙が止まらず観てました。立派だった。美しかった。
これでもう二度と、あっこちゃんのスケートを競技の場で観ることはないのだな。


と、終わりたてほやほやの女子フリーのことを書きつづりたいところですが、写真が上がるのはまだ先なので、思いっきり振り返って男子フリーの結果です。




世界選手権2014 男子フリー結果

金メダルは羽生結弦選手、銀メダルは町田樹選手、銅メダルはハビエル・フェルナンデス選手でした。
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1位、日本の羽生結弦選手。
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ついに冒頭の4回転サルコウを降りました。
着氷があぶなかったけど、本人いわく「気合」で降りたと。
体調よくなかったようですが、その中できっちりソチのフリーで失敗したサルコウをリベンジしてくるとは…

で、もう途中から目に見えてバテバテで、以前のスタミナ切れゆづに戻ったかのようなフラフラぶり。にもかかわらず最後まで「気合」でジャンプを降りる、降りる。耐える、耐える。
そして最後はお約束の、リンクに崩壊して立てない結弦くん。


の、直後にこのショット。
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この瞬間、1万数千の客席の怒涛のような大歓声がリンクを包んでいたというのに、氷の上にぺたんこ座りして、お茶でもどうぞって感じ。
この子が世界チャンピオンで五輪金メダリスト。ほんと面白いわ、結弦くん。

で、その後はキスクラで点数が出たとき、「勝った?勝った?」と、僅差でまっちーを抜いたことを確認してガッツポーズ。ギラギラしてるなあ青年。
負けず嫌いなんていうレベルじゃなく、彼は勝利のためならどんなものでも投げ出すのだろう。
そういう意味でも日本のフィギュアスケーターにはいなかったタイプだとつくづく思う。

それにしても、こんなに早くグランプリも五輪もワールドも全制覇してしまうとは。
もうあと、やることないやん。むしろ、4回転跳び過ぎで故障が怖いです。
いろんな意味で、彼が来季からどう進んでいくのか、とても気になります。





2位、日本の町田樹選手。
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ショート1位での折り返しは、ワールド初参戦のまっちーにはものすごい重圧だったでしょう。
でも、その重圧につぶされることなく、自分のスケートをやりきった。
ジャンプの着氷があやういところはあったけれど、大きなミスはおかさず、最後まで「火の鳥」を演じ切った。ショートに続いて振り付けのフィリップ・ミルズさんの目の前で、まっちーの作品を完結させてみせた。
まっちーは変わりました。本当に強くなりました。何に感動するって、3シーズン前には想像もつかなかった高みに、彼がまぎれもなく自分の力でのぼっていって、今があること。

それにしてもね。総合得点、結弦くんとの差はたったの0.33点!
正直にいえば、まっちーに金メダルを獲らせてあげたかった。
でもこれで来季へのモチベーションがものすごく上がったようなので、これからがまた楽しみです。





3位、スペインのハビエル・フェルナンデス選手。
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ソチまでは「五輪シーズンにこのプロ?」と思ってたけど、こうやってワールドで観てみたら、この軽みはハビーによく合ってるなあと。
彼も一種不思議ちゃんな選手で、すでにヨーロッパチャンピオンで、常に世界のトップを争う位置にいるのに、勝負にガツガツした感じが全然ないんですよね。同じオーサーチームでも、結弦くんとは対照的。

今回は、コンビネーションの最初のルッツが抜けた以外は、安定のジャンプ力。
彼の今後の課題って何だろう?と思うと、なんだかよくわからないという、そういう意味でも不思議ちゃんなのだ。ジャンプがいいときはすごくいいし。悪いときはすごく悪いし。表現力っていうのもあるのかどうなのか、今ひとつわからないし。でもフィギュアファンには愛されているハビーなのでした。






4位、ロシアのマキシム・コフトゥン選手。
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お写真見つからず、これはロシア選手権のときのもの。
今のところ、どうも影が薄いまんまのコフトゥンくん。「あれ、今回4位って誰だったっけ?」って思って調べて、「あ、…」って感じ。
ラフマニノフで、このお衣装で、4回転得意で、だのにだのになぜ、こんなに印象が薄いのでしょう。存在感でしょうか。表現力でしょうか。
今回みたいにジャンプがうまくいかないと、演技がすごく長く感じてしまうの。でもしっかり得点は取って、4位に入ったりしているの。何か大事なものが彼には必要なんだと思うな。






5位、アメリカのジェレミー・アボット選手。
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こんな幸福な表情で最後の試合を終えることができて、本当に本当によかった!
今回のフリーで、演技として一番感動したのは、なんといっても彼でした。
現役最後のフリー。すばらしく美しい4回転トゥーループを冒頭に決めると、あとはスケーティングの一部であるかのようなジャンプを次々となめらかに決めていく。
ミューズの交響曲に乗って、長い長い呼吸のような、静かなうねりに身をゆだねるような4分半。至福のときでした。
結局、五輪という場でチャンスをつかむことはできなかったけれど、彼はずっとみんなの心に残るスケーターであり続けることでしょう。






6位、日本の小塚崇彦選手。
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自分ではフリーは「グダグダ」だったと言ってたそうですが、本当によく持ちこたえてがんばったと思います。
大ちゃんの欠場を受けて、ほんとに短い準備期間しかなかったのに、しっかりモチベーションを上げて臨んできて。

うれしかったのは、インタビューで「これで来シーズンの課題が見えた」と言ってくれていたこと。
もしかして引退、という懸念がずっとつきまとっていたので、これで安心して来季も観られそう。



大ちゃんは、どんな思いでこのワールドを見ていたのだろう。
私自身、日本の男子に関しても今回すごくいろんなことを感じたのですが、それはいずれまた。大ちゃん自身が進退を明らかにしたときに、書きたいと思います。



ほかにもたくさん紹介したい選手はあれど、またまた時間切れです。
アイスダンスも書きたいし、女子フリーも早く書きたい。
カメの歩みなりにネジ巻いていきます。
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by higurashizoshi | 2014-03-30 01:27 | フィギュアスケート | Comments(2)

世界選手権2014 ペア フリー

うわー、さっき男子フリー終わった~
すごい試合だった~
結果が知りたい方はニュースをご覧ください。
私は男子フリー最終グループを観ながら、やっぱりずっと大ちゃんのことを考えておりました。ファンって哀しい生き物だなあ。


さて、全然間に合ってませんが、世界選手権ペアの、フリーを終えての結果です。
時間がないのでざざっといきましょう。
いや、それどころかまだ試合を観てすらいないもんね、私。
だって関東ローカルでしかテレビ放映してくれないからさ!(とまた文句)
タタとミミはライブストリーミングで観たそうです。全体に順当だったとのこと。



世界選手権2014 ペア結果
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1位、ドイツのアリョーナ・サフチェンコ&ロビン・ゾルコビー。
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ショートからの首位を守りました。最後のワールドを金メダルで終えることができました。
これで、彼らの長く輝かしい現役生活が終了します。
貪欲なまでに常にチャレンジを忘れなかったサフゾル。本当にすばらしいアスリートでした。お疲れさま、ありがとう!






2位、ロシアのクセニア・ストルボワ&フョードル・クリモフ。
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デュハラドを逆転して銀メダル。ソチに続いてまた銀メダル。
ちょっとできすぎちゃう?と思う、このごろのストクリ。演技を観てみないとなんともいえませんが、ともかくおめでとうと言っておこう!
で、とりあえず来季はもうちょっとベタじゃないフリープログラム希望。あとクリモフくんのヒゲなし希望。






3位、カナダのミーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード。
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ミーガンにミスがあったようで、順位をひとつ下げました。それでも、ワールドでのメダル獲得。よかったよかった。今回はソチの金メダルペア不在とはいえ、世界のトップペアのグループに確実に入ってきた証拠です。
エリックくんは来季も自作の曲を使うのかな?どうかな?






4位、カナダのキルスティン・ムーア=タワーズ&ディラン・モスコビッチ。
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フリーの演技がめちゃめちゃよかったらしい。この写真を見るとますますそうらしい。
彼らは勢いはあるものの、ちょっと雑な印象があったのですが、このところとても細やかな演技ができるペアになってきました。今回のフリー、観るのが楽しみです。


以下、5位が中国のペン&ジャン、6位が同じく中国のスイ&ハン、7位がロシアのバザロア&ラリオノフと続くのですが、今回はアメリカのペア勢が不調や欠場などあり、ふるいませんでしたね。
高橋成美&木原龍一ペアは、前に書いたようにフリーには進めず、ショートが今季最後の試合になりました。来季は絶対パワーアップしてくるはず。期待してます。




で、引き続き女子ショートについて書きたいところだけど時間切れ。
明日も朝が早いのだ。でもって明日の夜には女子フリーがもう終わっちゃうのだ。
実は今日からアイスダンスも始まってるのだ。観られてないけど。
ああ~誰か私に時間をくれ~

というわけで、全然時事性ないですが、カメの歩みで追いかけて書いていきますのでね。カメの心でおつきあいください。
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by higurashizoshi | 2014-03-28 23:53 | フィギュアスケート | Comments(0)

世界選手権2014 男子ショートプログラム

ああ、やっと男子ショートの結果が書ける。
もうペアのフリーも終わり、女子のショートも観終わったというのに…
時間の余裕がなくて、ずいぶん遅くなりました。



世界選手権2014 男子ショートプログラム


1位、日本の町田樹選手。
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ソチでの雪辱をこのショートで完全に晴らしました。
おそらく町田選手のこれまでの演技の中で、最高の出来だった。
有言実行の男がこの高みにまで到達したことに、ただただ感動。
すべてのエレメンツの完成度、そして自分の作り上げた「エデンの東」の世界に、完全に没頭して滑り切った集中力。
まっちーはやりました。ここまでやれました。
驚異の98.21という得点、首位でフリーに進むことが、吉と出ますように。





2位、スペインのハビエル・フェルナンデス選手。
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日本での開催ということで、やたらこういうお辞儀をする人が多いですな。
それは今の日本では「ゴメンナサイ」「カタジケナイ」ですよと、誰かレクチャーしてはどうだろう。
ソチではつまづきのあったショートで、ハビーも会心の出来(で、このポーズ)。
まっちーとの差はわずか2点足らず。フリーで4回転を予定通りすべて決め、ミスがなければ金メダルの可能性も…あるにはある。






3位、日本の羽生結弦選手。
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やっぱり会心の出来を何度もやるというのは、人間そうできるもんではないのでした。
盤石の盤石の4回転トゥーループで転倒。しかもアンダーローテーション(回転不足)。
100点を超えたソチでのショートから、10点近く下回る点数での3位発進。
ほやほやの五輪金メダリストは、悔しくて悔しくて、ネジを巻きまくってフリーに臨んでくるでしょう。ソチでは悔いの残ったフリー、さてどうまとめられるか。





4位、チェコのトマシュ・ベルネル選手。
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ソチ直後の引退予定を延期し、このワールドに出てくれて本当によかった!
近年ずっと不調に苦しみ、屈辱的ともいえる成績に耐えてきたトマシュ。
彼のこんなクリーンな演技と笑顔が見たかったと思っていたフィギュアスケートファンが、世界中にいるはず。
美しいスケーティングと洒脱な表現力、彼にしかない世界を、本当に最後の最後になるフリーでも見せてほしいです。メダルが獲れたら言うことないけどなあ…





5位、中国のハン・ヤン選手。
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なぜか写真がこんなのしか見つからなかった。一昔前の日本の片田舎のヤンキーみたいですが、フィギュア男子界期待の星のひとりです。
まったくコンセプトの見えないこの珍妙なショートプログラムも、見納めと思うとさびしいような。しかしそんなプロでもハン・ヤンは結構な点を叩き出してくるんですね。気づけば5位発進という手堅さ。





6位、日本の小塚崇彦選手。
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大ちゃんの欠場を受けて、わずかな準備期間でここに来た小塚くん。
ソチの代表争いで、どんなにか悔しい思いをしただろうに… 今回は大ちゃんの思いも背負い、そしてもちろん、みずからのプライドをかけて精一杯の演技を見せてくれたと思う。
フリーでものびやかに、彼らしく滑り切ってほしいです。






7位、ロシアのマキシム・コフトゥン選手。
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ショートに4回転2本。入れる実力は十分ある彼ですが、今回はサルコウでアンダーローテーション。
ジャンプに特化している分、そこが決まらないと現時点ではつらいなあ…
帝王プルシェンコの後を継ぐには、彼に必要なものはまだまだたくさんありそうです。





8位、アメリカのジェレミー・アボット選手。
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ソチでは、激しい転倒のあとのすばらしい演技が忘れがたいアボットくん。
彼もまた、このワールドが競技人生最後の舞台となります。
このショートも思い通りの演技とはいかなかったものの、ミスで崩れることなくまとめられた。
フリーではどうかアボットくんらしい、なめらかな陶器のような美しい演技で観客をつつみ、笑顔で終わることができますように。




明日も(いや、とっくに今日だ…)朝から一日バタバタなので、遅れ遅れながらの感想になりそう。なんとかぼちぼちと、がんばります。
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by higurashizoshi | 2014-03-28 02:13 | フィギュアスケート | Comments(0)

世界選手権2014 ペア ショートプログラム

世界選手権で直前までこんなに気持ちが盛り上がらないのは、いつからぶりのことだろう…
なーんて言ってても、やっぱり実際始まるとやっぱり血沸き肉躍る感じにはなるのであった。

世界選手権第1日。
今日はペアのショートプログラムから始まったのだけど、地上波はなんと関東のみの放映で、こちらではテレビで観られず。どういうこっちゃ。
しかしネットでストリーミングという救いの手があった!…と思ったら、時間的に生では観られないじゃないか…テレビだったら録画できるのに…

結局、ペアもアイスダンスも、テレビ放映は関東のみで、ネットのライブストリーミングは昼間だから時間的にまったく観られない。嗚呼… 4月に入って一週間もたってからCSでやっと放映してくれるのを待つしかないということに。
いつも言ってるけど、なんでこうカップル競技に冷たいのだろう、日本のメディア。

とりあえず、ペアショートの結果のみ上げておきます。




世界選手権2014 ペアショートプログラム

1位、ドイツのアリョーナ・サフチェンコ&ロビン・ゾルコビー。
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リザルトだけ見た限りでは、安泰の発進だったようで。
そうそう、彼らはソチで引退のはずだったのですが、このワールドを最後の舞台に変更。しかもサフチェンコさんは新パートナーが見つかれば競技続行の気持ちがあるとか。うーんすごいエネルギーだ…
いずれにしても、この二人ではこれが最後。ソチの王者がいないこのワールドで、有終の美を金メダルで飾ることができるかどうか。




2位、カナダのミーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード。
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この二人も確実にエレメンツをこなした模様。
急激に高得点を出せるようになったデュハラド、本当に躍進著しいなあ。こうなったらてっぺんを狙ってくるでしょうけど、さすがにまだ金メダルは難しいのではないかな?




3位、ロシアのクセニア・ストルボワ&フョードル・クリモフ。
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私がペアの中では絶賛応援しているストクリ。ソチではまさかの銀メダルだったけど、このショートではデュハラドより下位の発進となりました。うーん早く演技が観たいわ。
ワールドでもメダルを獲って、実力をさらに示してほしいところ。フリーもがんばれー!ついでにクリモフくん、ヒゲそってくれー!


まだ上がっている写真が3位以内のペアしか見つけられず。
4位と5位につけている中国のスイ&ハン、ペン&ジャンほか、フリー次第で十分逆転を狙えるペアはあり。
一方、日本の高橋成美&木原龍一ペアは残念ながらフリーに進めず。まだまだ成長途上の二人、来季もっともっとレベルアップした姿を見るのが楽しみです。

ああ、明日のフリーも観られないのがつらいなあ…





さて、打って変わってシングルはもちろんゴールデンタイムにテレビ放映。
しかもその前には、フジテレビがライブストリーミングを流して全選手の演技を見せてくれるという、画期的いたれりつくせりぶり。

で、今夜の男子ショート、私は残念ながら時間的に前半の選手はほとんどストリーミングで観られなかったのですが、後半はしっかりストリーミング&地上波放映で観ました。
そして今さらながら、そこに高橋大輔選手の姿がないことにまたまた打ちのめされております…。わかってるのに、いちいち打ちのめされてしまうという。なんだろうこの哀しさ。

ともかくすばらしかったのは町田樹選手でした!
まっちー史上最高演技で終えた、最後の「エデンの東」!

しかし男子ショートの写真がまだ上がってない、いや単に私が見つけることができないのかもしれませんが、このあとまだお仕事もして明日も早いということで、男子ショートの結果はまた明日アップします。
明日はペアフリーと、女子ショート。緊張は続く…
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by higurashizoshi | 2014-03-26 23:43 | フィギュアスケート | Comments(0)

春のたより

急に暖かくなったり、また寒さがぶり返したり。
それでも、着実に時は流れて春が実感できるようになってきた。

私の地元、瀬戸内の春といえばこれ。
今年もにぎわう魚の棚商店街で、いかなごの新子を二度に分けて買ってきて炊いた。
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炊いてる途中で味見。これがまたやわらかくて美味しいのだ。
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釜揚げにして、くぎ煮にして…
遠くの方や近くの友に送ったり。
今年も6kg炊きました~ がんばった~
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さて、そんなさなか、友人からもすてきな春のたより。
マクラメ編みのブレスレットで、石や糸などを選んで注文して作ってもらったもの。
タタとミミの分まで、イメージを考えながら作って送ってくれて感動!
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自分にはあまりに無縁な才能なので、うらやましいどころか、ただただ称賛するのみです。
ほんとうに綺麗。
美しいものが身近にあると、心がほんのりと潤される。



母が施設に入る日がだんだん迫ってきて、準備に忙しくしながら、胸しめつけられてもいて。
この春は家族の中にスタートと別れが同時にやってくる。
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by higurashizoshi | 2014-03-20 21:26 | 家事というか | Comments(0)

まだまだぐるぐる

ソチが終わり、ジュニアの世界選手権も終わり、あとは今月末の世界選手権でフィギュアスケートの競技シーズンは終わる。
日本でおこなわれる世界選手権に大ちゃんが出ないということが、やっぱり今もまだ自分の中で尾を引いていて、先日NHKのBSで放映された「アスリートの魂」(確か明日地上波で再放送)の「“最高”に挑み続けて フィギュアスケート高橋大輔」を観たときも、最後の「幸せでした」で締めくくられるインタビューがどうにも切なくて。

ソチでこの4年のすべてを出し切り、ワールドで日本のファンに最高の別れのあいさつをして競技から引退し、プロスケーターとしてのスタートを切る。
惜しまれつつ競技から離れ、以降はこれまでとはまた違う新たなプログラムを次々と打ち出すスケーターとして活躍していく…

そういう、本人にとってもファンにとっても理想的な《集大成とその後》の予想図は崩れた。
限界を超えるほどの努力を積んでも、それに見合う結果は得られず、傷だらけのフェードアウトとならざるを得なかったこのシーズン。
もうすぐ始まる世界選手権を彼はどんな思いで見るのだろう。
そしてそれが終わったあと、どんな気持ちで競技のオフシーズンを迎えるのだろう。

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膝に問題を抱えたままで、この4回転至上主義の競技世界へ復帰するという選択は、やっぱり考えられない。
だから、どこで彼が自身の中で区切りをつけ、別の形の再スタートを切る決意をするか、だけなのだと思う。
と、そう書いてるそばから、もう競技で高橋大輔の演技が二度と見られないという考えに、打ちのめされてしまう自分がいる。

これまでにだって、すばらしい選手が不本意な終わり方で競技を去っていった例はいくらでもある。
彼は大けがをしたにもかかわらず、バンクーバーでもその後にも引退を選ばず、思いがけないほど長く競技を続けることができた。そしてその間ずっと目覚ましい成長を見せ続けてくれた。世界中のファンや専門家から絶えず称賛を浴び、多くの栄光も手にした。
ただ、最後は華やかではなかった。傷だらけになってソチを終えることになった。それは仕方のないこと。彼の努力が足りなかったのでも、才能が足りなかったのでもない。最後は彼に、幸運が訪れなかっただけ。

例えばステファン・ランビエールのように、競技者として最高の終わり方はしなくても、その後個性的なプロスケーターとして世界中のショーで滑り、後進の指導もするなど多面的に活躍している人もいる。
大ちゃんだって、これほど絶対的な実力と個性と人気をもってすれば、ステファンに比するくらいの、いやそれ以上のスケーターとして、プロの世界で活躍できるに違いない。

…と、一生懸命脳内イメージをふくらませ、今後についての想像図を描いてみるものの。
やっぱり気持ちは晴れない。
結局、見果てぬ夢というものを、どこかでまだ見ているのだと思う。見ていたいのだと思う。
緊張に追い込まれ、ひりひりした痛みが切りたつような競技リンクにもう一度立ち、戦う姿をこの眼にしたいという思いが捨てられない。
で、それがファンの身勝手な欲だということも、同時にちゃんとわかっている。
はあ~まったく! いいかげん自分こそ区切りをつけなければと、このところずっとそんな思いをぐるぐる、ぐるぐるしている。

とりあえず、ワールド直後に神戸である「東日本大震災チャリティー演技会」のチケットは取っていて、あきらめかけていた大ちゃんの参加が発表されたので(といっても演技はせず、たぶんあいさつと募金活動のみ)、ソチ後の彼の今の姿を見て、感じ取れるものを大事にしようと思っている。
このところプライベートでもまたいろんなことが起きているので、よけいに心が落ち着かないのだけれど… 大ちゃんが出ないワールドもちゃんと観て応援して、決着を見届けようと思う。しかし真央さんはどうするのだろうなあ。あっこちゃんは本当にこれで最後だなあ。

大阪であるワールドのエキシビションも、大ちゃんの最後の姿を観ようとチケットを取ったけど、それはそれ。ほかにもいる好きな選手をしっかり観に行こう。
元気出さないと春に申しわけないぞ!

次回からは気を取り直して、ワールドに出場する選手の中からピックアップして紹介できればと思っています。ふう。
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by higurashizoshi | 2014-03-18 00:49 | フィギュアスケート | Comments(0)

黙祷

3年前のこの日のことを思い出しながら、
3月11日午後2時46分、タタとミミと一緒に黙祷した。

うしなわれた、うしなわれた命。
その命を悼みつづける無数の人々の、人生。

そしてあの日から始まった、苦闘と、分断。
被災地となった、ただその場所に生きていたというだけで。
痛みに耐えながらこの3年を、この先を、歩かなければならない人たち。


私にできるわずかなこと。
この理不尽から眼をそらさず、逃げず、自分に与えられた仕事をまっとうすること。
もう一度、自分に誓った。
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by higurashizoshi | 2014-03-12 01:35 | 雑感 | Comments(0)

強さと、やわらかさ

昨日、NHKのドキュメンタリー
「未来への手紙2014 ~あれから3年たちました~」
を観た。
是枝裕和監督が、総合ディレクターとして初めて直接震災に触れた作品を手がけたとのことで、被災地の子どもたちのこの3年の変化が中心にすえられていた。
深刻ぶらない、さらりとした作りが逆に心に深くしみるドキュメンタリーだった。

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関西人にとって、震災、という言葉はあの19年前の空気を丸ごと表現するものだったけれど、3年前、東北を襲った未曾有の災害は、日本語の中の「震災」という言葉を塗りかえてしまった。
その被害の規模のけた外れの大きさだけでなく、阪神淡路の震災には存在しなかった、津波と原発事故という二つの要素が「震災」という日本語に内包されるようになった。そしてその二つの要素が、その後の被災地の復興を徹底的に阻害している。

今日、別の震災関連の番組で見た岩手や福島の様子は、この3年の間ほとんど手をつけられていない地域がどれほど多いか、その一端を見せてくれた。
津波で破壊された町が、いまだ放射線量が高すぎてそのままの形で放置されている。かけがえのないわが家だったものが廃墟になり、ふるさとだった地域が放射線ごみの仮置き場や、がれき置き場になっている。
住み慣れた土地を離れた人、住み続ける人、みんな心の痛みをかかえてこの3年を生きてきて、あまりに疲労の色が濃い。

そして被災地の外で暮らす人々は、たった3年前には津波や原発事故に衝撃を受け、何か自分にできることはないかと必死で考え、原発は恐ろしいものだと痛感したにもかかわらず、今ではそれらはもはや遠い過去の出来事のように日々を生きている。
被災地にかかわる活動をしている私のような人間でさえ、ふだん何気ない瞬間には3年前の震災も、今もずっと続く被災地の現実も忘れて、自分の目の前のことばかりに心を奪われていることに気づく。

これまで会った福島の若いお母さんお父さんたちから何度となく聴いた言葉。
「どうか福島を忘れないでください」。
最初は、忘れるはずなんてない、忘れようがないと思っていた。でも時がたつにつれ、当初の衝撃や熱意はさめていくし、遠い関西に住む自分にとって被災地の現実を《わがこと》として感じ続けていくことはむずかしいのだと思い知るようになった。
「こんな暗い重い話をごめんなさい」。
そんなふうに謝るお母さんたちもいる。こちらが謝りたくなってしまう。でもその一方で、どんどん細分化し、複雑化していく被災地の抱える問題の重さ大きさにたじろぎ、眼をそらしたくなる自分もいることに気づく。眼をそらして、よそごとにしてしまって、そうやって毎日を生きていけば楽だ。
だからこそ逆に、私は被災地にかかわる活動をやめないんだと思う。やめたら私は、本当に眼をそらしてしまうに決まっている。まったく私は私を信用していない。続けていくのは被災地の人たちのためではなく、むしろ私自身が逃げないためだ。

私がかかわっているのはおもに福島の子どもたちとその家族で、避難・移住という選択をせずに被災地にとどまる道を選んだ人たちだ。被ばくの不安にさらされながら、この3年をみんな懸命に生きてきて、やはりみんなそれぞれに疲れはて、被災直後とはまた異なる悩みをかかえている。
親が悩み苦しむ中で、子どもたちもたくさんの不安を感じ、プレッシャーを受けながらこの3年を生きてきたと思う。私たちが震災の年からずっとかかわっている子たちは、会うたびにびっくりするほど成長していて、大人の時間とは違う時間の流れが子どもにはあるのだということを実感させられてきた。

子どもたちは、被災のことを大人のように系統だてては語らないし、心に抱えることもそのままの形では口にしない。でもときどきふっとやわらかい穴がひらくように、自分たちの置かれた不安定な立場をどう自覚しているかや、この先も被災地で生きていくことへの不安をのぞかせる。
みんなふるさとが好きで、ふるさとで生きていくのが当たりまえで、でもそのふるさとはおびやかされているのだと感じている。原発事故のもたらしたものは、この「ずっとおびやかされている」という不安。

「未来への手紙」に登場する子どもたちの中には、被災した年の撮影では原発事故を起こした東京電力や、福島で発電した電気を使っていた東京の人々に対する怒りを率直にぶつける子もいた。
その子は3年後には、一方的に東電や東京の人を断罪するのではなく、対話が必要だと考えるようになっている。この広い心こそ原発を作った大人が見習うべきだと思う。
津波で肉親を亡くした子、家を失って一変した環境に必死で適応しながら暮らす子、みんな前を向き懸命に生きている様子が伝わってくる。大人にはない子どもの強さ、たくましさも感じられる。
同時にやわらかな心がどれほどの傷を負ったか、それを大人はどんなふうに受けとめ見守ることができるのかということも、深く考えさせられた。やっぱり『誰も知らない』から続く是枝さんの作品だな、と思った。

そして最後に登場する、石巻の大川小学校で生き残った男の子。
3年後の今は中学生になり、そのまま地元に住んでいる。
大川小を襲った地獄のような状況を生き延び、多くの友だちや先生を目の前で失い、同時に彼はお母さんと妹を津波で亡くした。
3年でずいぶん大人びた少年になって、おだやかに淡々と語る彼を見ていて、心の奥にある苦しみ悲しみの記憶を、この子はいつか昇華できるのだろうかと思った。

深く心に残ったのは、今はまだ当時のままの姿で残っている小学校を、彼は折に触れてずっとカメラで撮影し続けていること。
震災後、悲惨な津波被害のシンボルのようになってしまった大川小学校だけれど、彼にとっては大好きな友だちとの楽しい思い出がいっぱい詰まった、大切な場所なのだ。
遺族の要望もあり、いずれ取り壊されてしまう可能性が高い小学校の校舎。
愛するものを失ってしまったつらさは誰よりも味わっているはずなのに、そこに何度も行って、この大切な場所がみんなに忘れられないようにと撮影し続ける。悲惨な場所じゃない、ここで幸福に生きていた時間があったんだと彼は静かに叫んでいるようだった。
そして、ここを見て津波のおそろしさも知ってもらいたいんだと彼は言う。その強さにも私は衝撃を受けた。

天国に向けたビデオレターを最後に彼は作る。
天国の、お母さん、妹、学友たち、先生たちに向けて。

「みなさん、そちらは暖かいですか?こちらはだいぶ寒くなってきました」
「みなさんはどう思いますか?みんなとの思い出の詰まった校舎が壊されて悲しくはありませんか?壊したい人の気持ちも分からないわけではないけど、もし壊すのであればもっと多くの人に見てもらいたいです。
大川小の校舎を見て地震の怖さや津波の恐ろしさを知ってもらい、これからの防災に役立ててほしいと思っています。
最後に…僕は今を大切にしていろいろな人たちとの出会いを大切にして生きていきたいと思います」



子どもはやわらかくて、強い。
強いけれど、あまりにもやわらかい。
そんな子どもという存在を、大人はちゃんと大事にすることができているんだろうか。
そう考えていけば、どう行動するか、何を目指していくかの答が見えてくる――そんなふうに、あらためて思った。
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by higurashizoshi | 2014-03-10 00:31 | 雑感 | Comments(0)

湯たんぽさん

最近フィギュアの話ばかり書いていたけれど、「ひぐらしだより」は別段フィギュアスケートについて書くブログではないのです。と自分で再確認したくなるくらい、このところ映画のレビューもとんと書かず、読んだ本とか行った展覧会とか、ぜんぜん書いてないんだよねえ。そのくらい、特に今シーズンはフィギュアに耽溺してきたということなんでしょう。

というわけで気を取り直して、ちょっとした身辺雑記を。


昨年末、思い立って湯たんぽを購入したわが家。エコエコ♪とよろこんで早速使いはじめて数日後の朝のこと。

布団に起き上がり、何げなく左足をさわった。すると「べちゃっ」。
ん?べちゃ? なんだこの感触?
と思って左足の向こうずねあたりを布団から引き抜き、よく見ると…

「ぎょええええ、なんだこのホラー映像はっ!」

ごく小さな範囲なのですが、向こうずねの一部分が完全にただれているというか、異質な世界のものになっているではないか。血も出てるし。
しかも、痛い。
これは、何…?

便利な世の中ですね。
リビングへと駆け下り、パソコンを立ち上げ、しばし検索。
何が起きたかということは、すぐさまインターネット世界が教えてくださいました。
「湯たんぽによる低温やけど」。
これでした。

そして、「軽く見るなよ低温やけど、すぐ皮膚科へ行かんと後悔するぞ」という激しいメッセージを目にして、なかなか医者に行かない私がその日のうちに受診。
「いや~、みごとな低温やけどですね~」
と若いドクターのお墨付きをいただき。
「湯たんぽによる低温やけどは、治りにくいんですよ~」
明るくドクター続けて、
「つまりね、遠赤外線であぶり焼きされてる肉? ああいう感じで時間をかけてじっくりと焼かれてるわけですよ。相当奥まで深くやられてる場合も表面から見ただけだとわからないんですよね~」
なるほど、なるほど。《あぶり焼き工房》とかいう文字が頭に浮かびながら説明を聞く私。
うん、それはなあ。治るのもすぐというわけにはいかんわなあ。

「で、どのくらいかかりそうですかね?」と聞くと、
「うーん、二週間くらい、ですかね~」との答。
うっわー、そんなかかるのかあ。めんどくさいなあ。でもちゃんと治さないとな。


というわけで受診後は、ドクターのおおせの通りに毎日消毒をし、細菌をやっつける薬をせっせと塗って滅菌ガーゼを交換し…

あれからすでに2か月以上。



「治ってねぇ!」



あのあと、ホラーなただれが治ってきたと思って、甘くみたのがいけなかったのかな。ちょっと消毒もおこたり気味だった…かな?
と思う間もなく、次は来ました壊死。ただれの傷が治ってきたわいと思ってきたところが、今度は別のいやな色に変わり、
「おう…私の身体の一部が壊死…」
毎日痛いし、消毒のときに見ると相当興味深く、生きている私の身体の一部が死んで行ってる不思議を実感。

ソチ五輪中は自分のちっぽけな壊死のことなんてどこかにふっとんでたものの、一応(すでにルーティンワーク)日々の消毒は続けてました。
しかし、まったく治らない。
どんどん悪化するわけでもないけど、治るわけでもないという。

はい、今日も皮膚科に行ってきました。初診から2か月と11日後のことです。
ドクターは、
「うーん、湯たんぽによる低温やけどは、治りにくいんですよね~」。
そう言いながら、私の壊死部分をピンセットでぐいぐいとつまんで掘り返していきました。

だーっ! 

「あー奥まで行っても血が出ないってことは~、まだここは新しい皮膚が出来るとこまでいってないですね~」
うーんと考え込むドクター。
「でも、ほら!この周りの皮膚はピンク色になってきて!治ってきてるということですよ」
と希望もにじませてくれる。
「悪化しているという兆候は、ないです!」
と力強いお言葉。

結局、これまで通りの消毒をして、これまで通りの薬を塗ってガーゼでふさぐ…ということを繰り返し、治るのを待つしかないということで。
診察室を去り際に、
「治るまでどのくらいですか?」
と2か月と11日前と同じ質問をしてみると、あのとき「2週間ぐらいかな~」という答だったのが、今回は壮大な答が返ってきた。
「いや~僕が診た湯たんぽの低温やけどの患者さんで、半年以上かかった方がいましたね~。しかも高校生」
あー。そうなんだ。しかも高校生。ふふふん。
となると私の場合もっと壮大かもしらんな。と思いつつ家路についたのでした。


ちなみに今も毎晩その湯たんぽを使っている私。
友だちに話すと「信じられない!」って言われたけど、あのときはカバーの口ひもをしっかり締めてなかったからで、湯たんぽは悪くないの。この子を悪く言わないであげて!
って非行に走ったわが子を後ろ手にかばう母みたくなるのは、湯たんぽ生活は思った以上に快適で気分的にもよろしいので。
毎冬、納得いかない気分で電気毛布やホットカーペットを使っていたモヤモヤ感から解放されてとても爽快なのだ。
というわけで、そのうちきっと治るよね。と思いながら、壊死をかかえた足を湯たんぽに乗せて、今夜も眠りにつくのです。人生はこんなふうに、愚かと温かさがいりまじったものなのだ、とか思いながら。






    僕たちね、湯たんぽなくても温かいの。
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by higurashizoshi | 2014-03-07 23:43 | 雑感 | Comments(2)

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