ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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スペインへの旅 7 トレド、さらにエル・グレコめぐり

◆第3日 / 2014年10月9日

トレドでの2日目は、美しい朝焼けではじまった。
ホテルのバルコニーからの眺め。左の建物がアルカサル(旧王宮)。
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今回の旅で、朝食つきはトレドのホテルのみ。
あとはすべてアパートホテルで自炊なので、ホテルのバイキングの朝食も楽しかった。
地階のレストランは、私たち以外日本人はいなくて、スペイン国内の観光客と、イタリアやドイツあたりからのお客さんばかり。そしてバカンスシーズンじゃないから、リタイア後らしき年配のご夫婦ばかり。みなさんゆったりと脂肪のついた体型で、ゆったりとくつろいでおられる。
ホテルもしみじみ、客層もとってもしみじみ。よろしいわあ。朝ごはんも、さすがにハムやチーズの種類が豊富でおいしかった。


さて、おもむろにホテルを出発し、まずはサンタ・クルス美術館へ。
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正面の門。
おおお、すごいぞこれは。またも圧倒。
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ここは元教会かと思ったら、元は病院なのだそうだ! 
病院の門がこれでは、くぐるだけで霊験あらたかで病気が治りそう。

現在、没後400年の特別展「El Greco: Arte y Oficio」(英語でArt and Skill)がここで開催されているとのこと。
美術館前にはまた巨大なポスターが。中に入るとどんな作品が待っているかを考えるとすでにくらくら~。
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そしていよいよこの特別展に入ったのですが…

これが予想を超えるすごいラインナップの展覧会。
今回の特別展のために、プラド美術館など国内はもとより、さまざまな国からエル・グレコ作品の異なるバージョンが実に多彩に集められている。
しかも会場の建築もすばらしく、正直ここだけで一日中いてもいいくらいだった! なんと贅沢な時間だったことでしょう。
撮影一切禁止だったので、ここで観た作品をいくつかネットからの画像で紹介。


「無原罪のお宿り」
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エル・グレコの生涯最後の大作。あざやかな色彩と光、引き伸ばされた人体とねじれた空間、ほとばしるエナジー。後年のグレコ的なものがすべて凝縮されてこの絵の中に詰まっている、といっても過言ではない。
この絵はもともとこのサンタ・クルス美術館所蔵で、2年前の日本での「エル・グレコ展」の目玉作品として来日していた。
当時はこの「無原罪のお宿り」がついにトレドから来る、ということで非常に話題になっていたのを思い出す。そして大阪の国立国際美術館でこの絵を仰ぎ観たときの、身体ごと天上に巻きあげられていくような異様な感動も。

まさかトレドで再会できる日がくるとは… と感無量だった。



「受胎告知」
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「無原罪のお宿り」と並び称される、エル・グレコ最高傑作のひとつ。プラド美術館蔵。
日本での展覧会では、この絵の3分の1ほどの縮小版で、習作ともいわれている「受胎告知」(マドリードのティッセン=ボルネミッサ美術館蔵)が展示されていたので、ついにここでオリジナルを観た、という感がつよい。
画面から光が放たれてこちらへ向かってくるような臨場感。あざやかな紅色、緑、青、と《エル・グレコカラー》満載の色彩構成。その美しさにただただ引きつけられる。
「無原罪のお宿り」とともに、この大作2点が同じ場所にタンタンー!と展示されていて、その贅沢さにめまいがした。



「聖霊降臨」
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「受胎告知」とともにマドリードのドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院の聖堂の主祭壇に飾られていたといわれる作品。現在はプラド美術館蔵。
この散逸してしまった主祭壇の祭壇画がこの作品も含めた6点であった、という説を唱えているひとりがスペイン美術の著名な学者だった故・神吉敬三さんで、今回トレドに来るにあたってこの方の著書を何冊か熟読し、無知な頭が少し賢くなった。

この幻の6点祭壇衝立が、神吉さんの監修によって日本の大塚国際美術館(徳島県)で再現されているという話を知ったのも著書の中でだった。振り返って調べてみると確かに2年前のエル・グレコ展の図録にも、この再現の写真が掲載されていた。帰国したらぜひとも徳島に行って確かめねば!(こちらにあります


そのほかもともかく贅沢極まりない作品群で、マリア・マグダレーナや聖フランシスコなど同じ題材の別バージョンの作品がいくつも集められて展示されていたのも、類を見ない展示で興味深かった。
量産された宗教画については、おそらくエル・グレコ個人ではなく工房で製作された作品が多いので、どこからどこまでがグレコの筆になるものかは判別がむずかしいものも多いだろう。

印象的だったのは息子ホルヘ・マヌエル(『オルガス伯の埋葬』に描かれていた少年)が加筆したり、父親の作品を模写したもの。
エル・グレコも一人息子を跡取りにするべく、きっと英才教育をほどこしたのだろうが… 大変気の毒だが、親子でその技量のあまりの差にヘナヘナとなった。天才の一人息子ホルヘくん、苦労しただろうな。しかもエル・グレコは散財の末に、死後がっぽり借金を息子に残したという記録があるそうで、ますますあまりにお気の毒…


たっぷりとエル・グレコをお腹につめこみ、幸福なゲップをしながらサンタ・クルス美術館の回廊へ。
またこの回廊が美しかった。
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イスラムの影響を受けた、ムデハル様式と呼ばれる建築や細工などが随所にみられる。
そのほか常設の展示はたくさんあるらしかったが、エル・グレコ展だけで時間切れとなり残念でした。
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サンタ・クルス美術館をようやく出た昼過ぎ、突然の大粒の雨!
仕方なくとりあえずホテルに一時戻って、途中で買ったトレド名物のマサパンをお昼ごはん代わりにする。
マサパンはアーモンドの粉で作られた甘い焼き菓子。ちょっと和菓子のような、しっとりした味わい。お店では、こんなカラフルなマサパンも売られている。ほんとに和菓子みたい。
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雨がやんだので、ホテルを出てソコドベール広場近くのセルバンテス像にごあいさつして…
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さらにディープなトレドの探索に向かう。

トレド旧市街の城壁の内周をなぞって歩き、太陽の門へ。
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14世紀に作られた、ムデハル様式の威厳ある美しい門だ。
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このあたりから、非常に古いユダヤ教会や回教寺院などが続く。道はねじ曲がり、どこに行きつくか不明なり。
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迷って迷って、歩いて歩いて、やっと見つけた案内所のお姉さんに教えてもらい、サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ修道院にたどりつく。名前も長いが、道のりも長かった!
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なんでここを目指してひたすら来たかっていうと、ここがエル・グレコが埋葬されている墓所だからで、もちろん作品も多数あるのだ。《エル・グレコ詣で》のマストですよ、マスト。
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…と、なんだかえらくひっそりしているなあ。門が閉じてるし?

近づいてみると、ただいまシエスタ時間?で休憩中。うう、臨時休館じゃなくてよかった!
開門までしばらく時間があるので、その間に昨日遠くから見て心ひかれた教会に行ってみることにした。

またまた、てくてく、てくてく。
おお、こんな狭い道を車が走りよる。しかしほんとに人がいませんね。
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道が…
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狭いのだ。
しかしなんという佳い風情。なんとここちよい町並み。
(このあたりの写真は娘撮影のものを拝借。彼女のほうがセンスいいのです)
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まるで熟成された時が、ゆっくりとこの小路をたゆたっているよう。


またも迷って迷って…
さて、たどり着いたのはここ。
サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会。
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「トレドのすべて」によると、15世紀後半に建てられた、ムデハル様式の影響を受けたゴシック建築の傑作とのこと。非常に凝ったデザインの美しい建物で、前日に遠くから見たときに「なんだ、あの素敵な教会は!」と眼をつけていたのです。

さて、教会の中へ。
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はなやかな中にもどこかつつましい祭壇画や、柔らかい光線にいろどられた聖堂内部の装飾ひとつひとつが、とても美しい。
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回廊はやはり、静寂の美につつまれている。
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ヨーロッパとイスラムが融合したこの雰囲気は独特のもの。ここの回廊からの風景は忘れがたい。
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中庭を見下ろして何百年? 横棒にしがみついている、ちょっぴり気の毒な天使。
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さて、そろそろさきほどのサント・ドミンゴ・エル・アンティグオ修道院の休憩時間が終わるころなので、そちらへ戻ることにする。

ここがサント・ドミンゴ・エル・アンティグオ修道院の入り口。
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エル・グレコの墓所があることが表示されている。ふう、なんだか緊張するなあ。
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中に入ると修道女さんがにっこりと出迎えてくれ、こちらへと手招き。
ほとんど人のいない聖堂はほの暗く、ただただ静かだ。

そして振りかぶれば、正面の祭壇画にはなやかなライトが。
これが、エル・グレコがトレドにやってきて最初に手がけた大規模な祭壇画のプロジェクトで、中央の「聖母被昇天」「聖三位一体」を含むすばらしい作品群で構成されている。
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ただし、中央の上下2枚を含め4枚が散逸したためにここにあるのはレプリカ。現在はそのうち3枚はプラド美術館にあり、私はこの2日後にプラドで本物を観ることになった。

主祭壇の脇にある祭壇画、「キリストの復活」。これはレプリカじゃなく、エル・グレコ真筆なのですね。
あまりにあっけなく、何の囲いもなく飾られているのでかえってどきどきする。
これはおそれ多いながらも、なんとか1枚だけ撮影しました。ぶるぶる。
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それにしても本当に色彩あざやかで、とても400年以上前の絵画とは、やはり思えない。

さて出口へ…と行こうとすると、修道女さんが「お待ちなさい」と止めにきて、こっちも観ていきなさい、と手招き。
なにやら薄暗い、ちょっとあやしげな空間へ。

ここは旧聖堂なのか、非常に古い主祭壇があり、おそらくこの修道院の礎ができたという11世紀ごろにさかのぼるものも収められているのだろう、かなりナゾめいたものを多数含む展示館のようになっていた。
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ぼろぼろに朽ちた服を着て並び立つ聖人を含む幼子の人形たち、皿に乗ったヨハネの色あせた生首人形… 絶対に夜ひとりでは来られそうにない雰囲気の展示物が並び立つ奥に古文書も数々あり、ふとその一枚に眼をやるとエル・グレコの署名!?
あとから調べて、それは本物のエル・グレコによる契約書であることがわかったのだけど、素人には意味不明の数々の古文書や古い書籍がけっこう適当に並べてある中に、こんなものが実にサラッと展示されているのであった。

で、ナゾの展示室のゴージャスすぎる毒気にのまれたまま、いよいよ修道院においとましようとすると、またどこからともなく現れた修道女さん(きっとこの修道院にお住まいなのだろう。夜は怖くはないのでしょうか…)。
「あんた帰る前に、これ観なあかんやないの」
と言って(いや、そんな感じで)、
「ここや、ここや」
と指さして教えてくれたのが、聖堂出口の足元近くに小さく開いたガラス張りの窓。

よっこらしょとしゃがんでのぞき込むと、おお!
聖堂地下にある、これがエル・グレコの墓所か…。
めっちゃ一部しか見えなくてなんだかよくわからないけど、修道女さんありがとう! 
ここからだけほんのちびっとだけ、エル・グレコが眠る場所が見えるサービスになっているのだな。
ここも、写真を撮るのははばかられて、思わず手を合わせてごあいさつするにとどめました。
 ―エル・グレコさん、あなたの絵を観にはるばる日本から来ましたよ。
なんつっても、偏屈そのものの顔でにべもなく「知らんがな」と言われそうな気もするけど…


というわけで、トレドの町の《エル・グレコ詣で》もひととおり終わり。
ほんとはタベラ施療院や、ほかにもエル・グレコ関連で行きたいところはまだあったのだけど、そこはひとり旅ではないのでね。あまり母ばかりワガママではいけませんからね。
もし気ままな単独行動だったら、エル・グレコ病に浮かされて、このあと何日トレドにいつづけたかわかったもんじゃないです。

このあと、町を一望できる高台に行き、トレドでの最後の夜を過ごした話は次回書きます。
次回でやっとトレドが終わり、マドリードへ。引っぱる引っぱる。
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by higurashizoshi | 2014-11-25 00:47 | 旅の記録 | Comments(0)

グランプリシリーズ第1戦~第4戦

スペイン旅行記が途中で止まってるのは、またいろんなことでやたら余裕がなくなってきたからで、とはいえ続きはじびじびと書いているので順次アップしていきます。
もし続きを待ってくださってる方があれば、しばしご辛抱を。


で、まったく書けてないのが競技シーズンにインしてからのフィギュア関係。ああ~
スペイン行きと、その最後に飛び込んできた「高橋大輔引退」のニュースと、その二つがあきらかに影響しているのですが…
もちろんグランプリシリーズは今シーズンも、シングルのみならず、カップル競技も含め全部観ておりますよ。

すでに第1戦のスケートアメリカ、第2戦スケートカナダ、第3戦ロステレコム杯、第4戦中国杯と進んでいて、あとは第5戦エリック・ボンパール杯(フランス大会)と第6戦のNHK杯を残すのみ。
これまでの4つの大会にも実にいろんなトピックがありましたが、この余裕のない中でいくつか、これだけは!ということだけ書いておこうと思います。



◆まっちーが止まらない

町田樹選手の今シーズン初戦、スケートアメリカ。
すでに確信犯化した大言壮語で飾られた新プログラム、果たしてどのようなものか? と思っていたらこれが凄かった。
特にフリーのベートーベン「第九」は、ジャンプの強さ、彼の思いの強さ、振り付けのミルズ先生との絆の強さ(抱擁も長い!)がすべて形になって提示されていて、うーんねじ伏せられた!
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次は明日から始まるフランスでの戦い。まっちーは強さを2大会そろえることができるでしょうか。
まっちーの進化、誰も予想してなかった地平へ向かってる感あり。




◆無良くんに泣く
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無良崇人選手がスケートカナダで逆転優勝。
フリー後のキスクラでの止まらない涙に、思わずこちらもほろほろ。パーフェクトに近いすばらしい演技で、メンタル的にも本当に強くなった! 
同世代でピョンチャン五輪まで続ける宣言をしてるのは彼のみ。その覚悟がすがすがしいではないですか。続くNHK杯も気持ちよく滑ってほしい。




◆トゥクタミちゃんの反撃

超ハイレベル選手の群雄割拠で、混沌いちじるしいロシア女子。
ジュニアからもわんさか凄い選手が押し寄せてくる中で、今シーズンいきなり気を吐いたのがエリザベータ・トュクタミシェワ選手。あっという間に優勝2回でファイナルの切符を一番乗りでかっさらっていきました。
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ジュニアから期待の星として上がってきたあと、しばらく頭打ち状態でやれマダム化したの社長だのとばかり言われていたトゥクタミちゃん。今シーズンは実に気持ちよくジャンプが決まり、自信にあふれてます。
にしてもやっぱり、17歳には… 見えないよねえ。




◆パパシゼまさかの急激台頭

カップル組み替えの嵐で、ソチ後の地図が見えない感じだったアイスダンス界。
ジュニア時代から私が熱烈偏愛、このブログでも紹介していたフランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロンがなんと中国杯で優勝!きゃあきゃあ。
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ジャッジの評価が高まらないと上には行けないアイスダンスで、まだ実績のないジュニア2シーズン目のカップルがグランプリシリーズで優勝までするのは、かなり異例のこと。
2人の技術力も急速に進化、にしても昨シーズンに比べてここまで高評価が得られたのにはびっくりたまげました。
今シーズンはこれまでと違って変態度の低いプログラムであることが個人的には残念ですが、まあいい。今は大人への過渡期なのだ。だってこんなにアダルトなのに、2人とも十代なんですから(この時点では。ギヨームくんは数日前20歳になったばかり)。
続く地元開催のエリック・ボンパール杯でどこまでいけるか。ファイナル進出もありえるぞ。




◆それは危険行為だった、とはっきり言おう

やっぱりこのことに触れないわけにはいかない。
中国杯のリンクに悲鳴と喧騒を巻き起こし、直後から論争の嵐を呼んだ羽生結弦選手の強行出場。
激突した相手のハン・ヤン選手も大変なケガで、彼もまた無理を押して出場してしまい、当然ミスが多発してメダルは獲れず。
5回転倒しながら4回転ジャンプは2つとも認定された結弦くんは2位を守った。
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結論からいえば、私は2人とも棄権するべきだったと思うし、若くて猛り立つ彼らを止めえなかった周囲の大人たち(コーチよりむしろ、大会運営側やスケート連盟)が、今後このようなことが繰り返されないルールをきちんと確立するべきだと思う。
メディアをはじめとする悲劇のヒーロー化や美談仕立ての無責任さには、今回ばかりは心底腹が立った。
確かに結弦くんの鬼気迫る演技はこの世のものとは思えなかった。でも、これはスポーツの美しさじゃない。スポーツを逸脱した危険行為だ。

ハン・ヤンも結弦くんも後遺症なく健康を取り戻すことを祈ると同時に、このあとの今シーズンは何より休養を優先してほしいと思う。




大ちゃんもあっこちゃんも真央さんもいないグランプリシリーズは、なんだか不思議で、そしてやはりさびしい。
それでも、どんどん若手が上がってきて勢力図が入れ替わっていくさまはスリリングで楽しい。
また追える範囲で第5戦、6戦にも触れたいです。
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by higurashizoshi | 2014-11-21 01:54 | フィギュアスケート | Comments(0)

スペインへの旅 6 エル・グレコ美術館とトレドの夜

サント・トメ教会前のカフェで昼食をすませた私たちは、てくてくとエル・グレコ美術館へ。
途中の高台から見えるトレドの町並みが、しみじみと美しい。
なぜか、不思議となつかしさをおぼえる。
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エル・グレコ美術館。
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かつてグレコが住んでいたあたりの、ユダヤ人富裕層のお屋敷を再建して作られている。最近リニューアルもされたらしく、すでにトレドの《ザ・中世》ワールドに慣れた眼にはまだ新しく見えて、ちょっと《トレド風》テーマパークっぽかった。
エル・グレコはこんな感じの暮らしをしていたんですよ…という雰囲気は味わえるかな?
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それはともかく、肝心なのはここに展示されている絵。
まず、2年前に東京・大阪での「エル・グレコ展」に一部が来ていた《十二使徒》連作を一挙に観ることができる。(写真は上下ともHPよりお借り)
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もうひとつ、絶対に観たかったのがこの「トレドの景観と地図」。
エル・グレコ好きにはものすごく重要な作品だと思うのだけど、廊下の突き当たりにめっちゃなにげなくポンと展示してあったのでびっくりした。
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エル・グレコの現存する作品の大半はもちろん宗教画で、すぐれた肖像画がそれに続く。風景を描いた作品はほとんどない中で、彼が後半生をすごしたこのトレドの町を描いた絵が2点ある。
そのひとつが、この「トレドの景観と地図」なのだ。

天使をともなった聖母マリアが、トレド上空を守護しているかのようなこの作品(ああ、しかしこのHPの画像だとその部分が切れている…なぜに…)。
カテドラルやアルカサルなどはもちろんのこと、当時のトレドの全景が実に微細に描かれているうえ、手前の人物がずいぶんと詳細な地図を広げてみせている。風景部分も地図も、ちょっと偏執的なくらい細かい。
風景部分は現在のトレドの眺めとほとんど変化がないといわれている。さすが中世都市。
そしてイタリア時代に地図製作の技術も身につけたというエル・グレコの描いたこの地図は非常に正確で、現在の旧市街地図とほとんど変化がないというから驚く。

もう一枚、エル・グレコがトレドを描いた「トレド風景」という特異な絵があり、ただしそれはニューヨークのメトロポリタン美術館蔵。
ぜひこれも観たいけど無理だよねえ… なんでトレドにないんだい!と思っていたら、この作品、なんと私たちが来る直前まで、没後400年の特別展で来ていたんだそうだ! ああ~絶句。なぜにニューヨークに帰ってしまったのだ~


さて、エル・グレコ美術館の作品を観たあと、なかなかすてきな中庭などを散策して、この日はホテルへ戻ることにした。
中庭のザクロの木。
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ここで、時間は少し前後するけれど、トレドの町中のお店などを紹介しておきましょう。

刀など特産の刃物や武器類のお店と、象嵌細工のお店があちこちにある。
ただし、お土産にあまり興味のない私たちは「ほほー」と眺めるのみ。
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このふとっちょくんは、サンチョ・パンサですね。
「ドン・キホーテ」はスペインではやっぱり普遍的な物語なのだろうか。それとも観光客受けするということで?
あちこちの店先に彼らの人形が飾ってある。
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ついつい私たちが引きつけられるのは、ツーリスト向けではないこういう普通のお店。
奥まった小さな市場の中の、お肉屋さん。
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ひづめがそのまんまついた牛の足がぶらーん。これは塩漬けの発酵肉、つまりハモン。
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トレドの主婦たちがお買いものしている八百屋さん、魚屋さん。
売られているものに、いちいち興味津々。果物もいろいろおいしそうだし、魚屋にはイカもアンコウも!
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チーズ屋さん。
こんな小さな市場のチーズ屋でも、種類はすごく豊富なのだなあ。
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トレドは州都であり県庁所在地でもあるのだけど、人口は8万人台。この旧市街の城壁内にもごく普通に人が住んでいるものの、観光客以外は人影もまばらでとにかくこぢんまりと静かな町だ。
コンビニはもちろんのこと、大きなスーパーマーケットも見かけない。市場文化がまだまだ生きている感じ。
(コンビニについては、このあとマドリード、バルセロナでも皆無だった)


ひっそりとある映画館。どんな作品を上映してるのかな。
時間があればぜひ入ってみたかった。
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ミネラルウォーターを買いに入った小さな食料品屋で、こんなものを発見!
「DEMAE RAMEN」…おお。
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こちらは、どっちかといえば観光客寄りのハモン屋さん。
これ、一本かついで帰りたいなあ。
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カテドラルの横道。
たいていの道はもっと細く、その細い道の向こうはほぼ見えず、どこに向かって歩いているのか、すぐにわからなくなる。
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そして、トレドの石畳。
マドリードやバルセロナでは、こういう石畳は見なかった。いったい、どれほど昔からあるのだろう。
大きな丸い石がびっしりと埋め込まれていて、ここを車が走ると何ともいえない独特の音がする。
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さて、またも道に迷いながらもホテルにいそいそと戻ったのにはわけがあって、トレドの近くに住む青年・ハコボと夕方待ち合わせをしていたのだ。

彼は私の友人の友人で、今回スペインに行くにあたり紹介してもらって、メールでいろいろ旅のアドバイスをもらっていた。日本が大好きで旅行経験もあり、日本語がとっても上手。メールは私からは日本語+英語、彼からはいつも日本語。ただし「話すのはとってもヘタです!」と書いていたのだけど…

ホテルのロビーで待ち合わせたハコボは、友人の話どおりシャイでとっても優しい雰囲気の青年で、いわゆるスペイン男!なイメージとはまったく遠い感じ。
そして日本語は、話すのも大変上手でした! 彼は日本語が使えるのがうれしいようで、結局会話はオール日本語。
娘たちもまじえていろいろおしゃべりして、明日のトレドめぐりのアドバイスももらって、この夜は別れたのでした。

ハコボがくれたおみやげ。
鹿肉のチョリソと、オリーブオイル漬けのチーズ。
(大事に日本に持ち帰り、後日いただきましたが… どちらも超美味でした!)
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その後、夕食のためホテル近くのカジュアルなレストランへ。
写真は撮らなかったけど、とにかく一品の量が多い! そしてイカのフライ(カラマーレス・フリートスという定番タパス)は旨い!
しかしやはり少食母娘には、3人で料理2人前でも多いかと…

レストランの屋外席に座り、トレドの町並みを眺めながらの夕食は不思議な気分だった。
なんでこんなとこで私たちごはん食べてるんだろう?と夢のような。
と同時に、隣席の女性たちのものすごいスピード、ものすごいテンションで延々と続くスペイン語の掛け合いを聞きつつ、
「大阪のおばちゃんってやっぱりグローバルやねんなあ…」
などと感じたことであった。うん、絶対彼女たちにひけをとらないと思う。


帰り道、夜のトレドの静かな石畳の道を3人でそぞろ歩きながら、大きな月を眺めた。
「なんか日本よりずっと大きいような気がするねえ」
と言いながら。
この日だけでトレドにすっかり魅了された私たちは、あと丸一日しかないのか…と早くも悲しくなりかけていた。2泊じゃ足りなかったかなあ。

日本からの多くのツーリストは、トレドがマドリードから近いということで日帰りでしか訪れないみたいだけど、ここなら一週間でも、いやいやいつまででもいられるね!と娘たちと意見が一致。
明日の貴重な一日を大事に過ごしたいなあ…と思いつつホテルに戻った。



次回、やっとこさ旅の3日目に入ります。
しかしフィギュアスケートのことも書きたい!
グランプリシリーズ、もう2つも終わってしもた!
そして大ちゃんの引退についても、まだ何も書いてません。書けてません。ううむ。
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by higurashizoshi | 2014-11-06 00:37 | 旅の記録 | Comments(0)

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