ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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嵐のち晴れ

いつもは「もう、やめとき」というくらい食欲旺盛なうちの息子(茶色くて四本足)。
異変が始まったのは2週間ほど前だった。…ん?あの子がなんだかこのごろあんまり食べない?
でも、うちは四本足の息子が2人いるので、ごはんをどちらが食べたか判然としないことが多く、なんとなく見過ごしていた。
と、みるみるうちに明らかに食欲が落ちて、びっくりするほどやせてきた。
いつもは、食卓の上で寝ていたら思わず「いただきまーす!」とみんなが言うくらい、ふくふくまるまるしてるのに。そしてとにかく元気がない。のっそり、しんどそうに動いている。なんだか息も速い気がする。これはおかしい、どう考えてもおかしい。

急いで動物病院に連れていって検査してもらったら、なんと胸水が330mlもたまっていた。そのせいで肺が小さくなるくらい圧迫されて、相当苦しい状態になっていたので食欲もなくなったのだろうとのこと。
胸水のたまった原因は、今のところはっきりしないのだけど、抜いた水分にリンパ球が多いので、どこかに腫瘍ができている可能性もあるそうだ。半日入院して、毛も四角く剃られて、あばらの間に針を刺したままの状態で帰宅。
胸水を抜いて楽になったかと思いきや、まったく食べず飲まず、ひたすらぐったりと横になったまま。この数日の間にたちまち背中が骨ばり、ふわふわの毛もガサガサになり、「あーこれはまずいな」という、見るからにまずいなという状態に突入した。

とにかく食べないと死ぬ。飲まないと死ぬ。胃腸に問題はないようなので、入れれば食べられるはず。
というわけで、病院でもらった高カロリー療養食と水を、注射器で口にねじこむという戦いが開始された。
絶対に食べさせる!というこちらの迫力と、ぜったいこんなもん食べんぞ!という息子の固く閉じた口。がっちり羽交いじめにして、なにくそとその口をこじあけて注射器を突っ込む。敵は決死の力であばれまくる。そのへんにレバーペースト状の療養食が飛び散るわ、せっかくぶちこんだ貴重な食べ物を吐き出すわで大混乱。
出すなら入れてやるとばかりに注射器を持って追いかけまわす私。ヨロヨロと逃げまどう息子。食べものだけでなく、さらに口をこじあけて薬も飲ませにゃならん。苦しいときにこんな嫌な思いさせたくないと思いつつ、半泣きでそんな戦いを何度も繰り広げた。

病院にも連日通って、レントゲンで胸水や肺の様子を見てもらい、いろいろと検査もした。諭吉が隊列を組んで出ていくのを見送り、軽いお財布を胸に、重いケージを車に積んだ。運転中に浮かぶのは「ネコの葬式はどこに頼んだらいいのだろう」などという、例によって悲観的な考えばかり。夜眠っていても「今、息が止まってるんじゃないか」と夢の中で思っては飛び起きて、忍び足で様子を見にいく繰り返し。娘たちもひどく心配していたが、彼女たちは今猛烈に忙しくて世話をしている余裕がない。

胸水がたまらなくなって思いがけずすんなり針がはずれ、それでもぐったりは続き、丸一日たった。
そのとき初めて、手のひらに乗せた流動食を、やわらかい舌でぺろ、となめた。あたたかい舌の感触。
なでてさすって、それから何とかさらに食べさせようとあれこれ手のひらに載せた。「あんたはチャングムの王様か…」と言いつつ、これがお口にあいますか、それともあちら?と奉仕これ務め、もちろんそれだけでは足りないので王様タイムが終わるとまた注射器で療養食を口にぶちこむ、という高度なプレイの連続。
そんなこんなの毎日を過ごすうち、ガサガサだった毛がまた少しずつふんわり、つやめいてきた。
階段を少しずつ、またのぼれるようになった。お皿から食べものを食べた。水を自分で飲んだ。ひとつひとつがきらきらして見える。深呼吸を忘れていた身体が、やっとたくさんの空気を入れられるようになった気分だ。
ああ、もう大丈夫だ、と思うまでに長い長い時間が経った気がした。

原因によっては、また胸水がたまる可能性もあり、油断はできないと言われているけど、ともかく今は、こんなに元気になりました。
あさってから例年通り、被災地の子どもを招くキャンプが始まり、私は怒涛の12日間に突入する。その前に回復してくれてほんとによかった。しっかり働いてくるよ。もう、ごはんはちゃんと自分で食べるんだよ。
(すっかり口が肥え、前にもまして甘えん坊になってる息子近影)
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by higurashizoshi | 2016-07-27 01:41 | 雑感 | Comments(4)

ロックロックこんにちは!20th Aniversary Special@大阪城ホール

参院選が終了。昨夜は2時半まで結果を見守ってたので3時間しか寝てません。
寝てなくてぼーっとしてるけど頭も心もギンギンしてるおかしな一日。
ひとこと言いたい。
選挙期間中に主張の大事な部分は隠しちゃイカンよ。
勝って「さあ認められました改憲!」とか、「無所属当選したあとさかのぼって自民公認!」とか、それはズルい。
そして、今回の選挙の肝が、戦後はじめての方向へ日本が大きく舵を切ることだと実感してる人が、足りなすぎた。とても多くの人が努力して昨日を迎えたのだけど。
でも、まだまだこれからが重要。重要なのだ。

そう、今からロックロックの城ホール1日目のレポートを書くんだけれど、満場の客席の中でひそかに私、5時間ずーっと思ってました。
「明日参院選だって知ってる?選挙行こうな!」
って、どのミュージシャンでもいい、誰かがたったひとこと言ってくれないかなって。
そういうの興ざめだよとか、暗黙のルール破りだよとか言う人もいるかもしれないけど、音楽という芸術表現活動が世の中の動きにどれほど左右されることか。思ったことを自由に歌えない、奏でられない時代がまた来るかもしれないのだ。
あの会場を埋めた9,000人にとって、その中にたくさんいた若者にとって、大好きなアーティストのひとことがどれだけの影響を持つかを思うと、大人として誰かがそれに触れてほしかったな。民生くんとか、ちょっと期待したんだけどな。

さて、そもそも行ける予定ではまったくなかったロックロックの20周年超豪華ライブ。
友だちの娘さんが行けなくなり、泣く泣く譲ってくれた貴重なチケットを握りしめ、武者ぶるいしながら大阪城ホールに向かった私でした。スピッツファン歴21年にして初のイベント参加ですよ。これまでスピッツ単体のライブは何度も行ってるけど、今回のツアーチケットはファンクラブ枠なのにハズれまくり落ち込んでいたところにまさかの天恵。M子ちゃんほんとにありがとう~ていうかごめんよ~
RAD好きなタタからも「いいな~いいな~」と言われまくり、もちろんプラチナチケットだろうからたくさんの人の怨念、じゃなかった思いを背負って…思い…背中が重い… 城ホールを前に固まっていく私。要するに超ステキなことを前にするとネガティブ志向になるめんどくさい奴。
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スピッツラテとか。
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グッズとか。
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中に入ると、鶴瓶さんからお花。
なんで?と思ったけど幕間の動画がスピッツ4人×鶴瓶さんの対談が延々続くっていう趣向だったのね、今回。
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フラカンからのお花がスゴイ。
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ライブの中身については、ほっとくと延々とまた長く書きそうなので、当日帰路に車中で書いたメモをほぼ載せます。

きっとヒエラルキー的にOKAMOTOSから、と思ってたら(ファンの方失礼!)、いきなりのRADWINPS!
会場のボルテージが一気にダダ上がり。しかも一曲目「おしゃかしゃま」スタート。
オーラ全開。スケールでかい。めっちゃうまい。疾走感と純情のバランス。これはつかまれて持ってかれるわ。
「今日は、大好きな大好きなスピッツさんの20周年に呼んでいただき…」との洋次郎くんの言葉に萌えつつ、「アレ?20周年はロックロックだけど?スピッツは来年30周年だけど(=そんな若くないよ?)」て思ってた。
あとでマサムネくんもMCで言ってたけど、勘違い…だったみたいね。ははは。
ラストでの新曲「前前前世」初披露まで、洋次郎くんの繊細な弾き語りありマッドに炸裂する楽曲あり、もうあっという間でした。

2番手のOKAMOTOS。
まったく知らないバンドでありすぎたので、行きに検索してたら全員が岡本姓だっていうからびっくり!
これはすごい。偶然?親戚?って興奮したら(なぜそんなことで興奮する)、ああ無情。みんなほんとの名字はちがうけど岡本太郎が好きだから名乗ってるんだって。ラモーンズを標榜してるのかな?
そんな岡本さんたちの演奏は若さと技術力の高さを存分に見せつけてくれました。ただし岡本太郎のアナーキーさは少しも感じなかった。もっと太郎を!

ここまでの、盛りまくり、あおりまくりで上がり切った会場のテンションを一気に下げるおっさんたちの登場。
奥田民生特別企画、アコギブー。
アコギって、「阿漕な」と「アコギ(アコースティックギター)」をかけてるんだね、きっと。
なんで色とりどりのアフロ+鬼のツノのかつらを全員がかぶってるのかわからないね。
手練れのおっさんたちのなんと深い磁力よ。
大いに笑かしておいてノックアウト。
民生くんの生「さすらい」に震え、初yo-kingのソロに、涙するほど感動。手島いさむのソロもよかった。しばらく絶対ヘイ・ジュードがアコギブーのテーマに聞こえる。ああ、魅力的なおっさんってなんて魅力的なんだ!

合間にけっこう延々流される、スピッツ4人と鶴瓶さんとの対話がなんちゅうか、ゆるい。笑福亭鶴瓶ほどの対話の達人相手でも、空白を作りまくれるスピッツ。すべてにおいてこの手垢のつかなさ、業界慣れしない感が貫かれてるのだわ。なんなんでしょうこの人たち。
鶴瓶さんはこの仕事で初めてスピッツに会ったそうだけど、マサムネくんいわく、初めて会う日にスピッツの全アルバム、全曲を聴いてひとつひとつに感想を書いてきたそうだ。脱帽。

スピッツ、この日のセトリ。

1.メモリーズ・カスタム
2.海とピンク
3.涙がキラリ☆
4.甘ったれクリーチャー
5.愛のしるし
6.スピカ
7.みなと
8.ロビンソン
9.女々しくて [カバー/ゴールデンボンバー]
10.渚
11.エスカルゴ
12.8823
13.ヒバリのこころ

アンコール
14.醒めない
15.野生のポルカ


悪魔のように美しい「女々しくて」だった。
マサムネくんはなんでこんなにカバーもすばらしいんだろう。
ついに「スピカ」と「ロビンソン」を生で聴く。「海とピンク」「エスカルゴ」「ヒバリのこころ」と好きな曲だらけ。
「ロビンソン」はこの21年思い起こして夢のように聴く。しかし21年たってこの透明感は奇跡。こんな人いない。
正直、RADやOKAMOTOSのほうが演奏技術という点だけとれば、ずっと高いのだ。でもスピッツには唯一無二のものがある。壊れそうだけど実は強い、鉱石のような輝き。それは醜悪さも哀しみも、やさしさも甘えも包みこむ。
なんというのだろう、この日のスピッツは…なぜか今まで生で聴いた中で、一番身体の中にすうっと沁み込むように入ってきて、私を潤して、涙させて、しかもとても凛々しかった。

なんと豪華、おかずデザート珍味ごはんもの、キラキラするスパークリングと熟成酒、ぜーんぶ一気にいただきました!な5時間。
すぐうしろに座ってた、推定8歳・5歳・3歳のきょうだい(+ママとパパ)が気になって、退屈してないかな?と思ったけど、トリのスピッツのアンコールが終わったあと、「あーおもしろかった。野生のポルカやったー」って推定5歳が言ってたのがたまらん可愛かった。きっと家族みんなでスピッツ聴いてるんだな。でも推定3歳のお気に入りは「ア、コ、ギ、ブー!」だそうでした。ブー、ブー!
あー日本をおおう嫌な雲も、ブー!って追い払えたらいいのに。




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by higurashizoshi | 2016-07-11 17:27 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(4)

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