ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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2年と5年

以前から予定を入れずにいた日。
昨日は父の2度目の命日であり、大切な友の5度目の命日でもあった。
不思議な偶然で2人が旅立った日が重なり、あまりにも特別な日になったがゆえに、どんな思いで、どんな姿勢でこの日を迎えるか、考え考えしつつも今年もぐんぐんその日は近づいてきた。

前夜、夢を見た。
霧のような靄のようなものが白く立ちこめた湖の上を私は歩いている。
水の上を歩いているのに沈みもせず何の抵抗もない。
歩いていく先の向こう岸に、誰かがいるように思える。
その姿は白い靄にかくれて、輪郭すらさだかではない。
けれど、そこに誰かが立っているという確信が私の中にある。

どれだけ歩けば向こう岸に着けるのかはわからない。
歩いても歩いても、先に進んでいる実感がないまま、息をしずかに吐きつつ、私は歩いていく。
不安なく、かといって幸福感もなく、ただ胸の中にしんしんとしたかすかな痛みがあった。

目が覚めた。
ああ父と友の命日だと思い、身体はまだ湖の上を歩いている感覚のままでいた。
そのとき、ごく自然に心の中で父に話しかけた。ねえ、これって何だったのと。
そしてしばらくしてから、父が亡くなって以来2年間、私は一度も心の中で父に呼びかけたことがなかったと気づいた。そして今初めてそれをしたと。
友には亡くなってから何度となく心で話しかけてきた。でも父にはそれができずにきたことすら、気がついていなかった。

自分の中で何かがほんの少し、開いたのだと思った。これまで、私は父に心を閉ざしていたのだ。
同じように父を急に亡くした経験のある友人が言っていた。
「亡くなって2年くらいは思い出すのもつらかった。でもその後、話したいときにはいつでも話せる、会いたいときにはいつでも会えるようになった。ただ父のいる場所が、この世から私の心の中に移っただけなのよ」と。

午後、海へ行った。
「どこに行きたい?」と聞くと必ず、
「海が見たいな」と言った父。
車で40分かけてこの海まで何度も連れてきた。
父は最後のころは車椅子の上から、じっと海と空を見つめていた。
昨日、その海は静かだった。雲から太陽の光芒が空へとひろがって美しかった。

父のいなくなった世界で2年。そして友のいなくなった世界で5年も生きた。
世界はこんなにも美しく、人は人を相変わらず傷つけ、同時に救い、支えもする。
海を見ながらふと気がついた。夢の中で感じた胸の中のかすかな痛みについて。
あれは《悲しみ》だったんだと。

泣き叫ぶような激しい悲しみではなく、しずかで呼吸のようなやわらかな悲しみ。けれど決して消えることのない悲しみ。
私はそれに気づいて、深く安堵した。
もうこれからは、父に話しかけることができる。そう思った。

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by higurashizoshi | 2017-11-16 12:09 | 雑感 | Comments(0)

グランプリシリーズ2017 スケートカナダ・トピック

先週末は土曜の仕事後そのまま保養関係の一泊交流会に参加、各地の被災地保養をやってる方たちと夜っぴて飲んで話して、翌日ワークショップ、夜はバッハの合唱練習へ。
というわけでまったくスケートカナダを観る時間はなく、録画していたのをようやく月曜日から観ることができました。時間をぬって男女ショート、フリーとBSでの全選手の演技録画を観て、今日やっとエキシビションを観終わったところ。カップル競技はまたもライスト観られず、CSも今月下旬まで放映ないので(相変わらず…)、アイスダンスのどうしても早く観たい演技だけ個別にyoutubeで観ました。

追記 : 前回ロステレコムの記事で動画のリンクがうまく貼れてなかったので、直接埋め込みし直しました。前回記事で動画が開けなかった方、もう一度トライしてみてください。今度は観られるはず。
(ブログへの動画の直接埋め込みって、見た目もあまり好きではなくこれまでやってこなかったのですが、今季は背に腹はかえられぬ的心境で使わせていただきます)

さて今回スケートカナダの極私的トピックとしては、まずは男子でぶっちぎり優勝した宇野昌磨選手。
フリー終わって優勝が決まってインタビューの一番最初に「今の率直な気持ちを聞かせてください!」とマイクを向けられ、
「とても眠いです」
と答えたショーマ先生。
さらには次の試合がフランスかロシアかわからなくなってアレ?と自分で笑っちゃうという天然ぶり。自分が次にどこで試合するかわかってません大先生。

ふだん音楽を自分から聴くことはない。
練習以外は外出嫌いで終日部屋にこもってゲーム。
プログラムの選曲、振り付け、衣装、どれも自分から希望を出したことは一度もなくすべてコーチ陣におまかせ。

そんな人が空間を統治し、音楽を体現するような、こんな凄い演技をする。
世界の頂点に手が届こうかという状況なのに、まるで水のように静かな心持ちをたもっているように見える(ていうか天然すぎてそう言うしかない)。ほんとうに不思議な人です。

若干《ゾーン》に入ってたのかな?と思わせるような演技だった、今回スケートカナダのショートプログラム、ヴィヴァルディ「四季」より「冬」。
得点は自己ベストに迫る103.62。
四回転フリップは加点が大きくつくすばらしい出来、続く四回転トゥーループからのコンビネーションは抑えてダブルトゥに。あとステップはレベル3でしたが、それでもこの点数。

この動画ですが、ロシアのテレビです。
なんとさきごろ引退したユリア・リプニツカヤ選手が実況の解説をしているようで、やたらに
「ショーマチカ、ショーマチカ」(ショーマくんとか、ショーマちゃんとかいう感じ)と呼び非常に彼を気に入ってる様子。ベタほめモードでした。
リプちゃんが元気そうで、早速こんな仕事をしてることがわかったのもとてもうれしい。




そして私としては、大好きなジェイソン・ブラウン選手が2位に入ったのはほんとにほんとにうれしいことでした。
四回転トゥには相変わらず苦戦しているけど、アクセル含めトリプルジャンプについては失敗がほぼない最近のジェイソン。そしてその滑り、すべての動きがますます洗練され、ただただ美しい。
目下、彼こそがクワドなしでもここまで得点を伸ばせるんだと証明して見せてくれてている存在。静謐な演技と、愛と笑いあふれるキスクラとのギャップにも、いつもながら癒される。




今回のスケートカナダのトピック、最後はアイスダンス優勝のテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組のフリーダンス演技。
フィギュアファンにとってはまさかの選曲ですよね。あのテサスコが2つめの金メダルを目指して復帰して、最後のキャリアとなるだろう今季五輪の勝負プログラムが、なんと耳タコ選曲の代名詞、映画『ムーラン・ルージュ』のサントラ。ましてや耳にタコが15個くらい重なろうかという『ロクサーヌのタンゴ』を使ってるという。

しかし忘れてました。彼らは人間界を超えた生きものでしたね。
まさに息をするのを忘れてしまう4分間。ご覧ください。





本田真凛選手は、ショートの失敗からフリーでよく巻き返しましたね。
すばらしい素質と生来の華やかさを、自分との戦いの中でぜひ昇華させていってほしいです。
本郷理華選手は、本人としてはいい演技ができてきてるのですが、回転不足に苦しみました。今回特にジャッジが厳しかった。
そして、腰の故障をかかえてひさびさにつらい試合となったアンナ・ポゴリラヤ選手。どうか回復してまたすばらしい演技が見られますように。
ペアはカナダのデュハメル&ラドフォード組が優勝。
次は早くも中国杯だ~。



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by higurashizoshi | 2017-11-01 18:17 | フィギュアスケート | Comments(2)

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