ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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スピッツ30thツアー大阪、2日目終了

遅い報告になってしまいましたが、スピッツ30thツアー大阪城ホール2日目。

台風も去り、前日の緊迫感から解放された城ホール前。
ブースの中には、30周年記念発売のオリジナルレコードプレーヤーも。これほんとにレアで可愛いです。
何も考えなかったら即買うけど…むむむ。
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これがみんなスピッツファンだというのがうれしくてこわい。
実に実に年齢層の幅が広いんですよね。
可愛らしい女子高校生グループ、大学生メガネ男子2人連れ、若者~熟年カップル、小学生とパパママ、スーツ姿のおじさま、全身ツアー歴戦グッズのマダムたち、などなど。

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さてライブの内容はというと、セトリは前日と3曲だけ変更されてました。
2日目にして初めてライブで聴く曲があったので(しかも私自身とても思い入れのある曲)うれしかったのと、1日目よりいろんな意味でリラックスしたライブになっていて、うまみが増したな~と。

どの曲もどの曲もそれぞれに感動があざやかで、ライブ途中は胸にぐっときて涙を流し、最後の方はこの幸せな時間が終わることが悲しくて泣いてた私。まさにスピッツにまみれた2日間でした。

放心状態の終演後城ホール前。
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お金と時間と幸運さえ許せば、このあと全国をどこまでも追いかけていきたい…
でもこれで私の今回のツアーはおしまい。
ツアー中のスピッツのメンバーとスタッフさんの健康と、全国で待ちわびているたくさんのスピファンの幸せな時間を祈りつつ。

2日目セトリです。宝箱のようなぎっしりセトリ!
見たくない方はこの下スルーで。





01.醒めない
02.8823
03.涙がキラリ☆
04.ヒバリのこころ
05.ヘビーメロウ
06.冷たい頬
07.君が思い出になる前に
08.チェリー
09.さらさら
10.惑星のかけら
11.メモリーズ・カスタム
12.エスカルゴ
13.ロビンソン
14.猫になりたい
15.楓
16.夜を駆ける
17.日なたの窓に憧れて
18.正夢
19.運命の人
20.恋する凡人
21.けもの道
22.俺のすべて
23.1987→

[アンコール]
24.SJ
25.春の歌





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# by higurashizoshi | 2017-07-07 18:57 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(0)

スピッツ30thツアー大阪、1日目終了

現在、スピッツ30thツアー大阪城ホール2日目に向かって東へ移動中。
昨日は心配した台風も何とかなってくれて、電車の遅延もなく、時間通りにライブもおこなわれ…ほっといたしました。昼間の雨風はすごかったけれどもね。

昨日、城ホールの前に梅田・茶屋町のタワレコへ。
予想通りスピッツカフェは朝から整理券が出ていてまったく入れなかったけど、集っているたくさんのスピッツファンの楽しそうな様子を見てるだけで幸せな気持ちになった。

入口正面。
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この奥がスピッツカフェ。
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スピッツの森。
ファンからのメッセージに埋もれる4人の男。
私たちも1枚ずつ書かせてもらいました。
娘のメッセージを見たら「母も私もスピッツ大好きです!小さいときから聴いてきて…」とか書いてある。感慨深い。
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こちらにもファンからのメッセージがいっぱい。
こういうの、スピッツのメンバーは全部読むのかな…?
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城ホール前に着いたのが5時過ぎ。意外にもわりとすんなりグッズ売り場などが入った「城見ホール」に入場できた。
いくつかグッズを買ったりポータブルレコードプレーヤー(可愛い!)の現物を見ることができて満足、満足。
さすがに中はすごい人波だったけど、やっぱりスピッツファンって全体的に穏やかな雰囲気なのよね。殺気立ったりする感じはまったくなし。

さていよいよ城ホールへ。
スタンドのものすごーく後ろだったけど、ほぼ正面席だったので全体が見渡せてよかった。

ライブは…
感想の言葉が簡単に見つからない。
30周年にふさわしい曲選びで、まず聴けないと思っていた曲がたくさん聴けて、それでもまだまだあれもこれも聴きたかったとか、スピッツってほんとに名曲がとめどもつきずあるなって改めて思い…

マサムネくんの声の伸びが素晴らしかった。バンドサウンドには余裕すら感じられた。
楽しい音。走り続ける音。衰えどころか、どこまでも成長していくスピッツ。
なぜかライブ途中から泣けてきて仕方がなかった。

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さてもうすぐ大阪城公園駅。
今日はアンコールで何が聴けるかな。
昨日よりは落ち着いて聴けるかな。

以下、昨日のセトリ。
見たい方だけどうぞ。




01.醒めない
02.8823
03.涙がキラリ☆
04.ヒバリのこころ
05.ヘビーメロウ
06.スカーレット
07.君が思い出になる前に
08.チェリー
09.スターゲイザー
10.惑星のかけら
11.メモリーズ・カスタム
12.エスカルゴ
13.ロビンソン
14.猫になりたい
15.楓
16.夜を駆ける
17.日なたの窓に憧れて
18.正夢
19.運命の人
20.恋する凡人
21.けもの道
22.俺のすべて
23.1987→

[アンコール]
24.SJ
26.君は太陽


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# by higurashizoshi | 2017-07-05 15:24 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(2)

明日からスピッツ30thツアー大阪2days

ついに始まってしまった、スピッツの結成30周年記念ツアーライブ。
7月1日静岡が初日で、明日あさっての大阪城ホール2日間がその次のライブになる。
前回「醒めない」ツアーはファンクラブ(スピッツベルゲン)会員だったのに全落ちで涙を飲んだので、今回はネットの方のファンクラブにも入会し、その両方で挑んだ結果、みごと城ホール両日のチケットをゲット! しかし、ファンクラブ枠なのに席は…スタンドだしめっちゃ後ろだったのがまた涙目。いや、それでも2日間続けてライブに行けるだけで幸せじゃないか!と自分に言い聞かせつつ、いよいよ明日ですよ明日。

明日は姉と娘たちというガッチリ家族スクラムで参加、あさってはひとり参加なので、グッズに並ぶのとかファンクラブブースの抽選会とかは、あさって孤独に参加することにした。
もともとグッズ的なものにはそんなに食指が動かないタチなんだけど、今回はやっぱり30周年ということで、手元に置いておきたいな~と思うものをいくつか買おうと思う。
明日は女4人組でまずは梅田茶屋町のタワレコに行ってスピッツカフェを外から見学(絶対明日あさっては行列過ぎて入れないはず)、店内のパネル展とか見て士気を高めてからおもむろに城ホールに向かうという計画。
なんだけど…

来てます来てます台風!
けっこうドンピシャな感じで関西に向かってますやん。
それでなくてもすぐ《きっとうまくいかない》と思ってしまう性格、というか心のクセを持つ私。

電車が遅れるかもしれない…
いや、止まってカンヅメに…
なんとか城ホールにたどり着いてもライブが中止に…

そんなことばかり考えてしまうんですわ。
台風?きっと大丈夫!明日が楽しみ楽しみ~♪
と思える性格だったらどんなにいいことか。
明日から2日間、30周年、と思うだけでも緊張して胃が痛くなりそうなのに、台風~!


ずっとこのところヘビロテしてる、新曲2つ。
もし未聴の方がおられたらぜひ。

とてもスピッツらしい、涼やかひねくれで実は深い「ヘビーメロウ」



結成年をそのままタイトルにし、インディーズ時代の曲を織り込んだ「1987→」
この曲もMVもファンには宝もの。何度見ても胸しめつけられ、ありがとうと繰り返したくなる。



最近、とみにスピッツにあらためて感動し、感謝の思いを捧げている私としては、ものすごく思い入れのある、大切な明日からの2日間。
どうか無事に彼らの音楽をこの身と心に受けることができますように。



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# by higurashizoshi | 2017-07-04 02:51 | 観る・読む・書く・聴く | Comments(0)

加子母明治座クラシックコンサート

いや~、またもやご無沙汰してしまいました。
気づくと、島旅記録を書き上げてから、はや1ヶ月以上。
なんせ、仕事が3つに増えちゃった上、新しく合唱団にも入ってしまったり、忙しいの嫌いなのに自分で自分を追い込むことになっており。
その間に、世間はいろいろとキナ臭い動きが起きていて、私たちがお互いを監視する社会を作るような法律が着々と作られようとしています。なんだか先行き暗く思えることばかり。

私自身は明日から今夏の保養キャンプにそなえて福島行きなのでその準備でドタバタしてるのですが、これだけは書いておきたいと思い、先日行った「加子母明治座」でのクラシックコンサートのことをちょっとだけ。こんな楽しく輝く時間があったことを忘れたくなくて。

去年、岐阜県は加子母(かしも)村にある芝居小屋「明治座」での年一回のクラシックコンサートに友人が行っていたく感動し、すぐに写真を送ってくれたのがはじまり。農村歌舞伎の芝居小屋でクラシック!という新鮮さにも心ひかれ、今年は私も行ってみることにしたのでした。

訪れた6月11日は、コンサートの2日目。
お天気にも恵まれ、田植えの終わったばかりの苗の緑と、真っ青な空が美しい。
向こうに見えるのが明治座です。
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これが明治座の建物。こぢんまりとして端正です。
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中の様子。コンサートが始まる前にパチリ。
素朴にして丁寧な作り。大切に修復され、使われている様子がしのばれます。
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120年以上の昔、地元の方たちが力を合わせて山から切り降ろしてきた材木が使われているそうです。美しい。
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第19回を数えるというクラシックコンサート、今年の演目。
ハイドン、ヴィヴァルディ、バッハ。
オーボエとクラリネットの協奏曲、チェンバロの協奏曲など、日頃あまり聴く機会のないユニークな曲ばかり。
バロック専門の合唱団に最近入った私としては、かなりぐっとくるプログラムでした。
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なんといっても、小編成オーケストラの皆さんがとてもいい音を奏で、しかもすごく楽しそうに演奏しているのがよかった!
こんなに奏者が楽しそうに弾んでいるコンサートは初めてでした。
チェンバロも生で初めて聴くことができ、そのつつましく気品ある音色にうっとりしました。
チェンバロ奏者の方は、なんと加子母村に住んでおられるそうです。

アンコールでは、クラリネット奏者のお二人がなんと花道から小走りで登場。
しっかりと歌舞伎の見栄を切って見せてから演奏に入る、というサービスぶりで、こういう「遊び」の部分もほんとに楽しかった。

コンサート終了後、20年しかもたないという屋根板を、1枚500円で寄付するというのに参加しました。住所と名前を板に書いて、あと18年くらいで屋根の葺き替えのときにこれが使われるのだそう。

18年…

生きてるかな…
生きてたら何してるかな…

と、友人と話したりしました。

これがその板屋根。ちょっとわかりにくいけど、瓦屋根の向こうに石で重しをしてる部分です。
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明治座の奥の山は、なんともいえない清涼な空気が流れていました。
気持ちいい。
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帰りには腰を抜かすほど美味しい近江牛を夕食にいただき、1日だけの短いけれど充実した旅が終わりました。いつもいろんな楽しい場所を教えてくれる友人に感謝です。

さて、明日は福島。
旅支度をせねば。



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# by higurashizoshi | 2017-06-16 19:50 | 旅の記録 | Comments(0)

五島列島 小値賀島・野崎島への旅 4

長々とつづってきました今回の旅の話も、これで最終回(たぶん)。
いつも「ブログなんて長いと誰も読んでくれないよ」と人から言われるので、そうよねーと思い、今度こそ短く書こうと思うんだけど… なんか、長くなっちゃうんですよねえ。だから途中であきちゃう人もいるんだろうなあ。まあ、気が向いた方はもう少しおつきあいください。

さて、野崎島でアクティブなエネルギーを使い果たし、あれこれ感じ考えすぎてボー然状態で小値賀島に戻った私。小値賀での1泊2日はもうひたすら、なすがままに過ごそうと決めていた。
目的なし。急ぐ用なし。何にも考えず、のんびりと。
そもそも、最初に書いたように野崎島が大きな目標すぎて、小値賀島のことは何も知らないまま来てしまったので、島の地図すら現地でもらって初めて目にした始末。

小値賀島での宿は、「愛宕」という民宿に予約をしていた。
愛宕のご主人が港まで車で迎えに来てくださっていて、ラクチンで宿まで。ああ、なんだこの極楽ぶり。自分で歩かないってなんて楽なの。そもそもあちこちに人がいるし!
そう、人がいるってすごいことなのだと思った。人がいるって、ものすごい安心感だ。もちろんストレスにもなりうるわけだけど、このときの私には、あったかいお風呂に急にチャポンと入ったかのような、心がほとびるような感覚があった。

着いた民宿「愛宕」さんは、なんと目の前に野崎島がドーン!
小値賀港からかなり離れていて、ちょうど野崎島側の別の漁港に面していたのだ。さっき別れたばかりなのに、どこまでも縁があるわね野崎島。
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素朴なお宿に落ち着き、そのあとは付近をぶらぶらと散歩したくらいで、ぼよーんと過ごした。
お散歩中にも、あちこちで行きあう人がみんな「こんにちは」と言ってくれる。あたたかい。
庭先の花にも、人の住む気配を感じる。
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とはいっても、小値賀島も過疎に悩む島だそうで、今の人口は2600人ほど。
確かに、散歩しているとところどころに、空き家らしい建物が目立つ。

まるで、昭和の街並みにタイムスリップしたような。
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家の前にこんな木があるって、やっぱりここは南の島なんだなあと思う。
すんごいっすよ。
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その夜は、小値賀の新鮮なお魚づくしの美味しい夕飯をいただいた。
脱力しすぎてて、写真撮るの忘れました。特に美味しかったのが、白身のお刺身を小さく切ったのを、超たっぷりのすりたてのゴマとお醤油・みりん・お酒であえたもの。これをお茶漬けにするのが、五島列島ではポピュラーな食べ方なんだそうだ。これはもう、永久に食べ続けられそうなくらい旨かったです。


一夜明けて。
元は漁協勤務だったという愛宕のご主人が、「魚のあがるとこば見ますか?」と、朝の小値賀港に連れて行ってくれた。
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最近は漁獲量が減っているのでさびしいとのこと。でも小値賀の魚は東京などにいくと高級魚として人気があるのだそうだ。
これから東京の居酒屋に直送されるという魚たち。
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南の海らしい鮮やかな色の魚。
名前を聞くと、「ヨメ」というんだそうだ。なんでヨメなんですか?と聞いたら、
「色がきれいかやけん」
だそうだ。ふふふ。
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宿に戻ると、ご主人が「今日はほかにお客もおらんけん、このあと島をひととおり案内しますよ」と言ってくださる。なんて親切な! もう、なすがままに連れていっていただくことに。
笑顔のやさしい奥さんにあいさつして荷物を持ち、完全無欲な状態で車に乗り込む。

車で回る道々、いろいろなお話を聞いた。小中高とひとつだけ公立校がある小値賀島だが、子どもの数がどんどん減っているうえ、働き口がないため高校を卒業すると100%島を出るのだそうだ。愛宕のご主人の二人の娘さんも、島を出て遠くで家庭を持たれているとのこと。
逆に、ゆったりした暮らしを求めてよそから小値賀島に住みつく若い人もいる。特に農業はなかなか人気があるという。

島のあちこちに牛がいる。ここで育つと、肉牛として遠隔地に運ばれるそうだ。
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「地ノ神島神社」。
野崎島にある、「海ノ神島神社」と一対をなす社だ。
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海の際に立つ鳥居。
対岸はるかに、野崎島の鳥居と向い合わせになり、飛鳥時代ともいわれる昔からこの海の安全を見守っている。
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鳥居をくぐり、ごつごつの岩の浜に出てみる。
遣唐使も通ったという海峡。なんだか敬虔な気持ちになる。
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牛の塔。
ここの由来は、前々日に小値賀の民俗資料館で聞いていた。
鎌倉時代、もともと二つの島に分かれていた小値賀島をひとつにするための干拓工事が行われた。大変な難工事で、使役のために何万頭もの牛が犠牲になった。その亡くなった牛の数の石ひとつひとつに経文を書いて積み、その上に供養塔を建てたのだという。
牛たちを供養し続けてきた、小値賀島の人々のやさしい心が思われる。
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赤浜海岸。
その名の通り、ほんとうに海辺が全部赤い!
この島が火山の噴火でできた名残りなのだという。
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こちらは、柿の浜海水浴場。
なんとも素朴でかわいらしい海水浴場だ。きめ細かな砂も、打ち寄せる水もきれい。
夏には島の人でいっぱいになるという。
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車は橋を渡り、隣の小島、斑島へ。
ここで有名なのが「ポットホール」。
ポットホール…って何じゃ?

この海べりの岩場にあるのだそうだ。
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岩によじのぼり、裂け目から見下ろすと…
うわおお!
なんすかコレは!?
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この裂け目の底に見えるのが、ポットホール。地元では「玉石様」として信仰の対象になっているのだそうだ。
いつの昔からか、この裂け目の奥で石が波に洗われてクルクルと回り、回り、回り…いつしかまん丸の玉石様に。クルクル、クルクル…何十年、何百年、いやもっと?
これ、底まで3m以上と相当深くて、玉石様は直径50cmくらいだそうだ。
しかし、この玉石様のもとになった石は、どうしてここにあったの?誰かが入れたの?周囲の石からはがれたの? …誰か教えて~!

今度は、車はもうひとつの橋でつながった小島、黒島へ。
ここの金毘羅宮が展望台になっているのだという。
愛宕のご主人、あちこちへ車を走らせてくださるが、必要なときだけ案内してくれ、ほとんどは「どうぞごゆっくり」とご自分は車で待機。マイペースで見て回りたい私には、これがすごくありがたかった。
黒島の金毘羅宮への石段。新緑が美しい。
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素朴な展望台があって、そこに陶製の地図が。
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ここは国境の島、という言葉が思い出される。
小値賀港が一望。
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車に戻り、昼はどこで食べられるとですか、と聞かれたが、本日まるごとノープランの私。
「ふるさと」を勧められたが前々日に行ったので…と言うと、「おーがにっく」は友だちがやっとる店やけん、どうですかと言われる。
その店!実は前々日に小値賀のメインストリートを歩いたとき、目をつけていたのであった。というか、目をつけざるをえない店構えであったのだ。
これが前々日、その衝撃に思わず撮影した「おーがにっく」の店の前のメニュー。
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どうですか、すごいでしょう。名状しがたい多彩さとディープさ。
イノシシとトルコライスとウニとラーメン、そして鯨!

そうか、あそこの店主さんとお友だちだったのか。でも愛宕のご主人、野崎島の管理人の前田さんともお友だちだったね。なんだかみんな、つながってるね…
「トルコライスってなんですか?」と聞いてみたら、「食べたことないけん…」との答。そしてご主人、聞いてみますよと即、スマホを取り出し「おーがにっく」の店主さんに電話。
「トルコライスっていうんは、トルコと関係があるんね?え、ない?トンカツとスパゲッティ?」等の対話ののち、
「まあ、食べてみたらわかるんじゃないですかねえ」
ということであった。

小値賀島一周の観光の旅終了。港の近くのしみじみした海産物屋さんの前で、車から降ろしてもらった。なんとまあお世話になったことだろう。「愛宕」のご夫妻、ほんとうにありがとうございました。

笑顔のすてきなおばさまの海産物屋さんでいろいろとおみやげを買いこみ、ここでも親切にも「お昼食べに行かれるなら荷物預かりますよ」と言ってくださる。忘れたら大変…と私が言うと(これはポカが日常の私にとってはごくリアルな話)おばさまはカラカラと笑って、
「3時の船でしょう。忘れてたら港まで持ってってあげますよ」
と何でもないことのように言われる。うーん、あったかい。

まだお腹が空いてなかったので、しばらく港近くの裏通りをぶらぶら。
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ええ時間が流れとるねえ…
と思って歩いていたら、一軒の家の前に数人の人たちが集まってなにやら相談中。
そこを通り過ぎようとすると、ひとりの男の人が私の顔を見てやおら、
「あんたええとこに来たね。この家もらわんね。ただよ!」
とニコニコして言うではありませんか。
「え、突然!?」
思わず話を聞いてみると、しばらく前にこの家の住人のお年寄りは亡くなられ、遠くに住むお子さんが、誰かもらってくれる人がいれば無料でこの家をあげたいと言われているとのこと。
「どうね、いい家よ。もらわんね。ただし、ここに住んだらお姉さんが会長さん」
会長?
聞けば高齢化で町内会長のなり手がいないので、この家を譲る条件は、町内会長になることなんだそうだ!
と、そこへ通りかかった数人のおばあちゃん連。「なんね、なんね?」
「いや、このお姉さんに、この家ばもらわんねと…」と男の人がいいかけると、おばあちゃんのひとりがにべもなく、
「この家はダメね!根太が腐っとる!」
とバッサリ。
すると男の人も負けてない。
「お姉さん、あっちの家はしっかりしとるよ。あっちも空き家やけん、古民家やけん」
と売り込む。
「でも、リフォームしないと住めないですよねえ」と言うと、一緒にいた役場関係らしき人がすかさず、
「いや、空き家に住んでいただく場合、リフォームに町から200万出ますから」。
「ほら、200万出るとよ!どうね!」
「いや~急に言われてもねー」
なんだかんだと、お互い軽口合戦になり、笑いのうちに解散。

おそらくこの島のかかえる切実な問題をはらんでいるのだけど、なんだろう、こんなふうに行きずりの旅行者の私に声をかけてこられるフレンドリーさがなんとも楽しい。
そして、この島に住んだらどんな毎日がありうるんだろう?と、現実離れした空想がふと頭をよぎったりもして。

さて、ほどよくお昼どきのお腹になってきたので、いよいよ懸案の「おーがにっく」へ。
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うーん、この脱力した《構えてません》感がなんとも。
店の前にはさきほどの写真のメニューが掲げられてるわけですよ。
こちらが店内。
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店内あちこちにもメニューあり、洋食、中華、酒のつまみ、とんこつラーメンから小値賀の海の珍味まで、この幅広さに脱帽です。
なかなか雰囲気のあるご店主、いろいろおしゃべりしているうちにびっくり!なんとこのご店主が前々日行った民俗資料館の、初代学芸員だったとのこと。長年考古学を研究され、小値賀島と野崎島の古代からの歴史についてたくさん論文も書かれていて、店内に置いてある文献をいろいろ見せていただいた。
考古学研究から、なぜ食べもの屋さんに?と尋ねると、
「小値賀には休日にお昼を食べられる店がほとんどないんですよ。もともと発掘作業で料理は作り慣れてたし好きだったので…」
とのこと。今も研究の方もぼちぼちと続けておられるそうだ。

さてお昼なにをいただこうか、と考えて、トルコライスの中身を聞くとかなり濃厚そう。カツにナポリタンにサラダか…もうちょっと疲れてなければトライするところだけど。
ご店主が、「さっき港から来た小イカがあるんで、それをバター焼きにするのはどうですか?」と提案され、それは美味しそう~とお願いすることにした。
今朝見に行った港からあがったばかりの、可愛らしいイカ。これが絶品でした!
(思わず食べちゃったあとで撮ったので、イカ減ってますけど)
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うまいうまいとモフモフ言いながらいただいたあとで、テーブルの上のメニューの一点に眼が止まる。
むっ!?
「カメの手!」
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このカメの手、バルセロナの市場の魚売り場で何度か見たんですわ。
ぎょえー、スペインではカメの手食べるんか!と娘たちと盛り上がったものの、調理法もわからず手出しはできぬまま。その後、高知に行ったときにも売ってるのを見た記憶があり、日本でも食べるんか!と思いつつそのままになっていた。
「カメの手、どうやって食べるんですか!?」
と勢い込んで聞くと、いたずらっぽく微笑んだ店主さんがすぐにサッと湯がいて出してくれた。
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腕部分(!)をピリッと裂いて、中から出てくるオレンジ色の部分をぱくっと食べる。
濃い海の味がして、コリッとして、
「おっ旨い!カメの手!」
しかし…
「これね、カメの手じゃないですよ」
と言われて
「?」
なんと、これは岩場に生息する甲殻類で、カメの手そっくりなのでこの名前がついたんだそうだ。にゃに~!? カメの手ちゃうんかい! 長いことだまされとった…
でも、バルセロナ以来の課題が思わぬところで解けて、あーこれもたぶん一生忘れないなあと思ったのだった。

すっかり長居して(お昼どきなのに誰もお客さん来なかったね…)興味深いお話をいろいろ聞かせていただき、店主さんにごあいさつして「おーがにっく」を出る。
いよいよ船出、帰路につく。
海産物屋さんのおばさまにお礼を言って荷物を受け取り、港へ。

小値賀の漁の無事を祈る、小さな社。
お世話になりました、小値賀島。ほんとうにいいところだった。
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行きは高速船だったが、帰りはフェリーでゆっくりと。
さて乗りましょうかねと船着き場に行ったけど、誰もいないし船もない。アレ、もう出発時間迫ってるのにおかしいな。
と思っていたら、ターミナルの「おぢかアイランドツーリズム」の職員さんがあわてて走ってこられた。
「フェリー、あっちですよ!」
私、あらぬ方向の別の船着き場に行ってたのね。ほんとに最後までお世話になりました。今日最後の便でっせ、乗り遅れたらエライことやっちゅうねん。
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フェリーの2等船室というのは、何かそういうきまりごとでもあるのか、乗り込むや否やみなさんじゅうたん敷きの床の上にやおら横になって毛布をかぶるんですね。きっと多くの人はこの航路が日常で、ここは休むとこ、となっているのだろう。
旅人としては、デッキに出て島との別れを惜しむほかない。

あっという間に小値賀島、野崎島は遠ざかっていった。やがて平戸をへて、陸路へ。そして長い時間をかけて九州から本州へと戻っていく。旅が終わる。
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今、帰りついて10日以上がたち、すっかりいつもの忙しい生活に戻った中でも、ふと島の感覚がよみがえることがある。
夜明けの島の空気。島じゅうに響く鳥の声。人のいない野崎島と、人のあたたかな小値賀島。突き抜けるような不安と怖さと、楽しさと。たったひとりで経験した旅の匂い。
私の身体や心の深いところで、きっとこの感覚は生き続ける。


*****

小値賀島・野崎島への旅の記録、これにて終了。
いや~長かったですねえ。
全部読んでくださった方、ありがとうございました。
国別対抗戦のことを書くよりもこちらを優先したので、フィギュアについてはまた今季を振り返るような形で書けたらいいなあと思っています。




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# by higurashizoshi | 2017-05-02 09:55 | 旅の記録 | Comments(2)

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