ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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グランプリシリーズ2016 第1戦・スケートアメリカ

さて、グランプリシリーズは第2戦のスケートカナダが、もうまさに始まろうとしてるところ。
遅ればせながらの、第1戦スケートアメリカについてです。
シングル、特に男子は、しょっぱなからぶっとばしてくれましたね~。いまだに感動の余韻が引かないくらいです。
ペア、アイスダンスについては、ライスト観られなかったので、いつもながら後日放映されるCSを待つことになりますが、とりあえず結果を載せておきます。放映では冷遇されているカップル競技を先に書こう。そして贔屓でアイスダンスを先に書こう。


スケートアメリカ2016 アイスダンス結果

第1位 マイア・シブタニ&アレックス・シブタニ(アメリカ) 185.75
第2位 マディソン・ハベル&ザカリー・ダナヒュー(アメリカ) 175.77
第3位 エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビヨフ(ロシア) 174.77
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第4位 シャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファブリ(イタリア) 165.44
第5位 エレーナ・イリニフ&ルスラン・ジガンシン(ロシア) 165.16
第6位 イザベラ・トバイアス&イリヤ・トカチェンコ(イスラエル) 161.99
第7位 エリアナ・ポグレンスキー&アレックス・ブノワ(アメリカ) 151.76
第8位 村元哉中&クリス・リード(日本) 147.37
第9位 アリサ・アガフォノワ&アルペル・ウチャル(トルコ) 146.10
第10位 ユラ・ミン&アレクサンダー・ガメリン(韓国) 141.50

シブタニズは昨シーズンの脱皮から好調キープのよう。今シーズンのプログラム未見なので楽しみです。2位のハベドノとの差がほぼ10点て。ほんとシブタニズの評価変わりましたね。
3位ボブソロはフリーでミスがあった模様。5位イリジガ、今回はメダルに届かず。かなちゃんとクリスは8位立派です。どんどんうまくなる二人。9位アガフォノワ&ウチャルはトルコの政情不安で練習拠点を移したり大変そうでしたが、今シーズンはどうなのだろう。ともかくも来月のCS放映を楽しみに待ちます。


スケートアメリカ2016 ペア結果

第1位 ジュリアン・セガン&シャルリ・ビロドー(カナダ) 197.31
第2位 ヘイヴン・デニー&ブランドン・フレイジャー(アメリカ) 192.65
第3位 エフゲーニャ・タラソワ &ウラジミール・モロゾフ(ロシア) 185.94
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第4位 ヴァネッサ・ジェームス&モルガン・シプレ(フランス) 174.65
第5位 クリスティーナ・アスタホワ &アレクセイ・ロゴノフ(ロシア) 174.52
第6位 タラ・ケイン&ダニー・オシェイ(アメリカ) 173.50
第7位 マリッサ・キャステリ&マーヴィン・トラン(アメリカ) 171.95
第8位 ヴァレンティーナ・マルケイ&オンドレイ・ホタレック(イタリア) 169.69


カナダのセガン&ビロドー組がグランプリシリーズ初優勝です。まだ若いペアで、女性のセガン選手は2014-15シーズンまではシングルでもグランプリに出てましたね。
2位のデニー&フレイジャー組も若いペア。女性ヘイブンのお姉さんは元アメリカチャンピオンペアのケイディー・デニー。すごい姉妹でござる。ヘイブンさんは練習中の大ケガのため昨シーズン欠場、復帰シーズン最初のグランプリでいい成績だったんですね。よかった。
高橋成美選手と組んでいたマーヴィン・トラン選手、組み替え3年目。なかなか上位には来られませんが、確実にグランプリには出場してきてます。


さて、男女シングル。まずは女子。

スケートアメリカ2016 女子シングル結果

第1位 アシュリー・ワグナー(アメリカ)196.44
第2位 マライア・ベル(アメリカ)191.59
第3位 三原舞依(日本)189.28
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第4位 ガブリエル・デールマン(カナダ)186.63
第5位 グレイシー・ゴールド(アメリカ)184.22
第6位 浅田真央(日本)176.78
第7位 セラフィマ・サハノヴィッチ(ロシア)163.84
第8位 パク・ソヨン(韓国)161.36
第9位 ロベルタ・ロデギエーロ(イタリア)149.13
第10位 村上佳菜子(日本)145.03
第11位 アンジェリーナ・クチヴァルスカ(ラトビア)134.97


盤石の強さのアシュリー姐さんが、自国の歓声を背にがっちりと優勝。今季またショートもフリーも実に今の彼女に合った、いいプログラムをそろえました。
特にフリー、museの「エクソジェネシス交響曲第3部」はジェレミー・アボット選手がすばらしいプログラムにしていて記憶に新しいところ。アシュリーは滑りで見せるかわりに、演技力で見せる。ジャンプも好調で、すべてにおいて危なげないパフォーマンスでした。
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2位、3位は、いわばダークホースの新鮮な顔ぶれになりました。
マライア・ベル選手は代替出場で、グランプリはこのスケアメのみ。無心で臨んで最高の結果がやってきましたね。もともと全米などで毎年見ていて、力のある選手だなと思ってましたが、今回ほんとうにのびやかな滑りでぐんぐんノーミスで最後までいきました。
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本人もびっくりは三原舞依選手も同様。重い神経の病気を患っていて、復帰したばかりとはとても思えないすばらしい出来。特にショートは、最初の3×3がダイナミックに決まってパーッと笑みがこぼれた瞬間からは羽が生えたようで、一気に最後まで羽ばたいていっちゃいました。
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所属リンクが神戸なので、彼女の演技はジュニアのころから何度か生で観てますが、ここまで伸びる選手になるとは正直感じてませんでした。うーんうれしい驚き。どこまでいくか、今後が楽しみ。

浅田真央選手は6位。左ひざに継続的な痛みがあるそうで、ジャンプが決まらないのがつらいです。今季はスペインの作曲家、ファリャのバレエ音楽のアレンジ違いをショートとフリーで滑るという新たな挑戦。ジャンプが入ってくればかっこいいプロになりそうです。
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それにしてもこの高度なステップがなぜレベル3なのか、どう考えてもよくわからない。今回スケアメのジャッジはかなり厳しかった印象です。
真央さん、苦しい時期だと思うけれど周囲の雑音を気にせず、自分の納得だけを追いかけてほしい。

村上佳菜子選手は11位という結果。本人の努力にもかかわらず今回は負のループに入って出てこられなかった印象です。跳べたジャンプも回転不足がいくつも取られてしまい、プログラム途中から身体も表情もどんどん固くなっていくのが痛々しかった。身体も才能も文句なくすばらしい彼女、どこかで突破口が見つかるといいなあ…。

女子はいろいろすっとばして(すみません)、いよいよ男子へ。


スケートアメリカ2016 男子シングル結果

第1位 宇野昌磨(日本)279.34
第2位 ジェイソン・ブラウン(アメリカ)268.38
第3位 アダム・リッポン(アメリカ)261.43
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第4位 セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)245.28
第5位 ボーヤン・ジン(金博洋)(中国)245.08
第6位 ナム・ニューエン(カナダ)239.26
第7位 マキシム・コフトゥン(ロシア)230.75
第8位 ティモシー・ドレンスキー(アメリカ)226.53
第9位 ヨリク・ヘンドリクス(ベルギー)224.91
第10位 ブレンダン・ケリー(オーストラリア)211.76


今回、上位3人のみならず、特にフリーは神がかり的な時間が流れた第2グループ。
今思い出してもどきどきします。

4位になったヴォロノフ選手のフリー「エクソジェネシス交響曲第3部」。
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前から言ってますが私、ヴォロさん大好きなんですよ。彼のスケートが、というより彼の人となりが好き。
偶然アシュリー・ワグナー選手のフリーと同じ選曲になった「エクソジェネシス3」は、museファンとしてはどんだけ聴いたかわからんくらいの曲。そしてこの曲をヴォロさんが滑るというのは、ちょっとびっくりでした。謎のつぎはぎ曲でダイナミックに謎プログラム、が定番だった彼が!?と。
今回初見でしたが、これがよかったんですよね~。ジャンプもほぼノーミスで、いい方のヴォロさんだったし、しっとりと抒情的にこの曲を表現していて、とても感動しました。これからはヴォロさんのスケートも好き、と言い直さねば!


結果は3位だけど今回スケアメ男子のすばらしい演技群の中で、私がもっとも心うばわれ最高位にしたかったのは、アダム・リッポン選手でした。
特にフリーの「フラミンゴの飛来」とコールドプレイの「O」を組み合わせたプログラム。最初の立ち姿からはっと息を止めてしまい、あとはただ夢の中を流れていくように彼の表現の世界に入り込んでしまいました。すぐれた舞踏や演劇を見ているときと同じで、まったく時間も空間も忘れてしまう。そんな体験をしたのはひさしぶりです。
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彼はゲイであることをカミングアウトしてから、自分を表現する方法を模索してきたように感じられ、前2シーズンはその模索のただなかだったのかなと。そしてついに、性差やさまざまな束縛を超えてこの芸術的高みをつかんだと思えてなりません。
今回のフリー演技、未見の方はぜひこちらをクリックして観てください。

もうひとつ、今回のフリープログラムの原型になったと思われる、リッポン選手のプライベート的な動画があり、これは「O」だけを滑ってるのですが、これがまた実に官能的で《ヤバい》です。ティッシュをご用意のうえ(涙もしくは鼻血対策ね)、こちらをクリックしてぜひご覧ください。

リッポンくんはずっと4回転ルッツにこだわってきたのですが、今シーズンはそれを封印して、今までやってなかった4回転トゥループを得点源として盛り込む作戦に出ました。その意味でも、新しい彼のスケートの道が拓けたといっていいと思います。
今回は冒頭のクワドトゥは転倒に終わりましたが、それでもこれだけの点数が出たこのプロ。クワドトゥが入ったときにはさらに高得点が期待できます。


さて、リッポンくんの演技の余韻がまったくさめない状態のまま、氷上に現れたのが宇野昌磨選手。会場も自国選手のすばらしい演技にヒートアップしてる様子で、しかもショーマは直前6分間練習ではことごとくジャンプが決まってなかった。はたして…?とかたずを飲んで見守りました。
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ピアソラの「ブエノスアイレス午前零時」の最初の一音が鳴りだすやいなや、いつものように「かきーん」と音が鳴るようにスイッチオン。この一種の憑依状態みたいなやつ、ショーマはいつもどうやって作りだしているんでしょう。こういう憑依系の選手って、大ちゃんもそうでしたが、おそらく《演技してやろう》と思ってやっているのではないんだろうなという気がします。(あ、まっちーは《演技してやろう》と思ってやってる気がする。いい意味で、ですよ)

そしてショーマはピアソラの音を実に小気味よく自分の身体で刻みながら、冒頭4回転フリップ成功、次なる4回転トゥ×3回転成功、なんだか別次元の動力によって動いてるみたいにするするとジャンプを降りていき、こりゃ大変だ、もしかしてパーフェクトなの?と思った終盤、トリプルアクセルからの3連続の最初でいきなり、ぷしゃっとこけました。
そのあとショーマ笑ってましたね。どないなってるねん、笑うって。でも笑った瞬間以外は憑依したままでした。そして最後のスピンを終えると、はい解凍~。「失敗しちゃった!」中学生みたいにかわいらしくなっちゃいました。(フリー演技、ここをクリックしてぜひ。)
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もしあのコンボが転倒でなくなってなかったら、フリー200点台に乗ってたかもです。いまや高速で世界のトップに駆けあがったショーマくん。トリプルアクセルに苦戦してたのはついこの前のことなのに。
そして、リッポンくんの官能的芸術表現とはまたちがう、ショーマの表現。清々しいのだけれど情熱的で、観る人をぐーっと引き寄せてしまう。
それから強心臓であるところも、彼のすごい長所。演技のとき以外は淡々と、ひょうひょうとしていて、不安がったり弱気になったりすることとは無縁に見える。もちろん今はまだまだ、年齢的にトップを追う立場だからというのもあるだろうけれど。


ああ、もうこのフリーは何なの?すごすぎる、と思ってたら、最終滑走ジェイソン・ブラウン選手。
はい、そうでした。私が一番楽しみにしてたジェイソンが最後にいたんでした。
ジェイソンは昨シーズン腰の痛みのためNHK杯も全米選手権も欠場。もちろんワールドにも出られず、フリープログラム「愛の香気」は持ち越しに。
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ひさびさに見たジェイソンは、ぐっと大人びて、男っぽくなっていた。そしてついに4回転トゥループを跳んでみせた(あとでわずかに回転不足だったことがわかったけれど、見たときは完璧なクワドトゥだと思えた)。
この回転不足以外、まったく疵のない、すべてがつながった美しい美しい演技。ともかくすべての姿勢、形が美しい。なんという心地よさ、幸福感。そう、ジェイソンのスケートはいつも私に幸福感をくれる。
演技終了直後、リンクのドアを開ける係の女の人が感動のあまり泣き出しちゃって、ジェイソンが彼女をハグするという一幕も。いやーわかるわ。私もあの距離で見たら泣いてるわ。未見の方はここをクリックしてご覧ください。


ほかにも、今回はジャンプ絶不調だったボーヤン・ジン選手が次回からはまた上がってくるに違いなく、全米の貴公子ティモシー・ドレンスキー選手もとってもよかったとか、いろいろ触れたい選手はいるのですが… このへんで。
ほんとうにすごいフリーでした。初戦からこんなので、心がもつかしらと心配です。



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# by higurashizoshi | 2016-10-28 20:54 | フィギュアスケート | Comments(2)

グランプリシリーズ開幕

倉敷のあと、徳島にスペシャルな日帰り旅をして、林家一門会の落語会やら、すばらしい街並み散策をした話を書こうと思いつつ忙しさの中でびゅんびゅんと日は過ぎて。
はっと気づくとついにグランプリシリーズ開幕!
そして第1戦のスケートアメリカ…
が、終わってはや3日。

早く早くと思いながら、昼も夜も、なんで!?と思うくらい仕事やら用事やら約束やらがびっしり詰まり、まったくブログが書けないまま来ております。
明日も昼夜とアポが入ってしまい、翌日の金曜はようやく、昼間はかろうじて時間が取れるかな…という感じ。
でも、それってもう第2戦の前日ではありませんか。
いや、それでも金曜にスケアメの記事をアップしようと思ってはいるので、とりあえずお知らせしておこうと思います。
男子フリーがあまりにも感動的だったので、書き記しておきたい!という思いがあふれています。

悲しい&むなしい病だった昨今。
まず徳島へ連れ出してくれ、たっぷり楽しませてくれた友に感謝。
そして、涙するほどの感動をくれたスケーターたちに感謝です。

徳島・貞光の「二層うだつ」。
江戸期の、江戸からは遥か離れた地域の沽券と、粋と、美。
それがこんなふうに残っていることの奇跡。
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# by higurashizoshi | 2016-10-27 01:44 | フィギュアスケート | Comments(2)

倉敷へ

悲しみというものは、薄まっていくのではなく沈殿していくものなのだと思う。
自分のうちがわへと静かに深く。
そして、その沈殿した悲しみをかき乱してしまわないように、そっと日々を暮らす。
注意ぶかく、そっと。

倉敷へ行った。
友だちが、句と写真の展示をすることになり、それを見に。
彼女は、私にとって大切な縁でむすばれた人。そしていつしか、彼女自身が私の大切な友になっていた。
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友だちにとって、ずっと念願だった展示。それを、縁あって仲間を得て、「二人展」という形で実現させた。
ちいさな会場いっぱいに、あたたかく澄んだ空気がみなぎっている。
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一枚一枚の写真に、ひとつひとつの句に、彼女のこれまでの道のりが、その実りが、つつましく美しく光っている。
うれしくて、せつなくて。
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彼女とごはんを食べに行った、竹林を前にしたオープンカフェ。
これも偶然、昨秋亡くなった父と縁のある場所なのだった。
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倉敷の町と、友との時間。
心がゆっくりほどけたり、むすぼれたり。
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ともしびのように、ちいさくともずっと輝きつづけるもの。
そんな大切なものを抱いて、家路についた。
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# by higurashizoshi | 2016-10-13 17:01 | 旅の記録 | Comments(0)

別れ

9月11日、家族として10年間ともに暮らし、たくさんの幸せをわが家にくれたきみは、永遠に去った。
路上にいた小さなきみを、どきどきしながら家に連れ帰った日。
家じゅう爪とぎで傷だらけ、カーテンはずたずた。
それでもきみはかわいくて、かわいくて、かわいかった。
あまえんぼうで、食いしんぼうで、ひたすらに気のいい性格。
弟分が突然家族に加わったときも、嫌な顔ひとつせず、
おおらかにうけいれてすぐ仲良しになった。
この家にたくさんの嵐が吹きあれた日々も、
涙した夜も、笑いころげたときも、きみはそばでのんびりしてた。
そろそろおじさんになってきたね、なんて言われながら、
ふくふくの体を横たえてあいかわらずのんびりしてた。
誰もきみとの別れが迫っているなんて思いもしなかった。

あんなに食いしんぼうだったきみが何も食べられなくなり、
小さな胸に水がたまり息が苦しくなって、
一度はだいじょうぶと思ったのに、また苦しくなって、
坂道をころがりおちるように、たった2か月。
戦い抜いて最後の息を吐いて、きみは動かなくなった。
やせおとろえて小さくなったきみの体。
だけどやっぱり、きみはかわいくて、かわいくて、かわいかった。

もっと生きられたはず。
せめてあと少し生きのびられたはず。
悔いと悲しみでちぎれそうになりながら、9月13日、きみの体と別れた。
きみの体は10年を過ごした家を出て、ひとかたまりの骨になって帰ってきた。

ちゃー、きみのいなくなった家で、
残されたくーは、何だかあまえんぼうになったよ。
きみのいなくなった家は、がらんとしていて、しずかだよ。
ありがとう、ごめんね、忘れないよ、
そんなことばを何度も言ったけど、言うはしから消えてしまう。
きみが消えてしまったのと同じように。

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もう二度とない、ささやかなあたりまえの時間。
ちゃー、きみといて、私たちはとっても幸せだったよ。幸せだった。
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# by higurashizoshi | 2016-09-22 22:49 | 雑感 | Comments(6)

嵐のち晴れ

いつもは「もう、やめとき」というくらい食欲旺盛なうちの息子(茶色くて四本足)。
異変が始まったのは2週間ほど前だった。…ん?あの子がなんだかこのごろあんまり食べない?
でも、うちは四本足の息子が2人いるので、ごはんをどちらが食べたか判然としないことが多く、なんとなく見過ごしていた。
と、みるみるうちに明らかに食欲が落ちて、びっくりするほどやせてきた。
いつもは、食卓の上で寝ていたら思わず「いただきまーす!」とみんなが言うくらい、ふくふくまるまるしてるのに。そしてとにかく元気がない。のっそり、しんどそうに動いている。なんだか息も速い気がする。これはおかしい、どう考えてもおかしい。

急いで動物病院に連れていって検査してもらったら、なんと胸水が330mlもたまっていた。そのせいで肺が小さくなるくらい圧迫されて、相当苦しい状態になっていたので食欲もなくなったのだろうとのこと。
胸水のたまった原因は、今のところはっきりしないのだけど、抜いた水分にリンパ球が多いので、どこかに腫瘍ができている可能性もあるそうだ。半日入院して、毛も四角く剃られて、あばらの間に針を刺したままの状態で帰宅。
胸水を抜いて楽になったかと思いきや、まったく食べず飲まず、ひたすらぐったりと横になったまま。この数日の間にたちまち背中が骨ばり、ふわふわの毛もガサガサになり、「あーこれはまずいな」という、見るからにまずいなという状態に突入した。

とにかく食べないと死ぬ。飲まないと死ぬ。胃腸に問題はないようなので、入れれば食べられるはず。
というわけで、病院でもらった高カロリー療養食と水を、注射器で口にねじこむという戦いが開始された。
絶対に食べさせる!というこちらの迫力と、ぜったいこんなもん食べんぞ!という息子の固く閉じた口。がっちり羽交いじめにして、なにくそとその口をこじあけて注射器を突っ込む。敵は決死の力であばれまくる。そのへんにレバーペースト状の療養食が飛び散るわ、せっかくぶちこんだ貴重な食べ物を吐き出すわで大混乱。
出すなら入れてやるとばかりに注射器を持って追いかけまわす私。ヨロヨロと逃げまどう息子。食べものだけでなく、さらに口をこじあけて薬も飲ませにゃならん。苦しいときにこんな嫌な思いさせたくないと思いつつ、半泣きでそんな戦いを何度も繰り広げた。

病院にも連日通って、レントゲンで胸水や肺の様子を見てもらい、いろいろと検査もした。諭吉が隊列を組んで出ていくのを見送り、軽いお財布を胸に、重いケージを車に積んだ。運転中に浮かぶのは「ネコの葬式はどこに頼んだらいいのだろう」などという、例によって悲観的な考えばかり。夜眠っていても「今、息が止まってるんじゃないか」と夢の中で思っては飛び起きて、忍び足で様子を見にいく繰り返し。娘たちもひどく心配していたが、彼女たちは今猛烈に忙しくて世話をしている余裕がない。

胸水がたまらなくなって思いがけずすんなり針がはずれ、それでもぐったりは続き、丸一日たった。
そのとき初めて、手のひらに乗せた流動食を、やわらかい舌でぺろ、となめた。あたたかい舌の感触。
なでてさすって、それから何とかさらに食べさせようとあれこれ手のひらに載せた。「あんたはチャングムの王様か…」と言いつつ、これがお口にあいますか、それともあちら?と奉仕これ務め、もちろんそれだけでは足りないので王様タイムが終わるとまた注射器で療養食を口にぶちこむ、という高度なプレイの連続。
そんなこんなの毎日を過ごすうち、ガサガサだった毛がまた少しずつふんわり、つやめいてきた。
階段を少しずつ、またのぼれるようになった。お皿から食べものを食べた。水を自分で飲んだ。ひとつひとつがきらきらして見える。深呼吸を忘れていた身体が、やっとたくさんの空気を入れられるようになった気分だ。
ああ、もう大丈夫だ、と思うまでに長い長い時間が経った気がした。

原因によっては、また胸水がたまる可能性もあり、油断はできないと言われているけど、ともかく今は、こんなに元気になりました。
あさってから例年通り、被災地の子どもを招くキャンプが始まり、私は怒涛の12日間に突入する。その前に回復してくれてほんとによかった。しっかり働いてくるよ。もう、ごはんはちゃんと自分で食べるんだよ。
(すっかり口が肥え、前にもまして甘えん坊になってる息子近影)
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# by higurashizoshi | 2016-07-27 01:41 | 雑感 | Comments(4)

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明石であそぼう! たこ焼...

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