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ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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全日本フィギュア2013 振り返りその1

いやー遅くなりましたが、全日本選手権の振り返りをしたいと思います。
もう振り返ってる余裕がないくらい年末が迫ってるんですけど…(あせあせ)

どれだけの方がこれ読んでくださってるかわかりませんが、自分なりに整理しておきたいというのもあって、ざざざーっと(といってもまた例によって長くなるんだきっと)いきたいと思います。おつきあいくださいませ。


まずはカップル競技から。

なるちゃんと龍一くん。
日本のシニアで唯一のペア、高橋成美・木原龍一組。
全日本フィギュア2013 振り返りその1_d0153627_0315789.png

なるちゃんは昨年までカナダのマーヴィン・トラン選手と組んで、まさに世界のトップの一角に躍り出ようとしていた。その矢先、トランくんとのペアを解消。
そしてサプライズ人事。それまでシングル選手として全日本の常連だった木原龍一くんがいきなりペアの相手として発表された。
何があったのかはわからないけれど、新たに団体戦が加わったソチ五輪が迫ってきたことと、当然無関係ではなかっただろう。

カップル競技の選手人口があまりに少ない日本。欧米なら子どものころからペア選手として鍛錬を積むものを、龍一くんのように成人してから突然、女性をリフトしたりスロージャンプさせたりなんてできるものなんだろうか?と、最初は半信半疑だった。
身体も大きくて筋骨たくましい欧米のペア男子選手に比べて、龍一くんはいかにも今どきの日本の若者らしくほっそり、すんなり。
全日本フィギュア2013 振り返りその1_d0153627_0384050.png

で、ペアを組んだのが今年1月で、たった一年足らずでグランプリシリーズに出場して一定の評価を受けるまでになっているのだから、以前のキャリアを捨てて臨んだなるちゃんの苦労ももちろんのこと、基礎からここまでたたき上げた龍一くんの努力はどれほどすさまじいものだったかと思う。
今回の全日本では戦う相手はいないものの、懸命の演技を見せた二人。
まだまだたくさんの課題はあるけれど、ソチの団体戦出場も決まり、これからさらに技術や調和力は伸びていくと思う。(今回のフリー「レ・ミゼラブル」の動画はこちらをクリック



アイスダンス。
ご存じリード&リード組がもちろん一位。
ほかにもいるの?と言う方も多いと思うが、今回はペアとは違ってシニアのアイスダンスには計4組も出場していたのですよ。まだ十代の組もいるのだから頼もしい。
日本でもカップル競技が少しずつ広まっていってほしいなと切に思う。
全日本フィギュア2013 振り返りその1_d0153627_0335081.png

リーズに関しては、クリスの足がやっぱり心配だけれど、一時ほど深刻ではない模様。
ソチまでさらなる故障がなく、2度目の五輪で力を出せますように。
(今回のフリー動画はこちらをクリック




全日本選手権、男子シングルの表彰台。

1位は羽生結弦選手、2位が町田樹選手、そして3位は小塚崇彦選手。
全日本フィギュア2013 振り返りその1_d0153627_0391736.png




羽生選手。
圧倒的に強かった。
フリーの4回転サルコウの失敗以外、目立った傷はなく、ショート・フリーともに徹底的に高得点を叩き出し、疾風のように金メダルをさらったという印象。

ショート、2シーズン目の「パリの散歩道」。
開始前、位置につく直前に彼は「ふっ」と笑った。
ここで笑う?この苛烈な全日本のスタート位置に立って?
「すごく緊張していました」とあとでインタビューで言っていたけど、到底そうは見えなかったぞ結弦くん。
あの「ふっ」を見た瞬間、こやつは怪物並みだなと改めて思った。
演技が始まってから終わるまで、本当に軽々と、楽しんでいるように見えた。
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結果は、ついに出ちまった!の100点越え。国内大会とはいえ、なんでこんなに結弦くんはジャッジに点を出させてしまうんだろう?
なんだか、どんな高得点が出てもすでにこちらもびっくりしなくなっているのだった。(動画はこちらをクリック


フリー「ロミオとジュリエット」。
冒頭の4回転サルコウはまたも転倒。悔しいだろうな。しかし《悔しい》の次元がほかの選手とは違いすぎる。
4回転もトゥーループの方は大丈夫、3回転は鬼門のルッツもまずまず、それ以外のジャンプは失敗する気がまったくしないという状態。
それにしても相変わらず、ジュリエットはどこよ?きみほんとにロミオなの?
力いっぱい、という迫真の感じは十分伝わってくるものの、何に向けて力いっぱいなのかはよくわからないのだった。どう考えても恋してない。いつになったら恋するんでしょ。
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しかし結弦くんはジャンプも美しいがスピンも美しいなあ。
手足が長くて顔が小さくて首が長くて、こんなにジャンプもスピンも美しい選手が日本に出てくるとは隔世の感あり(しみじみ)。
などと感慨にふけっていたら、やっぱり出た驚異の得点が。
合計得点は297.80。あと2.2点で300点~。たったひとりで別の山にさっさと登頂終了してしまいました。
もはや他選手の結果を見るまでもなく、この時点で結弦くんの全日本連続優勝とソチ代表一番乗りは決定したのだった。強いー!強すぎるー!(動画はこちらをクリック




2位に入った町田樹選手。
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結弦くんとはまた別の意味で、まっちーは強かった。今季ずっと強いが、この全日本は盤石に強かった。
まっちーのすごさは、自分の理論を構築していって4回転を完全にものにしたこと。
そして、自分のこだわり、自分の表現方法を確立し、その世界観を提示できること。
どちらも、2シーズン前までは考えられなかった激変だと思う。
もともと、自分の演技にとてもプライドを持った選手だなとは思っていたけれど、ここまで短期間に、ここまでの高みまで駆け上がってくるとは、正直まったく予想してなかった。
このところのまっちーを見ていると、自分の世界を強固に持っていることが、ひとりよがりでなく、表現者としての評価につながっていく過程を見ることができて本当に興味深い。
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そして今回の全日本では、「ソチに行くのは自分だ」という高らかな宣言を放っておいて、その重圧にショート・フリーともに打ち克ったこと。
参った。いや参りました。あなたの強さは本物です。
同郷の憧れだった大ちゃんの遠い背中をひたすらに追いかけていた日々は、もう完全に過去になったね。
だってフリー終了時点でその大ちゃんをしりめに、ソチ行き2番乗りをほぼつかんだのだから!
(ショート「エデンの東」の動画はこちら。フリー「火の鳥」の動画はこちらをクリック。強いです!)



3位、小塚崇彦選手。
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ショートでの順位を守り、堅実にジャンプを決めていって銅メダル。
それは昨シーズン後半から股関節の不調に泣いた小塚くんにとって、本当に大きな成果だったと思う。
完治には手術が必要といわれながら、五輪シーズンのために手術をせず、痛みとつきあっていく選択をした彼。ようやく痛みが少なくなって、練習を積んで、グランプリシリーズでは思うように出せなかった結果をこの全日本で出した。本当に立派だった。
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持ち前のなめらかで美しいスケーティング、派手さはないけれど音楽に調和した端正な演技。高得点が出たフリーのあと、ひさびさに明るい笑顔を見せたインタビューで「あとは吉報を待つだけです」と言った小塚くん。
この時点では、彼は全日本3位に入った自分が、ソチの代表に選ばれるはずと考えていたのだと思う。不調からの回復は、ぎりぎり間に合ったと。
(ショート「アンスクエア・ダンス」の動画はこちら。フリー「序奏とロンド・カプリチオーソ」の動画はこちらをクリック)



4位、織田信成選手。
競技人生のラストと決めた今シーズンの織田くんのテーマは、「ショートもフリーも笑顔で終わること」。
洒脱で楽しい雰囲気のショートプログラムと、勇ましく爽快感のあふれるフリー。最後のシーズンに、とても織田くんらしい素敵なプログラムをそろえたと思う。
でも今回は、ショートの方は笑顔で終わるというわけにはいかなかった。3つのジャンプのうち、コンビネーションジャンプの二つ目をつけることができなかったからだ。ミスの許されないこの全日本のショートで、これは決定的なことだった。(ショート「コットンクラブ」の動画はこちら
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結果からいって、この痛恨のコンビネーションの失敗が織田くんをソチの代表争いから遠ざけてしまった。
すばらしい出来だったフリー。もしショートでコンビネーションを跳べていたら…。勝負の世界は本当に過酷だ。
競技生活最後のフリープログラムとなった「ウィリアム・テル序曲」。最後のコレオシークエンス、満場の手拍子に乗って最高の笑顔で滑り切った織田くんの姿はずっと記憶に残ると思う。(フリーの動画はこちらをクリック
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やっぱり長くなったので、今日はここまで。
次回、5位の高橋大輔選手と、そのほか特筆したい男子選手について書きます。
by higurashizoshi | 2013-12-28 01:01 | フィギュアスケート

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