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ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
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キムチを刻みながら

自家製キムチのその後をいうと、無事に漬け込んで発酵もすすんで、おいしく食べることができた。ただし、キムチ屋さんのキムチにはぜんぜん届かない。何がちがうのかよくわからないのだけど、私が漬けたのは「キムチ味のしみた白菜漬け」みたいな感じで、あの本格的な濃さというか深みというか…がないのである。ちょっと悲しい。
でもまあ、めげずにまた挑戦してみよう。

このところ毎日、テレビでパラリンピックを見ている。
車いすバスケットや陸上競技など、ふだん見られないダイナミックなスポーツでほんとうにおもしろい。もっとじっくり試合を見たい! と思うのに、いつもダイジェストばかりで物足りないのが残念。
車いすテニスで世界ランク一位が日本人選手なんだ、とか、ボッチャというかわいい名前のカーリングに似た競技を初めて知ったり、手足のない選手たちが鍛え上げた筋肉で泳ぎ、走る姿に「すごい!」とくぎづけになる。

メディアでの、パラリンピックの取り上げられ方は確実に変わってきているなあと思う。《障害を乗り越えてがんばる人々》を健常者目線で応援しましょうという感覚から、障害者スポーツという、ひとつのジャンルとしてとらえる方向へ。
私も、じっさいにパラリンピックの競技を目にして初めて、スポーツとしての質の高さに圧倒されたし、人が自分の機能を最大限まで高めて動くことのすごさに、素直に感動した。メディアで、美談ではなくスポーツとして取り上げられることが増えていけば、私みたいにその魅力に夢中になる人は、確実に多くなっていくだろう。

ただ、気になるのはやたらにメダルの獲得数がうんぬんされて、どんどんオリンピックに近づいていっている気がするところだ。オリンピックと同等のところまでパラリンピックの地位を引き上げたいというのが、障害者スポーツにたずさわる多くの人の願いだというのはよくわかる。それは当然の願いだと思う。でも、オリンピックそのものは何ひとつ変化のないまま、パラリンピックがそこへ追いつくしかないという図式が、なんだかおかしく思えるのだ。
それでなくても、この前までのオリンピックの盛り上がりを見ながら、メダル、メダルと躍起になりすぎて、大切なことが置き去りにされていくような違和感がいつもつきまとっていた。メダルを獲れば大げさに騒ぎ立て、獲れなければ切り捨てていく風潮がますます強くなっている気もする。私の嫌悪する「勝ち組、負け組」ということばが、頭で点滅する。

頂点をめざすのがスポーツなら、逆に結果がどうあれ、自分の限界と対峙し挑戦する姿勢そのものが尊ばれなければいけないと思う。
結果だけが特権に結びつくのだとしたら、スポーツは人々の夢やあこがれを乗せるものではなく、単なる羨望の装置に過ぎなくなる。だから結果を出せなかった選手やチームは、羨望の裏返しとしてバッシングにさらされることになる。
そういう光景をいやというほど見てうんざりしているだけに、パラリンピックの今後はとても気になる。パラリンピックが変化していくのなら、オリンピックもまた変化していくのが自然で、その両方が歩み寄っていつかほんとうに対等な関係になる…そういう時代はくるのだろうか。自家製キムチの最後のひと束を刻んでチャーハンを作りながら、ちょっとした夢想のように、そんなことを考えていた。
by higurashizoshi | 2008-09-15 13:45 | 雑感

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