ひぐらしだより


人生はその日暮らし。  映画、アート、音楽、フィギュアスケート…日々の思いをつづります。
by higurashizoshi
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

帰ってきました

福島の子どもたちを招く2週間の保養キャンプが終わって、今日で5日。
ようやく、終わったんだなあという実感と、日常に復帰した現実感がわいてきた。

キャンプまでの準備も加速度的に忙しかったが、実際のキャンプ期間は一部の隙間もない多忙さだった。
去年の経験で覚悟はしていたとはいえ、今年は泊まりも数回入れたので本当にみっしりだったなあ…。

毎朝ワークパンツのあちこちのポケットにデジカメと消毒薬と虫さされの薬とばんそうこう、はさみに輪ゴムにテープにペン、そしてしばしば動画用のカメラも持ち、子どもたちの動きにつれて走り回っていた。
去年は主にお母さんたちとのかかわりが多かったのが、今年はそれに加えて子どもたちとずいぶん仲良くなったのはとてもうれしくて、何人もの子との他愛ないおしゃべりがほんとに楽しかった。どの子もかわいくて、じっくりと話をする時間がもっとほしかった。

スタッフは子ども担当、生活担当、食事担当などに分かれていて、それぞれの現場で皆フル回転で働いているのだけど、私は事務・ブログ担当兼記録係という立場なので、現場では《何でも屋さん》になる。
ブログ用に写真を撮りまくり、記録用に動画を撮りまくりながら、子ども担当や生活担当の手助けに回る。子どもの傷の手当てもするし、子ども同士のケンカの訴えも聞くし、熱が出た子を病院に連れて行ったり、その日のボランティアさんの受付をしたり、時にはメディアの取材対応に回ったりと、ある意味雑然と、ある意味中途半端に現場にかかわることになる。
そして夜はパソコンにその日の大量の写真を取り込んでブログの更新作業。不器用で、変なところにこだわるので、これがまたえらく時間がかかる。
去年もそうだったように、キャンプ開催中のブログは「ああこの写真も入れたい」「この子があんまり写ってないからこれは入れたい」「ここはこの順番」「説明足りない」等々…ドンドン写真と文の数が増殖し、労力もボリュームもうなぎ上りになっていくというお約束の現象が起きて睡眠時間が削れていく。しかしアドレナリンが出っぱなしになっているので疲れを感じないのだ…。

今回のブログ作業の天王山は、途中明石から兵庫県の奥の佐用町にキャンプが移動し、私も泊まりで行っていた間のこと。宿泊地の電波が弱く、パソコンを持ってあちこちさまよいながらブログ更新をしたという初めての経験。ほかのスタッフにもずいぶん助けてもらったし、地元の方にもすごくお世話になった。
正直、今回はスタッフの中で自分の立場のあいまいさを考えたり、去年はなかったような多少の軋轢などもあって、特にキャンプ後半は気持ちの上で重い部分もあった。だから晴れ晴れとキャンプを終えた、というのとはちょっと違うのだけど、去年の熱気と悲壮感に満ちた感じとは違い、今年のキャンプ終了は「来年また会おう!」と子どもたちやお母さんたちと笑顔で別れる幕切れになった(とはいえ、最後はやっぱり泣いてしまいましたが…)

今回見ていて気になったのは子どもたちの体力、抵抗力が落ちている実感があったことで、疲れやすかったり、日焼けや虫さされなどが予想外に重症化したり、鼻血がしばしば出たり、すぐに熱中症気味になったり…。
日ごろ外であそべない現状を考慮しても、どうしても全体的に免疫力が低下しているのではないか、という気がしてしまう。去年も参加していた子が多かったので、去年と比較しての変化が感じ取れて、そのことがずっと胸にささっている。

キャンプ中、子どもたちは川に飛び込み、虫とりに走り回り、きれいな石を集め、セミの抜け殻を集め、草原を転げまわってあそんだ。
子どもにとってあたりまえのその行為はすべて、今の福島ではできないこと。
それをもう子どもたちもしっかり自覚していて、「帰ったらまた家の中であそぶんだよ」「外行くときは自転車から降りないで、全速力で行く」「明石では草取ってもいいんだよ。土さわってもいいんだよー」と言う。
まさに異常が日常になっている子どもたちの今。みんなその中で生きている。これからも育っていく。
「ただちに人体に影響はない」「原発事故の直接的影響での死者はひとりもいない」「原発は日本の経済発展に不可欠」。
そう言ってのける大人は、この子たちのふるさとでの毎日を見つめたら、どう感じるのだろう。放射線管理区域内に匹敵する放射線量があちこちで測定される地域で、ふつうに暮らす子どもたちの。

きらきら光る子どもたちの笑顔が、今も目の前にある。
保養キャンプを続けていくことは、あまりにも小さな歩みを、とても必死の労力で続けていくこと。
大きなプロジェクトを動かすのは特別な人間たちではない。
うまくいかなくて焦ったり、お金がなくてへこんだり、いろんな考えの違いをすり合わせたりして、みんな、よたよた、でこぼこしながら歩いていく。
理不尽に対する怒りも、疲れて陥る虚しさも、いくつも飲みこみながら。
たぶん誰のためでもなく、自分のためにやっているんだよね、とつぶやきながら。
もう来年の計画を始めている、めげないスタッフの中に私もいる。


***
…なんてカッコいいこと言ってて、キャンプ明けに実家に立て続けに行ったら別の現実にぶちかまされました。
キャンプも楽じゃないけど、日常も楽じゃない。
そこを何とか、生きていくのだな。



8月1日、佐用の空。
d0153627_14315645.jpg

[PR]
by higurashizoshi | 2012-08-15 14:45 | Comments(4)

フィギュアスケート国別対抗戦 (その2)

国別対抗戦、アイスダンスはトップ争い2組以下もきらびやかなラインナップだった。
女性が鼻を骨折していたにもかかわらず手術を延期、世界選手権に続き銅メダルとなったフランスのナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ。
ベテランながら今一歩のところで世界のトップの中に入れずに来た彼ら、今シーズンはヨーロッパ選手権でついに金メダル、そして世界選手権でも悲願の表彰台に立った。
d0153627_2354186.jpg

ジュニアからシニアに上がって2シーズン目にして早くもロシアのトップカップルになったエレーナ・イリニフ&ニキータ・カツァラポフ。
ソチの星、とロシアで期待される若い二人。まだまだ荒削りだけれど、才能・容姿ともに恵まれたスケールの大きなカップルで、これからが楽しみ。
d0153627_0464350.jpg

そして私が大好きなカップルのひとつ、イタリアのアンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ! とにかくキュートでなめらかで、この二人の滑りを見ると幸せな気分になる。フリーダンスの「道」はオリジナルとは別の一編の映画を観るようだ。
d0153627_011451.jpg

世界選手権4位だったカナダのウィーバー&ポジェ組の、今シーズン一番感動的だったプログラムがここで見られなかったのは残念だけれど、世界のトップカップルを詰めこんだ豪華幕の内弁当のようなぜいたくな国別対抗戦だった。

そして幕の内弁当の中ではとっても目立たないところにいたけれど、書いておきたいのはリード組のこと。
弟クリスがNHK杯のフリー直前練習中に、アメリカのカップルと激突。右足指を裂傷、骨折する大ケガを負った。この負傷はなかなか完治せず、その後の今シーズンの試合は次々欠場、全日本にも出られなかった。ようやく出場した世界選手権も、やはりケガが響いてフリーダンスに進めず終わった。
今もクリスは治療途中、痛みとの戦いが続いているというのに、さらに国別対抗戦に出場したリード組。本人たちの意向とはいえ、その一番の理由は、要するに彼らが欠場したら代わりになるカップルが日本におらず、国別対抗戦への出場を日本チーム全体が棄権することになるからだ。
d0153627_058646.jpg
クリスとキャシーの滑りはエネルギッシュで、特にフリーダンスはとても素晴らしかった。
でも演技直後にクリスが顔をしかめ、右足を引きずりながらキャシーに支えられてリンクを降りる姿はなんともいえず痛々しかった。
NHK杯でクリスと衝突したのが、私が特に好きなリン・クリンクライラット&ローガン・ジュリエッティ=シュミット(名前が長い!)というアメリカのカップルだったので、余計に複雑な気持ち。彼らはその後クリスのケガをとても心配しているというが…。
直前練習はシングル選手同士でも時には事故が起きるのに、リンクに同時に5組も入るカップル競技は本当に危ない。何とかやり方が変えられないものかと思う。

そして今回のクリスのけなげすぎる努力を目の当たりにして、ソチ五輪から始まる団体戦への懐疑的な気持ちはいっそう強くなった。
個人競技ならば責任はその選手が負えばいい。とはいえ、それでもオリンピックとなれば国を背負って出場しているという重責がある。それが団体戦となれば、選手にかかる負担は今よりどれほど重くなることか。私には、フィギュアスケートという競技にそうした形がそぐうとは思えないし、そんなふうに選手への負担が増すことでフィギュアスケート競技全体の質が高まるとも思えない。むしろ逆なのではないか…と思う。

うーん一体誰が団体戦の導入なんてものを推進したんだろう?
躍進著しいペアの高橋成美&マービン・トラン組も、トラン選手が日本国籍を取る方向に動くと報じられている。ごく若い時期の競技生活のために、後戻りのきかない一生の選択をすることになるわけだし、それが日本のメダル獲得(特に、団体戦も含めた)のためだとしたら何だかすごくモヤモヤするなあ…。私がモヤモヤしたってしょうがないけど…。

今シーズンの競技の見納めとなったこの国別対抗戦では、男子では高橋大輔選手のショート・フリーとも最高の演技が観られた。世界選手権でも凄かったのに、その後の試合でここまで完璧に、いやむしろさらに進化したプログラムを見せてもらって正直、ボー然としてしまった。
解説の佐野稔さんが、
「ショートも完璧、フリーも完璧、来年どうすんのって感じですよね!」
と言っていたがまさにそんな感じ。来年これ以上のものをどんなふうに見せるつもりなんだ?と心配になってしまうほど。
ただしこの国別で、今のところ到底追い抜けない状況だったパトリック・チャン選手を上回って一位になったことについては、たぶん高橋選手本人は決して納得していないと思う。
チャン選手は明らかにジャンプが不調だったし、まさにこれ以上ないほどアウェーな環境の中での戦いで、正直、点数の出方も日本の選手に対して甘いと感じた。

ブライアン・ジュベール選手が世界選手権に引き続き好調でシーズンを終えられたのもうれしかったし、女子では鈴木明子選手がやっぱり世界選手権に続いて3回転×3回転を決めて点数的に日本チームを金メダルに押し上げた。
27歳にして進化し続けている鈴木選手、今シーズンはグランプリシリーズから始まってすべての出場試合でメダルを持ち帰っているという偉業。それなのにメディアでの注目度が低いのは本当に残念だ。彼女についても来シーズンのプログラムがとっても楽しみだし、まだまだ成長する姿が見たいなと思う。

それにしても、これでシーズンは本当に終わってしまった。
あとは秋まで、大量録画した今シーズンの競技をおさらいするか、ない財布をひっくり返してアイスショーを観に行くか、ネットで各選手の新プログラムの情報を探すか、ぐらいしかないんよねえ…。
寂しいけど、選手たちがオフシーズンを充実して過ごし(そういえば羽生くんはブライアン・オーサーにコーチ変更したという。どう変化するかな?)、5ヶ月後にまた新しいシーズンでたくさんのプログラムが観られることを楽しみにしよう。

というわけでフィギュアの話題に長々おつきあいくださったみなさんに深謝。
(とかいってまた書くと思いますが)
[PR]
by higurashizoshi | 2012-04-30 01:05 | Comments(2)

フィギュアスケート国別対抗戦 (その1)

国別対抗戦、一昨年の1回目は単なるイベントだと思っていた。いちおうISU(国際スケート連盟)公認の競技会とはいえ、日本で開催されるお祭りのような感じで、応援合戦が楽しいという印象くらいしか残っていなかった。
ところが今回の国別対抗戦はずいぶん様相が違っていて、その第一の理由は2014年のソチ五輪から、フィギュアスケート競技に団体戦が採用されることが決まったから。
つまり体操競技などと同じように、個人で争うほかに国同士がメダル争いをすることになるのだ。どうしてそういう流れになったのかは知らないけれど、愛国心の薄い私としては「国の威信をかけて」なんて言われると「もう従来の個人競技でも十分国の威信を背負わされてるのに、そのうえ?」と思ってしまう。「がんばろう日本!」って、もう十分がんばってるやん…。

ともかくもそんなわけで、今年の国別対抗戦は参加国全体がガラリと本気モードになっていて、選手も世界ランキング順にかなり正確に選ばれてまことに豪華な顔ぶれになり、しかもみんな世界選手権後の疲れもあるだろうに、相当ハイレベルな戦いを繰り広げてくれた。
実はこの時点でまだ世界選手権のアイスダンスを全部観終わっていなかった私。前にも書いたように実際の競技がおこなわれたのが3月26~28日。だのにJ-PORTS4での初放映は4月17日。ペアも同様の扱いで、いかに男女シングルばかり偏重されているかよくわかる。
まあ、日本のアイスダンスカップルで国際試合に通用するのはリード姉弟の一組だけ、ペアでは高橋成美&マーヴィン・トラン組だけ…という実情があるので、視聴率だけ考えたらある程度仕方ないところもあるが、カップル競技の面白さ、特にアイスダンスの芸術性や美しさなど、あんまりにも日本では知られてないのが残念すぎる。

で、ようやく4月17日からの世界選手権アイスダンスの放映をともかく録画して、ところが忙しくてまとまった時間が取れない、コマ切れに観るのは絶対イヤ、お母さんだけ先に観ないでね、あんたも抜けがけんといてや、とかまあ家族の事情なんかもあって、しかもそんだけ実際の競技から日がたってたら、もはや順位も結果も知ってしまってますやん。臨場感、ないよなあ…というわけで延び延びになり、あれ?と気づいたら国別対抗戦の日になってしまっていたというわけ。

国別対抗戦に出場したアイスダンスカップルは、カナダ、アメリカ、フランス、イタリア、ロシア、日本からそれぞれ一組ずつ。世界ランキングでその国の最上位のカップルが出場しているので、日本(リード姉弟は残念ながらランキングは低い)以外は世界のトップぞろい。今回の世界選手権での金メダルから順に6位まで(4位のカップルは1位と同じカナダなので出ていないが)のカップルがずらっと顔をそろえるという豪華さ。
特に今、熾烈に世界一の座を争っている2組、カナダのテッサ・バーチュー&スコット・モイア組とアメリカのメリル・デイビス&チャーリー・ホワイト組が世界選手権に引き続きトップ争いをすることになった。
完璧なユニゾン(二人の調和)と細部まで音楽を表現する芸術性、そしてノーブルな美しさと気品をあわせ持ったバーチュー&モイア。
d0153627_156888.jpg

一方、スケート靴にエンジンがついていると評されるほど、驚異的なスピードとアスリート魂でアイスダンス競技の概念を塗り替えつつあるデイビス&ホワイト。
d0153627_0433685.jpg

バンクーバー五輪でバーチュー&モイアが金メダルを獲ったとき、デイビス&ホワイトは銀メダル。そのあとテッサ・バーチューの手術によるブランクの昨シーズン、デイビス&ホワイトはすべての試合で勝って勝って勝ちまくった。

テッサが復帰した今シーズンは、再びトップ争いが始まったが、それまで必ずバーチュー&モイアが上を行っていたジャッジの評価が、試合ごとに変化するようになった。表彰台の一位と二位を両カップルが行ったり来たりが続き、そして世界選手権での結果は総合4点差でバーチュー&モイアが金メダル。
今のところ、やっぱりまだわずかにバーチュー組が実力で上回っているなと思う。でもデイビス組もさらに技術力を高め、魅力的になってきているので、これからどうなるかは本当にわからない。

そしてこの2組のカップル、同じコーチ、同じコリオグラファー(振付師)、そしていつも同じリンクで練習しているチームメイトなのだ。
毎日同じリンクで顔を合わせ、談笑するカップル同士が世界一を争っているという、ちょっと信じられないような光景。上達しても、調子が悪くても、お互いすぐにわかる。そしてチームメイトとしては助け合う関係。それぞれの心の内にはどんな思いが交錯しているのだろう。
d0153627_050518.jpg

私はどちらかといえばバーチュー組が好みで、特にバンクーバー五輪のフリーダンス(マーラーの『アダージェット』)の美しさは忘れられない。デイビス組は芸術性よりも、これぞアスリート!というべきパワーに圧倒される感じだった。
でも今シーズンのデイビス組は「こうもり序曲」で素晴らしく美しい滑りを見せたし、絶対に世界の頂点に上りつめるのだという殺気(?)すら感じる(特にメリル・デイビスの戦闘的なことといったら!)、そこがスリリングで魅力的。
逆にバーチュー組の今シーズンのフリーダンスは映画「パリの恋人」を氷上に再現したプログラムで、技巧を凝らした玄人好みの構成、相変わらず完璧な仕上がり…とはいえ、私はこういうオリジナリティのないプログラムはあまり好きではなくて、「もっと別のプログラムが見たい!」と思ってしまった。

結局、国別対抗戦の結果では、世界選手権とは逆にバーチュー組が銀、デイビス組が金メダルとなった。今シーズンで忘れられないのは世界選手権で2位に終わったときの、自分たちの得点を食い入るように見るメリル・デイビスの、冷徹で、さらに戦闘的な表情!
やっぱり闘う女はこうでなくっちゃ。ふだんの楚々とした風情のメリルとのギャップが素敵である。

(つづく)
[PR]
by higurashizoshi | 2012-04-27 00:52 | Comments(0)

新聞の束

3月に入り、おひなさまを出す余裕もなく
「旧暦でいこ、ひな祭り(今年もまた…)」
とひと月のばしにして、バタバタと毎日を過しながら少しずつ少しずつ、11日が近づいてくるのを感じている。

一年前の3月12日からの新聞を、どうしても整理することができなくてずっと置いてある。確か6月ごろまでの、うず高い新聞が、ずっとキッチンの一角にある。

一年目の震災の日をどう過ごすか、考えていた。
前日には神戸で脱原発のアクションがあり、それには行く。
当日は大阪で一周年の大きなイベントがある。それも大切だけど、できればこの日は静かに、黙祷する気持ちを第一にして過ごしたい。
同じ思いの友人と一緒に、こちらに母子避難している福島の方たちにも声をかけて、明石で小さな集いをすることになった。

11日が近づいてきて、テレビでもたくさんの特集やドキュメンタリーが放映されている。
これまで、原発関連のもの以外、特に津波の被害についての生々しい報道はあまり観ずにきた。避けていたところがあった。なにか、自分の中でとても受けとめ切れないと思っていたのだ。受けとめる覚悟のない自分が、軽々しく映像を観てはいけないと感じていた。

でも、この数日立て続けに、津波にあった人びとのドキュメンタリーを観ている。
どうしようもない、圧倒的な無力感。
津波そのものの巨大な力に対しての。そして、避けられたかもしれない死についての。
人間の営みの、あまりのもろさ。一瞬の判断が分ける生と死を、どう理由づけられるのか。
そしていつも思うのは、もしも私がそこにいたら、自分の子どもたちがそこにいたら、ということ。
けれど、私はそこにいなかった。子どもたちも、そこにいなかった。
だからこの自分勝手な無力感と、きちんと向き合う必要がある。

11日の前に、新聞の束を開いてみようか。避けることなく、一年前のあの時間へさかのぼってみようか。
そう考えている。


d0153627_229273.jpg
[PR]
by higurashizoshi | 2012-03-06 22:00 | Comments(2)

シネ・リーブル通い

年末からなぜか「シネ・リーブル神戸」にばかり映画を観に行っている。

「ウインターズ・ボーン」
「家族の庭」
「灼熱の魂」

とヘヴィな作品ばかりで、次に行くのは「サラの鍵」 。

ああ、それぞれのレビューを書きたいがそれを書いている時間がない。
「サラの鍵」を観たらまた絶対にレビューを書きたくなるにきまってるが…。

福島のことと、実家と、フィギュアのカナダナショナル、ヨーロッパ選手権、ごはん作り、子どもたち。
その合間にシネ・リーブル。

ほんとうは「永遠の僕たち」も観たいんだなあ…。
原題は「Restless」。あのとき予告編を観て書いた文。日本公開になったのだ。
[PR]
by higurashizoshi | 2012-01-26 23:21 | Comments(4)

新年ごあいさつ

2012年になり、はや一週間。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞゆるゆるとおつきあいください。

とりあえず、今年の年賀状はこんなふうです。

ミミの龍
d0153627_21265583.jpg


タタの龍
d0153627_21271617.jpg


こうして今年も娘たちが、作画能力ゼロの親を助けてくれました。
感謝、感謝。

みなさんにとって、今年が和やかな温かい一年になりますように。
[PR]
by higurashizoshi | 2012-01-07 21:28 | Comments(0)

福島へ

伊丹空港から福島空港へ、1時間ちょっと。
空路を行くのはいつも不思議だ。
雲海を越えると、晴れわたった空の下に富士山がくっきりと見えた。
d0153627_21211690.jpg


子どもたちを置いてひとり家を出て、仲間とともに福島へ。
この自分を、今年はじめのころの自分が見たら卒倒するだろう。
夏から数えて4ヶ月ぶりの再会をめざして空をゆく。
[PR]
by higurashizoshi | 2011-12-19 21:25 | Comments(4)

夕食会

昨夜は明石で小ぢんまりした夕食会があった。
陸前高田のボランテイィア活動から一時休暇でこっちに帰ってきているKちゃんと、翌日香川に旅立つAちゃんの2人を囲んで、美味しい和食をいただいた。
KちゃんもAちゃんも、たこ焼きキャンプで子ども担当スタッフをした若い女性。この夏のキャンプまではほとんど会ったり話したりしたこともなかったのに、なんだかすっかり仲良しになってしまった。たこキャンスタッフ同士は、なぜかみんなそんな感じなのだ。

Kちゃんは3月の震災までボランティアの経験もなかったのに、ちょっとしたきっかけで被災地に入って以来、それこそずーっと被災地で子ども支援やがれき除去などの仕事をし続けている。その合い間にたこ焼きキャンプという地獄の(?)試練まであったわけで、ほんとうにすごいパワーだなぁと驚かされる。
Aちゃんは兵庫県内のデモクラティックスクールのスタッフをこのたび辞めて、新たに香川にあるコミュニティに行ってみることにしたそうだ。自分の内側をしっかり見つめて行き先を決めていってるんだなあと思う。

KちゃんにしてもAちゃんにしても、自分の20代を考えるとなんてすごいんだろうと思う。というより20代の私はまったくのお子ちゃまであった。思い出すとなんだか胸がちくちくする。
[PR]
by higurashizoshi | 2011-12-03 18:36 | Comments(0)

超短ひぐらし

「ひぐらしだより」なのに「日」どころか「月ぐらしだより」? …まめに訪ねてくれてる人には申しわけないなあと、それだけは「日ぐらし」思っている。

それにしてもとにかく忙しいというか、すき間がないのだ。前回「ハッピー・ゴー・ラッキー」について書いたあとも映画は観たし、展覧会も行ったし、現代詩のイベントに行っていろいろな詩人と会ったり、福島の子どもを招くキャンプ関係の会合もあったり、ホームスクーリングネットのサロンに行ったり…そしてその合い間の日はほぼ実家のケアのために埋まっていくので、結局すき間がなくなる。
昼間出かけてばかりなので、夜はせめて子どもたちと家で過ごす時間を大事にすることになり、おまけに泣く子も黙る(わが家では)フィギュアスケートシーズンに突入しているので、録画したグランプリシリーズを観まくらないといけない。

書きたいことは山ほどあるのになあ、もっとちょこちょこ文章を書けたらいいんだけどなあ…と思う。
しかし思っているだけではだめなので、ちょっとしばらくメモふうの「超短ひぐらし」をやってみようかと考えております。まあ、そんなこと言ってもできるかどうかわかりませんが、うんうん。

というわけで、とても刺激的だった「榎忠展」(兵庫県立美術館)の写真2枚。

d0153627_21424073.jpg












d0153627_21433787.jpg


















下の作品は「薬莢」。
ほんものの薬莢がすさまじい数、積まれている。
これだけの発砲、死、負傷、哀しみ、憎悪のあと。
[PR]
by higurashizoshi | 2011-12-01 21:49 | Comments(0)

《もらい泣き》の問題

この前、何かの拍子にタタが言ったこと。
「わたし、《もらい泣き》って理解できない」。
それはどういうことかと聞くと、
「共感性ってものが、あんまりないんだと思う」と言う。
タタは幼いころから感情も表情も豊かで、年齢とともに人の気持ちを推し量ったりすることもずいぶんできるようになり、親の立場から見ると、よくここまで成長したものだと思う。ただ確かに、タタの言うことはなるほどと思うところがあるのだ。
たとえば悲しい物語を読んだり観たりしても、タタは《悲しい》ということは理解できても自分が悲しくなることはない。これは小さなときからそうである。

まだタタが保育園に通っていたころ、Kちゃんという利発な友だちがいた。あるときKちゃんのお母さんが「今大変なのよ」と言う。何かと聞いたら、『かわいそうなぞう』という本(戦争末期に上野動物園で餓死させられた象の実話)をKちゃんが読み、「象がかわいそう、かわいそう」と泣きに泣いて、それから毎日そのことを思い出しては泣くというのだ。
私は「はー」と思った。私自身はどちらかというとKちゃんのようなタイプの子どもだったので、その気持ちはよくわかった。共感性の海にオボれゆくタイプだ。
そして考えてみると、タタにはそういうところはまったくないのだった。けっして自己中心的な性格だったわけではないが、タタには他者の感情に共鳴するというところがなかった。感情はつねに自分ひとりのもので、それがどのようであるかが、タタにとってすべてだった。もしその当時タタが『かわいそうなぞう』を読んでいたら、かわいそうだと涙を流したりせず、むしろ内容の悲惨さに不穏や不安を感じて、ひどくおびえたと思う。

今のタタはものすごい読書家で、いろんなジャンルの本を手当たり次第に読む。でもタタは、読書は感動のためでなく純粋に娯楽のためなのだという。だからいまだに本を読んで泣いたり動揺したりしたことはない。映画やドラマにしてもそうだという。
だからタタと「この本(映画)、おもしろかったよね」という話は共有できるけれど、「感動して泣いた」と言うと不思議そうな顔をされる。身近な人の感情に関しても、タタは笑いやイライラには共鳴するが、ウェットな部分に巻き込まれることはない。
それでも、私が落ち込んでいるとき、今のタタはときには背中をポンポンと叩いてなぐさめてくれたり、言葉で元気づけようとしてくれたりする。昔にはなかったことで、そのたびに私は感動する。たぶんタタは人生経験を積むなかで、こういうとき人は慰めを求めているとか、そういうときにはこうしてあげたらいいとかいうことを学んできたのだと思う。いわゆる共感性から発するものではなくて、それはタタの大切な経験則なのだ。

今のタタの長所のひとつは、ものごとを客観的に見られるということだ。自分のこともとても冷静に分析している。そして、
「わたしは、《もらい泣き》がわからない。どうやら大勢の世間の人と違って、共感性があまりないらしい」と気づいたのだ。こういうふうに自分をきちんと見られる15歳を私は娘ながらすごいと思うが、本人にとってはしんどいことでもあるはずだ。
私自身は、どちらかというと安易な共感性の海に飛び込んでは、人間関係の失敗やら反省やらをさんざんしてきたクチなので、常に《自分》というものを持っているタタを尊敬の眼で見てしまうところもある。でもタタにとってみれば、自分は多くの人とは違う、という自覚がはっきり出てきたこれからが、また新しい試練なのかもしれない。

この一年、高校入学を決めてから実際に学校生活がはじまり今にいたるまで、タタはずいぶんがんばっていたので、このところ少し疲れが出てきてもいる。あまり先取りして心配してもいいことはないので、さりげなくそっと見守るようにしている。
これまでにタタの心の中に繰り返しやってきた不安の嵐は、この共感性の問題ともつながりがあるような気がして、日々考えている私である。

ところで、例の虫に関してご報告。ついに真犯人(らしきもの)を発見いたしました。
それは意外にも…という話を書き始めると長くなるので、この次に!
[PR]
by higurashizoshi | 2010-10-20 23:05 | Comments(8)

フォロー中のブログ

明石であそぼう! たこ焼...

最新のコメント

Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 00:53
こんばんは。 ひぐらし..
by Disney 鴨 at 22:17
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 16:30
bikegogoyさん ..
by higurashizoshi at 16:13
こんばんは。お久しぶりで..
by Disney 鴨 at 20:57
お久しぶりです。忙しそう..
by bikegogoy at 07:10
なみさん ずいぶん長く..
by higurashizoshi at 12:52
初めまして。マリンメッセ..
by なみ at 17:22
Disney 鴨さん ..
by higurashizoshi at 23:49
こんばんは。お久しぶりで..
by Disney 鴨 at 20:03

検索

タグ

ファン

ブログジャンル

映画
ウィンタースポーツ

画像一覧